14-68.ジゴロ・イン・ニューヨーク
■原題:Fading Gigolo
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:90分
■料金:1,100円
■鑑賞日:8月14日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)
□監督・脚本・出演:ジョン・タトゥーロ
◆ウディ・アレン
◆ヴァネッサ・パラディ
◆シャロン・ストーン
◆リーヴ・シュレイバー
◆ボブ・バラバン
◆ソフィア・ヴェルガラ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
不況で経済状態の悪い友人同士の男性2人が金もうけに男娼(だんしょう)ビジネスをスタートしたところ、思わぬ騒動に巻き込まれていくブラックコメディー。監督業でも才能を発揮している『バートン・フィンク』などのジョン・タートゥーロ監督、脚本、出演で、彼の友人でビジネスパートナーを、数多くの名作を生み出した監督のウディ・アレンが演じる。
ニューヨーク・ブルックリンで祖父の代から続く本屋をたたむことになったマレーは、友人のフィオラヴァンテ相手にボヤいていた。妻は働いているが、4人の子供を抱えて失業したマレーは、かかりつけの皮膚科の女医パーカーからレズビアンのパートナーとのプレイに男を入れたいと相談を受け、1000ドルで紹介すると持ちかける。
マレーは、定職に就かず、数日前から花屋でバイトを始めたフィオラヴァンテをおだて、ジゴロデビューさせる。パーカーと2人だけのお試しから戻った彼は、500ドルのチップまで持ち帰ってきた。ポン引きの才能を発揮したマレーは軽快な営業トークで客層を広げ、フィオラヴァンテは女性の気持ちを理解すると言う隠れた才能で女性を惹きつけていく。マレーは、彼と違って厳格なユダヤ教宗派の高名なラビの未亡人アヴィガルに熱心な営業をしていた。
若く美しい彼女がずっと喪に服しているのを見たマレーは、フィオラヴァンテの“セラピー”を受けるよう説得する。フィオラヴァンテのアパートで背中をマッサージされたアヴィガルは涙を流し、その理由を聞いたフィオラヴァンテは心を揺さぶられる。そして2人は、普通の恋人同士のようにデートするようになる。しかし2人の恋は、ジゴロにとってはご法度、ユダヤ教徒にとっては禁忌だった。アヴィガルに想いを寄せる幼馴染のドヴィの告発により、ユダヤ法の審議会にかけられるマレー。ポン引きの罪は石打ちの刑だという、まるで中世のような裁判だった。そのころ、フィオラヴァンテも自分の恋のせいで窮地に陥っていた……。
ジョン・タトゥーロが監督、脚本を書いた作品にウディ・アレンが出演している。この二人の軽妙な会話劇が中心で、もっぱらアレンが突っ込みでタトゥーロがボケ役のような間柄。一方的に喋るアレン、それを分かっているのかいないのか分からないような表情で聞き流すタトゥーロという展開が終始続く。当初はこの二人の会話劇を楽しく観ていたが、流石にこの調子で90分近く続くので最後の方はぐったり。
ストーリー的には実際にユダヤ系であるアレンのそうしたルーツが中盤以降は色濃く反映されていく。スタートは定職の無い友人フィオラバンテにジゴロとして女性の相手をする話を持ちかけ、意外にもこの仕事がハマった。だが、御法度であるユダヤ系未亡人女性に恋心をフィオラバンティが持ち始めた辺りから展開は変わってしまう。ジゴロ業を楽しむ話しと想像していたが、戒律に厳しいユダヤ教に抵触したことから、フィオラバンティがユダヤ裁判にかけられることに。そこに、長年未亡人に恋心を寄せ続けていた男性の存在が絡んでくる。
まあ、このユダヤ教やNYのユダヤ人コミュニティに関する話は日本人にはピンと来ないので、これがジゴロとどう関係があったのかは観ていても分からなかった。どうもウディ・アレンとは相性悪いんだよな~。シャロン・ストーンもヴァネッサ・パラディもイマイチでした。