11-9.完全なる報復
■原題:Law Abiding Citizen
■製作年・国:2009年、アメリカ
■上映時間:108分
■字幕:松浦美奈
■鑑賞日:1月29日、TOHOシネマズ・みゆき座(日比谷)
■料金:1,600円
スタッフ・キャスト(役名)
□監督:F・ゲイリー・グレイ
□脚本:カ-ト・ウィマー
□編集:タリク・アンウォー
□音楽:ブライアン・タイラー
◆ジェラルド・バトラー(クライド・シェルトン)
◆ジェイミー・フォックス(ニック・ライス)
◆コルム・ミーニイ(ダニガン捜査官)
◆マイケル・アービー(ガーザ捜査官)
◆ブルース・マッギル(ジョナス・カントレル)
◆レスリー・ビブ(サラ・ローウェル)
◆グレゴリー・イッツェン(ウォーデン・アイガー)
◆レジーナ・ホール(ケリー・ライス)
◆ヴィオラ・デイヴィス(フィラデルフィア市長)
【この映画について】
かつて独立宣言が採択され、合衆国誕生の地と呼ばれる都市フィラデルフィアを舞台に、復讐のために法を破る男と検事として法を守る男、この互いが持つ“正義”のぶつかり合いを先の読めないストーリー展開と圧倒的な緊迫感で描く。
監督は『交渉人』のF・ゲイリー・グレイ。脚本は『ソルト』を手掛けたカート・ウィマー。司法にも裏切られて復讐に燃える男・クライドを、『オペラ座の怪人』『300<スリーハンドレッド>』のジェラルド・バトラーが演じる。また『Ray/レイ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したジェイミー・フォックスが、上昇志向の強い検事・ニックを演じる。
(この項、gooより転載しました)
【この映画について】(ネタバレあり)
かつて独立宣言が採択され、合衆国誕生の地と呼ばれる北米の都市フィラデルフィア。幸せな毎日を過ごしていたクライドの眼前で妻子が無残な手口で殺された。犯人は逮捕されるが、上昇志向が強く、有罪率のアップを狙う担当検事ニックの独断によって司法取引が行われ、クライドは司法取引を行わないように懇願するがニックは聞き入れずに、主犯格の犯人は極刑を免れ共犯者が極刑となる。
10年後。共犯者エイムスの死刑執行を見届けるためにニックは刑務所に赴く。しかし、そこでは前代未聞の事件が発生する。何と、本来は無痛の薬物を注入するはずのエイムスが、拘束された体をのたうち回らせ断末魔の叫びを放って絶命した。
本来の罪から逃れ、短い刑期を終えていた犯人ダービーが今度は何者かに惨殺される。クライドは自分が殺したことをあっさりと認め、家族を貶めた司法制度の不備と整備を訴える。そしてそれが出来なければ、裁判に関わった全ての人間の命はないと殺害を予告するのだった。
クライドは収監されるが、ニックの取り調べに対して、ニックがかつてクライドの家族殺害犯に対してしたように「司法取引」を求める。曰く、供述してもらいたければ要求を呑めと強要し、あらゆる理不尽な要求を突き付け、遂に、独房へと収容されるが、これこそがクライドの狙いだったとは最後に判明する。
妻子を殺した犯人の弁護士、裁判を担当した判事が次々に暗殺され始めた。ニックは、死にゆく仲間のためにも懸命に食い止めようとするが、共謀者の有無、独房からの凶行の謎さえ解けないでいた。その間にもクライドの正義の名の下に行われる復讐は続くが、クライドは刑務所にいるはずなのに、何故か人が死んでいく。共犯者が外部にいるのか?ニックにはどうしてもその謎が解けなかった。
そもそもクライドは暗殺にプロ中のプロだった訳で、刑務所にいながら暗殺をするのも朝飯前?と思いきや、彼が10年間の間に不自然に廃屋などを買いあさっていた事実が発覚し、ニックはそれをしらみつぶしにしていき、遂に、刑務所のすぐ傍の倉庫にヒントを発見。
そこにこの映画のオチがあるのだが、このオチ「アルカトラズからの脱出」の逆バージョン?とも言える。アルカトラズは島から脱出するために独房から工夫を凝らすのだが、こちらはその逆と言えば良いだろうか?
ニックがそのカラクリに気が付いたのは余りにも遅すぎた。女性市長からも檄を飛ばされ警察の威信が懸っていたのだが、何とかクライドの悪事を最後は断ち切ることに成功した。
この作品はジェイミー・フォックスとジェラルド・バトラーの絡みがウリなのだが、再三に渡って「司法取引」が話題に出てくる。日本では馴染みのない制度だが、この制度の良し悪しはさておき、クライドは司法取引によって犯人の一人が重罪を免れたことから、今度は自分がその制度を逆利用する形で、報復をするというのが全体の流れ。
犯人二人の暗殺は見事だったが、刑務所に入ってからの暗殺も市に恐怖感を与えるには十分だったが、オチを知ってしまうと「何~んだ、そういう事か」って思ってしまうけど、二人の対決と黒人であるニックが検察官としてトップを目指すには、有罪率を限りなく100%にすることが大事と言わんばかりに司法取引を行う。
アメリカの司法制度の矛盾と、黒人が出世する苦労、家族愛の強さ、家族を失った男の執念深さ、黒人女性市長が見せる威厳などが上手く表現され一つの作品としては見事だった。
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