kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『ダイ・ハード/ラスト・デイ』を観て

2013-02-26 23:47:05 | 映画・ドラマ、アクション

13-20.ダイ・ハード、ラスト・デイ
■原題:A Good Day To Die Hard
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:98分
■観賞日:2月23日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)
■料金:1,800円



□監督:ジョン・ムーア
◆ブルース・ウィリス(ジョン・マクレーン)
◆ジェイ・コートニー(ジャック・マクレーン)
◆セバスチャン・コッホ(コマロフ)
◆メアリー・エリザベス・ウィンステッド(ルーシー)
◆ユーリア・スニギル(イリーナ)
◆ラシャ・ブクヴィッチ(アリク)
◆コール・ハウザー(コリンズ)
【この映画について】
ブルース・ウィリスの出世作として知られる人気アクション・シリーズの第5弾。“世界一運の悪い男”、ジョン・マクレーンが、長年疎遠になっていた息子を救うためにモスクワへ乗り込み、またしてもトラブルに巻き込まれる姿が描かれる。監督は『エネミー・ライン』などアクションには定評のあるジョン・ムーア。
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
過去4度もアメリカ国内で凶悪テロを防いできたニューヨーク市警刑事ジョン・マクレーンは、ボヤキ交じりにモスクワへと旅立った。疎遠になっていた一人息子ジャックが、“世界で最もツイてない男”である父親のDNAを受け継いだかのように異国の地でトラブルに巻き込まれたのだ。だが“マクレーンの行く手に災いあり”の法則は今も生きていた。マクレーンはジャックと共に互いの命を守るため、数々の危機を切り抜けながら巨大な陰謀に立ち向かうことになる……。

ダイ・ハードもシリーズ化されてから25年でしたっけ?経過してますが、それでもコンスタントに製作された訳ではなくインターバルが空いていた時期もありましたね。そして、今回舞台は海外に飛んでロシアまでトラブルを輸出?しに行ったマクレーン父子。親も親なら子も子で、この父子行くところにトラブルあり?ですね。
今回も疎遠になっていた息子ジャックがモスクワで拘束されたことから、父ジョンがロシア入りしたことでトラブル続発。ここ異国の地ロシアでも派手にドンパチをやらかすものの、寄る年波には勝てず?父ジョンの体型も25年前とは大きく変わり(頭髪も...)重そうでキレも悪そうなながらも、今出来るパフォーマンスとしては十分だったと思います。
ストーリーは兎も角、派手なカースタントや銃撃戦、空中戦、重火器が飛び散ったりで、最後の最後まで派手に息子と撃ち合いは見応えがありました。それでも怪我を負いながらも、無事に帰国してメデタシメデタシのエンディング。

ブルース・ウィリスの出世作シリーズだが、果たして「6」が製作されるかは分からないが、そろそろ年齢的にもきついだろうが、やはりファンとしては観てみたい気持ちが強い。今回始めて息子ジャックの存在が前面に出てきたことから、6以降は父子共演とのスタイルで進んで行くのでしょうかね?それともスタローン主役の「エクスペンダブルス」のように(こちらにもブルース・ウィリス出演中ですね)スター俳優を多数排してその中のボス、みたいなスタイルに転換するのも良いのではないかな?
「ムーンライズ・キングダム」では薄らハゲのシェリフを演じていたブルース・ウィリスですが、やはり、彼には「ジョン・マクレーン」が一番似合う。


第85回アカデミー賞は「アルゴ」が作品賞含む3冠!「ライフ・オブ・パイ」は監督賞を含む最多の4冠

2013-02-25 21:09:18 | 映画全般

第85回アカデミー賞の授賞式がロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、ベン・アフレック監督作「アルゴ」が作品賞に輝いた。「アルゴ」は、脚色賞、編集賞も受賞しており、3冠を達成。また、アン・リー(李按)監督作「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」が、監督賞、視覚効果賞、撮影賞、作曲賞の最多4部門を制した。リー監督は『ブロークバック・マウンテン』以来、2度目の監督賞。
主演男優賞は『リンカーン』のダニエル・デイ=ルイス、主演女優賞は『世界にひとつのプレイブック』のジェニファー・ローレンスが2度目のノミネートで受賞、助演男優賞は『ジャンゴ 繋がれざる者』のクリストフ・ヴァルツで前回もタランティーノ作品(「イングロリアス・バスターズ」)だった。助演女優賞は『レ・ミゼラブル』のアン・ハサウェイが受賞しておりこれは当然の受賞だ。
スピルバーグ監督作品で最多12部門でノミネートされていた『リンカーン』は主演男優賞、美術賞のみの受賞となった。

今年のアカデミー賞は一つの作品に集中することなく、最大で4冠に輝いた「ライフ・オブ・パイ」だった。主要部門の作品、監督更に俳優部門も全て別々の作品が受賞する珍しいケースだったと思う。007作品が2部門で受賞したが、アクション映画である007シリーズの受賞も珍しかったが、アデルが歌った主題歌は中々良い曲だったので受賞には納得だ。日本人関係では衣装デザイン賞で2度目の受賞が期待された故石岡瑛子氏は残念ながら受賞はならなかった。

【受賞一覧】
作品賞:「アルゴ」
監督賞:アン・リー(「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」
主演男優賞:ダニエル・デイ=ルイス(「リンカーン」)
主演女優賞:ジェニファー・ローレンス(「世界にひとつのプレイブック」)
助演男優賞:クリストフ・ワルツ(「ジャンゴ 繋がれざる者」)
助演女優賞:アン・ハサウェイ(「レ・ミゼラブル」)
脚本賞:クエンティン・タランティーノ(「ジャンゴ 繋がれざる者」)
脚色賞:「アルゴ」
視覚効果賞:「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」
美術賞:「リンカーン」
撮影賞:クラウディオ・ミランダ(「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」)
衣装デザイン賞:ジャクリーン・デュラン(「アンナ・カレーニナ」)
長編ドキュメンタリー賞:「シュガーマン 奇跡に愛された男」)
短編ドキュメンタリー賞:「Inocente(原題)」
編集賞:ウィリアム・ゴールデンバーグ(「アルゴ」)
外国語映画賞:「愛、アムール」(オーストリア・フランス・ドイツ)
音響編集賞:「007 スカイフォール」「ゼロ・ダーク・サーティ」
録音賞:「レ・ミゼラブル」
メイクアップ&ヘアスタイリング賞:「レ・ミゼラブル」
作曲賞:「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」
主題歌賞:“Skyfall”(「007 スカイフォール」)唄:アデル
長編アニメーション賞:「メリダとおそろしの森」
短編アニメーション賞:「紙ひこうき」
短編実写映画賞:「リッチーとの一日」


映画『ゼロ・ダーク・サーティ』を観て

2013-02-24 17:05:25 | 映画・ドラマ、アクション

13-19.ゼロ・ダーク・サーティ
■原題:Zero Dark Thirty
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:158分
■観賞日:2月23日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)
■料金:1,800円

 

□監督・製作:キャスリン・ビグロー
◆ジェシカ・チャステイン(マヤ)
◆ジェイソン・クラーク(ダニエル)
◆ジョエル・エドガートン(パトリック)
◆ジェニファー・イーリー(ジェシカ)
◆マーク・ストロング(ジョージ)
◆カイル・チャンドラー(ジョセフ・ブラッドリー)
◆エドガー・ラミレス(ラリー)
【この映画について】
全米同時多発テロ事件の首謀者であるテロ組織アルカーイダのオサマ・ビンラディンの捕縛と暗殺が2011年5月2日に実行された。長らく消息もつかめなかった彼の居場所をどのように把握し、実行に至ったのか。知られざる事件の真相に、『ハート・ロッカー』でアカデミー賞作品賞&監督賞に輝いたキャスリン・ビグローが迫る衝撃のサスペンス。(この項、Movie Walkerより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ビンラディンの行方を追うものの、的確な情報を得られずにいる捜索チーム。そこへ、人並み外れた情報収集力と分析力を誇るCIAアナリストのマヤが加わることに。しかし、巨額の予算を投入した捜査は一向に進展せず、世界各国で新たな血が次々と流されていく。そんな中、同僚の一人が自爆テロの犠牲となって命を落としてしまう。それを機に、マヤの中でビンラディン捕獲という職務が狂気じみた執心へと変貌。ついに、彼が身を隠している場所を特定することに成功するが……。

売れっ子演技派女優のジェシカ・チャステインがCIAの分析官として国際テロリストであるビン・ラディンを追い詰める役に扮している。監督も女性のキャスリン・ビグローであることからアメリカでも注目度の高い作品。
ビン・ラディンがパキスタンの隠れ家に潜伏していて、その場所を突きとめるまでの過程を丁寧に描いている事から、当然ながらこの作品はCIAの協力なくして完成しなかっただろう。どこまでが事実で、また、映画用にどの点がフィクションとなっているのかは機密保持の点からも明かせないだろうが、最初から最後まで彼女のビン・ラディンをアメリカの威信にかけて追い詰めると言う点では一切ブレが無かった。
襲撃前のブリーフィングでCIA職員からビン・ラディンが当該宅に潜伏している可能性は60%と言ったなかで、彼女は100%と胸を張って言い切った。その彼女の進言で作戦はオバマ大統領の承認の下で「明け方の0:30」(ゼロ・ダーク・サーティー)に決行された。このタイトルはその通りで、昼と夜を区別する意味の「ダーク」は夜なので「0:30」分という意味ですね。

ここに来るまで、彼女は親しかった同僚を自爆テロで失ったり、彼女自身も銃撃の標的にされたりしながらも、執念の調査が実る。その過程は映画内で細かく描かれているが、やはり、この潜伏先突入のシーンはドキュメンタリーの様な緊迫感に溢れていた。
彼女の執念は実りビン・ラディンは射殺され遺体はアフガンに移送され、彼女は遺体を確認したことで長年の作戦は集結したのだった。
だが、果たしてこれでテロ戦争は終結したのか...少なくとも犠牲になった同僚の無念だけは晴らしたことで、彼女も肩の荷が下りたのではないだろうか? 
ジェシカ・チャステイン、彼女の演技良かったですね~流石です。作品としてはドキュメンタリー風の作りながら、全体を通してストーリーにも一本筋が通っていて、CIAが如何に必死になってビン・ラディンの行方を追っていたかが分かりました。その一方で、ビン・ラディンも用心深く、容易に近づけない中で執念で隠れ家を突き止め仕留めたのは凄いですが、映画はここでお終い。だが、ビン・ラディンが亡くなってからもアル・カーイダによる組織的なテロは後を絶たないのが現状です。


相川の逆転3ランで侍ジャパンが勝利

2013-02-23 22:04:00 | 野球全般
チ  ー  ム 
オーストラリア

日本

【投手】
豪:オクスプリング、ルジック、
ブライト、T・ケネリー、ラッセル、ケント、ウィリアムズ-M・ケネリー
日:田中、杉内、能見、牧田-阿部、相川

【責任投手】

○能見1勝
S牧田1S
●ウィリアムズ1敗

【本塁打】
相川1号(日)

【日本スタメン】
8長野(読売)
4鳥谷(阪神)

6坂本(読売)
2阿部(読売)
7内川(福岡ソフトバンク)
9糸井(オリックス)
D中田(北海道日本ハム)
3稲葉(北海道日本ハム)
5松田(福岡ソフトバンク)
-----------
1田中(東北楽天)
1杉内(読売)
1能見(阪神)
1牧田(埼玉西武)

【戦評】
日本先発の田中(東北楽天)はこの試合でも制球に苦しみ、1回、1安打2四球で招いた1死満塁のピンチでヒューバー(元広島東洋)に押し出しの死球。さらに投ゴロの間に1点を追加され、3回4安打3四死球と不安定な内容に終わった。
田中は初回の立ち上がりに制球が乱れたのは、阿部のリードにも問題がありそうだ。田中も手探りで回毎に変化球の曲がり具合をチェックしたかったのだろうが、初回はスプリット(握りの浅いフォーク)を多投したが制球に苦しんだ。シーズン中だとスライダーやカーブも交えるのだが、3回はそのスライダーで無失点に切り抜けたので、スプリットに拘る必要は無いだろう。
打線は豪州投手陣から得点が奪えなかったが、8回にTV解説の古田氏(元ヤクルト)の予言通り左腕ウィリアムズを攻略した。相川(東京ヤクルト)がカウント3ボール1ストライクから真ん中の直球を振り抜くと左中間席に着弾する逆転3ラン本塁打で3-2とリードを奪った。
最終回はアンダースローの牧田(埼玉西武)が3者三振でゲームを締めた。侍ジャパンは抑え候補だった浅尾(中日)が外れたので、牧田が今後抑え候補として起用される可能性が出てきた。牧田は2011年の新人王で後半は抑えとして活躍した経験が買われての起用だ。

打線は相変わらず低調だが、今後、明日の豪州戦とその後の国内チームとの強化試合を経て1次ラウンドまでには点を取るパターンを確立したい所だ。


映画『PARKER/パーカー』を観て

2013-02-20 23:25:45 | 映画・ドラマ、アクション

13-18.PARKER/パーカー
■原題:Parker
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:118分 
■観賞日:2月19日、新宿バルト9(新宿三丁目)
■料金:1,800円



□監督・製作:テイラー・ハックフォード
◆ジェイソン・ステイサム(パーカー)
◆ジェニファー・ロペス(レスリー)
◆ニック・ノルティー(ハーリー)
◆マイケル・チクリス(メランダー)
【この映画について】
『Ray/レイ』の名匠テイラー・ハックフォードと、『トランスポーター』シリーズのジェイソン・ステイサムがタッグを組んだ犯罪ドラマ。リチャード・スターク原作のハードボイルド小説「悪党パーカー」シリーズを映画化し、仕事仲間に裏切られた主人公が復讐(ふくしゅう)に燃える姿を描く。偶然彼に手を貸すことになる相棒を、『エル・カンタンテ』などのジェニファー・ロペスが好演。古典的で憎めないダークヒーローの活躍に手に汗握る。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
天才的な頭脳と強靭な肉体を併せ持つプロフェッショナルな強盗のパーカーは、生い立ちも過去も謎のベールに包まれた冷酷非情な一匹狼で、自らに課した3つのルールに従って行動する。
メランダー率いる犯罪グループと大金が集まるオハイオ・ステートフェアを襲撃し、150万ドルを強奪するヤマも、パーカーの完璧な計画で成功するが、メランダー一味の不用意な行動から一般人を巻き込んでしまう。このパーカーのルールに反した行動によって、メランダーから次のヤマの話を持ち掛けられたパーカーは拒否する。怒ったメンバーたちに何発もの銃弾を浴びせられたパーカーは、瀕死の状態で道端に置き去りにされる。

何とか一命を取り留めたパーカーは、一味がセレブの集まるパームビーチに身を置いていることを嗅ぎ付け、テキサスの大富豪ダニエル・パーミットという偽IDを作り、報復のための追跡を始める。
島の豊富な知識を持つ不動産業者のレスリーと出会ったパーカーは、彼女の助けを得て、一味が5千ドル相当の宝石を盗もうとしていることを知る。パーカーは、一味に宝石を奪わせて、それを横取りする計画を立てる。しかし一味はパーカーが生きていることを知り、シカゴを牛耳る殺し屋集団に彼の殺害を依頼する。最凶の刺客が送り込まれる中、パーカーは復讐を果たすことができるのか……。

冒頭で屋外イベントで大金が動くのを察知して鮮やかな現金強奪計画を寸分の狂いも無く実行した積りだったが、味方の一人の行動は誤算だった。だが、この計画でパーカーと一緒に手を組んだ連中が裏切る。ここでパーカーが予想外にやられて瀕死の重傷を負うのだが、そこは驚異的な肉体を誇るパーカーというよりジェイソン・ステイサム、病院を強制退院?して裏切った連中への復讐に燃える。
今までのステイサム作品ではその高い戦闘能力を誇示するようなストーリーが中心だったが、今回は冒頭でいきなり重傷を負うという予想外の展開だったので、当然ながら体力が回復する間は派手なアクションは封印されたのも今作の特徴だ。今回は共演者の一人に「J-Lo」ことジェニファー・ロペスが出演。彼と行動を共にする役目だったが、彼女の出演久し振りに観たが相変わらずスタイルは良かった。
ステイサム作品で外れは無いという定説?通りだった今作品、「エクスペンダブルス」では主役級の働きでこれを機に彼を知ったファンも多いだろうが、これからも出演作には注目したい。


映画『ファイヤー・ウィズ・ファイヤー 炎の誓い』を観て

2013-02-19 22:56:33 | 映画・ドラマ、アクション

13-17.ファイヤー・ウィズ・ファイヤー炎の誓い
■原題:Fire With Fire
■製作年、国:2011年、アメリカ
■上映時間:97分
■観賞日:2月19日、シネマート新宿(新宿三丁目)
■料金:1,800円

 

□監督:デヴィッド・バレット
◆ジョシュ・デュアメル(ジェレミー・コールマン)
◆ブルース・ウィリス(マイク・セラ)
◆ロザリオ・ドーソン(タリア)
◆ヴィンセント・ドノフリオ(デヴィッド・ヘイガン)
◆ジュリアン・マクマホン(ロバート)
◆カーティス・”50セント”・ジャクソン
【この映画について】
『トランスフォーマー』シリーズのジョシュ・デュアメルを主演に迎えたサスペンス・アクション。平凡な消防士が、殺人事件を目撃したために極悪非道な犯人とその仲間たちに命を狙われることになる不条理な世界を描き出す。
新鋭のデヴィッド・バレットが監督を務め、主人公を守ろうとする刑事を『ダイ・ハード』シリーズなどのブルース・ウィリスが演じている。次第に追い詰められていく消防士が、ある女性のために必死に未来を切り開こうとする姿に胸が熱くなる。
(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
カリフォルニア州ロングビーチ。勤務を終えた消防士のジェレミー・コールマンがコンビニで店主と談笑していると、不審な3人組が現れる。それは、新興ギャングのボス、デヴィッド・ヘイガンと部下たちだった。
店の土地を狙うヘイガンは、立ち退きを拒否されると、店主と息子を射殺。ジェレミーは隙を突いて裏口から逃走する。ところが、この事件で逮捕されたヘイガンは証拠不十分で釈放。ヘイガンに相棒を殺された過去を持つマイク・セラ警部補は、彼を刑務所に送るためには、裁判でジェレミーの証言が不可欠と考え、“証人保護プログラム”の適用を持ちかける。それは、重要証人の身を守るために、政府の保護の下、見知らぬ土地でまったくの別人として暮らすというものだった。

8か月後、“ダグラス”という姓を与えられ、ニューオーリンズで暮らしていたジェレミーは、“2週間後に裁判が始まる”とセラから知らされ、ロングビーチに戻ることに。しかし、この地で行動を共にしていた女性保安官タリアと愛し合うようになっていた彼を狙って、ヘイガンの差し向けた殺し屋が銃撃してくる。なんとか殺し屋の1人を撃退したジェレミーだったが、タリアが瀕死の重傷を負ってしまう。
ヘイガンの執念深さを思い知ったジェレミーは、身を守るために自分自身でヘイガンと戦うことを決意。密かにロングビーチに戻ると、黒人系ギャングのボス、ラマーから拳銃を入手し、ヘイガンの部下たちを次々と葬りながら、彼の居場所に関する情報を掴んでゆく。
一方、療養中だったタリアはジェレミーの行動を阻止するため、ロングビーチに向かう。ジェレミーの思惑に気付いたセラ、ヘイガンも動き出していた。果たして、ジェレミーは愛する者と自らの平穏な人生を取り戻し、未来を切り開くことができるのか……?

ブルース・ウィリスが出演しているから必ず彼が主役とは限らないのだが、この作品では証人保護プログラム下にある消防士ジェレミーを守る立場である刑事役で、自らもジェレミーが追い詰められているギャングのボスであるヘイガンに妻を殺された過去を持っている。
この証人保護プログラムというシステムは恐らく日本にはこのような制度は無いと思うのだが、ジェレミーはこの制度に守られる立場の人間なのに、ヘイガン側から刺客を送りこまれるなど、何故か情報が漏えいして彼自身の不安はますます増大する様子をジョシュ・デュアメルが好演していた。そして、ただ単に逃げまくっているだけではストーリーとして平凡なので、女性保安官タリアとのロマンスが盛り込まれ、その彼女までがヘイガンの標的になり、これでは何の為の保護プログラムなのかとジェレミーは疑問に感じる。
ここでジェレミーは開き直り、どうせ苗字も過去も書き替えられたのだからと、消防士時代の仲間の協力も取り付けてヘイガンに立ち向かうと言う選択をするのだった。そのヘイガンの首を取って終わるのですが、その終わり方は「元消防士」らしかった?

この作品の主役はジョシュ・デュアメルですが、彼の名前で客を呼び程の知名度は日本では無く、やはり「ブルース・ウィリス」が出演している作品という売り方になるのでしょう。ですが、残念ながら全国拡大公開とは行かずミニ・シアター系でひっそりと公開されていたのが勿体無いくらい良い出来だったと思いますが、ブルース・ウィリスに映画ファンが期待するようなアクションは僅かでした。


映画『脳男』を観て

2013-02-18 09:30:00 | 映画・邦画

13-16.脳男
■配給:東宝
■製作年・国:2013年、日本
■上映時間:125分
■観賞日:2月17日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)
■料金:0円(ポイント利用)

 

□監督:瀧本智行
◆生田斗真(鈴木一郎)
◆松雪泰子(鷲谷真梨子)
◆江口洋介(茶屋刑事)
◆二階堂ふみ(緑川紀子)
◆太田莉菜(水沢ゆりな)
◆大和田健介(広野刑事)
◆染谷将太(志村)
◆光石研(黒田雄高)
◆甲本雅裕(空身)
◆小澤征悦(伊能)
◆石橋蓮司(藍澤)
◆夏八木勲(入陶倫行)
【この映画について】
生まれつきの常識では考えられないほどの高い知能と、驚異的な肉体を兼ね備えるも、人間らしい感情はない謎めいた男・脳男をめぐるバイオレンス・ミステリー。
第46回江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の小説を原作に、『犯人に告ぐ』などの瀧本智行が監督を務め、『八日目の蝉』の成島出が脚本を担当。感情を持たない冷徹な男には、『僕等がいた』シリーズの生田斗真がふんし新境地を開拓。共演には松雪泰子と江口洋介、『ヒミズ』の二階堂ふみ、染谷将太ら多彩な顔ぶれがそろう。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
都内近郊で無差別連続爆破事件が頻発し、路線バスが爆破される。乗客が全員死亡したその犯行に使われたのは、舌を切り取られた女性の全身に爆薬を巻きつける“人間爆弾”。
動機不明の異常な事件を担当する刑事の中に、粗暴だが人一倍正義感の強い茶屋がいた。犯人のアジトを突き止めた彼が現場に踏み込むと、別の男と格闘していた犯人がアジトを爆破して逃走する。茶屋が確保したその男は、“鈴木一郎”と名乗った以外、一切身元不明。爆破の共犯者と見なされ、精神鑑定を受けるが、担当医師の鷲谷真梨子は彼の態度に違和感を覚える。

平均的過ぎる受け答え、正確過ぎる生活行動。その様子を観察した真梨子は、一郎の過去を調べ始める。本名は入陶大威(=いりすたけきみ)。幼い頃に轢き逃げ事故で両親を亡くした彼は、大富豪の祖父・入陶倫行(=いりすのりゆき)に引き取られる。ところが、倫行は息子夫婦を失った怒りから、並外れた知能を持つ一郎を、人間らしい感情を持たず、正義のために犯罪者を抹殺する殺人ロボットに鍛え上げたのだ。
そんな彼は周囲から“脳男”と呼ばれるようになっていた。だが真梨子は、どんな人間でも必ず人間性を取り戻せると信じていた。一方、茶屋も“一郎は犯人を殺そうとしたのではないか”という仮説に辿り着く。そんな中、一郎を移送していた護送車が、緑川紀子と水沢ゆりあの2人組に襲われる。一郎を出せと要求する彼女たちこそ連続爆破犯だった。争いの中でゆりあが一郎に撃たれ、仕掛けられた爆弾によって護送車が爆発。混乱に乗じて緑川と一郎が逃走する。

1週間後、姿を現した緑川が、真梨子を人質に取って病院に立て籠もる。病院中に仕掛けられた爆弾に翻弄される警察。そこへ、緑川を抹殺するため一郎が姿を現す。様々な想いが錯綜する中、一郎と緑川の死闘が幕を開ける……。

光源氏を演じていたジャニーズ事務所所属ながら俳優路線を歩む生田斗真が「脳男=鈴木一郎」を演じる。時代劇から一気に現代的な人物像を演じるので、その違いが演技力を試される映画でもあった。
鈴木一郎(ヤンキースの方は本名『鈴木一朗』)と名乗る場面があるが、そもそもそれ自体が偽名なのは明らかで、この点については彼の生い立ちを探るシーンで祖父の夏八木勲が登場することで明かされる。冒頭で路線バスが白昼爆破されたりして派手な演出が施されてはいるものの、鈴木一郎が犯人として取り調べられるようになってからは、どちらかと言えば松雪泰子演じる精神科医とのやりとりと捜査担当刑事である茶屋との絡みが主。
脳男と呼ばれる鈴木が感情が無くまばたきせずに質問に答えるシーンを用意することでそれを証明するのだが、その強靭な肉体は交通事故にあってもほぼ無傷である点は「どうかな?」って現実的ではないので違う描き方にした方が良かっただろう(原作本はどう描写しているのだろう?)。

ラストの末期癌患者である緑川と鈴木との対決で幕となるのだが、個々の素材は面白いのだが、原作とどのように違うのかは分からないが、序盤の盛り上がりからラストでの二人の対決に繋げるまでのストーリーにあと一つ二つ大きなエピソードなりサイドストーリーを生い立ち部分に組み込めばどうだったかな?
生田の演技は難しい役だったので彼のキャリアからすれば合格点、緑川を演じた二階堂ふみは良かったね。あと、染谷将太も子役時代もあるので年齢の割には落ち着いた演技をする。これからも楽しみな「若手」だ。 


映画『レッド・ライト』を観て

2013-02-17 22:05:07 | 映画・ホラー,サスペンス,スリラー

13-15.レッド・ライト
■原題:Red Lights
■製作年、国:2012年、スペイン・アメリカ
■上映時間:113分
■観賞日:2月17日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ
■料金:1,800円

 

□監督・脚本・製作・編集:ロドリゴ・コルテス
◆キリアン・マーフィー(トム・バックリー)
◆シガーニー・ウィーヴァー(マーガレット・マシスン)
◆ロバート・デ・ニーロ(サイモン・シルヴァー)
◆トビー・ジョーンズ(ポール・シャクルトン)
◆ジョリー・リチャードソン(モニカ・ハンセン)
◆エリザベス・オルセン(サリー・オーウェン)
◆クレイグ・ロバーツ(ベン)
【この映画について】
名優ロバート・デ・ニーロが伝説の超能力者に扮し、科学の力ですべてを解明しようとする科学者たちと対決する様を描き出すサスペンス・スリラー。棺に入れられ地中に埋められた男の脱出劇を描いた『リミット』のロドリゴ・コルテス監督が、“脳の錯覚”を起こさせるような様々な仕掛けを施したミステリアスな一作だ。(この項、Movie Walkerより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
科学者のマーガレット・マシスンとトム・バックリーは、超常現象を科学の力で解き明かすため、研究を重ねる日々を送っていた。そんなある日、30年前に引退した伝説の超能力者サイモン・シルバーが復帰するというニュースが世間を騒がせる。
実は以前、マーガレットはシルバーに挑んだが、心の弱みを突かれて完敗を喫し癒えることのない傷を負っていた。それを知ったトムは、全てを解き明かすため、単独でシルバーのショーに乗り込むことを決意する。果たして、サイモン・シルバー復活の裏に隠された、真っ赤な嘘と真実とは……。

最近、声がかかったら出演する作品を選ばない?ロバート・デ・ニーロが、本作では30年前に一度は引退した超能力者という役所。普段から超能力の真相を暴いていたマシスンとその助手であるバックリーのコンビだが、バックリーがサイモン・シルヴァーのインチキを見破って見せるとマシスンに話を持ちかけるが何故か気乗り薄。その原因は過去にシルヴァーとの確執があった為で、結局はバックリーに押し切られる形で調査を開始する。
シルヴァーの公演はどこに行っても大盛況で盛り上がりをみせるが、バックリーは「盲目」の超能力者という触れ込みを信じず、彼の眼は見えると結論付け、また、会場で無作為に選ぶ人物も周到に用意していると睨む。結局、超能力者はトム自身だったというのがオチで、それを証明するのがラストの大会場でのシーンだった。

サイモン・シルヴァーを演じたデ・ニーロ、そのシルヴァーと因縁があるマシスン博士にシガーニー・ウィーヴァーという男女の大物二人が出演しているのだが、実際の主役は自身が超能力者だったバックリーを演じていたキリアン・マーフィーだった。この3人の動きがメインで、デ・ニーロとしても最近は消化不良な役柄が多かったが、久し振りに最初から最後まで登場していた。一方のシガーニー・ウィーヴァーはシルヴァーの復帰に複雑な気持ちを捨てきれないが、逆に、助手のバックリーに押し切られるなど女性の弱さが出たりして、強い女性とは無縁の役柄だった。
キリアン・マーフィーの役柄は個人的にはベン・ウィショーがハマり役かな?とも思ったりしたが、大会場でのドラマチックなエンディングでのオチ公開でしたが、まあ、こんな展開で良かったのでしょうかね。


映画『アルバート氏の人生』を観て

2013-02-13 18:51:31 | ヨーロッパ映画

13-14.アルバート氏の人生
■原題:Albert Nobbs
■製作年、国:2011年、アイルランド
■上映時間:113分
■観賞日:2月11日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)
■料金:1,800円

 

□監督:ロドリゴ・ガルシア
◆グレン・クローズ(アルバート・ノッブス)
◆ジャネット・マクティア(ヒューバート・ペイジ)
◆ミア・ワシコウスカ(ヘレン・ドウズ)
◆アーロン・ジョンソン(ジョー・マキンス)
◆ブレンダン・グリーソン(ホロラン医師)
◆ジョナサン・リス・マイヤーズ(ヤレル子爵)
◆ポーリーン・コリンズ(ベイカー夫人)
◆ブロナー・ギャラガー(キャスリーン)
◆ブレンダ・フリッカー(ポーリー)
【この映画について】
名女優グレン・クローズが主演に加え、プロデューサー、共同脚本を務め、19世紀のアイルランドで性別を偽って生きる女性の姿を描いた人間ドラマ。男として、ホテルでウェイターをするヒロイン、アルバートが、彼女の人生を変える男性と出会い、本当の自分に目覚めていく。2011年の東京国際映画祭で上映され、主演女優賞を受賞。(この項、Movie Walkerより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
19世紀のアイルランド。上流階級の人々に人気のモリソンズホテルでウェイターとして働くアルバートは、人付き合いを避けてひっそりと暮らしていた。「彼」は長年、誰にも言えない秘密を隠していた。それは、貧しく孤独な生活から逃れるために、女性でありながら男性として生きてきたということだった。結婚せずに女性が自立するには、そうするしかなかったのだ。

ある日、モリソンズホテルにハンサムなペンキ屋のヒューバートがやってくる。「彼」と相部屋になったことで素性を知られてしまうものの、自分らしく生きる彼の姿に影響を受けたアルバートは、自ら築き上げてきた偽りの人生を捨て、本当の自分らしさを取り戻してゆく。
その一方、若いメイドのヘレンに対しては、自分の素性を隠しながらも好意を抱いてゆく。密かにヘレンと愛し合うようになっていたボイラー職人のジョーは、その事に気づき、ヘレンを通じてアルバートを利用しようとする。働く女性にとって不自由な時代、男性として孤独に生き、女性としてのアイデンティティを見失っていたアルバートは、様々な人たちに囲まれながら、自分らしく生きる希望の扉を開き始めるが……。

この作品、主演「女優」のグレン・クローズが脚本とプロデューサーとしても肩入れして出来あがった作品だけあって、最初から最後までストーリー的にも一本筋が通っている素晴らしい作品だった。
私生児として生まれ少女時代にレイプされたことがきっかけで「男」として生きる人生を選択し、ホテルのウェイターとして黙々と働き、ホテル内の一室でひっそりと暮らし、コツコツと貯めたお金で自分の店を持つのが夢だったアルバート。顧客からの信頼も厚く、ホテルの女主人ベイカー夫人からも信頼されている。そんな平穏な日々が続く中で、ペンキ屋としてヒューバートと知り合うが、今まで「男」として生きてきたアルバートと同室になったことで「女」であることがバレるが、実はヒューバートもアルバートと同じ身だったという設定には驚かされた。

ヒューバートには何故か妻がいて、そんな「彼」の生き方に衝撃を受けたアルバートは、同じホテルで働く若いヘレンに夢中になるが、彼女には米国行きを強く望むジョーと言う交際相手がいた。ジョーはアルバートがヘレンに夢中になっていることを知り、彼女を通してアルバートからおねだりを繰り返すよう強要する。このジョーがヘレンに子供を産ませた挙句に単身で米国移住を決めてしまい、残されたヘレンとその子供は当時のアイルランドの法で施設へ預ける羽目にこのままではなってしまう。
ところが運が悪いことにアルバートはけんかの仲裁に入った時に相手に突き飛ばされ脳に怪我をしたことが原因で亡くなってしまう。そこで、妻を亡くしていたヒューバートがヘレンとその子を守るために自分が面倒を見ることに...。

当時のアイルランドがイギリスの統治下に置かれていて、ジャガイモ飢饉をきっかけに北米大陸への移住を決める国民が多く、更に、女性の地位も低く女性が自立して生活出来る環境では無かったそうだが、そうした社会状況も上手く反映されていた。
グレン・クローズとジャネット・マクティアの二人の女優が「男」を演じていたのだが、観ていて違和感を感じさせない演技力とメイクや二人の体型が相まって見事だった。ミア・ワシコウスカとアーロン・ジョンソンの若手注目俳優も良かった。アルバートの最期は気の毒だったが、その彼を利用していたベイカー夫人のしたたかさも光っていた。


映画『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』を観て

2013-02-12 23:06:32 | 映画・ミュージカル、音楽題材

13-13.マリーゴールド・ホテルで会いましょう
■原題:The Best Exotic Marigold Hotel
■製作年・国:2011年、イギリス・アメリカ・アラブ首長国連邦
■上映時間:124分
■観賞日:2月11日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)
■料金:0円(ポイント利用)

 

□監督:ジョン・マッデン
◆ジュディ・デンチ(イヴリン・グリーンスレイド)
◆ビル・ナイ(ダグラス・エインスリー)
◆ペネロープ・ウィルトン(ジーン・エインスリー)
◆デヴ・パテル(ソニー・カプール)
◆セリア・イムリー(マッジ・ハードキャッスル)
◆ロナルド・ピックアップ(ノーマン・カズンズ)
◆トム・ウィルキンソン(グレアム・ダッシュウッド)
◆マギー・スミス(ミュリエル・ドネリー)
【この映画について】
「恋におちたシェイクスピア」「コレリ大尉のマンドリン」のジョン・マッデン監督が、ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、トム・ウィルキンソン、マギー・スミスら英国を代表する名優たちの豪華共演で描くヒューマン・コメディ。
インドで優雅なリゾート生活を満喫しようとイギリスからやって来た7人の熟年男女が、予定外のトラブル続きで喧噪と混沌に満ちた異文化の洗礼に見舞われて右往左往しながらも、やがてバイタリティに溢れたインドの空気に身を委ねることで思いがけず人生の喜びを再発見していくさまをユーモアを織り交ぜ感動的に綴る。(この項、allcinemaより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
40 年間連れ添った夫を亡くしたイヴリンは、多額の負債を返済するために家を売却。そして、同居を勧める息子の誘いを断り、インドの高級リゾート“マリーゴールド・ホテル”での一人暮らしを決意する。
彼女の他、このホテルに申し込んでいたのは6 人の男女。イギリスに家を買うはずだったが、退職金を貸した娘が事業に失敗してインドにやってきたダグラスとジーンの夫婦。股関節の手術を受けようとしたミュリエルは、イギリスの病院では半年待ちと言われ、渋々インドへ。独身者ノーマンの悲願は、異国の地での最後のロマンス。結婚と離婚を繰り返すマッジの目的は、“お金持ちの夫探し”。以前この地に住んでいた元判事のグレアムは、数10年ぶりに知人に会いに来たのだが、ある事情があり、迷っていた。

彼らが想像していた優雅な生活は、実際のホテルを目にして砕け散る。改装中というそのホテルを亡き父から譲り受けた若い支配人ソニーは、やる気だけは人一倍ながら経験不足。電話は使えず、ドアのない部屋もある。だが、既に前金を支払った7 人に選択の余地はなかった。
ジャイプールの街に溢れる音と色彩、喧騒と人の数、そして暑さに圧倒されながらも、それぞれの生活を踏み出す。様々な悩みを抱えながらも、この地で過ごす時間が長くなり、互いの交流が深まるにつれて、少しずつ前に進んでゆく7人。その一方で、ホテルを復活させるために、ソニーは地元の投資家に援助を依頼。しかし、ホテルを一緒に相続した2人の兄と母親は売却するつもりでいた。こうして、インドに来て45 日が過ぎた頃、母親の説得に負けたソニーがホテルを閉鎖すると言い出す。再び人生の岐路に立ったイヴリンが巡り逢った、意外な運命とは……?

定年を過ぎた老夫婦や夫に先立たれた未亡人や手術目的だったりと、様々な理由で故郷イギリスからインドへ第2の人生を見出した7人の熟年男女の物語。この7人が何故インドに来たのかを冒頭でそれぞれ丁寧に描いた上で、いざ、イギリスでは出会う事の無かった7人がインドの空港で一緒に。更に、前途を暗示するように空港から滞在先のホテルまでは、インド滞在歴のある男性の機転でおんぼろバスに揺られてヘトヘトになりながらも「マリゴールド・ホテル」に到着も、そこは写真でみていたのとはかけ離れた今にも朽ち落ちそうなホテルだった。
この時の一行の反応は面白く、ここからストーリーは7人7色で、インドに馴染もうと努力する人やあくまでもイギリスでのスタイルを崩そうとしない人、或いは、個々の目的を果たそうとしたりと、7人のサイドストーリーが一本に纏まって最後へと向かう演出は見事だった。

それにしても7人の個性的な老人を演じた名優たち、ジュディ・デンチやビル・ナイなど7人の役者達の達者な演技無くしてこの映画は語れないだろう。人種差別者やロマンス探しの者までいて、そこに、支配人とは名ばかりのソニーと恋人スナイナとの関係と交際に反対する母と資金繰りに行き詰って売却へと傾く母と息子の葛藤まで描かれ、更に、ホテルで働く女中さんの物語まで盛沢山だけど、ストーリーはちゃんと整理されている。
現地で目的を果たして亡くなったグレアム、インドに馴染めず結果的に単身帰国して夫ダグラスを置いてきぼりにしていったジーンを除いた5人はインドでの自分の居場所を見つけた。ミュリエルはホテルの副支配人として、ダグラスとイヴリンは結ばれ、ノーマンは知り合ったキャロルと同棲、マッジは裕福なインド人男性と結婚。こうしてインドでの本当の意味での第2の人生が始まる。


PC遠隔操作「真犯人」30歳男を逮捕、決め手は「猫」

2013-02-11 17:56:07 | 時事ニュース・国内

 遠隔操作ウイルスに感染したパソコン(PC)から犯行予告が送られた事件で、警視庁など4都府県警の合同捜査本部は、ネット掲示板に殺人予告を書き込んだとして、威力業務妨害の疑いで江東区のIT関連会社社員・片山祐輔容疑者(30)を逮捕した。
4人が誤認逮捕され、「真犯人」から警察を挑発する犯行声明が届いていた一連のPC遠隔操作事件。声明に書かれた、記憶媒体入り首輪を付けた猫が、容疑者逮捕の“きっかけ”になった。捜査本部は、容疑者が一連の事件に関与したとみている。



威力業務妨害容疑で逮捕された片山祐輔容疑者(30)が浮上したきっかけは、神奈川県藤沢市の江の島に設置された防犯カメラの画像だった。
警視庁などの合同捜査本部は、1月5日に報道関係者らに送り付けられたメールの内容通り、猫の首輪に取り付けられた記憶媒体を発見した。さらに、島の防犯カメラを調べたところ、この猫の写真を撮影する若い男の姿が映っていた。メールの送り主に翻弄されてきた捜査員らは色めき立った。さらに、警察が入手した片山容疑者の携帯電話に、この猫の写真が保存されていたほか、片山容疑者が昨年11月下旬、東京、埼玉、山梨の3都県にまたがる雲取山に車で向かっていたことも確認された。「真犯人」が1月1日に報道関係者らに送信したメールの指定した場所だった。

今後は起訴に向けた裏付けと、他の12件の犯罪予告についても捜査を進める方針だ。しかし、遠隔操作につながる書き込みに匿名化ソフトが使われている上、片山容疑者は容疑を全面的に否認している。押収したパソコンの接続記録などの分析でいかに証拠を見つけられるかが焦点になるとみられる。

警察はこの事件で4人の誤認逮捕者を出したことでメンツ丸つぶれとなり、犯人探しに躍起になっていたことだろう。捜査が難航していたのは、誤認逮捕者を出したことで慎重な捜査が続いていたのも事実だろうが、何よりサイバー犯罪捜査の難しさもあったのは想像に難しくない。
仮に、片山容疑者がこのままネット上だけで犯行を繰り返していたら、果たして今回の逮捕劇はどうなっただろうか?片山容疑者に取っては、警察をおちょくり続けていた事で生じた優越感に浸り過ぎで、江の島の猫の首輪に記憶媒体を取り付けた事で足がついたのは誤算だっただろう。逆に警察にすれば、自分達のフィールドに片山容疑者が降りてきた事で、捜査は一気に進展して行ったのだろう。
これを教訓に警察内部にもPCオタクのような人物を登用しないと、類似事件の捜査は今後も後手後手を踏むことになりそうだ。


映画『アウトロー』を観て

2013-02-10 22:29:30 | 映画・ドラマ、アクション

13-12.アウトロー
■原題:Jack Reacher
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:130分
■観賞日:2月9日、新宿バルト9(新宿三丁目)
■料金:1,800円

 

□監督・脚色:クリストファー・マッカリー
◆トム・クルーズ(ジャック・リーチャー)
◆ロザムンド・パイク(ヘレン・ロディン)
◆リチャード・ジェンキンス(D.A.ロディン)
◆デヴィッド・オイェロフォ(エマーソン刑事)
◆ヴェルナー・ヘルツォーグ(ザ・ゼック)
◆ジェイ・コートニー(チャーリー)
◆ロバート・デュヴァル(キャッシュ)
◆ジョセフ・シコラ(ジェームズ・バー)
◆マイケル・レイモンド=ジェームズ(リンスキー)
【この映画について】
イギリスの作家リー・チャイルド原作のハードボイルド小説「ジャック・リーチャー・シリーズ」を映画化したアクション大作。街から街をさすらう元軍の秘密捜査官だった男が、たった一人で悪に鉄拳を食らわすさまを描き出す。
『ミッション:インポッシブル』シリーズなどでおなじみのトム・クルーズが孤高の主人公を熱演し、『タイタンの逆襲』のロザムンド・パイクらが共演。世界一の無法者が仕掛ける一世一代の大勝負の行方に目がくぎ付け。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ピッツバーグ近郊。白昼公然と無作為に6発の銃弾が発射され、5人が殺害される事件がおこる。警察の捜査が進み、僅か1時間後には容疑者として元軍人のスナイパー、ジェームズ・バーが逮捕。だがバーは殺人容疑を否認し、彼がかつて軍で最も恐れていた男、ジャック・リーチャーへの連絡を要求する。
リーチャーは、元米軍の秘密捜査官として名を馳せ、今は街から街へと放浪を続ける一匹狼。真実だけを追求し、正義のためには手段を選ばず事件に立ち向かう男であった。ところがバーは刑務所への護送中、他の囚人たちに襲われ意識不明の状態となってしまう。そんな中、突然警察にジャック・リーチャーが現れ、凄腕の軍のスナイパーであるバーが標的を外す訳がないと指摘。何かがおかしいという確信を持ち始めたリーチャーは、一見単純なこの事件の裏にある隠された真相を暴くべく行動を開始する……。

この映画の原題はずばり主人公の名前である「ジャック・リーチャー」で邦題は何故か「アウトロー」と改題されている。原作本は世界的ベストセラー作品らしいが、仮にシリーズ化されたら「アウトロー2」とか「3」になるのか?こういうケースは日本では多いのだが不自然だ。
トム・クルーズ演じる元軍の凄腕秘密捜査官ジャック・リーチャー、彼はクレジット・カードもメールも一切使用しない。自分の腕だけを信じる男で、バーが5人が射殺された犯人ではないと独特のカンで真実を追求する。
トム・クルーズが主役を務めた事で注目を浴びているが、仮に彼以外の俳優であったとして果たしてこの作品が興行的に注目をあびたたかとなると、そうは思わない。最後の、採石場?みたいな広い場所での銃撃戦や乱闘も目新しさは無かったのは残念。


映画『ムーンライズ・キングダム』を観て

2013-02-09 22:41:42 | 映画・ドラマ、アクション

13-11.ムーンライズ・キングダム
■原題:Moonrise Kingdom
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:94分
■観賞日:2月9日、新宿バルト9(新宿三丁目)
■料金:1,800円

 

□監督・脚本・製作:ウェス・アンダーソン
□脚本:ロマン・コッポラ
◆ブルース・ウィリス(シャープ警部)
◆エドワード・ノートン(ウォード隊長)
◆ビル・マーレイ(ミスター・ビショップ)
◆フランシス・マクドーマンド(ミセス・ビショップ)
◆ティルダ・スウィントン(福祉局職員)
◆ジャレッド・ギルマン(サム・シャカスキー)
◆カーラ・ヘイワード(スージー)
◆ジェイソン・シュワルツマン(いとこのベン)
◆ボブ・バラバン(ナレーター)
【この映画について】
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』などで異彩を放つウェス・アンダーソン監督による異色コメディー。1960年代のとある島を舞台に、ボーイスカウトに所属する一組の少年少女の逃避行と彼らを追う大人たちの姿を描く。遊び心あふれる独特の映像センスがさえる物語は、第65回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選定され、高い評価を得た。
キャストにはブルース・ウィリス、ビル・マーレイ、エドワード・ノートン、ティルダ・スウィントンら豪華な顔ぶれがそろう。
(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
1965年、アメリカのニューイングランド沖に浮かぶニューペンザンス島。12歳のスージー・ビショップは、厳格でお堅い父ウォルトと、口うるさくいつもせわしない母ローラ、そして3人の幼い弟たちと海沿いの大きな屋敷で暮らしていた。趣味は本を読んで自分だけの世界に浸ることと双眼鏡での観察。
ある日、スージーはその双眼鏡で母とシャープ警部の密会を目撃する。同じ頃、ウォード隊長率いるボーイスカウトのキャンプ地では、隊員の一人が置き手紙を残して姿を消す事件が起きていた……。

1年前、ボーイスカウトの活動で劇を観に行ったサム・シャカスキーと、カラス役で出演していたスージーはわずかな言葉を交わしただけで惹かれ合い文通を開始。1年にわたる手紙のやりとりを通して密かに駆け落ちの計画を練っていた。
草原で落ち合った二人は“3.25海里 潮流口”を目指し愛の逃避行に出る。手つかずの自然が残ったその美しい入江を“ムーンライズ・キングダム”と名付けた二人は、海に飛び込み、絵を描き、本を読み、夢を語り合い、ダンスを踊り、初めてのキスをする。翌朝、二人がいなくなったことに気付いた大人たちは右往左往。

娘を誘惑したとウォード隊長に食って掛かるビショップ夫妻だったが、ボーイスカウトの少年たちによって二人は見つかり、離ればなれにされてしまう。だがサムの両親は里親で「変わり者のサムはもう引き受けられない」と言い、福祉局の説明によると、問題児のサムは少年収容所に戻される可能性が高いという。
長年トレーラーハウスで孤独な生活を送ってきたシャープ警部は、身寄りのないサムを預かり、男同士で愛について語りあう。そしてスージーも自分の思いを初めて母親に打ち明ける。サムをのけ者にしていたボーイスカウトのメンバーたちも同情するようになり、ウォード隊長に内緒で二人の駆け落ちを手助けすることに。やがてスージーとサムは、小さなボートを漕いで島からの脱出を図るのだが……。

ウェス・アンダーソン監督の下にブルース・ウィリスやアカデミー女優ティルダ・スウィントンに加えて、ビル・マーレイやエドワード・ノートンまで揃う豪華なキャスティングだ。主役は子役の二人なので、これだけのベテランが出演しているので、子役二人も思う存分?自分の演技に集中出来たのでは。
ブルース・ウィリスは最近出演作が多いのだが、今回は頭頂部が寂しくなりつつある孤島の警部という役所で、実は不倫密会しているという身分。サムの本当の両親はここには登場せずに、里親が登場する。だが、里親もサムには厳しく接し、スージーとの一度目の逃避行に失敗して以来見捨てられ、少年収容所に戻されると知ってボーイスカウト仲間らの同情を買って、スージーとの二度目の逃避行を全員で手助けすることに。そして紆余曲折を経てサムは独身のシャープ警部が引き取ることになり、スージーとも会えるようになりメデタシメデタシ。

ウェス・アンダーソン監督の脚本の良さもある上に、子役二人も上手かった。スージー役のカーラ・ヘイワードはこれが映画初出演という初々しさもあり、子供っぽさの中にも大人びいた雰囲気もあって今後子役女優としての道を進むのなら注目に値するだろう。普段はハードなアクション映画がお似合いのブルース・ウィリスもここでは不倫警部の役だが、たまにはこういう役を見るのも新鮮な感じがする。
全体を通してフランス映画の様な画作りで、12歳の子供の駈け落ちに大人が右往左往する様子をコミカルに描いていて飽きさせない。途中でキャンプ地を嵐が襲う所からは進行が早くなり、最後はブルース・ウィリスが里親になるというオチもユニークだ。アメリカ映画でもこういう作品に仕立てられたのは、やはりウェス・アンダーソン監督の手腕が大きかったのだと思う。だからこそ、これだけのスターが集結したのでしょうね。


映画『みなさん、さようなら』を観て

2013-02-03 23:29:50 | 映画・邦画

13-10.みなさん、さようなら
■配給:ファントム・フィルム
■製作年、国:2012年、日本
■上映時間:120分
■観賞日:2月3日、テアトル新宿(新宿三丁目)
■料金:1,800円

 

□監督・脚本:中村義洋
□脚本:林民夫
◆濱田岳(渡会悟)
◆倉科カナ(緒方早紀)
◆永山絢斗(薗田憲明)
◆波瑠(松島有里)
◆ベンガル(泰二郎)
◆田中圭(堀田)
◆大塚寧々(渡会日奈)
◆ナオミ・オルテガ(マリア)
【この映画について】
『アヒルと鴨のコインロッカー』『ポテチ』の名コンビ、中村義洋監督と主演の濱田岳が再びタッグを組んだ青春作。小学校卒業を機に、団地から一歩も出なくなった主人公の12歳から30歳までの喜怒哀楽を追い掛ける。
その同級生を倉科カナ、永山絢斗、波瑠ら注目の若手俳優たちが演じ、母親役の大塚寧々やケーキ店店主役のベンガルらベテラン俳優たちが作品に彩りを添える。昭和のシンボル団地を舞台に展開する心温まるストーリーが胸に響く。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
“僕は一生、団地の中だけで生きていく。”12歳の春、渡会悟の一大決心は母の日奈を始め、周囲を仰天させる。賑やかな団地には、肉屋から魚屋、理髪店、衣料品店など何でも揃っている。外出する用事は、団地の敷地内だけで充分。初恋も、親友も、何だって団地の中だけで済ますことができる。団地の中のケーキ屋に就職し、同級生の緒方早紀と婚約。
団地の中だけの生活を謳歌してゆく悟だったが、いつしか団地で暮らす友人たちは、1人、また1人と悟の前から去ってゆく。本当はみんな知っている。なぜ悟が団地から出ないのか。果たして、悟が団地から出なくなった本当の理由とは何なのか?彼が団地の外に一歩踏み出す日は来るのだろうか……?

悟は小学校の時、中学生が教室に乱入して包丁を振り回した揚句に刺殺する事件が発生し、これをきっかけに団地の外に出ず団地内で一生を過ごすと決意する。だが、何でそうなの?小学生の考えだから論理的ではなく思い付きだったのだろうが、このストーリーのそもそものスタートはそこなので、もう少ししっかり描いても良かった。
悟の決意も虚しく、同級生は次々と団地を後にして引っ越すばかりで、何時の間にか団地は廃れて来て活気も失われて行く。母子家庭の悟は母・日奈の心配もどこ吹く風で、団地内の商店街に就職すると決意するものの、どの店からも求人を断られ、辛うじて顔馴染みのケーキ屋である秦二郎の店でアルバイトとして雇ってもらう。
相変わらず団地から一歩も外に出ない生活を続けながらも、早紀と婚約し彼女の為にも外に出る決意を一度は固めるも、いざ外へ繋がる階段を降りようとするも発作を起こしてしまい断念し、婚約そのものも不成立となってしまう。

そんな時に知り合ったブラジル人少女との交流話と彼女を誘拐しようとする一味との対決は「余計」だった部分だ。この部分をカットして上映時間を短縮した方が良かった。
最後は、看護師の母が病院で急病で倒れたことから、悟は意を決し団地を出た。が、既にその時にはかつての同級生らは一人も残っていなかった。母は結局亡くなってしまうのだが、悟に取って母の存在はそれだけ大きかったのだ。

12歳から30歳の悟を演じた濱田岳は、それぞれの年代を個性的に演じていたし倉科カナも良かった。だが、ストーリーの核が無くブラジル人少女との交流もどこか中途半端な印象だった。 


映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 3D』を観て~アカデミー賞受賞作品

2013-02-02 19:06:49 | 映画・ドラマ、アクション

13-9. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 3D
■原題:Life Of Pi
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:127分
■観賞日:2月1日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)
■料金:1,300円

 

□監督・製作:アン・リー
◆スラージ・シャルマ(パイ・パテル)
◆イルファン・カーン(成人パイ・パテル)
◆アーユッシュ・タンドン(11~12歳パイ・パテル)
◆ゴータム・ベルール(5歳パイ・パテル)
◆レイフ・スポール(ライター)
◆ジェラール・ドパルデュー(コック)
【この映画について】
世界的な文学賞ブッカー賞に輝いたヤン・マーテルのベストセラー小説「パイの物語」を、『ブロークバック・マウンテン』などのアン・リー監督が映画化。動物園を経営する家族と航行中に嵐に遭い、どう猛なトラと一緒に救命ボートで大海原を漂流することになった16歳の少年のサバイバルを描く。
主演は、オーディションで選ばれた無名のインド人少年スラージ・シャルマ、共演にはフランスの名優ジェラール・ドパルデューが名を連ねる。227日間という長い漂流の中で、主人公がどのように危機的状況を乗り越えたのかに注目。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
アカデミー賞では11部門ノミネートされ、「監督賞」「撮影賞」「作曲賞」「視覚効果賞」の4部門で受賞した。(この部分は結果判明後に加筆しました。)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
インドのボンディシェリで動物園を経営していたパテル一家は、カナダ・モントリオールに移り住むことになる。16歳の少年パイと両親、そして多くの動物たちは貨物船に乗り込むが、太平洋上を航行中、嵐に見舞われて船は沈没してしまう。ただ一人パイは救命ボートに逃れて一命を取り留めるものの、そのボートにはリチャード・パーカーと名付けられたベンガルトラが身を潜めていた。
わずかな非常食で飢えをしのぎ、家族を亡くした悲しみと孤独にも耐えるパイ。そんなパイと一頭のトラとの227日間にも及ぶ太平洋上の漂流生活が始まった……。

この映画、ストーリーらしいストーリーは特に無く、インドからカナダのモントリオールへ経営していた動物園の動物と共に移住しようと決意した航海で嵐に遭遇して、一家のパイだけが漂流した挙句無事に救助されたというのが大まかな流れ。
そうした単純な話の大部分は大海原でのサヴァイヴァルであるために常に海だけが唯一の舞台であるため、如何にして観客の興味を引き付けるかが監督の腕の見せ所だ。 大海原でのベンガル虎「リチャード・パーカー」とパイとの格闘、餌の取り合い、クジラや飛魚の大軍との遭遇、大型船に向かって必死に叫ぶ姿、虎から逃れるための筏での水上生活などを随所に散りばめることで単調にならなかったのは流石だ。

俳優陣はレイフ・スポール以外は(ジェラール・ドパルデューはチョイ役)無名で、遭難した時代のパイを演じていたスラージ・シャルマも演技経験ゼロでオーディションで採用された人だが、冒頭に登場する成人したパイ役のイルファン・カーンは「スラムドッグ$ミリオネア」や「アメイジング・スパイダーマン」にも出演していた俳優だ。

アカデミー賞受賞結果が気になっていたが4部門受賞に輝いた。中でも視覚効果賞を受賞しただけにベンガル虎の見事なCGは躍動感に溢れていて3Dでの観賞は正解だった。監督賞受賞もこの作品の出来栄えなら当然であり納得の受賞だ。


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