kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

1月鑑賞映画一覧

2015-01-31 18:11:58 | 映画全般

【1月】
 1.インターステラー
 2.寄生獣
 3.海月姫
 4.トラッシュ!この街が輝く日まで
 5. 96時間 レクイエム
 6.ST赤と白の捜査ファイル
 7.アゲイン、28年目の甲子園
 8.12-12-12/ニューヨーク、奇跡のライブ
 9.アニー
10.ビッグ・アイズ
11.サン・オブ・ゴッド

1月は11本中の2~7はTOHOシネマズの1ヶ月フリーパスで鑑賞した。1ヶ月フリーパスは12月途中から1ヶ月間利用させてもらったが、ポイント引き換えの関係でこの時期になってしまうのだが本当はアカデミー賞関連で良い映画が集中する2月頃に纏めてみたいのが本音。でも、年末年始なので時間はあるのでどちらが良いのだろう?
で、1,800円を出して観る気はしないけど、フリーパスだから観ても良い、そんな作品、特に邦画がこの辺りに集中しますね。11本の内邦画が4本ですが、2は後編がGW時期に上映されるようなのでそちらも観ないと完結しませんね。6は思ったより内容は良かった。その半面3は、まあ論評するに値しませんな。7は高校野球の県予選決勝戦を前にチームメイトの不祥事で出場辞退を余儀なくされた部員たちが、今度はシニア甲子園を目指す話し。

1月のベスト作品は間違い無く1の「インターステラー」ですね。本当は昨年末に観る予定も、どの映画館も満席に近い状態が続いていて今年1本目鑑賞となりました。絶賛の嵐が吹き荒れているこの作品、仮に自分が昨年末に観ていたら、自分の年間ランキング1位はこれでした。という事は、早くも今年の年間1位最有力候補でもあります。

4はブラジルが舞台でゴミ廃棄場で少年3人組が偶然拾った財布から展開するスリリングなお話。5はリーアム・ニーソン主演の人気シリーズの完結編、リーアムのアクションカッコ良かったです。
8は2012年にアメリカ東海岸を直撃した大型ハリケーン・サンディーによる被害救済コンサートがNYのMSGで開かれましたが、その時のドキュメンタリーです。主な出演アーティストはポール・マッカートニー、ビリー・ジョエル、アリーシャ・キーズ、ローリング・ストーンズなど錚々たるメンツです。
9は有名舞台ミュージカル作品の映画化で、天才子役グワベンジャネ・ウォリスがアニーに扮する作品。10はティム・バートン監督作品で実話からの映画化でマーガレットとウォルター・キーン夫妻のお話で、妻マーガレットが描く「大きな眼」が特徴の絵を夫ウォルターが自作だと偽って売出して、それらが大量生産されて評判を呼んだものの、夫婦関係の破綻と共に裁判に持ち込まれ夫が敗訴するまでのストーリー。11はイエス・キリストの生涯を追った話。


2014年、映画観賞履歴~1年の観賞を振り返る

2015-01-01 13:11:34 | 映画全般

2014年は106本(全て劇場鑑賞)鑑賞しました。そこで、昨年観た映画を振り返ります。尚、父が昨年9月末に亡くなり喪中の身につき新年の挨拶は辞退させていただきます。通常のコメントは受付けております。

まずは1~6月の上半期で54本、7月以降の下半期が52本を観賞。ごく平均的な本数(月8~9本)ですが、年間本数としては昨年の110本、一昨年の107本より僅かに少ない106本を記録しました。

【製作国内訳】
アメリカ(単独)57本 53.8%
ヨーロッパ(ヨーロッパ同士の合作含む)14本 13.2%
日本 17本 16.0%
その他の地域、合作等 18本 17.0%

ここで観た映画の製作国の内訳を見ると昨年もアメリカ単独製作が半数を超えていますね。邦画の割合は前年よりは少なかったようです。ヨーロッパ映画の割合が合作も含めて少ないのは
残念です。
因みに106本は全て劇場観賞でDVDやTV観賞は皆無です。そして、観賞に要した1本あたりの単価は1,327円から1,316円と僅かながら減りました。出来れば1,200円台にしたかったのでまだまだ減らす余地はありそうです。現在利用中のTOHO1カ月フリーパス、毎月1日やその他の1,000円の日、TOHOシネマイレージカードの特典(6本観ると1本無料)などを利用しましたが、観賞日はどうしても週末に集中するので、この割合が下がれば多少違っていたでしょう。
鑑賞先はTOHOシネマズの会員であることから、日比谷・有楽町(有楽座は2月に閉館なのは残念です)、渋谷、六本木、日本橋がメインでTOHOで希望の作品が上映されない場合は新宿にも出没します。TOHOが歌舞伎町のコマ劇場跡地に建設中のシネコンが4月に完成したらそちらでの利用も増えるでしょう。

【年間総合】
1.それでも夜は明ける(アメリカ・イギリス)3月鑑賞
2.ゴーン・ガール(アメリカ)12月鑑賞
3.6歳のボクが、大人になるまで(アメリカ)12月鑑賞
4.フューリー(アメリカ)12月鑑賞
5.あなたを抱きしめる日まで(イギリス)3月鑑賞
6.猿の惑星新世紀ライジング 3D(アメリカ)9月鑑賞
7.誰よりも狙われた男(アメリカ・イギリス・ドイツ)10月鑑賞
8.ゴジラ(アメリカ)8月鑑賞
9.メイジーの瞳(アメリカ)2月鑑賞
10.バンクーバーの朝日(日本)12月鑑賞
次.her 世界でひとつの彼女(アメリカ)7月鑑賞
次.ネブラスカ、ふたつの心をつなぐ旅(アメリカ)3月鑑賞
次.ソウル・ガールズ(オーストラリア)1月鑑賞
次.ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー 3D(アメリカ)9月鑑賞

昨年に関してはこれが断然1位というような作品とは巡りあいませんでした。1~10位を眺めると4作品が12月鑑賞で中でも2~4位は偶然ですが12月感想作品でした。1位はこれで妥当かなとの自己評価で、2位とは多少差があるかな?6はシリーズ作品で完結編待ち、8は今後シリーズ化されると噂されていますので楽しみに待ちましょう。1位のは奴隷解放の話ですが、実話に基づく作品化とのことですが、こういう理不尽な扱いを受けながらもその状況から抜け出して自宅に戻った場面は感動しました。2位は入り組んだストーリー構成が見事でした。
1位と4位の作品でブラピが出演していますが1位のでは目立たない大工の役でしたが重要な役所、4位のは主演作ですが最後は生き延びれなかったけどラスト・シーンはグッときましたね。
3位のは12年間という長い歳月を経て同じキャストで完成させたリチャード・リンクレイター監督の執念とでもいえる作品で、子役の成長を追っていく様子をカメラに捉えていて、鑑賞者が一人の子供の成長を追うというスタイルは斬新でした。
5位は未婚の母が修道院で我が子を知らない間にアメリカに養子に出されて、その息子を探し廻った一人の老女と同行した作家のお話で、事実が判明したラストは悲しかったですね。
7位は2月に急逝したオスカー俳優、フィリップ・シーモア・ホフマン主演のサスペンス・ドラマで画面全体に緊張感が漲っていました。ハンガー・ゲーム・シリーズが遺作となるようで残念です。
9位はミュージシャンの母を演じたジュリアン・ムーアの流石の演技も光りますが、その母と父に振りまわされる可哀相なメイジー、メイジーが懐いているベビーシッターとの話。家族の定義とか考えさせられる話でした。
10位は「邦画枠」として12月に観たこれがランクイン。野球の話のように思えますが、実際は、日系1世や2世の戦時中の苦労を描いた作品で、朝日軍は日系人の心の拠り所だったというお話。

12月に鑑賞予定だった「インターステラー」(どこの映画館も混んでいるようなので)はまだ観ていません。1月早々に観る予定なので、場合によっては2015年の方でランクインすればと期待しています。

次点の4作品中「her」「ガーディアンズ...」はトップ10入りしても良かった作品、「ソウル・ガールズ」も印象的な作品でした。「ネブラスカ...」も観た当初はトップ10候補で私好みのロード・ムーヴィーでしたが次点に終わってしまいました。

【ワースト・期待外れ】※順番は観賞日順で順位ではありません
1.黒執事(日本)1月鑑賞
2.キック・アス ジャスティス・フォーエバー(アメリカ)2月鑑賞
3.白ゆき姫殺人事件(日本)4月鑑賞
4.万能鑑定士Q モナ・リザの瞳(日本)6月鑑賞
5.渇き。(日本)7月鑑賞
6.ジゴロ・イン・ニューヨーク(アメリカ)8月鑑賞
7.NY心霊捜査官(アメリカ)9月鑑賞
8.荒野はつらいよ(アメリカ)10月鑑賞

この部門は余計かも知れませんが、その性格上順位はありません。何故かアメリカ映画と邦画が多いですが、昨年もそういう傾向がありました。観た本数も多いので外れも当然あります。ワーストというと多少語弊があるので「期待外れとか退屈だった」という意味も込められています。

2のキック・アスはクロエちゃんが4文字言葉を連発しているのを観ただけでOKです。6はウディ・アレン出演作でどうも私とは常に相性が悪いようです。7は単なるエクソシスト映画です。8はアメリカン・ジョーク満載の西部劇風コメディー、出演陣は豪華でしたがそれだけでしたね。
邦画の方では1は剛力嬢の演技より優香の方が目立っていました。3は映画と言うよりは2時間ドラマでも良いような内容、4は折角のパリ・ロケが活かされていなかった印象です。5は何が何だか良くも悪くも役所広司の演技が浮いていましたね。

【2014年、鑑賞全作品】
【1月】
1.麦子さんと
2.オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
3.カノジョは嘘を愛しすぎている
4.ソウル・ガールズ
5.大脱出
6.ジャッジ!
7.ビフォア・ミッドナイト
8.さよなら、アドルフ
9.ハンナ・アーレント
10.エンダーのゲーム
11.黒執事
【2月】
12.オンリー・ゴッド
13.ラッシュ、プライドと友情
14.スノーピアサー
15.ザ・イースト
16.ウルフ・オブ・ウォールストリート
17.アメリカン・ハッスル
18.メイジーの瞳
19.マイティ・ソー ダークワールド3D
20.キック・アス ジャスティス・フォーエバー
21.大統領の執事の涙
22.17歳
【3月】
23.エージェント・ライアン
24.エヴァの告白
25.それでも夜は明ける
26.ダラス・バイヤーズクラブ
27.ホビット、竜に奪われた王国3D
28.ローン・サバイバー
29.LIFE!
30.ネブラスカ、ふたつの心をつなぐ旅
31.あなたを抱きしめる日まで
【4月】
32.リベンジ・マッチ
33.ウォルト・ディズニーの約束
34.フルートベール駅で
35.白ゆき姫殺人事件
36.神様のカルテ2
37.レイルウェイ、運命の旅路
38.キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー 3D
【5月】
39.テルマエ・ロマエ2
40.とらわれて夏
41.アメイジング・スパイダーマン2 3D
42.8月の家族たち
43.ブルー・ジャスミン
44.プリズナーズ
【6月】
45.WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常
46.万能鑑定士Q モナ・リザの瞳
47.ゴジラ 60周年記念リマスター版
48.インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
49.ノア 約束の舟
50.ポンペイ
51.モンスターズ
52.ラスト・ミッション
53.グランド・ブダペスト・ホテル
54.サード・パーソン
【7月】
55.X-MEN フューチャー&パスト 3D
56.パークランド ケネディ暗殺、真実に4日間
57.her 世界でひとつの彼女
58.トランセンデンス
59.マレフィセント
60.渇き。
61.呪怨-終わりの始まり-
62.ダイバージェント
63.パガニーニ、愛と狂気のヴァイオリニスト
【8月】
64.ゴジラ
65.複製された男
66.オール・ユー・ニード・イス・キル
67.バトル・フロント
68.ジゴロ・イン・ニューヨーク
69.イントゥ・ザ・ストーム
70.ケープタウン
【9月】
71.プロミスド・ランド
72.ルーシー
73.フライト・ゲーム
74.猿の惑星新世紀ライジング 3D
75.ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
76.NY心霊捜査官
【10月】
77.ファーナス 訣別の朝
78.ジャージー・ボーイズ
79.ミリオンダラー・アーム
80.イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所
81.荒野はつらいよ
82.悪童日記
83.誰よりも狙われた男
84.イコライザー
85.グレース・オブ・モナコ
【11月】
86.ドラキュラZero
87.エクスペンダブルズ3
88.サボタージュ
89.美女と野獣
90.パワー・ゲーム
91.デヴィルズ・ノット
92.神様の言うとおり
93.紙の月
94.ランナー・ランナー
95.ストックホルムでワルツを
【12月】
96.フューリー
97.クローバー
98.あと1センチの恋
99.おやすみなさいを言えなくて
100.6歳のぼくが、大人になるまで
101.毛皮のヴィーナス
102.バンクーバーの朝日
103.ホビット 決戦のゆくえ 3D
104.ゴーン・ガール
105.サンバ
106.マップ・トゥ・ザ・スタ-


12月鑑賞映画一覧~Part 2

2014-12-30 17:37:43 | 映画全般

14-102.バンクーバーの朝日(日本)
http://blog.goo.ne.jp/kintyre1961/e/1589fe5af6c71da858590aa5a53aa004

14-103.ホビット 決戦のゆくえ 3D(アメリカ)


『ロード・オブ・ザ・リング』3部作に続き、その物語の前日譚(たん)をピーター・ジャクソンが映画
化したアドベンチャー3部作の最終章。ドワーフの王国の奪取を目指し旅をしていたホビット族の
主人公とドワーフたちが、ついに王国を奪還、目覚めた竜の怪物や最大の敵サウロンとの死闘
を繰り広げるさまを描く。全6作、足掛け13年に及ぶ長い長い旅だったが、スターウォーズもそう
だったが、前日譚に相当する部分の製作は後になっているので、一度、通しで観てみたい気が
する。
スターウォーズ・シリーズはWOWOWで全部放映した際に順を追って観たが、そうするとなるほ
どとストーリーの流れが掴めた。『ホビット』→『LOTR』の順で一気に観てみたい。そうすると普段
の時期は難しいから正月とか時間に余裕がある時に観てみたいね。

14-104.ゴーン・ガール(アメリカ)



結婚5周年に突如姿を消した妻を捜す男が警察の捜査やメディア報道に追い込まれ、さらに妻
殺害の疑いを掛けられてしまう物語を描くスリラー。監督は、『ソーシャル・ネットワーク』などの
デヴィッド・フィンチャー。主演はオスカー受賞作『アルゴ』など監督業でも活躍するベン・アフレ
ック、妻には『アウトロー』などのロザムンド・パイクがふんする。
ストーリーはある日、突然失踪した妻に振りまわされる夫とそれを追うマスコミに辟易とする様
子を描いている。失踪してから妻は全く登場せず、中盤になってやっと登場。観る側に妻の安否
を心配させながらも、その妻が失踪した原因が徐々に分かってくる仕組み。結果的に、妻の思
惑通りに事は進み、夫と元交際相手はその犠牲になったのだった。女は怖いね~。

14-105.サンバ(フランス)

『最強のふたり』の監督エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュ、俳優オマール・シーが再びタッグ
を組んだコメディー
ドラマ。
料理人を目指してひたむきに勤務していたにもかかわらず国外退去を命じられた移民の青年が、
追い込
まれた状況でも周囲の人々を笑わせ、元気にしていくさまを描く。『最強のふたり』でブレーク
したオマール・シーとシャルロット・ゲンズブールが繰り広げるコメディー。オマール・シ―は前作
の路線を踏襲していて、彼の持ち味ってこういう作品なんだと思わされた。ハリウッド進出作として
は「X-men」シリーズにも出ていたが、あくまでも脇役としての出演だっただけに、やはり母国語で
の出演は伸び伸びと出来たのだろう。移民大国のフランスで生き抜く事の大変さが描かれていた。

14-106.マップ・トゥ・ザ・スター(カナダ・アメリカ・ドイツ・フランス)


鬼才デイヴィッド・クローネンバーグ監督が、ハリウッドでリムジンの運転手だった脚本家の実体験を
基に、ハリウッドのセレブファミリーの実情を暴くヒューマンドラマ。何不自由ない生活を送っていた一
家が、施設に入れられていた長女の突然の出現によって運命を狂わされていく姿を描く。
俳優陣は良かったけど、ストーリーはちょっと難解でしたね。


12月鑑賞映画一覧~Part 1

2014-12-20 17:13:03 | 映画全般

14-96.フューリー(アメリカ)


ブラッド・ピット主役の戦争映画。時は1945年4月、ブラピは戦車「フューリー」を率いてナチス・ドイ
ツ軍と対峙する司令官。
ストーリーはそこに
補充の新平として配属されたノーマンとウォーダディー(ブラピ)との絆を中心に
描かれている。厳しい戦況を固い絆で乗り切ってきた部隊だが
ドイツ軍の地雷に触れてしまい走行
不能に陥り、部隊は森への逃亡を主張するが隊長のウォーダディーだけは残ることを選択。ドイツ
軍に包囲
されながらも果敢に戦いを挑むも部隊は全滅、ノーマンだけが生き残った。
単なる戦争映画ではない、部隊間のや一時的な恋愛ドラマも盛り込
んだ人間ドラマも見所だ。ブラ
ピの代表作の一つになるのは間違い無い。


14-97.クローバー(日本)


1997年から連載がスタートした稚野鳥子の人気コミックを実写化したラブロマンス。あるホテルで働
く恋愛べたなOLと、クールで女性経験豊富な上司が織り成す恋の行方を追い掛けていく。恋愛べた
なOLを武井咲が演じ、対照的にニコリともしない上司との恋愛の行方が気になる典型的なデート映
画かな。何か何まで対照的な二人の恋に、OLに恋心を抱いていた幼馴染と上司の方には社内に強
力なライバルが出現したりで恋の行方はハラハラドキドキするが、やはり、最後は土壇場でハッピー
エンド。まあ、大体予想の範囲内でした。

14-98.あと1センチの恋(イギリス・ドイツ)


『P.S.アイラヴユー』の原作者としても知られるセシリア・アハーンの「愛は虹の向­こうに」を基に、友達
以上恋人未満の男女の擦れ違いを描くラブストーリー。6歳のころ­から全てを共有してきた男女が思い
を伝えられず、それぞれの人生を歩むことになりなが­らも、思いも寄らぬ運命へと導かれていくプロセス
を映す。主演は、元ジェネシスのドラマー、フィル・コリンズの娘リリー・コリンズ。
幼馴染として常に身近な存在だった一組のアベック、高校卒業のパーティーで彼女が酒に酔ってしまっ
たことで言えなかった一言が、二人の運命を大きく左右してしまう。お互い恋愛感情を持ちながらも、
中々気持ちを吐露出来ず、一度は別れてしまった運命の糸は、再び、ある時点で交わる。良くある、幼
馴染の恋の行方物語。スクリーンを観ながら、このアベックの歯痒さを身近に感じるか人ごとに思えた
り出来る。意外と面白かった。

14-99.おやすみなさいを言えなくて(アイルランド・スウェーデン・ノルウェー)


報道写真家のレベッカは愛する家族の理解に支えられ、世界各地の紛争地域を取材で飛び回っていた。
常に家族と一緒にいられなくても全て順調だと思っていたが、取材中に巻き込まれた事故を心配した家
族から危険な場所へは二度と行かないと約束させられる。
家族は母が危険な場所(アフガン、コンゴなど)へ行くことに理解を示しているようで、実は、母の安否を
気にしながらの生活に、特に、留守を預かる夫は精神的にも参っていた。その取材先での自爆事故に
巻き込まれたことをきっかけに海外取材は封印。だが、娘の夏休みの自由研究の取材に同行する形で
アフリカの戦地へ赴いたが、安全な筈だった現地で戦闘に巻き込まれ九死に一生を得る形で帰国、この
事を知らなかった夫は激怒して彼女を追い出してしまう。
ジュリエット・ビノシュ演じる報道カメラマン、彼女の芯のある演技は流石だと思った。この家族、夫が紛争
地へ赴く妻の留守を預かると言う日本だと恐らく逆だろうパターンがポイント。最後は分かりあえて戻って
来る事を許されたが、戦地の最前線で取材するのを国内で待つ家族の辛さも同時に描かれていたのが
良かった。

14-100.6歳のボクが、大人になるまで(アメリカ)


一組の家族を同じキャストで追っている、主役の男の子の6歳から高校卒業までを、普通なら年代毎に
違うキャストで撮影するのに、ここでは同一人物が演じている。従って、父親役のイーサン・ホークも母親
役のパトリシア・アークエットも等しく12年間歳を取っているが、やはり、少年時代(映画の原題)の12
年間はその成長度がはっきりと分かる。
監督のリチャード・リンクレイターはよくも12年間、辛抱して作品に仕上げたものだ。また、製作会社や
スポンサーも12年間辛抱した甲斐がある出来栄えだ。観客もスクリーンを通してこの一家の進む方向
や子供の成長を観ながら、応援したくなるような作品だった。きっと、賞レースで話題になることが多くな
る予感がする作品だ。

14-101.毛皮のヴィーナス(フランス・ポーランド)


名監督ロマン・ポランスキーが自身の妻であるエマニュエル・セニエを主演に起用し、マチュー・アマル
リック演じる演出家の男トマが無名の女優ワンダに次第に魅了されていくさまを描くサスペンス。
キャストもこの二人だけで進行し、劇場でオーディションを受けると言う設定で、まるで舞台劇を観て
いるような感覚だ。オーディションが進むにつれワンダはますますトマを魅了し、二人の間の力関係は
逆転。役を超えてトマ自身がワンダに支配されることに悦びを感じていく様子を描いている。
セニエは夫のポランスキーが監督をしているという安心感?からか、伸び伸びと演技をしているし
終盤は彼女の独断場となり、サービスショットまで披露している。前作の「おとなのけんか」も舞台劇
の映画化作品だったが、今作も舞台そのものだ。オープニングのショットは流石だと感じた。


11月鑑賞映画一覧

2014-11-30 21:35:20 | 映画全般

14.86.ドラキュラZERO

14-87.エクスペンダブルズ3(アメリカ)
 

スタローンが立ち上げた新たなシリーズ作も3作目へと突入。かつての仲間が今ではある国の軍事顧問に就任し、裏
では武器の売買に関わっていることが判明。かつての同志だけに手の内は熟知している中で、苦戦を強いられるが最
後は勝ちます。
メル・ギブソンが敵役となってスタローン率いる「消耗品軍団」と立ち向かうバトル・シーンは見ものです。
スタローンがあくまでも主役ですが、徐々にジェイソン・ステイサムが中心となるそんな予感がしました。ブルース・ウィリス
が降板して新たにハリソン・フォードがメンバーに加入しました。

14-88.サボタージュ(アメリカ)
 

エクスペンダブルズがスタローン中心のプロジェクトなのに対して,こちらはシュワ版「エクスペンダブルズ」とでも言えそう
な作品だが、シリーズ化は難しそうだ。違いはエクスペンダブルズはチームとしての結束が売り物なのに対して、こちらは
かつては鉄の結束を誇ったものの、作戦に失敗してチームは解散状態に。再結成されたものの身内から裏切り者がでて
しまう。かつての身内との対戦という点からはエクスペンダブルズとの共通点もありますが、過程に違いがありました。

14-89.美女と野獣(フランス・ドイツ)
 

ディズニー・アニメなどで有名な作品の実写版で野獣を「ブラック・スワン」のヴァンサン・カッセル、美女をレア・セドゥが演じ
ている。映像と衣装の美しさが印象に残った。

14-90.パワー・ゲーム(アメリカ)
 

アメリカが舞台のライバル企業を巡る話し。業界の最先端争いを繰り広げる会社間のドロドロとした内情を描いている。
自社の社員を身分を隠してライバル社に潜入して情報を盗んで出し抜く予定だが、その若手社員をリアム・ヘムズワース
が演じる。彼は警備員だった父の姿をみて自らは上昇志向の塊だったが、会社の金を使い込んだことで弱みを握られ
潜入社員として派遣されることを余儀なくされた。2社のトップをゲイリー・オールドマンとハリソン・フォードが演じる。

14-91.デヴィルズ・ノット(アメリカ)
 

全米を震撼させた未解決事件を題材にした実話。田舎町で起きた子供が殺害された事件で未成年の少年3人が逮捕
されたが、取り調べで供述を翻し無罪を主張。静かで平和だった町をひっくり返すようにマスコミの取材攻勢に晒される
住民の苦悩を描いている。事件は結局未解決のままで逮捕された少年らは司法取引で釈放されたらしい。

14-92.神の様の言うとおり(日本)
 

とある学校の教室で繰り広げられた殺戮サバイバル・ゲームを生き残ったのは誰?次々と繰り返されるゲームと称する
殺戮、その都度、大量のクラスメイトが無残な姿で亡くなる。生き残った二人の生徒が辿りついた先は?
ウ~ン、何だかグロな部分と和風なゲームキャラのアンバランスな感覚が自分には着いて行けなかった。

14-93.紙の月(日本)
 

宮沢りえ演じる銀行員が顧客から預かった預金をふとしたことから流用。やがて顧客の孫と男女関係の不倫に陥り
先輩行員から疑いの目を向けられるなど窮地に。海外単身赴任中の夫との関係も微妙なものになり、彼女の人生
は八方塞に。そして遂に使い込みが発覚してしまう。彼女は問い詰められていた隙にビルから果敢に飛び降り何と
海外(タイのバンコク)へと逃亡してしまう。まあ、ラストのオチにはかなり無理がありますが宮沢りえは好演していた
と思いますし、小林麻美の演技の上手さはそれ以上でした。あと、若手行員の役で大島優子も出演していました。

14-94.ランナー・ランナー(アメリカ)
 

ネット・ポーカーにハマった学生がインチキを見破りたいと単身コスタリカに乗り込む。そこでギャンブル王と対決を
目論むも相手から気に入られ組織に入ることで秘密を探ろうとする。才能を発揮して組織の中枢に入り込むが、相手は
FBIも追っている男だった。FBIを取るか組織を取るか悩んだ挙句に彼は組織を裏切ることになる。最後は逃亡を
企てるボスを阻止するべく工作をして捕まえるのだが、この辺のスピード感とスリルは十分に楽しめた。

14-95.ストックホルムでワルツを(スウェーデン)


スウェーデンのジャズ・シンガー、モニカ・ゼッタールンドの生涯を描いた作品。シングル・マザーとして電話交換手と歌手
を掛け持ちして娘を育てるモニカだがジャズ・シンガーとしては芽が出ない。ある日、NYで歌うと言うチャンスを得て渡米
して憧れのエラ・フィッツジェラルドに会うが他人の物真似ではダメだと良い放たれ傷心のまま帰国。そして母国語でジャズ
を歌うスタイルを確立してスターの座を得る。その一方で私生活は不幸続きだった。
スウェーデン出身の歌手エッダ・マグナソンがモニカを好演している。


第86回アカデミー賞、「ゼロ・グラビティ」が最多7冠

2014-03-03 22:53:35 | 映画全般

第86回アカデミー賞受賞式が3日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催された。サンドラ・ブロック主演のSF映画『ゼロ・グラビティ』が最多となる7部門で受賞した。作品賞を受賞した『それでも夜は明ける』は3部門を獲得した。最多タイの10部門でノミネートされていた『アメリカン・ハッスル』は、まさかの受賞なしだった。

同授賞式の最大の目玉である作品賞を受賞したのは、スティーヴ・マックイーン監督作品『それでも夜は明ける』。主演男優賞を獲得したのは、『ダラス・バイヤーズクラブ』のマシュー・マコノヒー。主演女優賞は、『アビエイター』(2004年)で第77回アカデミー賞助演女優賞に輝いて以来、2度目のオスカー受賞となったケイト・ブランシェット。主演女優賞では『エリザベス』(1998年)に次いで2回目のノミネートで栄誉を手にした。
4度目のノミネートでのオスカー初受賞が期待されていた『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレオナルド・ディカプリオがまたも受賞を逃して残念でしたね~。また、宮崎駿監督の『風立ちぬ』(長編アニメ映画賞ノミネート)はディズ二ー・アニメという強敵に阻まれ、森田修平監督の『九十九』(短編アニメ映画賞ノミネート)といった日本作品も受賞はならなかった。

「ゼロ・グラビティ」の7部門受賞は納得で、逆に「アメリカン・ハッスル」の無冠にはあるていど納得ですが、俳優部門で1つ位獲るかとも思っていた。「ダラス・バイヤーズ・クラブ」はミニ・シアター系で上映中で、実は、今週末に観る予定だったのですが、早く行かないと混みそうな気がする。男優部門の2冠は凄いですね。

【受賞リスト】

『それでも夜は明ける』(3部門)

■作品賞
■助演女優賞、ルピタ・ニョンゴ
■脚色賞、ジョン・リドリー

『ダラス・バイヤーズクラブ』(3部門)
■主演男優賞、マシュー・マコノヒー
■助演男優賞、ジャレッド・レトー
■メイク・ヘアスタイリング賞

『ゼロ・グラビティ』(7部門)
■監督賞、アルフォンソ・キュアロン
■編集賞、アルフォンソ・キュアロン、マーク・サンガー 
■撮影賞、エマニュエル・ルベツキ
■音響編集賞
■録音賞
■作曲賞、スティーヴン・プライス
■視覚効果賞

『ブルー・ジャスミン』
■主演女優賞、ケイト・ブランシェット

『her/世界でひとつの彼女』
■脚本賞、スパイク・ジョーンズ

『華麗なるギャツビー』(2部門)
■美術賞
■衣装デザイン賞、キャサリン・マーティン

『アナと雪の女王』(2部門)
■歌曲賞、「Let It Go」
■長編アニメ映画賞

『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(イタリア)
■外国語映画賞

『ミスター・ハブロット(原題) / Mr. Hublot』
■短編アニメ映画賞

『ヒリアム(原題) / Helium』
■短編実写映画賞

『ザ・レディー・イン・ナンバー・6: ミュージック・セイブド・マイ・ライフ(原題) / The Lady in Number 6: Music Saved My Life』
■短編ドキュメンタリー賞

『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』
■長編ドキュメンタリー賞


2013年、映画観賞履歴~1年の観賞を振り返る

2013-12-31 16:44:09 | 映画全般

013年も残すところ今日が最後となりました。そこで、今年観た映画を振り返ります。

まずは1~6月の上半期で54本、7月以降が56本を観賞。ごく平均的な本数(月8~9本)ですが、年間本数としては昨年の107本を僅かに抜いて過去最多の110本を記録しました。

【製作国内訳】
アメリカ(単独)61本 55.5%
ヨーロッパ(ヨーロッパ同士の合作含む)15本 13.6%
日本 23本 20.9%
アメリカ・ヨーロッパ合作 5本 4.5%
その他の合作等 6本 5.5%

ここで観た映画の製作国の内訳を見るとアメリカ単独製作が半数を超えていますね。邦画の割合は今年は多かったようで、その反面、ヨーロッパ映画の割合が減っていたのは残念です。
因みに110本は全て劇場観賞でDVDやTV観賞は皆無です。そして、観賞に要した1本あたりの単価は1,212円から1,327円と上昇しました。
これは現在利用中のTOHO1カ月フリーパス、毎月1日やその他の1,000円の日、TOHOシネマイレージカードの特典(6本観ると1本無料)などを利用しましたが、3D観賞も11本と丁度1割を占めているのと観賞日はどうしても週末に集中するので、この割合が下がれば多少違っていたでしょう。

【年間総合】
1.レ・ミゼラブル(イギリス)
2.愛、アムール(フランス・ドイツ・オーストリア)
3.鑑定士と顔のない依頼人(イタリア)
4.アンナ・カレーニナ(イギリス)
5.ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 3D(アメリカ)
6.ゼロ・グラビティ 3D(アメリカ)
7.マリーゴールド・ホテルで会いましょう(イギリス・アメリカ・アラブ首長国連邦)
8.アンコール(イギリス)
9.マン・オブ・スティール 3D(アメリカ)
10.そして父になる(日本)
次.リンカーン(アメリカ)
次.ゼロ・ダーク・サーティー(アメリカ)
次.許されざる者(日本)
次.ジャンゴ 繋がれざる者(アメリカ)
次.ウォーム・ボディーズ(アメリカ)

年間ランキングに関しては昨年もそうでしたが「敢えて」順位を付けただけで、作品の善し悪しを判断するものでは無くあくまでも私自身の好みです。1~10位の順番に関しても何度か修正をした上でこの順位となりました。

1位は「レ・ミゼラブル」でこれは観終わった瞬間にすんなりと決まりました。仮に、この作品を公開直後の年末に観たら2012年の1位でした。
自分が過去に観賞した全作品の中でも1位かも、それほど文句の付けどころが無い作品でした。と言う事は、以下の順位の作品は1ランク下がってしまっただけにアンラッキーだった?
2位と3位は迷いました。「愛、アムール」は1位でも文句ない内容でした、理由は上記の通りです。老老介護の難しさは日本だけではありません、ラストで主人公の夫が取った行動を誰が責めることが出来るでしょうか。ハネケ監督作品の質の高さが証明された一作でした。
3位は2位とどうするか迷った挙げ区の3位。1位が2013年1本目の観賞で、本作は110本観賞の109本目でした。名匠トルナトーレ監督が紡ぎ出す映像、ストーリー展開はどれをとっても無駄が無く、素晴らしかったです。公開館が少なく何時行っても混んでいる理由が分かるような気がします。

以上、1~3位は迷いませんでした。3作ともヨーロッパ映画でしたね。


4位以下はかなり迷った末でのランキングで4位は何度もリメイクされているロシアの文豪トルストイの名作で、アカデミー賞では衣装賞を受賞した。舞台劇と実写を交えたミュージカルの要素をふんだんに取りいれた構成でジュード・ロウ、キーラ・ナイトレイの演技も光っていました。
5位で始めてアメリカ映画が登場。これは主人公がトラと漂流した無名の少年が中心で進む話で、3D観賞でしたが映像の美しさは際立っていました。
6位も5位同様に主人公は女性宇宙飛行士を演じたサンドラ・ブロックと男性宇宙飛行士を演じたジョージ・クルーニーの2人だけ、と言うより中盤以降はサンドラ・ブロックの独演と化していた。これも宇宙映像の美しさと工夫をこらしたセットやCGは凄かった。
7位は英国の老人たちが第2の人生を送る為にインドへと旅立ったものの、想像していたのとは別世界の様な場所でのドタバタ劇。でも、ジュディ・デンチなど名優たちの演技は流石でしたね。

以上、4~7位の中では7位の作品を何位にするかで悩みましたが、結局はこの順位に落ち着きました。

8位は現役を退いた年金暮らしの老人たちがコーラス活動を通じて活気を得て行くお話。シンディ・ローパーやビリー・ジョエルの曲が効果的に使用されていました。
9位はスーパーマンの誕生秘話とでも言うべき作品。彼が異星で生まれて地球に来て育った経緯がこれで始めて分かった。
10位はアメリカ映画に次ぐ23本を観た邦画からのエントリー、まあ、邦画代表決定戦とでも言えば良いかな。次点に挙げた「許されざる者」との争いになったが、個人的には「奇跡のリンゴ」も予定調和的な内容だったが面白かった。福山雅治はこれと「真夏の方程式」の2本で主演を務めたが、やはり是枝監督作品のこちらに軍配が無条件で上がった。

以上、8~10位は8位の作品は7位でも良かったかなって迷ったが、9~10位は順当です。

次点では5本記したが順位は関係ありません。中でも「リンカーン」「ジャンゴ 繋がれざる者」はトップ10入りしていても不思議では無かったが、敢えて次点扱いとした。「ウォーム・ボディーズ」はゾンビ映画の中では出色のストーリー構成が良かったです。

来年はどんな作品と巡る会えるのか、今からワクワクしますね。

【ワースト・期待外れ】※順番は観賞日順で順位ではありません
1.クラウド・アトラス (アメリカ)
2.ジャッキー・コーガン(アメリカ)
3.リアル~完全なる首長竜の日~(日本)
4.アフター・アース(アメリカ)
5.ダイアナ(イギリス)
6.The Iceman-氷の処刑人-(アメリカ)
7.ルームメイト(日本)
8.悪の法則(アメリカ)
9.謝罪の王様(日本)
10.ブリングリング(アメリカ)

この部門は余計かも知れませんが、その性格上順位はありませんし、数も偶然10本でした。何故かアメリカ映画と邦画が多いですが、観た本数も多いので外れも当然あります。ワーストというと多少語弊があるので「期待外れとか退屈だった」という意味も込められていますが、2と8はブラピが出演しているのは偶然だと思いますが、8は出演陣の顔触れから期待が高かっただけにその反動もあってのランクインで1も同様です。
邦画の3本は敢えてコメントはしませんが3はこういうタイプの映画が好きな人もいますが私には合わなかった、前半と後半では別々の映画のように感じました。5はヨーロッパ映画ですが、単に生前の映像やエピソードをなぞっただけで折角ナオミ・ワッツ主演なのに彼女のカラーが活かされていなかったし、話題にも上らなかった気がします。


第85回アカデミー賞は「アルゴ」が作品賞含む3冠!「ライフ・オブ・パイ」は監督賞を含む最多の4冠

2013-02-25 21:09:18 | 映画全般

第85回アカデミー賞の授賞式がロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、ベン・アフレック監督作「アルゴ」が作品賞に輝いた。「アルゴ」は、脚色賞、編集賞も受賞しており、3冠を達成。また、アン・リー(李按)監督作「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」が、監督賞、視覚効果賞、撮影賞、作曲賞の最多4部門を制した。リー監督は『ブロークバック・マウンテン』以来、2度目の監督賞。
主演男優賞は『リンカーン』のダニエル・デイ=ルイス、主演女優賞は『世界にひとつのプレイブック』のジェニファー・ローレンスが2度目のノミネートで受賞、助演男優賞は『ジャンゴ 繋がれざる者』のクリストフ・ヴァルツで前回もタランティーノ作品(「イングロリアス・バスターズ」)だった。助演女優賞は『レ・ミゼラブル』のアン・ハサウェイが受賞しておりこれは当然の受賞だ。
スピルバーグ監督作品で最多12部門でノミネートされていた『リンカーン』は主演男優賞、美術賞のみの受賞となった。

今年のアカデミー賞は一つの作品に集中することなく、最大で4冠に輝いた「ライフ・オブ・パイ」だった。主要部門の作品、監督更に俳優部門も全て別々の作品が受賞する珍しいケースだったと思う。007作品が2部門で受賞したが、アクション映画である007シリーズの受賞も珍しかったが、アデルが歌った主題歌は中々良い曲だったので受賞には納得だ。日本人関係では衣装デザイン賞で2度目の受賞が期待された故石岡瑛子氏は残念ながら受賞はならなかった。

【受賞一覧】
作品賞:「アルゴ」
監督賞:アン・リー(「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」
主演男優賞:ダニエル・デイ=ルイス(「リンカーン」)
主演女優賞:ジェニファー・ローレンス(「世界にひとつのプレイブック」)
助演男優賞:クリストフ・ワルツ(「ジャンゴ 繋がれざる者」)
助演女優賞:アン・ハサウェイ(「レ・ミゼラブル」)
脚本賞:クエンティン・タランティーノ(「ジャンゴ 繋がれざる者」)
脚色賞:「アルゴ」
視覚効果賞:「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」
美術賞:「リンカーン」
撮影賞:クラウディオ・ミランダ(「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」)
衣装デザイン賞:ジャクリーン・デュラン(「アンナ・カレーニナ」)
長編ドキュメンタリー賞:「シュガーマン 奇跡に愛された男」)
短編ドキュメンタリー賞:「Inocente(原題)」
編集賞:ウィリアム・ゴールデンバーグ(「アルゴ」)
外国語映画賞:「愛、アムール」(オーストリア・フランス・ドイツ)
音響編集賞:「007 スカイフォール」「ゼロ・ダーク・サーティ」
録音賞:「レ・ミゼラブル」
メイクアップ&ヘアスタイリング賞:「レ・ミゼラブル」
作曲賞:「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」
主題歌賞:“Skyfall”(「007 スカイフォール」)唄:アデル
長編アニメーション賞:「メリダとおそろしの森」
短編アニメーション賞:「紙ひこうき」
短編実写映画賞:「リッチーとの一日」


2012年、映画観賞履歴~1年の観賞を振り返る

2012-12-31 10:46:44 | 映画全般

012年も残すところ今日が最後となりました。そこで、備忘録的に今年観た映画を振り返ります。

まずは1~6月の上半期で52本、7月以降が55本を観賞。ごく平均的な本数(月8~9本)ですが、年間本数としては過去最多を記録しましたが、これは12月にTOHOの1カ月フリーパスを利用しているので本数が多くなったのが要因でしょう。

【製作国内訳】(%は小数点1ケタ表示であり全てを足しても100%にはなりません)
アメリカ(単独)52本 48.6%
ヨーロッパ(ヨーロッパ同士の合作含む)23本 21.5%
日本 18本 16.8%
オーストラリア 3本 2.8%
アメリカ・ヨーロッパ合作 7本 6.5%
その他の合作 4本 3.6%

ここで観た映画の製作国の内訳を見るとアメリカ単独製作がほぼ半数を占めていますね。従来このような統計を出していませんでしたが、何となくこのくらいの数字かな?って思っていました。邦画の割合は大体毎年10~12%前後と記憶していたので、今年は多少多かったようです。

因みに107本は全て劇場観賞でDVDやTV観賞はありません。そして、観賞に要した1本あたりの単価は1,212円でした。2011年が1,478円だったので266円減らすことに成功。これは現在利用中のフリーパスの効果もありますが、毎月1日やその他の1,000円の日、TOHOシネマイレージカードの特典(6本観ると1本無料)などを上手く利用で来たからだと思いますが、出来れば1,100円台を目指していたので目標にはあと一息でした。

【1月】
1.ポール・マッカートニー The Love We Make~9.11からコンサート・フォー・ニューヨーク・シティ
2.ロンドン・ブールバード
3.パーフェクト・センス
4.恋の罪
5.デビルズ・ダブル~ある影武者の物語
6.ロボジー
7.ダーク・フェアリー
8.グッド・ドクター~禁断のカルテ
9.アニマル・キングダム
【2月】
10.善き人
11.マシンガン・プリーチャー
12.ハンター
13.ドラゴン・タトゥーの女
14.ALWAYS三丁目の夕日'64
15.麒麟の翼
16.ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
17.J.エドガー
18.人生はビギナーズ
19.おとなのけんか
【3月】
20.ヤング≒アダルト
21.顔のないスパイ
22.ザ・レッジ 12時の死刑台
23.タイム
24.シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム
25.戦火の馬
26.英雄の証明
27.テイク・シェルター
28.ヒューゴの不思議な発見 3D
【4月】
29.スーパー・チューズデイ 正義を売った日
30.ヘルプ 心がつなぐストーリー
31.バトルシップ
32.マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
33.マンク✛破戒僧✛
34.マリリン7日間の恋
35.ドライブ
【5月】
36.アーティスト
37.貞子 3D
38.裏切りのサーカス
39.タクシー・ドライバー
40.ル・アーヴルの靴みがき
41.キラー・エリート
42.幸せの教室
43.テルマエ・ロマエ
44.ファミリー・ツリー
【6月】
45.MIB3 3D
46.極秘指令ドッグ×ドッグ
47.君への誓い
48.ダーク・シャドウ
49.スノーホワイト
50.ディヴァイド
51.私が、生きる肌
52.ジェーン・エア
【7月】
53.それでも、愛している
54.幸せへのキセキ
55.ラム・ダイアリー
56.ワン・デイ
57.少年は残酷な弓を射る
58.崖っぷちの男
59.リンカーン弁護士
60.プリンセス・カイウラニ
61.Brave Hearts 海猿
【8月】
62.アウンサンスーチー引き裂かれた愛
63.ピラニア・リターンズ 3D
64.ローマ法王の休日
65.アメイジング・スパイダーマン 3D
66.アナザー
67.ヘルター・スケルター
68.1/2デイズ
69.トータル・リコール
【9月】
70.The Grey凍える太陽
71.プロメテウス 3D
72.アヴェンジャーズ 3D
73.あなたへ
74.最強の二人
75.デンジャラス・ラン
76.バイオハザード5リトリビューション3D
77.踊る大捜査線The Final 新たなる希望
【10月】
78.ハンガー・ゲーム
79.鍵泥棒のメソッド
80.ボーン・レガシー
81.エクスペンダブルズ2
82.ツナグ
83.危険なメソッド
84.ソハの地下水道
【11月】
85.アルゴ
86.推理作家ポー最期の5日間
87.シャドー・チェイサー
88.リンカーン/秘密の書 3D
89.トールマン
90.終りの信託
91.ロックアウト
92.ボディ・ハント
93.情熱のピアニズム
94.悪の教典
【12月】
95.カラスの親指
96.007スカイフォール
97.HICK ルリ13歳の旅
98.ホビット 思いがけない冒険 3D
99.人生の特等席
100.綱引いちゃった
101.ウーマン・イン・ブラック
102.恋のロンドン狂騒曲
103.もうひとりのシェークスピア
104.砂漠でサーモン・フィッシング
105.恋愛だけじゃダメかしら?
106.マリー・アントワネットに別れをつげて
107.今日、恋をはじめます

【年間総合】
1.私が、生きる肌(スペイン)
2.最強の二人(フランス)
3.ヘルプ 心がつなぐストーリー(アメリカ)
4.ル・アーヴルの靴みがき(フィンランド・フランス・ドイツ)
5.アーティスト(フランス)
6.アルゴ(アメリカ)
7.アヴェンジャーズ 3D(アメリカ)
8.砂漠でサーモン・フィッシング(イギリス)
9.ソハの地下水道(ドイツ・ポーランド)
10.ツナグ(日本)
次.デンジャラス・ラン(アメリカ)
次.カラスの親指(日本)
次.ハンター(オーストラリア)

年間ランキングに関しては昨年もそうでしたが「敢えて」順位を付けただけで、作品の善し悪しを判断するものでは無くあくまでも私自身の好みです。1~10位の順番に関しても何度か修正をした上でこの順位となりました。

1位は「私が、生きる肌」でこれはすんなりと決まりました。最初から最後まで目が離せない展開で、一切の無駄なシーンは無く全てのシーンがどこかで繋がる布石として表現されているのは流石としか言いようがありません。
2位の「最強の二人」は1位とは僅差での2位で1位でも文句ない内容でした。
3位はアメリカ映画の中では一番印象的だった作品で黒人のメイド達の話でした。ここまでの上位3本は順当で迷いもありませんでした。

4位以下はかなり迷った末でのランキングで4位はフィンランド出身のアナ・カウリスマキ監督の独特の雰囲気がここでも良く出ていて私好みの作品でした。
5位はアカデミー賞で話題をさらった無声映画で、これがフランス製作の映画であると言うことでその着眼点が良かった。
6位はベン・アフレック主演・監督作でテヘランでのアメリカ大使館占拠事件の裏側を真実に基づいた映画化作品で、最初から最後まで緊迫感あふれる展開が印象に残った。
7位は今回のランクインで一番娯楽色の強い作品で、これぞまさにアメコミの映画化でストーリーとか細かい点の論評は抜きにして純粋に楽しめた作品。マーヴェル・コミックスのキャラが一堂に集まり、またそれを演じる俳優陣の顔触れも良かった。
8位は最近観たばかりの作品でユワン・マクレガーがアラビア半島のイエメンで英国外務省主導のもとでアラブの富豪の夢である「砂漠でサーモン・フィシング」をするという荒唐無稽なアイデア実現に奔走する話。
9位はポーランドで実際にあった話である、ユダヤ人を下水道に匿うもので、最近のヨーロッパ映画で度々取り上げられ題材だ。
10位は日本映画代表のような形でこれがランクイン。これはいくつかのストーリーが一本に纏まっている話で、悔いを残して亡くなった人へ一度だけ会う事を仲介する霊能者とその孫の話。佐藤隆夫が生死不明の彼女をあきらめきれないで会う話は泣けてきた。

次点では3本記したが、この3本はトップ10では迷うが次点としては推薦できる作品だ。惜しむらくは年末に観ることがスケジュール的に無理だった「レ・ミゼラブル」は恐らく来年のランキング入りが期待出来そうな作品だ。

来年はどんな作品と巡る会えるのか、今からワクワクしている。

【ワースト】
1.ヘルター・スケルター(日本)
2.ディヴァイド (アメリカ)
3.極秘指令ドッグ×ドッグ(アメリカ)
4.アナザー(日本)
5.HICK ルリ13歳の旅(アメリカ)

今回は「おまけ」としてワースト作品も作成した。ここでの1位は断トツで文句なく「ヘルター・スケルター」でこちらも一切迷いは無かった。4位の作品と併せて邦画が2本ランクイン。2,3位は分けの分からない展開がワースト入り要因で、5位は期待の子役クロエ・グレース=モレッツ出演ということで期待値が高かった分だけ、ここに入ってしまった。


映画『キラー・エリート』を観て

2012-05-20 22:18:58 | 映画全般

12-41.キラー・エリート
■原題:Killer Elite
■製作年・国:2011年、オーストラリア
■上映時間:117分
■字幕:種市譲二
■観賞日:5月19日、新宿バルト9(新宿三丁目)



□監督:ゲイリー・マッケンドリー
◆ジェイソン・ステイサム(ダニー)
◆クライヴ・オーウェン(スパイク)
◆ロバート・デ・ニーロ(ハンター)
◆ドミニク・パーセル(デイヴィス)
◆エイデン・ヤング(マイヤー)
◆イヴォンヌ・ストラホフスキー(アン)
◆ベン・メンデルソーン(マーティン)
【この映画について】
ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン、オスカー俳優ロバート・デ・ニーロという3人の実力派俳優が豪華共演を果たしたアクション・サスペンス。
エベレスト登頂に成功したこともある元SAS(英国特殊部隊)隊員のベストセラー小説を基に、すご腕の殺し屋が世界をまたに掛けた死闘を繰り広げる。激しいカーチェイスや銃撃戦はもちろんのこと、主演のジェイソンが挑むビルからのジャンプなど、CGを使用しない本格アクションの数々に息をのむ。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
1980年、メキシコ。極秘ミッションに駆り出された殺し屋のダニーは、師匠でもあり良き相棒でもあるハンターとともに、いつものように厳重な警戒を潜り抜け、リムジン内の標的を暗殺。しかし、同乗していた目撃者である10歳の少年に向かって引き金を引くことがどうしてもできなかった。

自身の限界を悟ったダニーは、危険な稼業から足を洗う。1年後、オーストラリアの農場で恋人と静かに暮らしていたダニーの元に、ハンターのポラロイド写真が届く。ハンターは“SASの精鋭を事故に見せかけて殺せ”という危険な仕事に失敗し、捕虜となっていた。
ダニーはやむを得ず、ハンターが遂行するはずだったこの不可能なミッションを継ぐため、仲間たちを招集。だが、元SASの隊員スパイクは彼らの不穏な動きを敏感に察知していた。その背後には“フェザー・メン”と呼ばれる謎の組織の存在があり、ダニーへの包囲網は確実に狭まっていく。そして、影で暗躍する謎の“エージェント”の存在。敵の予期せぬ奇襲。徐々に動きが制限される困難な状況下、ダニーは決死の行動に出るが、その先には予想もしなかった事実が存在していた……。

ここ最近、ジェイソン・ステイサム出演作は欠かさず観ているのだが、今回はクライヴ・オーウェンとロバート・デ・ニーロとの「共演」という立場上、彼が主役として一人で強さを発揮する作品では無かった。やはり、前述の二人は凄かった。御大デ・ニーロと演技の幅が広いオーウェンとの絡みでは、デ・ニーロはステイサム演じるダニーの師匠とも言える人物であり彼がしくじった仕事の尻拭いに引退状態だったにも関わらず一肌脱ぐ羽目に。そこで、元SASでもあるスパイクとの対決シーンが用意されているのだが、一方的にダニーが叩きのめす訳には行かなかった。この辺が、ステイサム単独主演作との違いであろう。
デ・ニーロの貫録ぶりは相変わらずなのだが、最近の彼の出演作に共通点は感じられず、声が掛かれば基本的には出演するようなスタンスかな?

ストーリー的にはSAS隊員と元SAS隊員との激突なのだが、背後にはアラブの有力氏族の長老が息子殺しの復讐に雇っていたのだった。だが、この息子殺しの事件についての説明が薄く、何故そうなったのかが良く判らなかったので、ひたすらアクション・シーンを追いかけていた。
結局は、冒頭のシーンにあったように10歳の少年に気を取られている隙に任務に失敗したダニーだったが、今度は完遂させ再び南半球ダウン・アンダーの農場へ戻り恋人と一緒になるのだった。 

ハリウッド映画としてでは無くてオーストラリア映画としてこの3人が共演したのは何故だろう?3人共に注目作で主役を張ってきた実績があるだけに、監督としても敬意をどれだけ払うか神経を遣ったのではないか?この3人が闘う相手が元SAS隊員となれば袂を分かった元同僚みたいな感覚だろうが、果たして戦闘中にそういう感情を捨て切れていたのだろうかって勝手に想像してしまった。
3人にそれぞれ見せどころを用意する観点から、ストーリー重視に走ったのだろう。このメンツで今現在一番光る筈のジェイソンが他の2人との共演で主演作の様に一人だけ目立つ訳には行かなかった?のは残念(笑)。でも、最近注目先からご無沙汰気味のクライヴ・オーウェンを観ることが出来たのは収穫でした。 


映画『アニマル・キングダム』を観て

2012-01-30 13:36:10 | 映画全般

12-9.アニマル・キングダム
■原題:Animal Kingdom
■製作年・国:2010年、オーストラリア
■上映時間:113分
■字幕:岩辺いずみ
■観賞日:1月29日、TOHOシネマズシャンテ

□監督・脚本:デヴィッド・ミショッド
□撮影:アダム・アーカポー
□美術:ジョー・フォード
□編集:ルーク・ドゥーラン
□衣装:カッピ・アイアランド
◆ジェームズ・フレッシュヴィル(ジョシュア・コディ)
◆ジャッキー・ウィーヴァー(ジャニーン・コディ)
◆ベン・メンデルソーン(アンドリュー・”ポープ”・コディ)
◆ジョエル・エドガートン(バリー・”バズ”・ブラウン)
◆ガイ・ピアース(ネイサン・レッキー)
◆サリヴァン・ステイプルトン(クレイグ・コディ)
◆ルーク・フォード(ダレン・コディ)
【この映画について】
映画は少年の目を通してこの犯罪者一家の姿を描いていくが、少年の内面はほとんど最後まで明かさない。これは意図的で、そんな家族でも依存するしかない少年の心境を観客にゆだねているのだ。それまで主体的に行動することがなかった少年なので、この家族と警察のどちら側につくかは、その無表情な顔からはなかなかわからないのだ。
ある事件をきっかけにこの家族の非情さがより露わになるが、そこからそれまで目立たなかった祖母がクローズアップされてくる。この祖母の歪んだ愛情がこのような家族を生み出し、過去に少年の母親が出て行った原因なのだろう。もっとも人間くさいはずの“家族”を、「アニマル・キングダム=野生の王国」と表すほど、殺伐とした世界が広がっている。犯罪に対する冷ややかな視線が印象的な、クライム・ムービーだ。
「メタルヘッド」の脚本家、デヴィッド・ミショッドの長編初監督作。出演は「ハーモニー」のジャッキー・ウィーヴァー、「英国王のスピーチ」のガイ・ピアース、「ノウイング」のベン・メンデルソーン、「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」のルーク・フォード。(この項gooより転載しました)
【ストーリー&感想】
オーストラリア・メルボルン。17歳の高校生ジョシュアは母ジュリアと二人で静かに暮らしていたが、ある日突然、ジュリアがヘロインの過剰摂取で死亡してしまう。ジョシュアは、ジュリアが長い間付き合いを避けていた祖母ジャニーンに電話をかけ、すぐにジョシュアのもとに駆け付けたジャニーンは、すべてを処理して彼を自分の家に連れ帰る。

ジャニーンにはジュリアの他に、アンドリュー、クレイグ、ダレンという3人の息子がいた。彼らは皆家族思いで、一見、明るく温厚な人物に見えたが、全員が銀行強盗や麻薬の密売など、あらゆる凶悪犯罪に手を染め、その収入で生計を立てていた。ジャニーンも息子たちの犯罪を黙認し、事実上裏ですべてを仕切っていた。そして、アンドリューの昔からの強盗仲間で、冷静で頭脳明晰なバリーが多くの犯罪を計画していた。ジョシュアの母は、そんな一族から距離を置くため、息子を連れて家を出たのだ。だが今や他に行くあてのないジョシュアには、その家で暮らしていくしか道は残されていない。

当初、一家がジョシュアを直接犯罪に巻き込むことはなかったが、彼が犯罪にまったく無関係でいつづけることは不可能だった。一方、横行する凶悪犯罪に業を煮やした警察は、凄腕の巡査部長ネイサン・レッキー率いる強盗特捜班を組織すると、一家で最も凶暴なアンドリューに目を付け、彼の逮捕のために執拗な捜査を開始。
レッキーは、ジョシュアを犯罪者一家から救い出し、彼の証言でアンドリューたちを一網打尽にしようと画策するが、ジョシュアは口を割らない。だが一家はジョシュアが彼らを裏切って警察に寝返るのではないかと疑いはじめ、強力な圧力で口止めをするのだった。頼る者のいない孤独の中で、逃げ場を失ったジョシュアは今、自分自身が生き残るために、強くならなければならなかった……。

この話、メルボルンで実在するファミリーの話しとのことだが、そこはハリウッド映画ではないので派手なアクションは控え目な演出が取られていた。作られた脚本では無いので、所謂、予想通りの終わり方へとはならない。
中でも母ジュリアが亡くなっても無表情で何を考えているのか判らないジョシュアと、ジョシュアの祖母にあたるジャニーンが物語の主役だ。ジョシュアは最初は「野生の王国」と呼ばれるファミリーの中で自分の立ち位置を見つけることが出来ずここでも孤独な生活が待っていた。
そのジョシュアにもやはりファミリーの血が流れていた。寡黙なジョシュアに対して警察は何とかファミリー崩壊の切り札にと考えていたものの、彼は裁判でファミリーに不利な証言はしなかった。そして、彼に取って唯一の心を許せた彼女をポープに殺害されたことでキレたジョシュアはポープを殺害し復讐を果たし、最後は、ジャニーンとハグを交わして終わる。
息子達を自分の意志のままに操り、コディ一家の事実上のボスとして君臨してきた彼女のこのハグで、コディ家のボスがポープからジョシュアへと事実上交代したことを彼女が「認めた」瞬間のように思えた。

ストーリー的には娯楽性は僅かに抑えた重い内容である。ここオーストラリアは白人社会であり、アメリカほどではないがやはりここでも暴力と血が平然と流れる社会が存在し、たとえファミリー内部の抗争であってもボスの交代は血で血を洗う展開だった。白人社会はやはりこうなるんだね。

最後に、ガイ・ピアースを除いて有名な俳優は出演していなかった。ジョシュアを演じていたジェームズ・フレッシュヴィルは難しい役どころだったが、今後、オーストラリア映画以外での出演にも注目したい俳優だ。

【主題歌について】
この映画の舞台はメルボルン、と言う事で時代背景を考えると1980年代初頭と想像出来る。この映画の中でファミリーがTVを観ている時に、その画面から流れてきた曲が地元メルボルン出身の人気AORバンド「エア・サプライのAll Out Of Love」のPVである。



この↑ビデオを見ていたシーンがあったのを覚えているだろうか?映画の予告編でもBGMとして流されていて主題歌扱いされていて、映画の中でも印象的なシーンだった。
この曲は1980年にアルバム「ロスト・イン・ラヴ」の2曲目に収録され、シングルカットされて全米チャートで2位を記録する大ヒットをなっている。個人的にもエア・サプライは大学生時代に頻繁に聴いていて、この曲も大好きな曲だ。


2011年、映画観賞履歴<下半期~年間総合>

2011-12-31 23:40:50 | 映画全般

昨日は1~6月でしたが、今日は下半期(7~12月)です。本数的にはやはり下半期の方が、特に年末年始にかけては話題作が目白押しですから多くなります。

下半期は本数では51本でアメリカ映画(共同制作を除く)が31本、欧州映画(欧州国同士の共同製作を含む)11本、欧北米中米共同制作映画3本、日本映画5本、カナダ映画1本。上半期と比べるとアメリカ映画の割合が多少減少した分、日本映画と欧州映画が若干増えましたね。

43.テンペスト(アメリカ)
44.127時間(アメリカ)
45.メタルヘッド(アメリカ)
46.ビューティフル(スペイン・メキシコ)
47.アイ・アム・ナンバー4(アメリカ)
48.スーパー8(アメリカ)
49.黄色い星のこどもたち(フランス・ドイツ・ハンガリー)
50.マイティ・ソー(アメリカ)
51.モンスターズ/地球外生命体(イギリス)
52.スーパー(アメリカ)
53.ハリー・ポッターと死の秘宝Part2(アメリカ・イギリス)
54.メカニック(アメリカ)
55.モールス(アメリカ)
56.ツリー・オブ・ライフ(アメリカ)
57.未来を生きる君たちへ(デンマーク・スウェーデン)
58.ハンナ(アメリカ)
59.七つまでは神の子(日本)
60.神様のカルテ(日本)
61.ゴーストライター(イギリス・ドイツ・フランス)
62.ミケランジェロの暗号(オーストリア)
63.ザ・ウォード監禁病棟(アメリカ)
64.アンフェア/the answer(日本)
65.サンクタム3D(アメリカ)
66.親愛なるきみへ(アメリカ)
67.世界侵略/ロサンゼルス決戦(アメリカ)
68.猿の惑星/創世記(アメリカ)
69.リミットレス(アメリカ)
70.ブリッツ(イギリス)
71.スイッチを押すとき(日本)
72.ラビット・ホール(アメリカ)
73.ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~(ドイツ)
74.ウィンターズ・ボーン(アメリカ)
75.ミッション:8ミニッツ(アメリカ)
76.コンテイジョン(アメリカ)
77.三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 3D(ドイツ)
78.カウボーイ&エイリアン(アメリカ)
79.マネーボール(アメリカ)
80.ラヴ・アゲイン(アメリカ)
81.フェア・ゲーム(アメリカ)
82.50/50(アメリカ)
83.フェイク・クライム(アメリカ)
84.リアル・スティール(アメリカ)
85.スウィッチ(フランス)
86.サラの鍵(フランス)
87.私だけのハッピー・エンディング(アメリカ)
88.灼熱の魂(カナダ・フランス)
89.源氏物語 千年の謎(日本)
90.ブリューゲルの動く絵(ポーランド・スウェーデン)
91.ボー・ボー・ウィズ・ショットガン(カナダ)
92.ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル(アメリカ)
93.永遠の僕たち(アメリカ)

【年間総合】
 1.灼熱の魂(カナダ・フランス)
 2.ブラックスワン(アメリカ)
 3.英国王のスピーチ(イギリス・オーストラリア)
 4.黄色い星のこどもたち(ドイツ・フランス・ハンガリー)
 5.ザ・ファイター(アメリカ)
 6.愛する人(アメリカ・スペイン)
 7.サラの鍵(フランス)
 8.リアル・スティール(アメリカ)
 9.ミケランジェロの暗号(オーストリア)
10.猿の惑星/創世記(アメリカ)
次 未来を生きる君たちへ(デンマーク・スウェーデン)
次 ソーシャル・ネットワーク(アメリカ)
次 コンテイジョン(アメリカ)

敢えて年間ランキングを作りましたが、順位については「敢えて」付けたと解釈して下さいね。その中で1,7,8位は12月観賞作品ですが、やはり、年間1位は「灼熱の魂」で間違いありません。予告編を映画館で観た時はここまで印象に残る作品とは思っていませんでしたが、実際に観るとストーリーのち密さや映像や展開などどれを取っても文句を付けることが出来ない内容でした。
衝撃のラストでの驚愕の事実も凄まじかったですが、これが全国拡大公開系で無いのが残念であると同時に、それで良かったような気もします。シネコン系での上映ではこの映画の良さが伝わらないかも知れません。

2位と3位と5位はどちらもアカデミー賞を賑わせた作品で、「ブラック・スワン」は1位を先月観るまではこれが1位確実でした。ナタリー・ポートマン産休前の力作でしたね。3位は現女王の父君の話ですがコリン・ファース良かったです。5位はボクサーを支えるファミリーの実話で、クリスチャン・ベールの怪演が印象的でアカデミー賞助演男優賞受賞していますね。
4位と7位はどちらも同じ事件を題材にしている作品で、9位の作品も含めて偶然ですがユダヤ人に関する作品です。でも、9位はユダヤ人の悲劇を扱いながらも最後はひと泡吹かせる展開が痛快だった。

6位はナオミ・ワッツの実際の妊婦姿が印象的で、若気の至りで14歳で出産したが母によって養子に出された娘への思いを綴った作品。ラストで親子3代が繋がるシーンは感動的でしたがナオミ・ワッツが思い掛けない出産で亡くなってしまう展開は残念でした。
8位は元々期待せずに観に行ったら面白かったのと、珍しく「負けるが勝ち」的なハリウッド映画らしからぬ?ラストが感動を呼んだのではないでしょうか?
10位は有名なシリーズ作品へと繋がる時代の設定で、ここから新たなスタートを切る大事な1作目との位置付けでしょうね。ラストでは明らかに続編があるように作られていますが、一本の作品としても質が高いので次作へ期待が高まりました。

次点の作品は12月の展開次第ではトップ10入りも可能だった作品です。来年はどういう作品に巡り合えるか、今から楽しみに待ちましょう。


2011年、映画観賞履歴<上半期>

2011-12-30 20:35:47 | 映画全般

011年も残すところ今日も含めて2日間です。そこで、備忘録的に今年観た映画を振り返ります。

まずは1~6月の上半期で42本を観賞。ごく平均的な本数で、野球シーズンを含むのでこんなもんですね。
アメリカ映画(共同制作除く)28本欧州映画8本(欧州国同士の共同制作含む)欧米共同制作映画4本日本映画2本。
こうして製作国からみるとアメリカ映画が圧倒的に多かったが、個人的には欧州系映画が好きなのですが、この時期に自分好みの欧州系映画が少なかったのが理由か?
観た作品の中ではモーツァルト、ショパン、ハワード・ホークスなど偉人の伝記物という私の好きなテーマや、同じく、「ランナウェイズ」や「デザート・フラワー」も女性パンク・ロックバンドやソマリア出身のスーパーモデルの話ですね。
印象に残った作品と言えば5月に観賞した「ブラック・スワン」で、出産前のナタリー・ポートマンがアカデミー主演女優賞を受賞した迫真の演技が良かったですよ!
また、違う意味でですが、「ヒアアフター」は3月13日に観賞して、その内容がスマトラ島沖での大地震で発生した大津波に呑まれるシーンから始まる映画だったので、大震災から僅か2日後で観ていて複雑な心境だったのを覚えています。

では、下半期(7月~12月)と年間総合は明日に続きます。

 1.きみがくれた未来(アメリカ)
 2.シチリア!シチリア!(イタリア)
 3.スプライス(カナダ・フランス)
 4.アンストッパブル(アメリカ)
 5.しあわせの雨傘(フランス)
 6.デザート・フラワー(ドイツ・オーストリア・フランス)
 7.白いリボン(ドイツ・オーストリア・フランス・イタリア)
 8.愛する人(アメリカ・スペイン)
 9.完全なる報復(アメリカ)
10.ソーシャル・ネットワーク(アメリカ)
11.グリーン・ホーネット3D(アメリカ)
12.ウォール・ストリート(アメリカ)
13.ザ・タウン(アメリカ)
14.RED/レッド(アメリカ)
15.リセット(アメリカ)
16.ナルニア物語、第3章アスラン王と魔法の島 3D(アメリカ)
17.アンチクライスト(デンマーク・ドイツ・スウェーデン・イタリア・ポーランド)
18.英国王のスピーチ(イギリス・オーストラリア)
19.ショパン、愛と哀しみの旋律(ポーランド)
20.ヒアアフター(アメリカ)
21.恋とニュースのつくり方(アメリカ)
22.ツーリスト(アメリカ)
23.あしたのジョー(日本)
24.ザ・ランナウェイズ(アメリカ)
25.アメイジング・グレース(イギリス)
26.ザ・ファイター(アメリカ)
27.トゥルー・グリット(アメリカ)
28.SP革命篇(日本)
29.ザ・ライト エクソシストの真実(アメリカ)
30.ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路(フランス)
31.ブルー・ヴァレンタイン(アメリカ)
32.キラー・インサイド・ミー(アメリカ・スウェーデン・イギリス・カナダ)
33.キッズ・オールライト(アメリカ)
34.ザ・ホークス~ハワード・ヒューズを売った男~(アメリカ)
35.抱きたいカンケイ(アメリカ)
36.ジュリエットからの手紙(アメリカ)
37.アンノウン(アメリカ)
38.ブラックスワン(アメリカ)
39.アジャストメント(アメリカ)
40.アウェイク(アメリカ)
41.スカイライン-征服-(アメリカ)
42.パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉(アメリカ)


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