kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

中島主将がバースデー逆転タイムリー!!木村うれしいプロ初勝利

2011-07-31 23:58:09 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011

              プロ野球観戦記録NO.16

             ○埼玉西武 7-5 オリックス×

チ  ー  ム 
オリックス
埼玉西武

 【責任投手】
○木村1
勝0敗
S牧田2勝4敗7S
●西5勝4敗1S

【投手-捕手】
(オ)フィガロ、吉野、西、平野、岸田-斉藤、鈴木
(西)石井一、木村、星野、ミンチェ、牧田-銀仁朗

【本塁打】
荒金2号(オ)

【試合観戦評】
地元での7連戦を4-2と2つの貯金で借金はいまだに13ですが、今日も勝って5-2で終えて7連戦の最低目標である「3」の貯金は是が非でも作って仙台に乗り込みたい。先発は中5日の石井一とフィガロでした。

防御率4点台で中5日の石井一が先発なので、序盤からリードを保って中継ぎ陣にバトンタッチする展開に持ち込みたい。その立ち上がりですが、ブルペンから好調を思わせる内容で、そのまま初回に繋がりました。切れのあるストレートと鋭い変化球を低めに集め、2つの三振を奪う好発進!
打線は2回にフェルの安打をきっかけにフィガロのボークや暴投で掴んだ1死2,3塁で銀仁朗のフラフラと内野の頭を越した打球で1点、更に、2塁走者の浅村も本塁を伺うもオリの遊撃手大引が浅村の走塁を故意に妨害するように体当たりを食らわす走塁妨害。オリの故意死球作戦の次は走塁妨害作戦で審判の目をゴマカシ、ナベQ監督の猛抗議やスタンドのファンのヤジもセ出身の審判には通じず1点止まり。
そんなオリとタッグを組んだ審判の姑息なルール違反すれすれの行為もクリのタイムリーと、打者原の時に久し振りに仕掛けた重盗が見事に決まって3点を先取。

これで有利に展開すると思いましたが直後の3回表、先頭の大引に粘られて四球を与えてのは痛かった。先頭を四球で出塁させると失点の確率が高くなり、案の定、2死まで取ったが、T-岡田とバルディリスに打たれた挙句に荒金にまで2ラン本塁打を許し5失点。スタンドのファンも何が何だか分からないうちに逆転されシーンと静まり返った。
小野コーチが一度マウンドに向かうも流れは変わらず、銀仁朗のリードにも問題があったのかフォームの癖を盗まれたのか成す術が無かった。

オリ自慢の平野-岸田を出さない為にも反撃したい打線は4回にフィガロの暴投などで掴んだチャンスに熊代がきっちりと犠牲フライで加点。6回、この回から登板のオリの西を攻めます。先頭の浅村が四球で出塁、オリの3回も四球がきっかけであり得点の気配が。
銀仁朗バントで熊代に代打大島(登録抹消されていたと思っていた)を起用、ここからクリと原まで左が続くので左投手投入かな?って思ったけど、そうすると代打の代打平尾とオリは読んだのか西は続投。結果的に、オリベンチは左投手への交代機を誤った。大島は三振も捕逸で振り逃げ出塁で好機は広がり、その後、2死満塁で中島キャプテンが派手に決めてくれました。

 

この日が29歳の誕生日であるナカジ、2球目のカットボールをライト前に運ぶ逆転2点タイムリー。しびれる場面でキャプテンがスタンドのファンとベンチが望む最高の結果をその通り出してくれた。
後は、中継ぎ陣がこの1点リードを守れば良いだけだ。6回からは木村-星野(2球で左に2安打では抹消候補?)-ミンチェ(星野が作ったピンチを見事に凌いだ)と、最終回は、スタンドの大声援に送られて登場した牧田が1死から2安打を許すも無得点にオリ打線を封じて勝った。
この結果、2番手として1回2/3を投げた木村が嬉しいプロ初勝利。お立ち台はその木村と中島主将でした。勿論、スタンドのファンはこの二人のヒーインを聞いて大喜び、良い気分で帰路に着きました。

これで地元での7連戦は5-2と借金を「3」減らして「12」になり、5位オリとは2.5差と少し縮まった。それでも今日の試合も残塁は多く、オリのバッテリーミス(暴投、捕逸、ボーク2、重盗)なども多くハムやSB相手だとこうは行かないでしょうね。それでもベンチが2ストライクからスクイズを仕掛けたり、重盗を仕掛けたりと、相手のミスに乗じて作戦を立てたのは明るい材料。ベンチが積極的に動かないと、こういうチーム状況下では勝てませんからね。

次週は仙台で東北楽天との3連戦、その後、週末は再び地元で首位SBとの対戦。悪くても4-2で乗り切りたいが、仙台では岩隈の先発が、6日の土曜は杉内の先発が予想されるので、どちらかは確実に打ちこんで勝利したいです。

                                   【2011プロ野球観戦履歴】

NO. 日 付 球  場 対戦チーム スコア 勝敗 先発(L) 先発(相手) 勝利投手 メモ
1 3/02 東京ドーム 読売 2-3x × 大石 澤村 金刃 オープン戦
2 5/03 西武ドーム 千葉ロッテ 5-10 × 涌井 成瀬 成瀬 本拠地初戦
3 5/04 西武ドーム 千葉ロッテ 2-8 × 石井一 唐川 唐川 リーグ戦
4 5/05 西武ドーム 千葉ロッテ 5-3 西口 渡辺俊 西口 リーグ戦
5 5/21 西武ドーム 中日 13-4 山井 交流戦
6 5/28 西武ドーム 東京ヤクルト 3-2 石川 交流戦
7 5/29 西武ドーム 東京ヤクルト 10-1 帆足 増渕 帆足 交流戦
8 6/01 西武ドーム 読売 4-1 涌井 金刃 涌井 交流戦
9 6/05 横浜スタジアム 横浜 4-5 × ハミルトン 牛田 交流戦
10 6/11 西武ドーム 阪神 0-4 × 石井一 能見 能見 交流戦
11 6/18 東京ドーム 読売 1-2 × 涌井 内海 内海 交流戦
12 6/19 東京ドーム 読売 1-10 × 牧田 澤村 澤村 交流戦
13 6/26 西武ドーム 東北楽天 5-4 石井一 川井 石井一 リーグ戦
14 7/02 西武ドーム 北海道日本ハム 2-4 × 涌井 武田勝 武田勝 リーグ戦
15 7/09 西武ドーム オリックス 7-4 涌井 近藤 涌井 リーグ戦
16 7/30 西武ドーム オリックス 7-2 西口 中山 西口 リーグ戦
17 7/31 西武ドーム オリックス 7-5 石井一 フィガロ 木村 リーグ戦

 

 


西口、気合の投球で170勝目を飾る!

2011-07-30 23:48:30 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011

                          プロ野球観戦記録NO.15

             ○埼玉西武 7-2 オリックス×

チ  ー  ム 
オリックス
埼玉西武

 【責任投手】
○西口4
勝6敗
●中山2勝7敗1S

【投手-捕手】
(オ)中山、古川-斉藤、辻
(西)西口、木村、坂元、星野、牧田-銀仁朗

【試合観戦評】
地元での7連戦中5試合を「○○○××」と3連勝2連敗のパターンで消化しての6試合目。チームが首位であればこういう星取りでも「良し」だけど、最下位のチームとしては5試合で4-1としておいて、最終的には6-1として一気に借金を「5」減らして遠征に臨みたい。5-2では「3」減るだけだが、現状では5-2を目指すべく週末の2試合は連勝が義務付けられている試合前でした。



先発は西口と左腕中山でした。打線の援護がいつあるか分からない状況で西口には打線を奮い立たせる投球が期待された中で、初回、先頭の坂口と森山に粘られた挙句フルカウントから四球を与えてしまい無死1、2塁で主軸を迎える嫌な展開。
ここで西口のキャリアが活かされた投球が目を引いた。3番後藤には内角を攻め2ゴロで併殺打に仕留め2死3塁でT-岡田を迎えたが、ここでも打者に向かっていく投球で最後はT-岡田にスイングをさせずに三振を奪いピンチを切り抜けた。

チャンスを潰したオリに対して西武は1回裏、2番原が際どく四球を選び2死から4番中村が初球を左中間席に叩きこむ2ラン本塁打で幸先良く先制した。中村はオリ戦12試合で11本塁打と「お客さん」扱いしている相性の良さがここでも発揮された。
西口は2回からは立ち直り、テンポの良い投球で味方の援護にも乗って安定感のある内容でスタンドで観戦していても点を取られる気配は全く感じなかった。ストレートも140キロ台を常時記録し、チェンジアップやスライダーのキレも良く銀仁朗もリードし易かったはずだ。

打線は4回に熊代のタイムリーで追加点を奪い、5回には1死から四球やエラーも絡んで満塁の好機を得た。連敗中はこの満塁の好機をことごとく潰したのが敗戦の原因だったが、ここでは浅村と珍しく銀仁朗がタイムリーで繋ぎ熊代はフルカウントから押し出し四球、更に、栗山の犠牲飛球で4連続得点で試合を決めた。
オリの中山は序盤から制球難で再三走者を出して、5回も本来は途中交代の場面だが岡田監督は「お仕置き続投」させ、この時点で事実上オリは「試合放棄」状態に突入。結局、中山は6回も続投で7回から古川が登板したが既に勝敗は決してしまった。

オリファンは6回に2番手木村からT-岡田の2ラン本塁打で沸いた以外は、ベンチのファンの期待を無視するような采配で奈落の底に落とされた。打線も3番後藤が2度併殺打で倒れるなど元気が無かった。
西武打線は9安打8四死球で7得点も「残塁10」で、四球で苦しんだ中山をもっと早く引き摺り下ろすことも出来た。
投手陣は西口が5回降板後は木村が制球に苦しみ2失点、3番手坂元もボールが先行したが無失点に抑え、星野-牧田と繋ぎ7-2で勝ちました。西口は通算170勝目を達成、頑張って今度は180勝を目指して下さい。

明日の第3戦は中5日の石井一とフィガロが先発。

西口は6回も投げると思ったけど後で知ったけど豆が出来た影響での降板だったそうで、点差の割には中継ぎを4人も使ってしまったのはどうかな?って感じです。
このカードは前回の同じ西武ドームでの試合で、オリ高宮のナカジへの「故意死球」を巡って乱闘寸前になり警告試合になっていたが、今日は栗山が死球を食らったが西武投手陣はオリへは無死球でした。他チームの投手陣が死球を与えてもゴチャゴチャ言わない岡田監督(スポーツ紙でちゃんとコメントは毎日チェックしていますよ!)、何故か西武投手陣が与えると目くじらを立てるが、そんなこんなで試合前の監督によるメンバー表交換でも恒例の握手は無し。拘っているのは「岡田監督」の方じゃないか!!西武の打者が大人しいと思ってゴチャゴチャ言っているのだろうが、西武相手にそこまで死球に敏感な理由が分かりません。

余談:5回裏を終えてこの点差。久し振りに球場でビール(YEBISU)を飲もうと思って、お気に入りのおネイサンを捜して待っていたけど来なかった。結局、自宅に戻って自室で飲みました。


伊良部元投手、ロスで首つり自殺!

2011-07-29 22:57:14 | 野球全般

プロ野球の千葉ロッテ、阪神や米大リーグのヤンキースなどで投手として活躍、日米通算106(日72米34)勝を挙げた伊良部秀輝元投手が、米ロサンゼルス近郊の自宅で死去していた。ロサンゼルス郡保安官事務所当局者が明らかにした。同事務所は自殺とみている。連絡が取れないことを心配した友人らの通報を受け、同事務所が27日に自宅を調べ、遺体を発見した。

香川・尽誠学園高時代には甲子園に出場し、当時からその速球はケタ違いで、浦和学院高(埼玉県)の強打者鈴木健(西武ドラフト1位)との対決は大いに話題となった。
1987年のドラフト1位でロッテ入団。スピードガン導入後、当時最速の158キロを西武球場で清原相手に記録し、清原は当時「目の前を新幹線が通過していったような速さ」と表現していた。1996年オフには、契約交渉のもつれからロッテと決別し、球団側がパドレスに独占交渉権を与えたものの、伊良部の「ごり押し」が通り、パドレスとのトレードの形で念願のヤンキース入りを果たした。この一件で日米間にポスティング・システム制度が導入されるようになった。

その後、エクスポズ(現・ナショナルズ)、レンジャーズを経て、2002年オフに阪神入りし日本球界に復帰。2003年には13勝し18年ぶりのリーグ優勝に貢献。通算成績は、日本のプロ野球で72勝69敗11セーブ、大リーグでは34勝35敗16セーブ。2004年でいったん現役引退後、2009年に現役復帰。四国・九州アイランドリーグの高知で、2試合に登板したものの、再び引退した。

マスコミで報じられているような豪快なイメージとは逆に、故人と一緒にプレイしたチームメートたちは、後輩思いで繊細な性格で野球に真摯に取り組んでいた伊良部氏のことを知っている。
私は球場で彼の投球を観戦した記憶は無いが、TV中継では彼の試合を数多く観て、その剛球の凄さはいまでも記憶にはっきりと残っているし、彼が尽誠学園高の時から注目していた。入団したのが当時は不人気球団の代表格?だったロッテだったが、その頃からビッグマウスぶりを発揮していたのはよく覚えている。
制球などの問題で一軍でエースとして君臨するまで時間がかかったが、立派な体格から繰り出される日本人離れした速球とフォークの鋭さは攻略が困難だった。念願のヤンキース入団を果たしたが、メジャーではロッテ在籍時の様な輝きを放つことは出来なかった。ヤンキース~エクスポズ時代は先発だったが、レンジャーズでは抑えとして起用されていたが故障もあって満足な成績では無かった。そんな彼に目を付けたのが阪神で、阪神の優勝に大きく貢献したがそれが最後の輝きだった。

こんな形で「伊良部伝説」は幕となったが、あの豪快な投球はいつまでもファンの記憶に留まるでしょう。冥福をお祈りいたします。

千葉ロッテ・上川誠二内野守備走塁コーチ
「西武の清原との勝負は、後ろで守っていても速かった。癖で球種が(直球と)相手に分かられても、打たれなかった。豪快に見えて、内面は繊細だった」

千葉ロッテ・薮田安彦投手
「偉大な先輩だったけど、向こうからアドバイスをしていただいた。先発としての調整法、攻め方のアドバイスをもらった。すごく優しくて、後輩思いの方だった

阪神・片岡篤史打撃コーチ
「同級生で、高校でもプロでもよく対戦した。同じチームでやってた選手がこんな形になって残念。野球が本当に好きな人だった」

オリックス・岡田彰布監督
「結構、話をしたし、野球の話をしたら止まらなかったな。投球フォームとか、こだわりがものすごくあった」

清原和博氏
伊良部とは(球速158キロを記録した)日本最速の勝負や、たくさんしのぎ合いをしてきました。だからすごくすごくつらいです。悲しいです。苦しいです。悲しすぎます


映画『マイティ・ソー』を観て

2011-07-28 19:01:56 | アメリカ映画 2011

11-50.マイティ・ソー
■原題:Thor
■製作年・国:2011年
、アメリカ
■上映時間:115分

■字幕:川又勝利
■鑑賞日:7月23
日、新宿ミラノ3
■料金:1,800円

 
□監督:ケネス・ブラナー
□脚本:アシュリー・エドワード、ミラー&ザック・ステンツ、ドン・ペイン
□撮影監督:ハリス・ザンバーラウコス
□編集:ポール・ルベール
□美術:ボー・ウェルチ
□音楽:パトリック・ドイル
◆クリス・ヘムズワース(ソー)
◆ナタリー・ポートマン(ジェーン・フォスター)
◆トム・ヒドルストン(ロキ)
◆ステラン・スカルスガルド(セルヴィグ教授)
◆アンソニー・ホプキンス(オーディン)
◆浅野忠信(ホーガン)
◆コルム・フィオール(キング・ラウフェイ)
◆イドリス・エルバ(ヘイムダル)
◆レイ・スティーヴンソン(ヴォルスタッグ)
◆カット・デニングス(ダーシー・ルイス)
◆レネ・ルッソ(フリッガ)
◆ジョシュア・ダラス(ファンドラル)
◆クラーク・グレッグ(コールソン捜査官)
◆ジェイミー・アレクサンダー(シフ)
【この映画について】
1962年に発表され、約50年も人々に親しまれているアメリカン・コミックス「マイティ・ソー」が、英国人監督ケネス・ブラナーの手で映画化。自信過剰なヒーローが、縦横無尽に飛び回るアクション・エンターテインメント作品だが、親子の愛憎を描いたシェイクスピア劇のような趣も。
シェイクスピア俳優として知られるケネス・ブラナーの手腕が見事に発揮されている。主人公のソーを演じるのは、オーストラリア出身のクリス・ヘムズワース。その鍛え上げられた見事な肉体美と王子らしいジェントルな物腰で、ハートを鷲掴みにされる女性客も多いはず。日本人俳優・浅野忠信がソーの腹心の部下・ホーガン役で出演しているのにも注目して欲しい。他には
「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマン、「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンス。
(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
神の世界アスガルドの王オーディンの息子ソーは、選ばれた者しか持つことのできない伝説の武器“ムジョルニア”を手に、最強の戦士としてその力を誇っていた。しかし強すぎるあまりその傲慢さから、氷の巨人の世界へ身勝手に攻め込み、アスガルドを戦乱の危機に陥れる。
その行為に怒ったオーディンはソーの力とムジョルニアを奪い、地球へと追放する。地球の荒野で目覚めたソーは、天文学者ジェーンたちの乗った車に追突される。ジェーンたちはソーを病院へ連れていくが、ソーはそこでも暴れ出す。ソーは慣れない人間生活を送るが、ジェーンとの出会いによって人間の痛みや弱さを学び、彼女に心を奪われていく。

一方そのころ神の世界では、邪神ロキがアスガルド征服を狙い、陰謀を企てていた。ソーの護衛であったホーガン、ヴォルスタッグ、ファンドラルの三銃士は、国家の危機をソーに伝えるため地球へやってくる。しかしロキは、破壊者デストロイヤーというマシンをソーに向けて放っていた。さらに危機は、ジェーンにまで迫っていた。ソーは力を取り戻し、地球と神の世界を救うことができるのだろうか?

この映画は元々人気アメリカン・コミックが原作で、更に内容は北欧神話が原典であるのが特徴。神話であるものの、そこには親子間の葛藤や、兄弟間の権力争い、国家間の争いなどが散りばめられており、内容的には現代の世の中にも相通じるテーマであることが人気の秘密だろうか?
ここでは父王オーディンを名優アンソニー・ホプキンスが演じているが、彼はどんな役も自分のものにする現代の俳優の中では最高峰の演技力を誇り、彼がスクリーンに登場するだけで釘づけになるから不思議ですね。その父王の強大なパワーの源が「ムジョルニア」であり、息子ソーはその力を封じ込められ地球へと有無を言わさず追放される。
その間に王国内では弟ロキが台頭し、父王の跡継ぎとしての地位を固めようと着々と基礎を築こうとしていた。父王はそのパワーを使い果たすと暫くの間、長い睡眠を取ることでパワーが再度蘇る特徴があり、ロキはその隙を狙って王位継承を計っていた。ロキとソーは兄弟として育てられたが、この二人の間に血のつながりは無くロキは敵国から連れてこられたのだった。

ソーには彼を慕う側近が居て地球にきた。ソーの地球での落下地点がニューメキシコの砂漠であり、そこに科学者であるジェーンと良い関係になる。そもそも地球に追放されたソーが、その瞬間から英語を話すのは滑稽だが、ジェーンとの関係を築く部分は良いアクセントになっている。因みにジェーンを演じるのは「ブラック・スワン」でアカデミー主演女優賞を獲得したナタリー・ポートマンです。
ソーを追ってきた側近の三銃士の一人が浅野忠信演じるホーガンだが、この役どころは「無口」だが一度語り始めると国が彼の言葉に耳を傾けるという設定。日本人俳優のハリウッドでの役どころとしては無難な線だろう。
ソーはジェーンに心を許し始めるが、国での混乱を聞いたソーは国に戻ることを決意する。

ストーリー的にはこれで終わりますが、続編もありそうな展開なので、その時はそちらも観てみたい気がします。続編を匂わす根拠は、エンド・ロール中にサミュエル・L・ジャクソンが登場するシーンがあり、まるで続編の予告編のように感じました。エンド・ロールと同時にダッシュ帰るのは止めて最後まで観ましょう。


西武、犠牲飛球3本の効率良い攻撃で後半戦3連勝!

2011-07-27 22:26:20 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011
チ  ー  ム 
千葉ロッテ
埼玉西武

 【責任投手】
○帆足5
勝5敗
S牧田2勝4敗6S
●小林1勝3敗

 【戦評】
横浜ベイスターズ状態を一日も早く脱出し、まずは、最下位脱出→勝率5割復帰→Aクラス定着と少しずつながらも借金返済に向かって頑張るしかないですよね。
前半戦1-8と「7」つの借金を背負ってしまったマリーンズ戦、このカードでの借金を一気に返済するには、地元での4連戦4連勝しかないでしょ!先発は帆足選手会長とマリーンズは小林。小林の1勝はQVCマリンでの西武戦なので、今日は何としてもお返ししないと。

今日は5回裏からTV観戦。序盤から効率のよい攻撃で点を重ねる打線。1回にはナカジが右中間に、3回には原が低目の球を技有りですくいあげてライトへ、4回にはフェルが右中間いずれも犠牲飛球で3点を上げる効果抜群の攻めで、一時のイライラが募る攻撃も今日ばかりは「残塁4」でスッキリした~。

 



そんな中で帆足は肘の具合が良かったのか、持ち味の低目への投球が光り、中でもカーブの制球は抜群で8回を投げ切り、最終回は牧田が無失点で抑えて3連勝となった。
今日のヒーインは2夜連続で原だった、片岡ものんびりとファームでリハビリしている場合では無くなってきたかな?
その原の4打席は「犠打」「右犠飛(打点1)」「左二塁打(打点1)」「左飛」と、繋ぎと打って稼いだ打点2と見事な一日だった。

明日はカード4連勝をかけて平野と上野が先発する。頑張ってマリーンズを4タテしてくれ!!
 


西武、怒涛の集中打で3点差を一気に逆転で連勝!

2011-07-26 21:52:30 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011
チ  ー  ム 
千葉ロッテ

埼玉西武

【責任投手】
○松永1勝0敗
S牧田2勝4敗5S
●大谷1勝5敗

【試合詳細】
昨夜は、中島の首相主将就任祝いを自らの本塁打で飾り、今日はその勢いに乗ってロッテに連勝と行きたい所でした。先発は「センバツ準優勝(横浜高)投手」涌井対「センバツ優勝(報徳学園高)投手」大谷でした。
帰宅後、試合をTVで観たのは5回表からで携帯で途中経過をチェックしていたのですが、0-3と劣勢に立たされ最近の悪い癖で「今日も負けか?」ってな気分も。
涌井が負傷退場で降板し中継ぎ勝負に持ち込んだライオンズ、6回裏に、遅まきながらも先頭のクリが微妙なタイミングながらもショート内野安打で出塁したけど、これは彼の全力疾走で稼いだヒットで、その必死さに一塁塁審はセーフのコール。
ここから6打数連続安打(死球を挟むため)と押し出し四球などで一気に6点も奪ってスカッとしましたね。こんなに打線が繋がったのって今月何時以来かな?まあ、各打者が中村も含めて「次の打者に回そう」との繋ぐ意識がこの攻撃を呼び込み、気持ちがこもっているから微妙な打球も野手の間を抜けたりしてツキを呼び込むことが出来た。

ロッテ投手陣の失点はこの回だけだったけど、ライオンズ打線の必死の攻撃に里崎捕手も厳しいリードが出来ず、投手陣も3点リードを失い、逆に3点リードを与えてしまったのは誤算でしょう。
この3点差を7回木村-8回ミンチェ-9回牧田のリレーで最終的には1点差で守りきって連勝を達成した。8回と9回はヒヤヒヤする場面もあり、特に最終打者となった今江の打球もライナーで肝を冷やした。

この結果、松永が久し振りの勝利投手に輝いたのは本人にとっても良いことだ。7回からの投手リレーは、今後の勝利への方程式を思わせるが、木村の登板過多が気になるのと、今日は牧田の球にキレがイマイチでこちらも疲労を考慮しながらの起用となりそう。

取りあえず連勝となったので、明日も勝って4連戦のカード勝ち越しを決めておきたい。明日は帆足選手会長に期待!


西武・中島「主将就任」最初の試合に待望の一発!連敗は9でストップ

2011-07-25 21:56:20 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011
チ  ー  ム 
千葉ロッテ
埼玉西武

【責任投手】
○ミンチェ4勝1敗1S
S牧田2勝4敗4S
●成瀬6勝8敗

【本塁打】
中島11号(西)

【試合詳細】
中島が8回裏の打席で、平日のナイターにも関わらず休日並みの2万4千人超を呑みこんだ西武ドームのライオンズファンの期待を一身に浴びて空振りした後の2-2から一閃すると、打球は西武応援団が陣取る左翼席へ飛びこむ待望の勝ち越し2ラン本塁打。球宴後の初戦、ナカジのユニフォームに主将を意味する「C」(キャプテン、Captain)のマークがあるとおり、これからは文字通り中島主将を中心に勝ち続けるしかないのだ。

今日のヒーインは3安打で勝利に貢献したクリと、3打点のナカジは当然。今日の試合は5回表途中1-0から観ていたけど、1-2と逆転された直後の裏の回にクリの執念が乗り移ったかのような同点タイムリーはチームに勇気を与えた。
石井一が途中降板した後を継いだ2番手木村がロッテ打線の勢いを止めたのも大きかったし、8回表に自らの失策でピンチを招いたミンチェも巧み(匠な?)な配球でカスティーヨを打ち取り勝利投手になった。

それにしてもビジター9連敗で、横浜ベイスターズファンの心境が少し理解出来けど、もうこれからは上を向いて勝ち続けるしかない。幸いにもロッテは唐川が登録抹消で登板せず、明日の先発は涌井と元センバツ優勝(報徳学園)投手大谷だ。不甲斐ない投球が続いているエースが球宴期間のリフレッシュを経て、今日の勝利をパワーに替えてビシッ連勝を手繰り寄せてもらいたい。

最後に、余談ですけど、西武の応援スタイルが今日から一新されたようで、何だかロッテの応援みたいなスタイルに変身していましたね。これからあのスタイルになるのかな?


球宴、パ・リーグが8投手のリレーで完封勝利

2011-07-24 15:35:44 | 野球全般
チ  ー  ム 
セ・リーグ
パ・リーグ

【投手】
(セ)由規(ヤ)、山口(横)、バリントン(広)、内海(読)、江尻(横)
(パ)田中(楽)、ダルビッシュ(日)、和田(ソ)、攝津(ソ)、斎藤(日)、森福(ソ)、増井(日)、岸田(オ)

【本塁打】
稲葉(日)、T-岡田(オ)

【試合詳細】
オールスター第3戦はKスタ宮城で行われ、パ・リーグがセ・リーグを5対0で破った。
パは1回、1死から内野安打で出た走者を、続く稲葉が右翼席へ先発の由規から球宴2号本塁打を放ち2点を先制。3回は2死三塁から再び稲葉の右前適時打で3点目を追加した。4回には1死からT─岡田の球宴1号ソロで4点目。さらに6回は2死からT─岡田、中田の連打で一、三塁とし、代打・内川の左前適時打でリードを5点目に広げた。
MVPは本塁打を含む3安打で3打点を稼いだ稲葉が獲得した。
セは10安打中9安打が単打でチャンスであと一本が出ずに敗退、今年の球宴は3試合を行いパの2勝1敗だった。

今年は震災の影響もあり、本来はKスタでの開催は予定外だったが東京ドームでの開催を強引に振り替えたことで実施した。過密日程の影響もあって、明日からは早速、埼玉西武VS千葉ロッテの1試合が予定されているが、球宴は本来は1試合がベストだと思う。
出場に相応しくない成績の新人など一部選手も選ばれており、1試合を原則として2試合開催の場合は地方都市で開催するなどすれば良いのではないでしょうか?交流戦が定着してきたので、球宴の開催方法にもう一工夫が欲しい。

§球宴結果§
第1戦:セ9-4パ MVP:畠山(東京ヤクルト)
第2戦:パ4-3セ MVP:中村(埼玉西武)

 

第3戦:パ5-0セ MVP:稲葉(北海道日本ハム)


映画『黄色い星の子供たち』を観て

2011-07-23 14:56:22 | ヨーロッパ映画

11-49.黄色い星の子供たち
■原題:La Rafle
■製作年・国:2010年
、フランス・ドイツ・ハンガリー
■上映時間:125分

■字幕:松浦美奈
■鑑賞日:7月23
日、新宿武蔵野館
■料金:1,800円


□監督・脚本:ローズ・ボッシュ
□衣装:ピエール=ジャン・ラロック
□撮影監督:ダヴィッド・ウンガロ
□編集:ヤン・マルコール
□美術:オリヴィエ・ラウー

◆メラニー・ロラン(アネット・モノ)
◆ジャン・レノ(ダヴィッド・シェインバウム医師)
◆ガド・エルマレ(シュムエル・ヴァイスマン)
◆ラファエル・アゴゲ(スーラ・ヴァイスマン)
◆ユーゴ・ルヴェルデ(ジョー/ジョセフ・ヴァイスマン)
◆オリヴィエ・シヴィ(シモン・ジグラー)
【この映画について】
1942年にフランス政府の手によって行われた史上最大のユダヤ人一斉検挙。1995年にジャック・シラク大統領がフランス政府の果たした役割を認めるまで、事件はナチスドイツのユダヤ人迫害のひとつとして捉えられていた。誰もが知っている歴史の陰に、知られざるもうひとつの暴挙が隠されていたのだ。一体フランスは何をしたのか?何と引き換えに、何を目的に、罪のない尊い命を差し出したのか…?その事件の全貌を、初めて詳細に追いかけた本作に登場する人物は、ごく小さな子供たちも含めて、すべて実在する。
“真実”だけを描こうと決意し、3年近くにわたって、綿密な調査と研究を続けた監督は、元ジャーナリストのローズ・ボッシュ。脚本も手がけた彼女は、記録文書や映像に片端から目を通し、生存している目撃者に連絡を取って証言を集めた。出演は、「オーケストラ!」のメラニー・ロラン、「ダ・ヴィンチ・コード」のジャン・レノ。
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
1942年、パリ。少年ジョーの家は貧しく、ユダヤ人の印である黄色い星を胸につけていたが、父や母、親友のシモンやシモンの弟ノノらと幸せな日々を送っていた。
そのころユダヤ人迫害政策を推し進めていたヒトラーは、ナチス・ドイツ支配下のフランスに、ユダヤ人を引き渡すよう要求する。ラヴァル首相はパリ地区の外国籍のユダヤ人2万4000人の検挙を決定する。ドイツ側は子供の除外を提案するが、孤児の面倒を見切れないことから、ラヴァルが反対する。

ユダヤ人の間で検挙の噂は流れていたが、兵器工場に必要な男だけだと信じられていた。しかし7月16日午前4時、女子供もあわせて1万3000人のユダヤ人が検挙され、ヴェル・ディヴ(冬季競輪場)に移送される。赤十字から派遣された看護師アネットが、ヴェル・ディヴにやってくる。数千人の患者に対し、医師は自身も検挙されたシェインバウムだけ、看護師はアネットを入れて6人しかいなかった。シモンとノノの母親は、流産が原因で亡くなっていた。しかしノノは母の帰りを待ち続ける。
劣悪な環境で5日間を過ごしていたユダヤ人に対し、ホースの点検に来た消防団の責任者が1度だけ消火用の水を振る舞った。人々は親戚や友人に宛てた手紙を消防士に託す。突然、彼らはロワレ県ボーヌの収容所へ移送される。共に移動したアネットは、不潔で食料も乏しい環境に愕然とする。
ユダヤ人と同じ食事を続け痩せ細ったアネットはその姿で知事を訪ね、食料の配給を受ける。ある日、ユダヤ人しか行くことのできない別の収容所への移送が決まる。今回は子供を残して、大人だけが出発することになる。残されジョーは、ノノをおぶって脱走しようとシモンを誘う。しかし子供たちには過酷な運命が待ち受けていた。

フランス政府は長年この事実を放置していて認めていなかったそうだ。それも生存者は1万3千人の検挙者があった中で25人しかおらず、ジャーナリストでもあり監督でもあるローズ・ボッシュは生存者を見つけることから始めたがこれが大変な作業だったそうだ。
この作品は主に看護師アネットの視点で描かれており、自らも検挙者であるジャン・レノ演じる医師役と共に二人の目線で進行する。前半は普通にパリ市内で「黄色い星」をつけて生活するユダヤ人の様子から始まり、秘密裡にナチス側からユダヤ人検挙の要請を受けたパリ市側が応じて、明け方に一斉検挙を不意打ちのように行う。この時、アパートの地元住民が友人のユダヤ人家族に警察が来たことを大声で知らせたりして、当初の予定では2万4千人の検挙を目論んでいたものの1万3千人に落ち着いたのはパリ市民の「協力」があったからだ。
ここからは悲劇のシーンの連続で、自転車競技場での劣悪な環境下での生活と移送先の収容所での更なる環境悪化と一気に彼らは追い詰められてゆく。

この中でもやはり印象に残ったのは、自転車競技場での消防士たちによる給水活動だ。このエピソードが盛り込まれた裏には、ユダヤ人一斉検挙というフランスの暗部を描くばかりでは無く、こうした勇気ある行動を取った消防士の話を紹介することでフランス人が悪者ばかりでは無いとしてバランスを取った描き方にも思える。
もう一つは大人達だけが別の収容所へと移送されるとき、ジョーの母は駈け戻り、息子の手を取って涙ながらに「約束して、生きるのよ」と伝えるシーン。この場面で母はもう2度とこの世で親子として再会することは出来ないと悟ったに違い無い。この時の母の表情は切なかった。


映画『スーパーエイト』を観て

2011-07-22 17:15:56 | アメリカ映画 2011

11-48.スーパーエイト
■原題:Super 8
■製作年・国:2011年
、アメリカ
■上映時間:112分

■字幕:岸田恵子
■鑑賞日:7月18
日、渋谷TOEI
■料金:1,800円

 
□監督・脚本・製作:J・J・エイブラムス
□製作:スティーヴン・スピルバーグ
□撮影監督:ラリー・フォン
□編集:マリアン・ブランドン、メアリー・ジョー・マーキー
□音楽:マイケル・ジアッキーノ
□美術:マーティン・ホイスト

◆カイル・チャンドラー(ジャック・ラム)
◆エル・ファニング(アリス・デイナード)
◆ジョエル・コートニー(ジョー・ラム)
◆ガブイエル・バッソ(マーティン)
◆ノア・エメリック(ネレク空軍大佐)
◆ロン・エルダード(ルイス・デイナード)
◆ライリー・グリフィス(チャールズ)
◆ライアン・リー(ケアリー)
◆ザック・ミルズ(プレストン)
【この映画について】
監督にTVドラマ「LOST」シリーズ等のヒットメーカー、J.J.エイブラムス、製作に巨匠スティーブン・スピルバーグという最強タッグが生み出した、SF超大作。舞台となるのは、ちょうど少年だったJ.J.が8mm映画作りに熱中していた1979年。そんなノスタルジックな空気の中で、ちょっと間が抜けているけれど憎めない少年たちが偶然に秘密を知ってしまい、冒険に出るストーリーは『グーニーズ』を、町にざわざわと異変が起こっていく様子は『未知との遭遇』を、そして作品の根幹には『E.T.』のスピリットを感じさせる。
つまり本作には、J.J.も大好きだったスピルバーグ作品のエッセンスが、山ほど詰まっているのだ。そして『クローバーフィールド/HAKAISHA』で見せた“主役は最後の最後まで見せない”J.J.お得意の恐怖演出も冴え渡り、懐かしさと新しい世代の映画術が融合した、世代を問わずに楽しめるエンターテインメント作品になっている。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
1979年のオハイオ州。ある夜、主人公・ジョー・ラムを含む六人は、自主制作のゾンビ映画を作るため、スーパー8mmカメラを持って線路のすぐ近くで撮影をしていた。しかし、映画の撮影中に線路上で米空軍の物資を運んでいた貨物列車と線路を走っていた一台の車が激突し、後の大事故となる。列車が大炎上するほどの大事故であったが、ジョー達は奇跡的に全員無事であった。

電車に衝突した車の運転手、ジョー達の通う学校の生物教師であるウッドワードは、ジョー達に「今見たことを決して誰にも言ってはいけない。そうしなければ君達と、君達の親も殺される」と意味深な言葉を残したが、その言葉の真意はわからないまま時間は過ぎていった。そして、その夜から街では、住民が失踪、犬が逃げ出す、停電が続くなどの奇怪な事件が続出し、仲間のアリスも何者かに攫われてしまった。

騒動の原因であると推測された貨物の正体はジョー達が撮影した映画に偶然映っており、それを知ったジョー達は謎を解明するために学校へ忍び込み、ウッドワードの記録を辿る。記録では謎の貨物の正体とは高度な技術と超能力を持った宇宙人であった。ウッドワードはそれの研究機関の一員であり、その宇宙人を軍の手から離そうと考えていたのである。

アリスを攫った者の正体を知ったジョー達は、アリスを探すために街で調査を行い、列車から脱走した貨物、すなわち宇宙人の隠れ家を発見する。宇宙人はそこで捉えた人間を食し、地球から出るための準備をしていた。そこにはアリスもとらわれており、間一髪でアリスを救出できたジョー達は地上へ。

ジョー達が地上へ出た頃に宇宙人は既に地球から出るための準備を完成させており、地球を脱出した。アリスは父と、ジョーも父と再会を果たし、親子としてもそこに邂逅があった。

この映画は最近のスピルバーグ作品らしく事前にストーリー構成等が一切発表されずに、予告編も作成されたがそれだけでは内容を把握することすら出来ずに、従って、劇場で購入したプログラムにもストーリーは掲載されず。こうしてこの映画への期待感を最大限煽っておいて公開するという手法だが、簡単に言えば「スーパー8」は青春映画の代表作「スタンド・バイ・ミー」と「E.T.」と「グーニーズ」の良い所どりをして、そこにJ.J.(ジェフリー・ジェイコブ)エイブラムスの個性とスピルバーグならではのワクワク感をまぶして完成させたような出来だ。
8mm映写機で自主映画を製作する少年たちと彼らのアイドル?であるアリスとの関係は「スタンド・バイ・ミー」を想起させるし、謎の宇宙人が地球から自分の星へ戻るラストは「E.T.」かな?、この2つの流れに「グーニーズ」のスピード感が加えられているというのが私の雑感。

俳優陣は大物は見当たらず、アリス役のエル・ファニングは名子役として名を馳せた姉ダコタと共に子供ながら落ち着いた演技を見せる。エル・ファニングは場面毎に描かれ方が異なり、一緒に映画製作をしているときや父と一緒に時とでは表情や魅せ方まで違う。姉ダコタは年齢的に子役の枠を脱して「ランナウェイズ」ではパンク歌手の役を演じているが、大人の魅力を兼ね添えた演技派として脱皮し第一線級のスター女優としての地位を築けるか注目される。
妹エルは、まだまだこれから話題作などに出演して姉とは違う個性を発揮できるかに注目したい。

エンドロールでは、子供たちが製作して完成させた「ゾンビ」が映されるので、エンドロールと同時に席を離れずに最後まで観ましょう。


映画『アイ・アム・ナンバー4』を観て

2011-07-21 14:46:00 | アメリカ映画 2011

11-47.アイ・アム・ナンバー4
■原題:I Am Number Four
■製作年・国:2011年
、アメリカ
■上映時間:110分
■字幕:稲田嵯裕里
■鑑賞日:7月16
日、TOHOシネマズ有楽座
■料金:1,600円

 
□監督:D・J・カルーソ
□脚本:アルフレッド・ガフ、マイルズ・ミラー、マーティ・ノクソン
□製作:マイケル・ベイ
□撮影監督:ギレルモ・ナヴァーロ
□編集:ジム・ペイジ、ヴィンス・フィリッポーネ
□音楽:トレバー・ラビン

◆アレックス・ペティファー(ナンバー4、ジョン・スミス、ダニエル)
◆ティモシー・オリファント(ヘンリー)
◆テレーサ・パーマー(ナンバー6)
◆ダイアナ・アグロン(サラ)
◆カラン・マッコーリフ(サム)
◆ケヴィン・デュランド(モガドリアン)
◆ジェイク・アベル(マーク)
【この映画について】
地球で暮らす9人の若者たち。彼らはお互いがどこにいるか知らず、自分たちを殺そうとする異星人“モガドリアン”から逃げながら、身を潜め生活している。しかし、彼らには“レガシー”と呼ばれる能力が秘められていて、番号順に能力が覚醒していく。ナンバー4は、両手から青白い光を放つというレガシーで、ロリアンを根絶しようと彼らを追うモガドリアンと対決していく。派手なアクションシーンも見応えたっぷりの本作だが、初めての恋を経験し、人間との友情を育みな成長していくナンバー4の成長物語としても楽しめる。
アレックス・ペティファー、テリーサ・パーマーら、ヤングスターの活躍も見どころ。「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ製作、「イーグル・アイ」のD・J・カルーソ監督で贈るSFアクション。
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
特殊能力を持ちながらも自らの運命に気づかず、何者かに命を狙われ続ける9人の若者たち。世界中に散らばり、幼いときからそれぞれの守護者とともに正体を隠して生きてきた。
ある夜、ナンバー1と2に続いて、ナンバー3の死を知ったナンバー4は身の危険を察知して、守護者ヘンリーとともに次なる土地を目指す。オハイオ州の田舎町パラダイスの町外れに辿り着いた2人は、作家ヘンリー・スミスとその息子ジョンとして暮らし始める。だが、外出を禁じるヘンリーに逆らい、ハイスクールへの通学を始めるジョン。彼が求めていたのは普通の若者らしい日常だった。しぶしぶ通学を許可するヘンリー。

ジョンはハイスクールでサラと出会い、彼女に強く惹かれる。だがその頃、ジョンの身体に異変が。授業中、激痛とともに両手に光が現れたのだ。必死に隠したものの、気を失ってしまうジョン。それは“レガシー”と呼ぶパワーの覚醒だった。ヘンリーはジョン自身がコントロールできるようになるまでそのパワーの使用を禁じる。
だがカーニバルの夜、サラの元恋人のマークたちによって彼女の身に危険が迫ったとき、パワーが再び溢れ出す。怒りに身を任せてしまったことを後悔するジョン。さらに、友人でUFOオタクのサムにもそのパワーを目撃されてしまう。数年前に謎の失踪を遂げた宇宙研究家の父を持つサムは、失踪の原因とジョンの正体の関係を疑う。ジョンがパワーを使用したと知り、一刻も早く町を出るよう促すヘンリー。だが彼には、運命に立ち向かう決意が生まれていた。さらに、仲間を求め続けてジョンの足跡を探し出した者がいた。幼いときに守護者を殺され、1人で生き抜いてきた女戦士ナンバー6だった。やがて、謎の敵との壮絶な戦いの火ぶたが切って落とされる……。

この映画、これで完結とは行かないようだ。取りあえず、今回はこれで終わりだけどナンバー5,7,8,9は未登場だし、本作の評判や興行収入次第では続々とパート2やら3が製作される可能性は大。
マイケル・ベイが製作者として名を連ねているがどこまで関わっているかは不明だが、宇宙人が地球に「亡命」してきてひっそりと?英語を喋って生活しているという辺りは違和感あるけど、宇宙での出来事とかは余り取り上げていないので、モガドリアンとのラストでの決戦?も背景や特徴が分からずただ観ているだけ。
田舎町が舞台という設定だからスケール感は感じないけど、ナンバー4が人間の年頃の青年のように美少女サラに好意を持ったり、更にちょっかいを出す輩と対決したり、UFOオタクの同級生に正体を見破られたりと、青春ドラマの様な要素もあり単調にならない工夫もされていた。
出演陣では主役のナンバー4を演じるアレックス・ぺティファーは英国のモデル出身の若手俳優で中々のイケメンだから、今後注目作への出演が増えれば日本でも人気が出そう。サラ役のダイアナ・アグロンも可愛いし清楚な感じで、米国的肉体派女優とは一線を画しているようで、こういうキャラの女優としての路線を歩むのだろうか?
無名の若手俳優が多い中で、ナンバー4の守護人を演じていたティモシー・オリファントは良かった。ナンバー4の父では無いが、父のような存在感で揺れ動く若者の行動を制していたが、最後はモガドリアンとの戦闘で命を落としたのは残念だった。 


西武、悪夢のビジター9連敗でナベQ監督の進退にも影響か?

2011-07-20 21:09:17 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011
チ  ー  ム 
埼玉西武
福岡ソフトバンク

もう何を語って良いのかも分からないほど酷い、13連戦の結果は御存知の通り3勝10敗で9連敗で球宴前の日程を全て消化した。消化試合数は73試合/144試合なので、昨日の時点で前半を消化して今日の試合からが後半戦です。
[28勝43敗2分]...この数字、横浜ベイスターズの成績ではありません...念の為。何を隠そうライオンズの今日までの数字です。借金「15」ですよ!球団創設の1979年以来のワースト記録で、9連敗は伊東監督最終年の2007年の交流戦期間中に10連敗しましたが、あれ以来です。酷過ぎる、こんな大型連敗二度と無いと思っていました当り前ですが。
1979年は福岡・平和台球場を本拠地としていたクラウンライター・ライオンズを西武が買収して移転してきた初年度で、クラウンライターの根本監督がそのまま初代監督としてチームを率いていました。この年、忘れもしませんが開幕から12連敗しましたが、阪神から移籍の田淵が主力選手で、まだ十分に戦力が整っていなかった当時と現在ではチーム構成も全く異なるのに、この無様な成績しか残せなかった責任は...一体どこにあるのだろう。

15日と16日のブログでは主に投打別に私なりに原因を分析しましたが、戦う選手にも問題がありますが、与えられた戦力の能力を最大限に発揮して勝利へ導くべき監督・コーチはベストを尽くしているのか?チーム編成を担うフロントの責任は?
まず第一にチームを率いる最高指揮官のナベQ監督の監督としての能力は如何に?2008年に2軍監督から昇格する形で伊東監督(当時)の後を継ぎ、イキナリ日本一→アジア王者→WBC連覇に主力選手らが貢献と、これ以上望めない最高の結果が出てスタートを切ったけど、2009年は勝率5割で4位、昨年は2位と、2年連続でV逸というファンの期待を裏切る結果しか残せず、背水の陣で臨んだ今季の最下位低迷。

いつまでも2008年当時の野球に固執し、球団伝統の機動力野球を片岡一人に任せたツケや「繋ぎの野球」を推進しなかった結果、統一球対策でも遅れを取った責任は監督にある。投手出身の監督をコーチが強力にサポート出来ず、土井コーチは浅村育成に力を発揮しているようだがヘッド兼任打撃コーチで、コーチ補佐で現役時代に1軍経験ゼロの熊澤コーチの能力にも疑問を感じる。打撃コーチは相手投手の攻略方法を立案し監督に進言する立場なのに、いつも同じミスの繰り返しで、主力選手との意思疎通は取れているのか疑問を感じる。
投手コーチの小野と石井丈の二人も育成や調整方法に疑問を持つし、細川移籍に伴う銀仁朗の教育をする光山と仲田のバッテリーコーチの配球論はどうなっているのか?スコアラーの集めたデータ分析を二人のコーチはどうやっているのか?

西武黄金期に選手だった優秀なOBが他球団で監督(SB秋山監督)やコーチとして活躍し、そのチームの骨格を作っているのに対して、現在の西武のコーチには残念ながら他球団在籍のOBコーチ等と比べるとその指導力が勝っていると思えない人物もいるようだ。
まあ、この期に及んでそんな批判をファンがしてもしょうがないけど、フロントのチーム編成体制にも問題がある。前田球団本部長は他球団に人脈が無いのか人望が無いのか知らないが、主力級選手の獲得や外国人選手の獲得でも動きが鈍く、シーズン中の外国人獲得もやっとMLB経験の無い「R.マルハーン外野手」獲得を決めただけ。

【勝利への執念】のスローガンの下に、フロント~現場~選手が果たして勝利に向かって一丸となっているか?球宴期間中に休んでいる場合では無い筈だから、しっかりと練習して連敗を直ちにストップすることが求められる。
このまま、借金を増やし「最下位」定着となるとシーズン中ながらナベQ監督の進退問題へと発展する恐れがある。その場合、誰が監督代行を務めるかは別(伊東を除く監督経験者の再登板?)として、これ以上チームの歴史に泥を塗るのは止めてくれよ!お願い!!

泥臭く勝利へ向かってプレイして下さい。


大関・魁皇、最多勝を花道に引退!

2011-07-19 22:45:00 | スポーツ・格闘技

大関・魁皇(友綱部屋、福岡県出身)が名古屋場所10日目の今日の取り組みで対戦した、大関・琴欧洲(佐渡ヶ嶽部屋、ブルガリア出身)に押し出されて7敗目を喫した。この結果を受けて、魁皇は引退することになった。明日にも引退届を提出し年寄・浅香山を襲名し部屋付き親方として弟弟子らを指導し、現友綱親方の定年退職後に部屋を継承する路線が既に敷かれている。

日本相撲協会の名古屋場所担当部長を務める師匠の友綱親方は「自分が携わった場所で、ここまで何とか来てくれた。いつでも覚悟はできている。本人が言えば、ご苦労さんと言ってやりたい」と穏やかな口調で弟子をねぎらう言葉を並べた。
友綱親方は、以前、魁皇が不成績で苦しんでいる時に「引退勧告」をした過去があるが、その時は魁皇自身が現役続行に意欲を示したことで同親方も折れ、それ以降、引退問題は魁皇自身の決断に委ねられていた。

通算成績は140場所で1047勝699敗158休。幕内で879勝580敗141休。魁皇が持つ主な記録に幕内勝利数1位(879勝)、幕内在位1位(107場所)。大関在位65場所は昨年初場所で引退した千代大海と並び史上1位タイ。左四つに組んでの豪快な上手投げや小手投げを得意とし、力強い寄りを武器に横綱を除く力士としては最高回数となる優勝5回を誇る。
但し、魁皇には元大関・千代大海と並んで晩年はカド番を繰り返し、8-7(ハチナナ)や9-6(クンロク)を連発するなどで序盤から優勝戦線を脱落する相撲が続き、八百長問題でも度々「無気力相撲」では無いかとの指摘を千代大海共々受けており、栄光の最多勝の陰には触れられたくない闇の部分も持ち合わせている。

いずれにせよ、今場所、元横綱・千代の富士の最多勝記録を更新したことが引退を決意させる要因になったのは間違いない。彼の引退で日本人大関は皆無となり、大関昇進を目指している関脇・琴奨菊が12勝以上を上げれば大関昇進が噂されるが、果たしてどうだろうか?

横綱・白鵬(宮城野部屋)のコメント
「同じ(立浪)一門でずっと入門のときから引っ張ってきてくれた。憧れの力士の一人でもあった。本当にお疲れさまです。そしてこれからもよろしくお願いします。同じ土俵で名大関と対戦したことを誇りに思う

貴乃花親方のコメント
「お疲れさまというより、ご苦労さまの気持ちです。いつまでも「同期の星」でいてほしかったですが、本人の気持ちもあるので仕方のないところもある。でも残念ですね。これからは同じ「親方」として、相撲協会のために頑張っていきましょう」


映画『BIUTIFUL ビューティフル』を観て

2011-07-17 23:10:35 | ヨーロッパ映画

11-46.BIUTIFUL ビューティフル
■原題:Biutiful
■製作年・国:2010
年、スペイン・メキシコ
■上映時間:148分
■鑑賞日:7月10
日、TOHOシネマズ・シャンテ
■料金:1,600円

 
□監督・脚本・製作:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
□脚本:アルマンド・ボー、ニコラス・ヒアコボーネ
□撮影監督:ロドリゴ・プリエト
□編集:スティーヴン・ミリオン
□美術:ブリジット・ブロシュ
□音楽:グスターボ・サンタオラヤ
◆ハビエル・バルデム(ウスバル)
◆マリセル・アルヴァレス(マランブラ)
◆エドゥアルド・フェルナンデス(ティト)
◆ディアリャトゥ・ダフ(イヘ)
◆チェイク・ナディアイエ(エクウェメ)
◆チェン・ツアイシェン(ハイ)
◆ルオ・チン(リウェイ)
◆ハナ・ボウチャイブ(アナ)
◆ギレルモ・エストレーリャ(マテオ)
【この映画について】
『バベル』『21グラム』で生と死をテーマにした群像劇を描いてきたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、本作では死に向かう一人の男の姿を描き出した。子どもたちのために非合法な仕事にも手を染める父親を演じたのは、ハビエル・バルデム。良かれと思ってしたことが裏目にでたり、妻や兄との間にもわだかまりを抱えた彼の人生は、はたから見ると悲惨なもの。しかし、そんな人生を子どもたちのために懸命に生きる父親の姿は鮮烈な印象を与え、バルデムはカンヌ映画祭で主演男優賞を獲得している。アカデミー賞主演男優賞・外国語映画賞ノミネート。
タイトルの「Biutiful」は、彼が娘に教えた「beautiful」の綴り。間違ってはいるものの、それは彼が娘に残した生きた証のひとつなのだ。
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
スペイン・バルセロナ。その華やかな大都市の片隅で、厳しい現実と日々対峙して生きているウスバルは、離婚した情緒不安定で薬物中毒の妻マランブラを支えながら、2人の幼い子供アナとマテオたちと暮らしている。
そのウスバルには幼い頃に父はフランコ政権の圧政に嫌気がさして海外に逃亡したので、父の記憶が無く母ともその後死に別れたので、兄のティトと大都市の中で生きて行く為に当り前のように非合法の世界へと墜ちて行った。

決して裕福とはいえず、生活のためにあらゆる仕事を請け負っていたウスバルは、ときには麻薬取引、中国人移民への不法労働の手配など非合法な闇の仕事も厭わない。
しかし、争いごとの絶えない日々のなか、ウスバルはしばしば罪の意識を覚えていた。ある日、ウスバルは末期の前立腺がんであることがわかり、余命2ヶ月を宣告される。「二人の幼い子供を残して死ねない!」、彼は、自分が幼少期に両親の愛情を受けられなかったことから、死の恐怖と闘いながらも、残された時間を家族の愛を取り戻すために生きることを決意する。

だが、薬物依存症から抜け出せずに施設に住む(元)妻マランブラと家族として楽しかった日々を取り戻そうと努力するが、そんな彼の気持ちは薬物依存と精神を病んでいる妻に通じることは無かった。気分の起伏の激しい妻は結局夫と二人の子供たちとの生活を取り戻せなかった。
そこで彼は、仕事仲間で逮捕されたセネガル人の男の妻イヘと子供を不憫に思い狭い家の一角に部屋を与えて、奇妙な共同生活が始まる。当初は打ち解けていなかったが、徐々に、ウスバルの子等とも打ち解けて学校の送迎に同行するまでになった。

このイヘとの関係が、薬物依存の妻に替わってウスバルが信頼を寄せるようになり、ウスバルも自分の体の事をイヘに告白するまでになった。そして子供達も自分の父の肉体が衰えが進行して行くことに気が付き、一方で、父は余命わずかな中でも必死に「現金」を稼ぎ子供たちに残そうと必死になる。
バルデムのこの辺の必死さは画面を通じて痛いほど伝わってくるのだが、やはり世の中は甘くなかった。裏ビジネスで中国人と関わったことがきっかけで、密航中国人労働者らが密室で窒息死してその死体が市内の港に大量に流れ込んで大騒動に。この頃から、彼の裏ビジネスも歯車が狂い始め、信頼を寄せていたイヘに子供たちの将来を託すが、イヘはあくまでも渡航費が工面出来たら帰国したいと強く訴える。それでも蝕まれゆく肉体から最後の気力を振り絞って、イヘに自分が裏ビジネスで稼いだ「現金」を渡して子供たちの面倒を妻では無く彼女に託した...。

やがて、意識は薄れ彼は亡くなるのだが、イヘに託した子供たちの面倒は...その彼の思いは裏切られイヘはもらったお金を元手に帰国することに。彼は、別世界に旅立った後、この事実を知ったらどう思うだろうか?(注:この解釈については「コメント」欄も参照して下さい。)

バルセロナという五輪開催都市でもある大都会の片隅に生きるバルデム演じるウスバルと、その家族を描いた重い作品だが、バルデム無くしてこの映画は成立しなかっただろう。バルデム以外の俳優は知名度も無く従って彼の輝きと演技力とイニャリトゥ監督の脚本と演出力が光った作品だ。
この作品では都会の底辺で生きる人間の生活、そこに渦巻く不法移民たちとの裏ビジネスの様子、横行する麻薬依存症などが描かれている。残された子供たちもやがて父と同じ道を辿りそうな気がするし、イヘに裏切られ情緒不安定の母とイヘに裏切られて残された子どもたちの将来も観ていて不安になる。

冒頭とラストの雪の中の意味深なシーンが出て来るが、この映像は彼の意識が混濁したなかでの回想シーンなのか?それともフクロウの死骸が一瞬アップになるのだが何かを示唆しているようにも思える。相手の男性は意識混濁の中での設定なら海外逃亡した記憶の無い父かな?私にはその辺の映像が意味するところが判らなかった。


西武低迷の原因を探る~打者編

2011-07-16 15:53:20 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011

<勝利への執念>

今日も負けてしまい借金は遂に「11」という前代未聞の恥さらしな成績ではファンの不快指数もうなぎ昇りで血圧もイライラも上がる一方だ。

監督やコーチからも今年のスローガンである「勝利への執念」は全く見られないのは残念だ。決して負けが混んでいるからでは無く、TV中継や試合後の監督のコメントからも「執念」は感じられませんよ!

○併殺打の多い打線(7/16現在)
栗山11
中島9
中村5
フェルナンデス6
浅村6
銀仁朗4
片岡2

埼玉西武48
千葉ロッテ47
オリックス41
東北楽天41
福岡ソフトバンク34
北海道日本ハム28
当然ながら得点を上げるには走者を出して(溜めて)安打を放つのが常識であるが、チーム低迷の原因はやはり得点機に打てない打線である。併殺打の数を例にとれば分かるように多すぎる。左打者の栗山が多いのは、好機に引っ張って2ゴロが多い印象が強いし、ナカジの併殺打の多さは去年もそうだった。
ハムやSBのような上位球団は当たり前のように併殺打が少ないから点が入る...ってことですよ。
○得点圏打率(7/16現在)
中島.338
栗山.333
浅村.256
中村.230
フェルナンデス.235
片岡.214
銀仁朗.156
得点圏打率とは走者2塁若しくは3塁においての打率であり、その打者のチャンスでの強さを示す数字である。ただし、この数字は走者1塁での打率はカウントされず、試合展開(点数差)に関係無くはじき出される数字である。西武では中島と栗山の数字が高く、栗山は交流戦の途中で4割を超える打率を一時誇っていて5番に起用されたが、それ以降は下降線の一途を辿っている。
栗山も中島も積極的に打ちに行きミートも上手い打者である半面、打ちだしたらバットが止まらず正面に強い打球が飛ぶと併殺になる打者でもある。中村はリーグ2冠王であるがソロ本塁打が多く本塁打数の割には打点は多くない。
得点圏での打撃が重要なのは当然であるが、得点圏でどういう打撃をするのか?また、ベンチはどういう作戦を打者によって計画するのかも合せて大事である。

打線の課題は得点圏での成績を上げることで、7/13のQVCマリンでのマリーンズ戦はその典型的な一例で、確か、満塁機が10打席もあったのに全て凡退で敗退。今年は統一球で打球が従来ほど飛ばず、中島や中村の長打力に頼っていた打線は悲惨だ。
しかし、ベンチワークにもキレが無い。エンドランや盗塁など西武のお家芸である作戦も殆ど無く、「本塁打待ち野球」「ヒット待ち野球」では得点力は上昇しない。「勝利への執念」というスローガンは、選手へ向けたものであるがベンチにも勝利への執念が足りないのは明白だ。投手出身の監督を打撃コーチやヘッドコーチがサポートしないといけないし、スコアラーの分析力はどうなのか?光山バッテリーコーチの配球論、小野・石井投手コーチの指導力にも疑問を感じている。

今のチームは投打が全く噛み合っていない。投手が抑えれば打てず、打線が打てば中継ぎが奮起出来ずに負け、序盤の失点を打者が跳ね返せずに負ける、そんなパターンの繰り返し。
西武ファンのストレスは溜まりっぱなしですが、選手には泥くさいプレイで一塁を駆け抜け、次へ繋ぐ気持ちで打席に入り、コーチらはぶれない的確な指示を出し、チームが一体となって「勝利への執念」を見せることが第一。監督も選手の不甲斐なさを嘆くばかりでは無く、自分の作戦の拙さをまずは嘆くことです。
昨年の序盤に東京ヤクルトが高田監督(当時)から小川代行へと替わった途端に快進撃が続いているのは、小川代行(その後、監督に昇格)の素直で飾らない性格と選手のミスを嘆かない、責任を転嫁しない姿勢が貫かれているからですよ。
幸いにも、今はCS制度があるので1,2位は現状では難しいけど頑張って「勝率5割以上」「Aクラス」だけはクリアして下さい。貧弱な目標だけど、まずはそこからです。


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