kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『ドラキュラZERO』を観て

2014-11-01 18:48:50 | 映画・ドラマ、アクション

14-86.ドラキュラZERO
■原題:Dracula Untold
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:92分
■料金:1,100円
■鑑賞日:11月1日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)

 

□監督:ゲイリー・ショア
◆ルーク・エヴァンス
◆ドミニク・クーパー
◆サラ・ガドン
◆チャールズ・ダンス
◆ザック・マッゴーワン
◆チャーリー・コックス
◆ポール・ケイ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
『ホビット』シリーズで「バルド」を演じていたルーク・エヴァンスが主演を務め、オスマン帝国の侵略から自国を死守するため悪に変じた君主の戦いを描くアクション。ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」のモデルとなった15世紀の実在の君主をモチーフに、愛ゆえに強大な悪と化す男の数奇な運命に迫る。主人公の妻を、『複製された男』などのサラ・ガドンが好演。
1462年。トルコ勢力下にあるトランシルヴァニア国の君主で“串刺し公”の異名を持つヴラド・ツェペシュは、妻子とともに平和に暮らしていた。そんなある日、トルコ帝国から“息子を含む少年たち1000人を、兵士として育てるために我が国に渡せ”との通達を受ける。自らも少年の頃に経験した訓練や殺りくを息子たちに行わせたくないと願うヴラドは、トルコとの対決を決意。そして、迫りくるトルコの大軍に立ち向かうため、古より存在してきた悪の力を手に入れる……。

まずは邦題の「Zero」だけど原題は「Untold」なので「語られなかったドラキュラ」と言うような意味なのだろうが、ゼロだと言いたいのは原点かな?。まあ、それは良いとして、結論から言えば意外と面白かったという印象。今までにもドラキュラ映画は製作されていて、個人的にはフランク・ランジェラ(1979年)作が印象に残っていますが、もう少し古い所ではクリストファー・リーが有名ですね。
さて今回の作品は「Untold」らしく?ヴラド・ゼペシュが何故吸血鬼になったのかが描かれていて、それは、幼少時に人質としてオスマン帝国で現在の皇帝メフメットと共に兄弟同然に過ごした彼が、そのメフメットから子供部隊に息子と共に1000人を差し出せという無理難題を突き付けられた挙句、オスマン帝国に反旗を翻すことを決意する。この時に、洞窟の奥深くに住む謎の怪物?が居るとされる場所を訪れる。その際に自国民を守りたい一心で「血の杯」を呑み闇の力を得ると言う設定だが、この謎の怪物の姿は描かれない。

最後は家族愛が発揮され、自分は犠牲になっても息子は守ったヴラド。そして、時は流れて現代に蘇ってのエンディング。こういう終わり方ってあるんですね、意表を突かれたけど良かったですこのラストは。


映画『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』を観て

2014-10-26 15:39:15 | 映画・ドラマ、アクション

14-85.グレース・オブ・モナコ
■原題:Grace Of Monaco
■製作年、国:2014年、フランス・アメリカ・ベルギー・イタリア
■上映時間:103分
■料金:0円(ポイント使用)
■鑑賞日:10月25日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)

 

□監督:オリヴィエ・ダアン
◆ニコール・キッドマン
◆ティム・ロス
◆フランク・ランジェラ
◆パーカー・ポージー
◆パス・ヴェガ
◆マイロ・ヴィンティミリア
◆デレク・ジャコビ
◆ロジャー・アシュトン=グリフィス
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ハリウッド女優からモナコ公妃となったグレース・ケリーの華やかなシンデレラストーリーの裏に隠された激動の半生に迫る伝記ドラマ。夫のモナコ大公レーニエ3世と、当時のフランス大統領シャルル・ド・ゴールとの間に起きた国家的危機に立ち向かっていく姿を描く。『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』などのオリヴィエ・ダアンがメガホンを取り、主演は人気女優ニコール・キッドマン。
1956年、オスカー女優のグレース・ケリーは、モナコ大公レーニエ3世と結婚。1961年12月、二人の子供に恵まれるも王室の中で孤立していたグレースの前に、脚本を手にしたアルフレッド・ヒッチコック監督が現れる。「マーニー」という新作映画の出演依頼に訪れたのだ。
そんな中、モナコ公国に危機が降りかかる。アルジェリアの独立戦争で戦費が必要になったフランスが、無税の国モナコに移転したフランス企業から税金を徴収して支払うよう要求、「従わなければモナコをフランス領とする」と声明を出したのだ。もし戦争になれば、軍隊もない小国モナコは、一瞬で占領されてしまう。
政治で頭がいっぱいのレーニエに無視され、ますます居場所を見失ったグレースはハリウッド復帰を望むが、国家の危機的状況に発表は控えられる。だが宮殿から情報が漏れ大々的に報道、グレースの相談役で後見人のタッカー神父は、フランスのスパイがいると警戒する。
1962年7月。国民の公妃への不満が高まる中、励ましてくれるのは義姉のアントワネットと、オナシスの愛人マリア・カラスだけだった。やがてレーニエはフランス企業への課税を了承。しかしド・ゴールは、モナコ企業にも課税してフランスに収めろと脅し同然の要求を突き付ける。レーニエは行き場の無い怒りをグレースにぶつけ、映画界からの引退を迫る。結婚式の記録映像を見ながら離婚を考え、涙にくれるグレースの傍らで優しく見守る神父は「人生最高の役を演じるためにモナコに来たはずだ」と諭す。
数日後、神父はグレースを外交儀礼の専門家であるデリエール伯爵の元へ連れて行く。モナコの歴史、王室の仕組み、完璧なフランス語、公妃の作法、正しいスピーチ――グレースの夏は厳しい特訓で過ぎていった。9月22日、レーニエはヨーロッパ諸国の代表に軍事支援を募るサミットを開くが、ド・ゴール暗殺未遂の報せが入り失敗。さらに王室内の裏切り者が判明(レーニエの姉とその夫)し、レーニエとグレースは深い衝撃を受け、二人は絶望の中で長らく眠っていた互いの愛を確認し合う。翌朝、グレースはヒッチコックに電話をかけて出演を断り、国際赤十字の舞踏会開催を発表、世界中の要人に招待状を発送する。1962年10月9日、侵攻を目前にモナコで開かれたパーティは大変な盛況を博し、そこにはド・ゴールの姿もあった。マリア・カラスの魂を震わす歌の後、主催者のグレースが舞台に上がり、この日のために練り上げた一世一代のスピーチが始まった……。

モナコ公国から映画の内容に関してはクレームが付いたそうだが、グレース・ケリーの知名度は日本でも高齢者には轟いているようで、鑑賞の時に廻りをざっと見渡すと自分は若い部類?だったのには驚いた。映画はグレース・ケリーの一生を追った内容ではなく、且つ、ダイアナ王妃の様に悲劇の死の謎を解明する内容でもない。あくまでもハリウッド女優として活躍していた絶頂期からモナコ公妃へと嫁いでからの苦労話がメイン。その苦労話は前半は退屈だが、フランスとの関係が政治的に緊張してからは公室内部にフランスと内通していたのが姉だったという事実と、宮殿内にもフランス側のスパイが居てグレースの会話がフランス側に筒抜けになっていたり地元マスコミにまで漏れて疑心暗鬼になったりする辺りから面白くなってきた。
映画全体としてはロケ映像中心で、ニコール・キッドマンの豪華な衣装や装飾品を観ているだけで十分満足出来るのではないだろうか?彼女の廻りを固める神父役のフランク・ランジェラやマリア・カラスを演じるパス・ヴェガは良かったが、レーニエ公を演じていたティム・ロスは地味な印象だったのは残念だ。


映画『イコライザー』を観て

2014-10-25 18:42:31 | 映画・ドラマ、アクション

14-84.イコライザー
■原題:The Equalizer
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:132分
■料金:1,800円
■鑑賞日:10月25日、渋谷シネパレス(渋谷)

 

□監督:アントワン・フークア
◆デンゼル・ワシントン
◆クロエ・グレース・モレッツ
◆マントン・ソーカス
◆メリッサ・レオ
◆デヴィッド・ハーバー
◆ビル・プルマン
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
デンゼル・ワシントンが、アカデミー主演男優賞を受賞した「トレーニング デイ」のアントワン・フークワ監督と同作以来13年ぶりに再タッグを組んだアクションサスペンス。共演に人気女優クロエ・グレース・モレッツ。元CIAエージェントのマッコールは、いまはホームセンターで働く、ごく普通の真面目な人間として生活していた。しかし、ある夜、なじみのカフェで娼婦の少女テリーと出会い、彼女を囲うロシアンマフィアの非情さに、内に眠っていた正義感が目を覚ましていく。クロエ・グレース・モレッツが物語のカギを握る娼婦に扮し、これまでのイメージとは異なる役を熱演。
ホームセンターの従業員として勤務、今では日々静かに暮らす元CIAの凄腕諜報員マッコールは、ある夜、馴染みのカフェで娼婦の少女テリーと出会う。彼女を囲っているロシアンマフィアの非道を知ったマッコールは、彼の中で眠っていた正義感が目を覚まし、彼にしか出来ない“仕事”の遂行を決意。それは警察が介入できない不正やトラブルを身の周りにあるモノ全てを武器に変え、瞬時に解決することであった。世の中の不正を完全抹消する“イコライザー”と呼ばれる男、マッコールは元ロシア特殊部隊のロシアンマフィアに対峙していく……。

デンゼルが扮するのは元CIA捜査官で、今はホームセンターで働く不眠症の男という設定。不眠症なので、夜になると近くのカフェで愛読書を静かに店内の「指定席」で読むのが日課の一つになっている。そのカフェの常連の一人でもあるのがクロエが扮する少女娼婦テリーはここを連絡場所に使っている。その彼女がロシアマフィア組織の一員から手荒い仕打ちを受けている場面をマッコールが目撃したことで、彼の正義感がムクムクと頭をもたげる。ホームセンターでは冗談を気軽に飛ばすなどして同僚と仲良くすごすが、一旦スイッチが入るとCIA時代に戻るようだ。
その殺しのテクニックはユニークで、予告編にもあるように銃をぶっ放すことはせずに、その場にある例えばナイフとか灰皿など目に入ったものを素早く凶器にしてものの17~20秒で相手をまさに秒殺してクールに現場を後にする。
テリー救出に燃えるマッコール、ロシアマフィアと一人で対峙するかと思ったら、途中で、CIA時代の信頼する元同僚から情報を入手するなど抜かりがないのは流石だ。結局、マッコールは一人でロシアマフィアをせん滅することに成功って、元CIAってやはり凄いと思わせるのがミソかな?
途中からテリーは病院で治療中ということで全く登場しなくなってどうしたのかなって思っていたら、歌手志望だったテリー、マッコールのおかげで組織から抜け出せ娼婦も辞めて生き生きとした表情でマッコールに感謝のことばを述べてメデタシメデタシ。

デンゼルは元天才少女のダコタ・ファニングに続いて、現在の天才少女でもあるクロエ・グレース・モレッツとの共演になったが、クロエの少女娼婦テリーは最初と最後だけに出番が限られていて「共演」と言うには多少物足りなさが残った。少女娼婦という役柄は勿論彼女のキャリア初の挑戦だが、まだまだ子供体型のクロエにはちょいとまだ早かったかな?娼婦役はね。デンゼルは相変わらずクールでかっこいいね!


映画『誰よりも狙われた男』を観て

2014-10-19 16:03:12 | 映画・ドラマ、アクション

14-83.誰よりも狙われた男
■原題:A Most Wanted Man
■製作年、国:2014年、アメリカ・イギリス・ドイツ
■上映時間:122分
■料金:1,800円
■鑑賞日:10月18日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)

 

□監督:アントン・コルベイン
◆フィリップ・シーモア・ホフマン
◆レイチェル・マクアダムス
◆ウィレム・デフォー
◆ロビン・ライト
◆グレゴリー・ドブリギン
◆ダニエル・ブリュール
◆ホマユン・エルシャディ
◆ニーナ・ホス
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
2014年2月に急逝したフィリップ・シーモア・ホフマン最後の主演作となった、ジョン・ル・カレの小説を実写化したスパイサスペンス。ドイツのハンブルクを舞台に、対テロ諜報(ちょうほう)チームを率いる男がテロリストの資金源となっている者の正体をつかんでいく。監督は『ラスト・ターゲット』などのアントン・コービン。『きみに読む物語』などのレイチェル・マクアダムス、『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』などのウィレム・デフォーら実力派が共演。息詰まる展開に加え、ホフマンの熱演にも引き込まれる。
ドイツのハンブルグで諜報機関のテロ対策チームを指揮するバッハマンは、密入国した青年イッサをマークする。イスラム過激派として国際指名手配されているイッサは、人権団体の女性弁護士アナベルを通してイギリス人の銀行家ブルーと接触。ブルーの銀行にテロ組織の資金源である秘密口座の存在が疑われるため、バッハマンはその動向を監視していた。ドイツの諜報機関やCIAがイッサの逮捕に動き出す中、彼を泳がせることでテロ組織への資金援助に関わる大物を狙うバッハマン。だが、思いがけない事態が次々と巻き起こる……。

9.11以降の世界は明確に「イスラムは全て敵」のようなムードが漂い、特にドイツは9.11の主犯格モハメド・アタが活動していたこともあり、この映画もドイツが舞台でありチェチェンとロシアの混血青年の動向を追っているのも偶然ではないだろう。そこでドイツ諜報部とCIAがハンブルクで共に暗躍するのだが、互いのテロやスパイに対するスタンスは片や出来る限り泳がせて有効な情報を掴もうとするのに対してテロの芽を小さいうちに摘むとの相反する考えを持っている。だが、どちらも間違いではないし正解でもない。そんな中で亡くなってしまったフィリップ・シーモア・ホフマンが熱演しているのだが、もう、彼の演技が見られるのも公開前の「ハンガー・ゲーム」シリーズの続編だけなのは寂しい、あちらはファンタジー映画だから、やはり彼の真骨頂は今回の様なスパイ映画で発揮できていると思うのでね。
ホフマン演じるバッハマンが率いるドイツ情報部のテロ対策チーム、おなじドイツの諜報機関、CIAらが絡み、イッサの動向を常に注視していたバッハマンだったが、最後の最後にどんでん返しがありCIA,モア率いる諜報機関に食らわされてしまい地団駄を踏んで終わる。

それにしてもフィリップ・シーモア・ホフマンは体型は中年太りしてきたものの、その演技は全身から漲るエネルギーがスクリーンに投影されていて、スパイ映画には打ってつけの名優だった。そんなホフマンが薬物摂取が原因で亡くなったと報道で知った時はショックだった、まだまだ円熟味を増して来る年齢だったし、どんなジャンルの作品でも彼がスクリーンに映し出された瞬間、その存在感に圧倒されていた。改めて冥福を祈りたい。

「ラッシュ」では主役級だったドイツ人のダニエル・ブリュールがここではバッハマンの一スタッフという地味な役だった。


映画『荒野はつらいよ ~アリゾナより愛をこめて~』を観て

2014-10-13 22:16:54 | 映画・ドラマ、アクション

14-81.荒野はつらいよ
■原題:A Million Ways To Die In The West
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:116分
■料金:1,800円
■鑑賞日:10月12日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)

 

□監督・脚本・出演:セス・マクファーレン
□脚本:アレック・サルキン、ウェルスリー・ワイルド
◆シャーリーズ・セロン
◆リーアム・ニーソン
◆アマンダ・セイフライド
◆ジョヴァンニ・リビシ
◆二ール・パトリック・ハリス
◆サラ・シルヴァーマン
◆クリストファー・ヘイゲン
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
世界的大ヒットコメディー『テッド』で注目を浴びたセス・マクファーレン監督が放つ異色ウエスタン。無法者がのさばる西部開拓時代の田舎町を舞台に、さえないオタクの羊飼いが謎めいた美女と恋に落ちたばかりに、西部きっての極悪人から命を狙われるさまを描く。スゴ腕ガンマンが主人公という西部劇の常識を覆し、銃すら撃てないヘッポコ男の主人公をマクファーレン監督自ら演じるほか、オスカー女優シャーリーズ・セロン、『96時間』シリーズなどのリーアム・ニーソンら豪華キャストが共演。
1882年、西部開拓時代のアリゾナ。そこは、タフさが自慢の男と無法者が何かにつけて銃をぶっ放し、野生化した動物とモラルの低い民衆が溢れる、まさに“生活するには最悪な土地”だった。そんなアリゾナの田舎町で暮らす地味でオタクな羊飼いアルバートは、文化度が低く、危険な西部の町を心底嫌い、同じオタクの友人に愚痴をこぼす冴えない日々を送っていた。
銃すら撃った経験のない彼は、決闘を挑まれても屁理屈を並べて逃げ出す始末で、呆れたガールフレンドのルイーズにフラれてしまう。そんなある日、超一流の射撃の腕を持つミステリアスな美女アンナが町に現れ、アルバートはふとしたきっかけから彼女と急接近。やがて2人は恋に落ちる。時を同じくして町に乗り込んできたのが、西部最悪の大悪党クリンチ。彼は、アンナに近づいたアルバートをぶっ殺そうとしていた。果たしてアルバートは、極悪ガンマンを倒し、愛する女性をモノにする事が出来るのか……!?

「テッド」監督のセス・マクファーレンによる西部劇をパロディーにしたコメディー映画と言えば良いだろうか?シャーリーズ・セロンを筆頭に主役級が3人も出演しているのが見所だが、この手の映画の常でストーリーそのものは特段見所は無し。その三人の主役級は本来は演技派俳優で、この手のコメディー系作品への出演は稀だと思われるが、逆に、マクファーレンは監督としてそこが狙い目だったのかも知れない。いずれにせよ、これだけのメンツを集めたので、ストーリーは抜きにして俳優陣の異色作での演技を楽しむのがベストだろう。

それにしてもこの邦題は酷い!センスが無さ過ぎ。


映画『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』を観て

2014-10-12 17:23:13 | 映画・ドラマ、アクション

14-80.イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所
■原題:If I Stay
■製作国、年:2014年、アメリカ
■上映時間:107分
■料金:1,800円
■鑑賞日:10月12日、渋谷シネパレス(渋谷)

 

□監督:R.J.カトラー
◆クロエ・グレース・モレッツ
◆ミレイユ・イーノス
◆ジェイミー・ブラックリー
◆ジョシュア・レナード
◆リアナ・リベラト
◆ガブリエル・ローズ
◆ステイシー・キーチ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ゲイル・フォアマンによるベストセラー「ミアの選択」を基に、昏睡(こんすい)状態に陥ったヒロインを『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツが演じたドラマ。チェロ奏者を目指すヒロインとその一家が交通事故に遭遇し、生と死のはざまにいるヒロインと彼女の17年間の人生を交錯させながら、彼女自身に委ねられた生死の行方をつづる。
17歳の高校3年生、ミアには、親友と呼べる友人と、付き合い始めて1年になるミュージシャンの彼氏がいる。将来の夢はチェロ奏者で、ジュリアード音楽院への入学をめざして猛練習中だ。ある雪の日、ミアと一家が乗った車に対向車が突っ込む事故が起こる。ミアは一瞬にして家族を失う。病院のベッドの上で、昏睡状態のミアが目にしたのは、ベッドに横たわる自分の姿と、幸せだったこれまでの人生、そして、彼女を死の淵から呼び戻そうとする人々の姿だった。いつもと変わりなく話しかけてくれるおばあちゃんと、「辛いならがんばらなくてもいい」と言って泣くおじいちゃん。親友のキムと、看護師の制止を振り切って最愛のアダムも駆けつける。彼らがミアに語ったこととは? そして、ミアは何を見るのか? 事故からミアの決断までの24時間が始まる……。

クロエ演じるチェロ大好き女子高生ミアは音楽好きの両親の下でチェロ演奏に励み、名門ジュリアード音楽院進学を目指している。だけど、冬の日の一家揃ってのドライヴで運悪く事故に遭遇して一家全員が死亡しミアも瀕死の重傷を負って意識不明の状態で搬送された。ここから幽体離脱したミアが第三者のような感じでICUで眠る自身と交際相手アダムとの楽しかった日々が交錯する、つまり、現在と過去をいったり来たりしながら何とか生還しようともがく様子をクロエが見事に演じきった。
中でも難しいチェロの演奏を彼女は3か月の練習で指の動きを習得し監督らスタッフを驚かしたそうだ。映画の中の演奏の音は本職の吹き替えらしいが、指を含めて演奏の形は彼女自身が演じているそうで、若いけどプロ根性が備わっている。

ストーリーとしてはバンドに夢中になっているアダムは地元中心に人気に火が付いてきてレコード会社との契約の話もまとまった。一方でアダムとの時間を大事にしたい気持ちのミアだが、家族が勧めるジュリアード音楽院のオーディションをサンフランシスコに祖父と一緒に受けに行く。結果通知が気になる中での事故だったので彼女自身は結果を知らない。が、一度は破局したアダムが彼女の自宅に届いた通知書を持ちかえり、ICU室で「合格だったよ」と耳元で囁く。そしてアダムがベッド脇で彼女の為に作った自作曲をギターで披露する。その曲を演奏中に彼女は昏睡状態から抜け出し、めでたく意識が回復してジ・エンド。

美少女クロエが同世代の役柄を演じている内容は、幽体離脱した自身と事故前の元気だったころの自分というまるで一人二役のような役柄を見事に演じ分けていた。まだまだあどけなさの残る表情の中にも成長した大人の女性の雰囲気も徐々に備わっていて、失速気味の元祖天才少女ダコタ・ファニングを追い抜く存在になりそうだ。


映画『ミリオンダラー・アーム』を観て

2014-10-09 21:16:29 | 映画・ドラマ、アクション

14-79.ミリオンダラー・アーム
■原題:Million Dollar Arm
■製作国、年:2014年、アメリカ
■上映時間:124分
■料金:1,800円
■鑑賞日:10月9日、TOHOシネマズみゆき座(日比谷)

 

□監督:クレイグ・ギレスピー
◆ジョン・ハム
◆レイク・ベル
◆アラン・アーキン
◆ビル・パクストン
◆スラージ・シャルマ
◆マドゥル・ミッタル
◆アシフ・マンドゥヴィ
◆ピトバッシュ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
野球未開の地・インドから初のメジャーリーガーを発掘したエージェントの奇想天外な実話を基にしたスポーツドラマ。キャリアのどん底にあったスポーツエージェントがインドのクリケット選手をスカウトすることを思い付き、さまざまなトラブルに遭いながらも、前代未聞の挑戦に挑む様子を描く。メガホンを取るのは『ラースと、その彼女』などのクレイグ・ギレスピー。『スラムドッグ$ミリオネア』などのA・R・ラフマーンが音楽を担当する。主演は、テレビシリーズ「MAD MEN マッドメン」などのジョン・ハム。

ロサンゼルスのスポーツ・エージェント、JB・バーンスタインは、莫大な利益をもたらすアメフトの超有望選手をクライアントとして獲得寸前だったが、ライバル企業に横取りされ、危機に陥る。そんなある夜、自宅で何気なくクリケットのテレビ中継を眺めていた彼は、起死回生の策を思いつく。それは、野球不毛の国インドで未知なる剛速球投手を発掘し、同国初のメジャーリーガーを誕生させるという途方もない計画だった。
早速、とあるメジャー球団のアジア系オーナーの賛同を取りつけると、『ミリオンダラー・アーム(=100万ドルの剛腕)』というリアリティ・ショー番組を企画。お調子者のアシスタント、アミトと元一流スカウトマンのレイの協力を得て、インドのムンバイで第一歩を踏み出す。
優勝賞金10万ドルを目指してインド各地から腕に覚えのある若者が番組に参加。その結果、独特のフラミンゴ投法を駆使するサウスポーのリンク・シンが優勝し、2位のディネシュ・パテルともに、メジャー・リーグ入団テストへの挑戦権を獲得する。ロサンゼルスを訪れたリンクとディネシュは、経験豊富なトム・ハウスをコーチにトレーニングを開始。入団テストまでわずか6ヵ月。野球経験のない彼らが、プロ並みの技術を習得するのは容易ではなかった。様々な苦難を乗り越えて迎えた入団テストの日。緊張しきったリンクとディネシュは、本来の実力を発揮できず、結果は“不合格”。宣伝効果の大きさから球団オーナーは番組継続を決定したものの、JBの胸中は複雑だった。やがて隣人の医学生ブレンダやレイのサポートを得て一念発起したJBは、2人の入団テスト再挑戦に向けて奔走。それは仲間との友情や絆の尊さを知った彼自身にとっても、人生の再起を賭けた最後のチャンスだった……。

MLBにインド選手がいるという事実はこの映画の存在で初めて知りましたね。MLBには多くの外国出身選手がプレーしていますが、その大半は中南米やカリブ海諸国出身でアジアでは日本と韓国からの選手がいますがインドから直接入団していたという事実は驚きでした。
インドではイギリス植民地時代の名残でクリケットが盛んで、そのクリケットは野球のルーツとも言われていて(諸説あり)そこに目を付けて野球未開の地でTV番組の発掘企画と言う事でインドでトライアウトを実施。だが、野球を全く知らない国民性から、米国からわざわざ同行したスカウトもこれには呆れかえるしかなかった。そんな中で2人の気になる人物を発掘しロスへと連れて行くことになった。その二人がリンク・シンとディネシュ・パテルだった。
インドから来た二人は大都会のロスでの生活に慣れるのに苦労した。そんな中でもトム・ハウス(彼はMLBでも有名な投手コーチ)のコーチを受けて少しずつ才能を発揮するようになった。エージェントであるバーンスタインは忙しさから二人に構う時間が減っていくことを周囲は懸念する。そして、いよいよ大勢のスカウトが見守る中で二人は実技披露を行うが緊張のあまり力を発揮出来ず周囲をがっかりさせる。それでも2度目の挑戦でMLB球団から入団の誘いが来た。

結果的に二人はパイレーツ傘下とマイナー契約をしてリンク・シンはマイナーで頑張ったが、パテルは帰国し母国で野球を教えている。

ストーリーとしては実話に基づいたディズニー映画なのですが、どこまでが事実で脚色されたのかは分かりませんが、二人の物語にスカウトしたバーンスタインの私生活物語でもあり、隣家に住む美女と最後に結ばれたり大学生のスカウトに失敗する話も絡んで退屈させない構成は良かった。ただ、主役のバーンスタインを演じていたジョン・ハムは馴染みが薄い俳優だが、老スカウトを演じていたアラン・アーキンはここでも個性的な演技を披露していたのは流石だった。


映画『ファーナス/訣別の朝』を観て

2014-10-01 18:07:31 | 映画・ドラマ、アクション

14-77.ファーナス/訣別の朝
■原題:Out Of The Furnace
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:116分
■料金:1,000円
■鑑賞日:10月1日、新宿ピカデリー(新宿)

 

□監督・脚本:スコット・クーパー
□脚本:ブラッド・インゲルスビー
◆クリスチャン・ベール
◆ケイシー・アフレック
◆ウディ・ハーレルソン
◆ウィレム・デフォー
◆フォレスト・ウィテカー
◆ゾーイ・サルダナ
◆サム・シェパード
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
レオナルド・ディカプリオやリドリー・スコットが製作に回り、オスカー俳優クリスチャン・ベイル主演で放つドラマ。アメリカの片田舎で暮らす主人公が、ささいなことをきっかけに転落の人生を歩む姿をつぶさに映し出す。弟を『ジェシー・ジェームズの暗殺』などのケイシー・アフレックが演じ、ウディ・ハレルソンやウィレム・デフォーら怪優たちが共演。
アメリカ・ペンシルヴェニア州の田舎町ブラドックはかつて鉄鋼の町として知られていたが、不況の波が押し寄せていた。ラッセルは白煙を吐き出す溶鉱炉が立ち並ぶこの町で生まれ育ち、老いた父の世話をしながら製鉄所で働いていた。さらにイラクから帰還した弟のロドニーはPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでおり、ラッセルは彼の面倒も見るようになる。家族や恋人のレナとのつつましいながらも愛情に満ちた暮らしは、ある日突然暗転する……。

拡大公開系の作品では無かったけど出演陣のクレジットをみたらこれが凄い。俳優のギャラだけで製作費の半分以上は軽く飛んでしまいそうな感じですが、主演はあくまでもクリスチャン・ベールでそこに弟役でケイシー・アフレックなどが絡んでくる展開と言える。
物語の背景として安い中国製に押されて閉鎖寸前の鉄工所、イラク帰りの弟がPTSDであったりと現在のアメリカ社会の暗部が描かれている点にも注目したい。ベール演じる兄は父と同じく地元の鉄工所で働き恋人との間も上手くいっていたが事件に巻き込めれて刑務所へ。出所したら病身の父は死亡、かつての恋人も警察官と同棲し妊娠してしまう。元恋人と橋の上で久しぶりに会うシーンは切なかったね気の毒に思えた。イラク帰還兵の弟はその肉体と闘争本能を買われてギャンブルでかさんだ借金返済の為に八百長ボクシングに身を転じるも、騙された揚句に山間部を牛耳るハンランのグループに殺害されてしまう。
最後は弟の仇打ちに燃える兄がハンランを騙して町に誘い、壮絶な撃ち合いを制し最後はふらふらになったハンランは絶命するが、それを何とか阻止しようと元恋人の夫となる警察官が後を追うが間に合わないのは当然か?
ストーリー的には派手さは無いが、このキャストの演技を観るだけでこの映画を観た価値がある。クリスチャン・ベールの演技は相変わらず納得させられるが、フォレスト・ウィテカーやウィレム・デフォーらの渋い演技派も目立たないが素晴らしかった。

追加:極悪犯のハンランらの一味が、ある方向へと夜道を進もうとすると「そっちは黒猫がいて不吉だから」と言って別の方向へと行くのは可笑しかった。黒猫ってキリスト教世界では「悪魔の使い」とされているくらいだからね。


映画『フライト・ゲーム』を観て

2014-09-06 22:49:37 | 映画・ドラマ、アクション

14-73.フライト・ゲーム
■原題:Non-Stop
■製作年、国:2014年、アメリカ・フランス
■上映時間:107分
■料金:1,800円
■鑑賞日:9月6日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)

 

□監督:ジャウマ・コレット=セラ
◆リーアム・ニーソン
◆ジュリアン・ムーア
◆ルピタ・ニョンゴ
◆ミシェル・ドッカリー
◆ネイト・パーカー
◆スクート・マクネイリー
◆シェア・ウィガム
◆ジェイソン・バトラー・ハーナー
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
『アンノウン』などのジャウマ・コレット=セラ監督、主演に『96時間』シリーズなどのリーアム・ニーソンと『アンノウン』のコンビが再度手を組んだサスペンスアクション。ニューヨークからロンドンへ向けて飛び立った旅客機内で起きる連続殺人に立ち向かう機内警備担当の連邦保安官が、その意外な犯人と真相にたどり着くさまが描かれる。『キャリー』などのジュリアン・ムーアらが共演。
航空保安官ビルが客を装いアメリカ・ニューヨークからイギリス・ロンドンへ向かう旅客機に乗り込んだところ、何者かからメールが届く。その内容は、1億5千万ドルを指定口座に送金しなければ20分ごとに1人ずつ機内の誰かを殺すというものだった。単なるいたずらかどうか真偽のほどを疑っているうちに、1人目の犠牲者が出る。大西洋上空をフライト中の密室とも言える航空機内で起こった殺人にビルはまず乗客を疑い携行品を調べるが、何も手がかりになるようなものは見つからない。保安局が乗客名簿を調べるも怪しい点は誰にもなく、指定された口座がビル名義であるため彼へ疑いの目が向けられてしまう。次の犠牲者が出るまでのタイムリミットが迫り緊張感が高まる中、見えざる敵との頭脳戦が始まる……。

大西洋を飛行中の機内という密室での出来事。陸地上空を飛ぶのではなく、途中降機出来ない設定だったのも良かった。飛行機の連邦保安官という閑職に就く元警察官のビル、娘は幼くして病死するという不幸に見舞われているのが設定上のミソだった。
離陸後の水平飛行移行時に何故かビルの業務用携帯に来るはずが無い不審なメールが届いたことからストーリーは始まるが、その前に、NYのケネディ空港での搭乗前に伏線があった。搭乗前のロビーで彼に話しかけてくる見知らぬ男の存在、これがのちに犯人と判明するトム・ボーウェンとザック・ホワイトだ。トムの父は9.11の犠牲者で国家の空港保安体制に疑問を持っていた。その後、軍隊に入隊、ザックも軍隊に入隊していた。今回のハイジャックで航空保安官を犯人にでっち上げれば目が醒めて航空保安体制が見直されるとの目論見からだった。

通常ハイジャックと言えば政治的な理由からテロリストが起こすケースがあるが、このストーリーは目的が違っていた。結局、二人とも死ぬことになり飛行機は爆破されたものの副操縦士がアイスランドの空港に緊急着陸を試みて何とか無事に着陸出来てメデタシ、メデタシでした。

ストーリー的にみると途中までは乗客全員が犯人扱いされるあたりは、古くは「オリエント急行殺人事件」を思わされた。だが、今はIT時代。機内からユーチューブに映像を投稿して瞬く間にビルの素性がニュースにアップされる時代。ビルが犯人と疑われる下りは犯人の思うつぼだった。ジュリアン・ムーアの訳あり風な演技も流石だったね、犯人の筈が無いのに何となく「もしかしたら?」って思わせる辺りは演技力の賜物ですね。
その他の俳優陣では「それでも夜は明ける」でアカデミー賞助演女優賞受賞のルピタ・ニョンゴがCA役で出ていたけど、ビルの恋人役?でもあるナンシーの方が目立っていたので受賞女優でも扱いが地味だったのは残念。

大柄なリーアム・ニーソンが航空保安官とは言え、機内で発砲するのは分かるけど、現実的には難しいのではないかな?だって、銃弾がそれたらどうする?それと来るはずの無いメールが届いたり、元同僚との格闘シーンがあったりとリーアム・ニーソンの最近のアクション・スターとしての貫録も十二分に発揮されていた楽しめました。彼の設定が北アイルランド出身の元警官、という下りは彼の出自そのものだったので彼の為に用意したのだと思います。


映画『プロミスト・ランド』を観て

2014-09-01 17:34:53 | 映画・ドラマ、アクション

14-71.プロミスド・ランド
■原題:Promised Land
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:106分
■料金:1,100円、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)
■鑑賞日:9月1日

 

□監督:ガス・ヴァン・サント
□脚本・製作:マット・デイモン、ジョン・クラシンスキー
◆マット・デイモン
◆フランシス・マクドーマンド
◆ジョン・クラシンスキー
◆ハル・ホルブルック
◆ローズマリー・デウィット
◆テリー・キニー
◆スクート・マクネイリー
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のマット・デイモンとガス・ヴァン・サント監督が再び手を組んだ社会派ドラマ。新たなエネルギー源として注目を浴びるシェールガス革命を背景に、脚本と製作もこなすマット演じる大手エネルギー会社の社員が、ガス採掘権を買収すべく訪れた田舎町で住民との交流を通じ、自身の人生を見つめ直していく。
大手エネルギー会社の幹部候補であるスティーヴは、仕事のパートナー、スーとともに、農場以外はなにもない田舎町マッキンリーへやってきた。実は、マッキンリーには良質のシェールガスが埋蔵されているのだ。スティーヴたちは、近年の不況で大きな打撃を受けた農場主たちから相場より安くその採掘権を買い占めようとしていた。町の財政再建の救世主として迎えられたスティーヴだったが、予期せぬ障害が立ちはだかる。科学教師フランクと環境活動家ダスティンが採掘に反対し、町の人々を説得する。そして、賛否は住民投票にゆだねられることに。さらにスティーヴは、仕事への信念と情熱を根本から揺るがすような衝撃の真実を知ってしまい……。ふと訪れた町で、図らずも自分の生き方を見つめ直す必要に迫られたスティーヴは、果たしてどんな決断を下すのか?

今、アメリカでは21世紀のゴールド・ラッシュと言われる(ているかは知りませんが)程までに注目を浴びているシェール・ガスの採掘に関する話題を扱っている。マッキンリーというド田舎にビジネス・パートナーのスーと二人で、このド田舎に埋蔵されているシェール・ガスの採掘権を格安価格で買い付けに来て、町の唯一のモーテルに泊まることに。産業の無い住民たちはこの夢の様な話に早速飛び付き、中にはろくに話を聞かずに譲渡契約書に署名して大金を手にするものまで現れる。だが、そんな住民のウキウキ気分に水を差したのが教師フランクと環境運動家で反対運動の先鋒でもあるダスティン。ダスティンはこの町でシェール・ガスの採掘の話を聞きつけて単身乗り込んできた。
科学的根拠を振りかざすフランクの演説に形勢が不利となって来たスティーヴとスー。町中でも当初は持て囃されていた二人だったが、ダスティンの積極的な反対運動が功を奏してきて住民の中に反対派が徐々に形成されてきた。賛否は住民投票次第となった。会社からは説得を急かされる二人、だがダスティンのやり方に不審を募らせたスティーヴは彼についてネットで徹底的に調査をした結果、その正体は驚きだった。何と彼は会社から派遣されていたスティーヴとスーの同僚だった。会社はスティーヴの能力に一抹の不安を抱えていて、敢えて反対派を装う人物を送り込み議論を盛り上げるのが使命だった。

最後は会社が採掘方法の水圧破砕についての不利なデータを隠していたことや、自分の手腕に不審を持たれていたことに反発して会社に帰らずそのまま町に留まり辞めてしまう。そんなスティーヴにスーは冷たい視線を浴びせて去って行った。スティーヴはラストで女性教師アリスの自宅を訪ねるシーンで終わります。住民投票の結果は分からず、エンディングを迎えました。

今回脚本を担当したのがマット・デイモンとジョン・クラシンスキーの二人。マット・デイモン演じるガス会社の幹部候補社員は夢の様な話を吹聴して会社に有利な条件で土地を買収する交渉を進める社員で、幹部登用も間近に迫っている。今回の交渉も順調に進むはずが二人の反対派に阻止されようとしたことからシナリオが崩れていく。何とか必死に住民の心を掴もうと努力するが、二人の構成になす術は無かった。
でも、アメリカのエネルギー会社ってこんな戦術で契約というか買収をするのが普通なのですかね、日本ではちょっと考えづらいですね。この未来のエネルギーを巡って平穏だった田舎町が一気に活気を帯び、採掘する前から補償金で夢の様な生活を描く住民が現れるたかと思えば、反対派の二人の積極的な活動で賛成派だった大多数の住民までが会社に対して懐疑的になっていく様子の描き方は良かった。

主役のマット・デイモンの良い人なキャラが全体を支配していたが、最後に会社に対してケツをまくって辞めて町に留まる決意をした姿は潔かった。でも、あの女性教師アリスとは今後どういう風に展開するのか気になった。


映画『ケープタウン』を観て

2014-08-30 22:34:59 | 映画・ドラマ、アクション

14-70.ケープタウン
■原題:Zulu
■製作年、国:2013年、フランス・南アフリカ
■上映時間:107分
■料金:1,800円、新宿バルト9(新宿三丁目)
■鑑賞日:8月30日

 

□監督・脚本:ジェローム・サル
□脚本:ジュリアン・ラプノー
◆フォレスト・ウィテカー
◆オーランド・ブルーム
◆コンラッド・ケンプ
◆ジョエル・カイエンベ
◆インゲ・ベックマン
◆パトリック・リスター
◆タニア・ヴァン・グラーン
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズや「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのオーランド・ブルームと「ラスト・キング・オブ・スコットランド」で第79回アカデミー賞主演男優賞を獲得したフォレスト・ウィテカーが、コンビを組む刑事を演じる。南アフリカの大都会ケープタウンを舞台に、そこに巣食う深い闇の世界をあぶり出す。キャリル・フェリーの推理小説「ZULU」を基に、『ラルゴ・ウィンチ 裏切りと陰謀』などのジェローム・サルがメガホンを取る。

南アフリカのケープタウンで、元ラグビー選手バイツの娘ニコールが殺害される事件が発生。アパルトヘイトの傷痕がまだ残る南アフリカでズールー族出身ながら警部にまで昇進したアリ・ソケーラ刑事が、酒と女に溺れて妻や息子、署長からも見放されているブライアン・エプキンらを率いてこの事件の捜査にあたることになる。
解剖されたニコールからは、未知の分子が含まれた麻薬が検出される。さらに事件当日ニコールは売人のスタンと会っていたことが判明。アリとブライアン、ダン・フレッチャーの3人はニコールの発信記録があったミューゼンベーグ海岸でスタンを見かけなかったか聞き込み調査を行うが、若い黒人グループに声をかけたところ、彼らは制止も聞かずに襲撃。最新の銃や無線機、暗視装置を持ちあわせ異様に凶暴な彼らとのもみ合いの中で、ダンは命を落とす。その場にはニコールの遺体から検出されたものと同じ薬物が残されていた。さらに、最近頻発しているスラム街の子供たちが行方不明になる事件の現場からも同様の薬物が見つかる。分析の結果、その薬物ははじめは快感をもたらすが、摂取し続けると攻撃性が増し、自殺衝動を起こさせるという恐ろしいものだった。
薬物を手掛かりに捜査を進めていくうちに、アパルトヘイトが布かれていた時代に政府の命令で黒人を抹殺するための科学兵器を研究していた科学者オパーマンに行きあたる。ニコール殺人事件の犯人はスタンだと睨まれているが、根底には大きな組織犯罪があると確信するブライアン。そんな中、第二の殺人事件が発生。遺体からスタンの痕跡も見つかるが、スタンもまた死体となって発見される。事件解決のため捜査を打ち切ろうとする署長に反し捜査を続けるブライアンとアリに、深い闇が待ち構えていた……。

アカデミー賞受賞経験者のフォレスト・ウィテカーとオーランド・ブルームが南アの刑事に扮して凶悪事件を捜査する話。だが、舞台がアパルトヘイトの影響が未だに残る国だけに、捜査には目に見えない障害があちこちにあり、それは警察と言う組織内にも巣食っているのだから厄介だ。ウィテカー扮するアリは人種差別に負けずに昇進を果たした人物だが、少年時代に警察犬に股間を噛まれて生殖機能を失って以来、人には言えないストレスを抱え一人暮らしの母を心配する毎日。相棒でブルーム扮するブライアンは組織の論理などお構いなしに自分勝手に動くが腕は立つのでアリに見込まれている。
ストーリー的には、当初は単なる少女殺人事件の捜査だったのが、実は、国家の秘密政策にまで拡がっていく。結局、犠牲になるのは貧困から抜け出せない子供たちや弱い立場とされる黒人だったりする。未知の麻薬を人体実験代わりに使われている少年、教育が行き届いていないと怖いよね。麻薬組織はそんなことお構い無しに利益を上げるためなら政府だって警察だって巻き込んでいく、最後は、アリが全体の黒幕的存在であるオパーマン博士をトコトン追いつめる。だが、その前の秘密アジトでの銃撃戦で負傷していたアリ、オパーマンを砂漠でボコボコにしたまでは良かったが、ブライアンがヘリで駆けつけた時には力尽きてしまった。最後に生き残ったのはブライアンだけだった。

ウィテカーは相変わらずの演技力だが、オーランド・ブルームの刑事役はどうだったかな?優男のイメージが染みついている彼だが、今回はアウトロー的な刑事役を演じていて従来のイメージを超える演技だったが、やはり、どこかで彼の今までのイメージがあるのは拭いきれなかった。これだけでなく、今後もこういう役をオファーされたら受ける勇気を求めたい。それにしても南アって治安は悪いようです...。


映画『バトルフロント』を観て

2014-08-09 18:07:19 | 映画・ドラマ、アクション

14-67.バトル・フロント
■原題:Homefront
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:100分
■料金:1,100円
■鑑賞日:8月9日、ヒューマントラストシネマ渋谷(渋谷)

 

□監督:ゲイリー・フレダー
□脚本・製作:シルヴェスター・スタローン
◆ジェイソン・ステイサム
◆ジェームス・フランコ
◆ウィノナ・ライダー
◆ケイト・ボスワース
◆フランク・グリロ
◆クランシー・ブラウン
◆ラシェル・ルフェーヴル
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
シルヴェスター・スタローンが製作と脚本を手掛けたアクションサスペンス。この世を去った妻の故郷で一人娘と静かに暮らしていこうと決意した麻薬潜入捜査官だった男が、自分たちを執拗(しつよう)につけ狙う麻薬密売人を相手に壮絶な戦いを挑んでいく。主演に数多くのアクション作を誇るジェイソン・ステイサム、彼と対峙(たいじ)する密売人に『127時間』などのジェームズ・フランコ。その脇をウィノナ・ライダーやケイト・ボスワースら実力派女優が固める。

元麻薬潜入捜査官フィル・ブローカーは一人娘マディのことを思い、かつての仕事や過去を忘れ再出発を決意、亡き妻の田舎で新たな生活を始める。だが裏で町を牛耳る麻薬密売人ゲイター・ボーダインは、ある企みのためブローカー親子に近づいていく。平穏な暮らしを望むフィルだったが、マディに危険が迫り、彼の怒りはついに臨界点を超える。最愛の娘を守るため、フィルは容赦なしに迫りくる脅威にたった一人で立ち向かっていくのだった……。

ブローカーがそもそも一人娘のマディと二人で妻の故郷に移り住んできたくだりは彼がインターポールの潜入捜査官として密売人との壮絶な戦いを繰り広げてきたことが紹介される。田舎町で平穏な生活を送るはずだったのに、マディが通う学校での子供の悪戯がきっかけでモンスター・ペアレンツに絡まれてしまい、この母親の兄ゲイターが町を牛耳る裏組織のボスで警察官も彼には逆らえない。表向きは修理工場経営者だが、裏では麻薬の密売組織を率いていることから、ブローカー父娘をこらしめる積りでゲイターに頼んだのに、何故か、ブローカーの素性が割れてしまい、そこから壮絶な戦いに繋がるという展開。
ここでのステイサムは父親として一人娘を可愛がるどこにでも居る父親像を演じている姿が、彼の従来の作品とは異なる点と言えるかも。元々はエクスペンダブルズ・シリーズで共演したスタローンが自分で演じるために書いた脚本だったのを、ステイサムが演じるに相応しいと思ったことから彼に主役の座を譲った経緯があるそうだ。

物語のスケールは田舎町で展開されるだけにこじんまりとしているが、それでもステイサムの屈強さが強調されている。共演陣ではゲイターを演じるのが善人役が多いジェームス・フランコ、その妹役にケイト・ボスワース、娼婦役にウィノナ・ライダーらが配されている。この妹、かなり強烈な個性の持ち主でダラしない夫を罵倒するモンスター・ペアレンツを個性的に演じている。こんな母親に育てられながらも父仕込みの格闘技を身に付けているマディに倒された息子も如何にもいじめっ子な感じだがどんな大人になるのか心配だ。

この映画がシリーズ化されるかは未定だが、これと言った特徴の有るキャラでは無いのでこれだけにした方が良いかもね。ステイサムの父親姿、良かったです。


映画『複製された男』を観て

2014-08-02 12:36:58 | 映画・ドラマ、アクション

14-65.複製された男
■原題:Enemy
■製作年、国:2013年、カナダ・スペイン
■上映時間:90分
■料金:1,100円
■鑑賞日:8月1日、新宿シネマカリテ(新宿)

 

□監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
◆ジェイク・ギレンホール
◆メラニー・ロラン
◆サラ・ガドン
◆イサベラ・ロッセリーニ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ノーベル文学賞作家でポルトガル出身のジョゼ・サラマーゴの小説を実写化したミステリー。至って普通の日々を送ってきた教師が、ある映画に自分と酷似した男が出ているのを見つけたことから思わぬ運命をたどっていく。メガホンを取るのはカナダ出身で、その衝撃的な作品で知られる『灼熱の魂』、やはりジェイク・ギレンホールが主演の『プリズナーズ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ。キャストには『ブロークバック・マウンテン』などのジェイク・ギレンホール、『マイ・ファミリー/遠い絆』などのメラニー・ロランら実力派が集う。
大学で歴史を教えるアダムが同僚から薦められたビデオを見ていたところ、自分とそっくりな男が出演しているのを見つける。あまりにも似ており恐怖さえ覚えたアダムは、そのアンソニーという俳優について徹底的に調べ、居場所までつきとめる。気付かれないように監視していたが、そのうちに彼と話してみたい気持ちが膨れ上がり、ついに接触。対面した二人は、姿かたちだけでなく、声も、生年月日も、生まれついたものではない傷痕もまるっきり同じだった。自分とまるっきり同じ存在の出現に混乱する二人。自己像が揺らぎ、それぞれの妻や恋人を巻き込んだ極限状態に陥っていく……。

この映画は原則4人?しか登場しません。瓜二つの男で古代史教師アダムと売れない俳優アンソニー、アダムの恋人であるメアリーとアンソニーの身重妻であるヘレン、アダムの母である。こう見ると5人だが、アダムとアンソニーはジェイクが一人二役を演じている上に、同一人物とも解釈出来るので「4人」?とも言える。そして映画館で観ている時も観終わった後も思い出せば思い出すほど、どちらがどちらなのか混乱してくるヤヤコシイ作品なのである。まあ、ノーベル賞受賞作家が書いた作品だから、そんなに単純な物語でも無い。
ここでキーワードとなっているのが「蜘蛛(クモ)」の存在で、ラストシーンのホラー映画もどきのシーンも含めてクモが何かを揶揄しているのは事実。歴史教師のアダムが同僚から切り出された映画の話が全てのスタートで、ここで彼が興味を持たなければ何も起こらなかった。そこで観た自分と瓜二つの男の姿、一卵性双生児では無いのかと疑って母に尋ねるのは笑ってしまうが、そこで母にあっさりと否定され、益々混乱するアダム。そこで止めれば良いのに、インターネット(WEBもクモの巣の意味がある)でこの俳優を徹底調査したばかりにど壺にはまる。まあ、ハマらなければ映画になりませんが。

二人が対面してからは主導権は何故かアダムからアンソニーへと移る。と言う事はアンソニー自身は(多重人格の)アダムが妄想の中で生み出したのかとも解釈出来るが、恋人に内緒で入れ替わったりしてスリルを味わう展開に。だけど最後のシーン、メアリーと喧嘩してしまってアダムの車を運転するアンソニーが帰路に就く際にトンネルの側壁に激しく激突(何だかダイアナ妃の最期を思わせる)して二人は即死、車のフロントガラスは「クモの巣状」にひび割れていた。
翌日、アダムはアンソニーとして新たな生活をヘレンと始める覚悟を決めた。そこにはヘレンでは無く巨大なクモが、アダムのびっくりする顔が写されてエンド・ロールに。何だか訳が分からない終わり方だった。

ヴィルヌーヴ監督が主役アンソニーとアダムの一人二役に起用したジェイク・ギレンホール、異なる個性を持つ二人の男を見事に演じきっていた。それぞれの職業も生まれ育ちも恋人も別々なのにそういう違和感を感じさせずにいられるのは彼の演技力の素晴らしさの証明だ。


映画『パークランド-ケネディ暗殺、真実の4日間』を観て

2014-07-05 11:46:55 | 映画・ドラマ、アクション

14-56.パークランド-ケネディ暗殺、真実の4日間
■原題:Parkland
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:93分
■料金:1,800円
■鑑賞日:7月5日、ヒューマントラストシネマ有楽町(有楽町)

 

□監督・脚本:ピーター・ランデスマン
◆ザック・エフロン
◆マーシャ・ゲイ・ハーデン
◆ポール・ジアマッティ
◆ビリー・ボブ・ソーントン
◆ジェームス・バッジ・デール
◆ジャッキー・ウィーヴァー
◆コリン・ハンクス
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
全世界に衝撃を与えた、アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・フィッツジェラルド・ケネディのダラスでの暗殺事件。いまもなお多くの謎が残るケネディ大統領と容疑者とされるオズワルドの暗殺の真相に迫る社会派ドラマ。長年、ジャーナリストとして活躍してきたピーター・ランデスマンが、まったく新しい視点から事件の裏側に迫っていく。プロデューサーの一人としてトム・ハンクスが参加している点にも注目。

1963年11月22日、アメリカ大統領ケネディがジャクリーン夫人とジョンソン副大統領とともにテキサス州ダラスを訪れるということで、街は熱気に包まれていた。エイブラハム・ザプルーダーはパレードを撮影しようと、所有する8ミリカメラを携えディーリー・プラザへと向かう。大統領夫妻を乗せたリンカーン・コンティネンタルが見えてきたそのとき、銃声が鳴り響いた。凶弾に倒れたケネディ大統領は市内のパークランド病院に搬送され、懸命な救命措置を受けたものの、帰らぬ人となる。突然の悲劇に、街は混乱し、全世界に衝撃が走った。急遽大統領職を委任されたジョンソン副大統領、警備にあたっていたシークレット・サービス、リー・ハーヴェイ・オズワルド容疑者を別件でマークしていたFBI捜査官、そしてオズワルドの家族は、この事件を境に運命を大きく変えていく。2日後、リー・ハーヴェイ・オズワルドが銃撃され、奇しくもケネディ大統領と同じくパークランド病院に搬送されてくる……。
ケネディ暗殺事件を救急搬送され原題にもなっている「パークランド病院」でのザック・エフロン演じる新人研修医の奮闘、マーシャ・ゲイ・ハーデンが演じるヴェテラン看護婦とSS(シークレット・サービス)らとの混乱時のやり取りなど、今までには無い視点で一部描かれている。更に、犯人として逮捕されたオズワルドをめぐる家族(兄、母、妻)の中でも兄のうろたえた様子と母の達観したような表情が対照的だった。ラストはそのオズワルドが暗殺されてしまい、埋葬地を巡っても「大統領暗殺犯」を埋葬することを拒否する墓地や教会があり最後まで混乱する。

IT社会の今では考えられないSSやFBIの失態も果たしてどこまでが真実なのかは、大統領死後75年間はその真実は封印されると言われていますがその理由も憶測を呼び謎を深めています。映画としては邦題にあるような「真実」は当然ながら何もありませんし、作品としての演出もありません。それでも俳優陣は若手スターのザック・エフロンが新人研修医に扮して大統領の心臓マッサージを施したり、ポール・ジアマッティが撮影した8mフィルムを巡る捜査側との駆け引きなど見どころは多いが、監督がジャーナリスト出身で生粋の映画人ではないので材料を上手く処理しきれていない印象を持った。


映画『X-MEN:フューチャー・パスト 3D』を観て

2014-07-03 15:31:34 | 映画・ドラマ、アクション

14-55.X-MEN フューチャー&パスト
■原題:X Men:Days Of Future Past
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:131分
■料金:2,100円
■鑑賞日:7月3日、TOHOシネマズみゆき座(日比谷)



□監督・製作:ブライアン・シンガー
◆ヒュー・ジャックマン
◆イアン・マッケラン
◆ジェニファー・ローレンス
◆ハル・バリー
◆ジェームス・マカヴォイ
◆マイケル・ファスベンダー
◆エレン・ペイジ
◆ニコラス・ホルト
◆パトリック・スチュワート
◆ピーター・ディンクレイジ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
未来から過去へと送り込まれたウルヴァリンや、超人的パワーを持つX-MENのメンバーが、二つの時代を舞台に地球の危機を救うべく戦いを繰り広げるSFアクション。ブライアン・シンガーが『X-MEN2』以来の監督として復活し、ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンをはじめ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ハル・ベリーなど豪華俳優陣が競演。
2023年、バイオメカニカルロボットのセンチネルの攻撃により、X-MENと地球は危機的状況に陥る。プロフェッサーXは宿敵マグニートーと共闘し、1973年にウルヴァリンの魂を送る。しかし、1973年の地球でセンチネル・プログラムの開発を阻止しようとする間も、2023年では地球滅亡の危機が迫っており……。
現在の危機を乗り切るために過去に戻って未来を書き換えれば現在を救えるというのが大まかな流れ。過去と現在を行き来するパターンは「歴史を変えてはダメ」(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では盛んに強調されていたが...)と言う大原則もここではそれに挑戦するから面白いとも言える。それを推進するのがエレン・ペイジ演じるキティ・プライドで彼女の能力で危機を乗り切ろうとするのだ。50年の時代を行ったり来たり、この計画果たして完全だったのか、意味深なエンディングだったので、まだまだ続きそうだ。

マーヴェル・コミックの中でも人気シリーズであるX-Menを実は最初から観ていないので、どうもキャラの個性とか過去が分からない部分があるので、それを覚悟で鑑賞。アメコミ映画ながらこれだけのキャストを揃えていて、尚且つ、俳優陣もイアン・マッケランのような大ベテランからエレン・ペイジや若手スターのジェニファー・ローレンスまで出演している、さぞかし出演料高かったと思うよ、だってジェニファー・ローレンスはアカデミー賞獲ったばかりだしね。真っ青のスーツを着て動く姿は、それだけを見ていたら彼女だとは分からなかった。彼女の演技の幅がまた一つ拡がったようだ。

マーヴェル映画の定番、エンド・ロールに予告編?ありますので最後まで観ましょう!!


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