goo blog サービス終了のお知らせ 

kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画「モールス」を観て

2011-08-22 12:04:56 | 映画・ホラー,サスペンス,スリラー

11-55.モールス
■原題:Let Me In
■製作年・国:2010年
、アメリカ
■上映時間:116分

■鑑賞日:8月20日、シネスクエア東急(歌舞伎町)

■料金:1,800円
 

 
□監督・脚本:マット・リーヴス
□原作:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
□撮影監督:グレイグ・フレイザー
□音楽:マイケル・ジアッキーノ
◆クロエ・グレース・モレッツ(アビー)
◆コディ・スミット=マクフィー(オーウェン)
◆リチャード・ジェンキンス(父親)
◆イライアス・コティーズ(警官)
【この映画について】
雪の中を裸足で歩く少女と、たったひとりナイフを握り中庭の木に怒りをぶつける少年。少女に恋すること、それは文字通り命がけであり、まさに全身全霊を傾ける献身の愛を意味する。演じるのは『キック・アス』でブレイクしたクロエ・グレース・モレッツと『ザ・ロード』で鮮烈な印象を残したコディ・スミット=マクフィー。
2人の優れたティーン俳優を主演に、『クローバーフィールド/HAKAISHA』で注目を集めたマッド・リーヴス監督がスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』をリメイクした本作は、世界的に高い評価を得たオリジナル版に勝るとも劣らない傑作ホラーであり、同時に切なさ溢れる究極の恋愛映画に仕上がっている。
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
雪に閉ざされた田舎町。12歳のオーウェンは学校でいじめられていたが、二人きりで暮らす精神的に不安定な母親に相談できずにいた。
彼の唯一の楽しみは、自分の部屋から望遠鏡で他の部屋を覗き見すること(ヒッチコック監督作の「裏窓」を連想させられる)。ある夜、望遠鏡を覗いていた彼は、雪の中を裸足で歩く隣に越してきた少女を見る。雪の夜、オーウェンが中庭で一人遊んでいると、あの少女が現れ、夜の中庭で何度か会ううちに段々と二人はうちとけていく。

彼女は、12歳くらいだが自分の誕生日を知らず、ルービックキューブが得意で、アビーという名であった。彼女に惹かれていくオーウェンは、アビーの部屋から聞こえてくる荒々しいどなり声に心を痛めていた。ある日、オーウェンはモールス信号のメモをアビーに渡し、壁越しに話そうと伝える。
自分を心配してくれたオーウェンがいじめられていることを察したアビーは「やり返すのよ。私が守ってあげるから」と言う。二人は自分の部屋から壁越しにモールス信号で二人だけの合図を送りあうようになり絆を深めていく。アビーを守りたいと変わっていくオーウェンは、いじめっ子に仕返ししたことに興奮し、アビーに血の誓いを交わそうと指を切る。

オーウェンの何気ない提案だったが、ここから二人の世界ががらりと変わる転機になるとは想像しなかったに違いない。
すると今まで笑顔だったアビーが血を見た途端に様子が急変、「消えろ」と言って走り去る……。時を同じくして、この小さな町で残酷な連続猟奇殺人が起こり始めた。生きたまま首を切り裂かれ血を全て抜き取られた少年、トンネルで何者かが体に飛び乗り惨殺された男性……。
そんな中、車の事故で容疑者と思われる男が病院に搬送されたが、彼は頭から硫酸を被っていて刑事と話もできない。そしてその男は手がかりとなるメモを残し病室から転落死してしまう。だが、血液が抜かれたジャックという男の死体が湖から発見されたことで事件は進展。彼の自宅を調べていると、近隣の女性が最近、首を噛み切られ病院に搬送された後、病室が発火して死んだらしいことが判明する。この団地に何かがある。刑事は団地へ乗り込み、ドアの前で拳銃を構えるが、家の中からは応答はない。ドアの向こうで息を殺していたのはオーウェンだった……。

この作品にはアビーがオーウェンと団地の中庭で遊んでいる時に、アビーが「私が、女の子じゃなくてもいい?」って聞くシーンがあってオーウェンがキョトンとするが、アビーがオーウェンの運命を左右する大事な場面だ。この時アビーは既に自分がオーウェンの運命を握るのだと自覚していたような節がある。
オーウェンはこの時点でアビーが自分の誕生日を知らないとか、女の子じゃなくても、とか言われても12歳の子供には理解出来なかった。その意味が分かったのが「血の誓い」以降。それでもオーウェンはアビーに嫌われたくないし、学校には友達もいないから彼女との絆を断ちたくないという心理が働いたのだろう。
ところがアビーの父親と思われている男性が病院に運ばれ無残な死に方をしてから、オーウェンの運命は決まったようだ。アビーもオーウェンとの絆をオーウェンとは違う思惑で失いたくないと本能的に感じた。なぜなら、ラストシーンでオーウェンは列車で街を後にすることになり、車内で車掌の検札を受ける際に足元に大きな荷物の存在を指摘される。この荷物の中身は明らかにアビーであり、それはアビーとオーウェンが今後の運命を共にすることを暗示し、亡くなった父親の替わりがオーウェンなのである。

原作はスウェーデン映画であるのだが、私は公開された時に観るタイミングを逸して観れなかったので、原作との違いは予告編で確認出来る範囲だけだ。
ジャンル的にはバンパイア物なのだがリメイクされたこの作品では、吸血シーンは抑え目にして、アビーとオーウェンの純愛物語?としての一面がむしろ前面に出ている。ストーリー展開としては狭い町中の一団地内での出来事であり、事件も団地内と町外れの森の中とか暗いシーンが多い。どことなく物足りなさも感じるバンパイア映画だが、これをバンパイア映画と捉えず、少年少女の純愛作品と思えば違和感は感じない。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。