kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー 3D』を観て

2014-09-23 17:21:40 | 映画・SF

14-75.ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー3D
■原題:Guardians Of The Galaxy
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:122分
■料金:1,400円
■鑑賞日:9月23日、TOHOシネマズ日劇(有楽町)

 

□監督・脚本:ジェームス・ガン
□脚本:二コール・パールマン
◆クリス・プラット
◆ゾーイ・サルダナ
◆ブラッドレイ・クーパー
◆デヴィッド・バウティスタ
◆リー・ペイス
◆ベン・ディーゼル
◆マイケル・ルーカー
◆ベニチオ・デル・トロ
◆グレン・クローズ
◆ジョン・C・ライリー
◆カレン・ギラン
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
犯罪歴のあるメンバーによって構成された、マーヴェル・コミックス発の異色のヒーロー集団を映画化したSFアクション。無限の力を持つパワーストーンを盗んだ主人公が、刑務所で出会った凶悪犯らと共に宇宙滅亡を阻止するための戦いに挑む。メガホンを取るのは『スーパー!』などのジェームズ・ガン。主人公を『マネーボール』などのクリス・プラットが演じるほか、ゾーイ・サルダナやベニチオ・デル・トロが共演、ブラッドリー・クーパー、ヴィン・ディーゼルが声の出演を果たす。擬人化されたアライグマや樹木といった、個性的で凶暴なヒーロー軍団の活躍に注目。

9歳の時、何者かによって地球から宇宙に連れ去られたピーター・クイルは20年後、惑星間を渡り歩くトレジャー・ハンターに成長していた。ある日、惑星モラグの廃墟で謎の球体“オーブ”を発見したピーターは、換金のためにザンダー星のブローカーを訪れるが、彼を待っていたのは、宇宙に暗躍する“闇の存在”が送り込んだ暗殺者ガモーラだった。
賞金稼ぎのアライグマ、ロケット(声:ブラッドリー・クーパー)と相棒の樹木型ヒューマノイド、グルードも加わって派手な戦いを繰り広げた彼らは、ザンダー星警察に逮捕されてしまう。投獄された4人が銀河一危険な刑務所で出会ったのは、凶暴な囚人ドラックス。妻子を殺した犯人の仲間であるガモーラの命を狙うドラックスを、ピーターは制止。実はガモーラは“闇の存在”を裏切り、その支配から逃れようとしていたのだ。
オーブを売って金を手に入れたいピーターとロケットたち。復讐に燃えるドラックス。それぞれ目的の異なる5人だったが、ロケットを中心に協力して脱獄。希少なものの収集家で、オーブに大金を払う“コレクター”と呼ばれる男に会うため、宇宙の果ての惑星ノーウェアへ向かう。そこでピーターたちは、コレクターから驚くべき秘密を聞く。“オーブを手にした者は、無限の力を得る”。
その頃、5人の動きを察知した“闇の存在”が大軍を送り込んできた。奮闘虚しく敗れ、“闇の存在”の手に落ちるオーブ。彼らは、その力で宇宙の秩序を司るザンダー星を滅ぼし、銀河を混乱と滅亡に陥れようとしていたのだ。この時に及んで、それまで逃げることで生き延びてきたピーターは、何故か戦う覚悟を決める。それはチーム“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”誕生の瞬間だった。ヒーローとは縁遠い生活を送ってきた5人は、宇宙の存亡を賭けた戦いにどう挑むのか!?

「アヴェンジャーズ・シリーズ」が大ヒットを記録しているアメコミのマーヴェルが、今度は宇宙を舞台にした西部劇?を展開するのだが、その仲間がどれも個性的なのには笑った。中でもアライグマの声を演じているのブラッドリー・クーパーはまるで彼が演じているような錯覚を覚えるし、セリフもアップテンポで愉快だ。樹木型ヒューマノイドのグルードや20年間宇宙を放浪するリーダー各のピーター・クイルなど誰もが個性的だ。謎の球体オーブを巡っての戦いに、ピーターの出自が絡んだりして、ラストはそのオーブがピーターの保護者を自任するヨンドゥが半ば強引に奪うのだが、ここにオチが有った。ピーターは密かに偽物オーブをその場で渡し、ヨンドゥが気が着いた時には既にピーターは去った後で、地団駄を踏んだのはヨンドゥの方だったという終わり方でした。
今後、このギャラクシーはシリーズ化されると聞いていますが、マーヴェルはいまノッテいるのでその勢いでガンガン映画化していくのでしょうね。

最後に、ピーターが大事にしていた自作カセットのお気に入り音楽集、あれ、中々センスが良かったです。


映画『猿の惑星:新世紀(ライジング)3D』を観て

2014-09-20 17:53:33 | 映画・SF

14-74.猿の惑星:新世紀(ライジング)3D
■原題:Dawn Of The Planet Of The Apes
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:130分
■料金:300円(ポイント使用)
■鑑賞日:9月20日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)

 

□監督:マット・リーヴス
◆ジェイソン・クラーク
◆アンディー・サーキス
◆ゲイリー・オールドマン
◆ケリー・ラッセル
◆トビー・ケベル
◆ジュディ・グリア
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
名作SF『猿の惑星』の前日譚(たん)『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』の続編。ウイルスによって滅亡状態に陥った人類と、遺伝子の進化を経て知能や言語を得た猿たちとの対峙(たいじ)が思わぬ事態を引き起こしていく。前作に引き続き、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのアンディ・サーキスがモーションキャプチャーを駆使し、猿のリーダーとなるシーザーを熱演。その脇を『ホワイトハウス・ダウン』などのジェイソン・クラークや『裏切りのサーカス』などのゲイリー・オールドマンが固める。
カリスマ的な統率力を誇る猿のシーザーが、仲間を率いて人類への反乱を起こしてから10年後。遺伝子の進化、知能と言語の獲得により猿たちはさらに進化を遂げ、独自の文明を形成、森の奥に平和なコミュニティを築いていた。一方、10年前に自らが生み出したウイルスにより人類は90%が死に追いやられ、僅かな生存者グループは、荒廃した都市部の一角に身を潜め、希望なき日々を過ごしている。そんなある日、人間たちが資源を求めて森に足を踏み入れたことから、猿たちとの間に危うい緊張が走る。異なる種でありながらもお互いに家族や仲間を持ち、平和を望むシーザーと人間側のリーダー、マルコムは和解の道を探るが、両陣営の対立は激化。共存か闘いか、最終決戦へのカウントダウンが刻まれるなか、シーザーとマルコムは種の存亡を懸けた重大な選択を迫られる……。

猿惑シリーズの続編。この前日譚シリーズは中々内容が濃くて面白いですね。今回も舞台はSFC(サン・フランシスコ)ですが、人間世界はもはや崩壊寸前で、エネルギー源を求めて敢えて猿の支配地区に立ち入って発電所であるダムの稼働を再開させるのが目的。しかし、猿側の人間への疑心暗鬼は想像以上で、リーダーであるシーザーも仲間に不意打ちを食らって統制が取れなくなって窮地に。シーザーを撃ったコバは、密かに仲間を引き連れて橋を渡り人間世界が武器を貯蔵していることを、猿側を攻撃する準備をしていると煽り、シーザーが負傷したのも人間のせいだと洗脳して、一気に人間世界へ殴り込みを図る。
不意を突かれた人間と猿側との戦闘では武器を奪った猿側が有利に展開し、シーザーの負傷回復も思わしくなく新指導者となったコバの天下に。それでもマルコムに救われて回復するが、もはや人間と猿側の全面対決は避けられない。コバは回復したシーザーとの一騎打ちに敗れるが、やがて、来る人間側の援軍との全面対決を迎える。
猿は独自の平和なコミュニティを作りだしたが、人間のように物を作り出すことは出来ていない。武器も人間が創造したのを奪って使うだけで、まだまだ人間に追いついた訳ではありません。だけど、人間界は殆ど死滅してしまったので、その喪失感から新たな物を創造出来ていないのも事実。進化した猿と進化を超えた事で破滅を招いてしまった人類。平和だった猿が人間界の悪い所である争い事に手を突っ込んだら、いずれ猿側にも限界が来るような気がします。

益々、この続編が観たくなりました。それにしても毎回観る度にメイク、特殊効果、CGの素晴らしさをこの映画には堪能させられます。それとシーザーを演じているアンディー・サーキスも同様にもっと評価されて良いと思っています。 余談ですが猿が馬を乗りこなしているのには驚きました。


映画『LUCY/ルーシー』を観て

2014-09-02 23:18:24 | 映画・SF

14-72.LUCY/ルーシー
■原題:Lucy
■製作年、国:2014年、フランス
■上映時間:89分
■料金:1,100円
■鑑賞日:9月1日、TOHOシネマズみゆき座(日比谷)

 

□監督・脚本・製作:リュック・ベッソン
◆スカーレット・ヨハンソン
◆モーガン・フリーマン
◆アナリー・ティプトン
◆アムール・ワケド
◆ピルー・アスベック
◆チェ・ミンシク
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
種のある物質の影響で脳が覚醒し、驚異的な力を発揮するようになるヒロインが巻き起こす騒動を描く、スカーレット・ヨハンソン主演のサスペンス・アクション。普段は10%しか使われていないという脳が覚醒し、驚異的なスピードで言語をマスターしたり、目に見えない電波をコントロールできたりといった驚愕の出来事が繰り広げられる。
ごく普通の生活を送っていたルーシーは、ある日マフィアの闇取引に巻き込まれ、下腹部に新種のドラッグの入った袋を埋めこまれる。だが体内でドラッグが漏れ出すアクシデントによって、彼女の脳は突如覚醒し始める。「頭脳拡張20%」――驚異的なスピードで言語をマスター、「頭脳拡張40%」――目に見えない電波をコントロール……。脳科学者ノーマン博士が見守る中、ルーシーは次々と人智を超えた能力を発揮するが、同時に人間性が失われていき、自身でさえもコントロール不能な状態となって暴走を始めるのだった。やがて、彼女の脳は100%覚醒へと近づいていく……。

何も知らずにボーイフレンドから半ば強引に渡された袋だったが、その存在が彼女を一変させた。預かった袋の中身は新種のドラッグで体内に勝手に埋め込まれ、そのドラッグが体内に漏れたことで脳が覚醒してしまう。そこからマフィア組織と警察の追いかけっこが始まるが、ルーシーの脳はドンドン覚醒していく。ノーマン博士の想像のつかない世界に足を踏み入れていくルーシー、未知の言語もあっという間に習得していく。
そしてラストは何だかSFっぽくなってルーシーの肉体は失われてもコンピューターの中に彼女自身がダウンロードされてお終いってオチは何だかな~、ジョニデの「トランセンデンス」と似たような設定でしたね。むしろ、彼女がマフィア組織から如何にして逃亡して、覚醒された肉体と脳でギャングを撃退することに専念した方が面白かったと思う、あのラストはちょっと納得出来ませんでした。


映画『イントゥ・ザ・ストーム』を観て

2014-08-23 21:01:12 | 映画・SF

14-69.イントゥ・ザ・ストーム
■原題:Into The Storm
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:89分
■料金:1,800円
■鑑賞日:8月23日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)

 

□監督:スティーヴン・クォーレ
◆リチャード・アーミテージ
◆マット・ウォルシュ
◆サラ・ウェイン・キャリーズ
◆アリシア・デブナム・ケアリー
◆アーレン・エスカーペタ
◆マックス・ディーコン
◆ネイサン・クレス
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
史上最も規模が大きい竜巻に襲われた人々の死闘を描くディザスターパニック。ジャンボジェット機も簡単に飲み込む直径3,200メートル、秒速135メートルもの巨大竜巻が襲来するさまを、臨場感あふれる映像で映し出す。メガホンを取るのは、『タイタニック』『アバター』などに携り、ジェームズ・キャメロン監督からの信頼も厚い『ファイナル・デッドブリッジ』などのスティーヴン・クォーレ。

アメリカ中西部シルバートンの町に地球史上最大規模の超巨大竜巻が襲来。最悪の事態はまだこれからだと専門家たちが予測する中、気まぐれで恐ろしい巨大竜巻を前に町の人々は為すすべもない。ほとんどの住民はシェルターに避難するが、竜巻を追って観測する研究者=ストーム・チェイサー(リーダーのピート、ルーカス、気象学者アリソン・ストーンズ)であった。たちは、生涯に一度の観測のためにあえて竜巻の渦に向かっていく(イントゥ・ザ・ストーム)。そんな中、二人の息子が通う高校の教頭ゲイリー・モリスは、生徒や家族を守ろうと懸命の努力を続けていた……。ゲイリーの息子で、同校の生徒でもあるドニーは、25年後に開いて見るためのタイムカプセル用ビデオの作成のため、密かに恋心を抱くケイトリンを町の外れにある廃工場に連れてきていたが、その時、突如として竜巻が町を襲い、工場は屋根から崩れ落ち身動きが取れなくなった。
ピート率いるタイタス・チームは竜巻から逃れるために教会へ辿りついたが、チームのメンバーがうっかり落としてしまったカメラを拾いに外に出た瞬間に火柱と共に竜巻に飲み込まれ空高く巻き上げられ亡くなってしまう。その頃、ドニーとケイトリンはタイタス・チームの機転で助けられるが、巨大化した竜巻の来襲に町はなす術もない。生徒らの救出に必死なゲイリーは高校に戻りスクールバスに分乗して、脱出は着々と行われる。その頃、タイタス・チームの車は竜巻の突風に巻き込まれてしまいピートは死亡。

やがて竜巻は自然消失したが、破壊されまくった町の復興はこれからだ。

このストーリーには気象学者アリソンが実家に残してきた一人娘との絆、高校教頭ゲイリーと工場の落下事故に巻き込まれた息子の救出と二つの物語も同時進行している。ピート率いる研究者チームはスポンサーからのプレッシャーもあり、中々決定的瞬間に遭遇出来ずにイライラが募っていた。
全体的には無名俳優の出演で役に入れ込むことは無いが、それでもCGをフル活用した巨大竜巻の威力、飛行機が宙を舞い上がる映像などCG全盛時代ならではの工夫も随所にみられる。そんな中でYou Tubeに投稿しようと馬鹿さ丸出しの若者二人組の存在は息抜き的なシーンとなっていた。

日本ではここまでの巨大竜巻は考えられないが、これが台風とかになると現実味を帯びるかも知れない。地球規模での異常気象が各地で発生しているので、あながち映画の世界の出来事と思えない気もした。 


映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』を観て

2014-08-03 16:24:22 | 映画・SF

14-66.オール・ユー・ニード・イズ・キル
■原題:Edge Of Tomorrow
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:113分
■料金:1,800円
■鑑賞日:8月3日、ヒューマントラストシネマ渋谷(渋谷)



□監督:ダグ・リーマン
◆トム・クルーズ
◆エミリー・ブラント
◆ビル・パクストン
◆ブレンダン・グリーソン
◆ノア・テイラー
◆ジョナス・アームストロング
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
作家・桜坂洋のライトノベルを、トム・クルーズ主演で映画化したSFアクション。近未来の地球を舞台に、ある兵士が戦闘と死をループしながら、幾度も戦闘するうちに技術を身に付けていくさまを描く。監督は、『ボーン・アイデンティティー』『Mr.&Mrs. スミス』などのダグ・ライマン。主人公と共闘する特殊部隊の女兵士には、『プラダを着た悪魔』などのエミリー・ブラントがふんする。
近未来。地球は謎の侵略者からの攻撃を受け、そのあまりの戦闘力の高さに人類はなすすべもなかった。ウィリアム・ケイジ少佐は決死の任務にあたるが、敵にダメージを負わせることなく戦死。しかし気付くと時は出撃前に戻っていた。少佐はタイムループに巻き込まれていた。幾度となく出撃と戦闘、死を繰り返すうちに、特殊部隊の軍人リタ・ヴラタスキが彼と同様にタイムループに巻き込まれていることを知る。戦いを繰り返しながら少佐は戦闘技術を磨いていき、二人はこのタイムループから抜け出す糸口を探る……。

近未来の地球の欧州でミミックスというエイリアンによる侵略を受け、それに対抗するべくロンドンの指令部へと作戦開始の前日に向かったケイジ少佐。そこで、司令官のブリガム将軍からはフランスの海岸の前線へと向かうようにとの指令を受けてしまった。J部隊とい部署に配属されたケイジはそこでリタという軍曹と一緒になる。ここからはひたすらエイリアンとの戦闘で死んだと思ったら前日に戻るというパターンを繰り返す。リタも以前はこのループ能力を有していたが輸血の際に失われてしまう、そこでケイジに頼んで目が覚めたら私を探しに来てと頼むのだった。ケイジはこの行ったり来たりを繰り返す内に戦闘能力をその都度向上させることが出来た。
最後はルーヴルでミミックスとの戦闘に何とか勝利し、気付いたらロンドンへと向かう機内だったというオチだった。
ループのせいでミミックスのせん滅に成功、J部隊員も無事、ケイジもリタも勿論無事だった。

ケイジのループが繰り返されることによってストーリーも進行するというシンプルな内容だが、特段入り組んだ展開でもないそんな作品でした。トム・クルーズの作品ならなんでも観たいファンには良いでしょうが、ストーリー重視の方にはどうでしょうか?エミリー・ブラントの逞しい戦士姿も良かったですよ。


映画『ダイバージェント』を観て

2014-07-20 15:25:50 | 映画・SF

14-62.ダイバージェント
■原題:Divergent
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:139分
■料金:0円(ポイント使用)
■鑑賞日:7月20日、TOHOシネマズ有楽座(有楽町)



□監督:ニール・バーガー
◆テオ・ジェームス
◆シャイリーン・ウッドリー
◆アシュレイ・ジャッド
◆ジェイ・コートニー
◆レイ・スティーヴンソン
◆ゾーイ・クラヴィッツ
◆ケイト・ウィンスレット
◆マギー・Q
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
アメリカでベストセラーを記録した、ベロニカ・ロスの小説「ダイバージェント 異端者」を実写化したSFアクション。軍事や警察を統括するドーントレスを筆頭に、五つの共同体で社会が構成された未来を舞台に、いずれにも該当しない異端者と判断された少女が自身の宿命をめぐる戦いに身を投じる。監督は『リミットレス』などのニール・バーガー。
最終戦争から100年後の未来。人類は過去の経験から、国家、人種、宗教という概念を捨て、新たな社会体制を作り上げた。それは一生に一度の“選択の儀式”という性格診断テストにより人類を性格別に、勇気ある者の集団【勇敢】正直者の集団【高潔】優しい者の集団【平和】他人を思いやる者の集団【無欲】論理的で知識が豊富な者の集団【博学】という5つの共同体に分類する社会であった。
【無欲】の家庭で育ったベアトリスは、16歳になり診断の時を迎えるが、結果は5つのどれにも当てはまらない【異端者】と判定される。【異端者】は未知の特殊能力を持ち、人類を滅ぼす危険分子とされていた。ベアトリスは【異端者】であることを隠すため、結果を偽って【勇敢】へと加入する。名前もトリスと改名し、軍事・警察の機能を担う【勇敢】での激しい戦闘訓練に耐えながら彼女は肉体面、精神面での強さを徐々に身に付けていくのだった。だがその頃、政権担当の【無欲】に対する抵抗運動が勃発。同時に何者かによる【異端者】暗殺計画が動き始め、トリスの身に危険が迫りつつあった……。

ジェニファー・ローレンス主演の「ハンガー・ゲーム」と似て非なる作品が本作だ。あちらは一つの国家がハンガー・ゲームと呼ばれるゲームを通じて支配するのだが、本作は部隊が何故かシカゴで最終戦争から100年後という設定だ。5つの共同体に分かれる儀式はドキドキするのだが、何となくプロ野球のドラフト会議みたいな乗りだった。
ここで運命が分かれてしまい、家族との別れが待っている。ベアトリスはどの共同体にも属さない「ダイバージェント(異端者)」と分類される。それは共同体を破滅させる存在として抹殺される運命にあるが、判定官女性の機転で「勇敢」へ属するが、そこでの訓練は熾烈を極めて行くが、眠っていた才能が開花した彼女はドンドン関門を突破していく。共同体の中で「博学」が勇敢を使って共同体を支配しようと画策するが、この計画は異端者であったことでマインド・コントロールからは逃れたが、異端者であったことがバレたことで命を狙われることに。だが、寸前で生き別れになっていた筈の母と父の機転で救われ「博学」の計画は阻止された。
残ったベアトリス、戦闘を生き残った兄ケイレブ、フォーと父のマーカスらは【平和】行きの列車に乗って去っていく。

ハンガー・ゲームもそうだが本作もアメリカのヤング・アダルトに大人気らしい。アメリカ映画はこの手の近未来物が好きだね。ただ何故舞台がシカゴなのか、どうしてこの様な共同体が組織されたのか等映画内では説明されていないので分かり辛く、その点では「ハンガー・ゲーム」の方が分かり易い。ジェニファー・ローレンスという若くしてアカデミー賞を受賞した女優が主演なのと、こちらではシャイリーン・ウッドリーというこれから売れるであろう女優の違いもあって主演のインパクトもハンガー・ゲームに軍配が上がる。
本作は4部作(原作本では3部作)の1作目という位置づけらしく、続編の製作も既に決まっているそうだ。本作には描かれていなかった部分が2作目ではどうなるのか観てみたい気もする。

ラストの方でハンス・ジマーの音楽、音が大きすぎて本編に集中出来なかった。


映画『トランセンデンス』を観て

2014-07-07 15:06:14 | 映画・SF

14-58.トランセンデンス
■原題:Transcendence
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:119分
■料金:1,800円
■鑑賞日:7月6日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)

 

□監督:ウォーリー・フィスター
◆ジョニー・デップ
◆モーガン・フリーマン
◆レベッカ・ホール
◆ポール・ベタニー
◆ケイト・マーラ
◆キリアン・マーフィー
◆コール・ハウザー
【ストーリー&感想】
『ダークナイト』シリーズなどのクリストファー・ノーラン監督が製作総指揮を務めるSFサスペンス。亡き科学者の意識がアップロードされた人工知能が進化を果たし、人類や世界を混乱に陥れていく。メガホンを取るのは、『インセプション』『マネーボール』などの撮影を手掛けてきたウォーリー・フィスター。ジョニー・デップ、モーガン・フリーマンら、実力派スターが顔をそろえる。電脳化が進む現代に警鐘を鳴らす物語と鮮烈なビジュアルに息をのむ。
人工知能が人間の知性を超える現象“トランセンデンス”を開発研究する科学者ウィルは、ある日、反テクノロジーの過激派組織の凶弾に倒れてしまう。死の間際に、妻エヴリンは彼の頭脳をスーパーコンピューターへインストール、それは自我を持った超頭脳の誕生であった。ウィルの意識はコンピューターの中で生かされ、ネットワークの力により軍事機密、金融、政治から個人情報まで地球上のすべての情報を手に入れることになる。やがて、超高速処理能力で化学反応を引き起こしながら、人類の想像を遥かに超える進化をし始めるのだった……。

人工知能開発に反対するテロ集団に襲われ銃弾を浴びて余命が数週間と宣告されたことから、妻が彼の脳をインストールして生かそうと画策する。一度は失敗かと思われた計画は実は成功していた、という所からストーリーは進む。共同研究者のマックスはインストールしたのは彼の頭脳であってウィル自身とは似て非なるものとエヴリンを説得するが、妻は亡夫自身がコンピューターの中から呼びかけていることからマックスの忠告に耳を貸さずに追放してしまう。ウィルの頭脳は進化を続けていくのだが、それは妻が望んでいたことだった。でも、それを知ったのはウィルの頭脳をシャットダウンすることを実行する直前で、結局妻も自分を犠牲にしてウィルの暴走?を止めることになるのだが、それはマックスが開発したソフトを使ったからでしたというのがオチ?かな。自分にコンピューターウイルスを仕込んで、それをウィルに注入することで、感染させてから、死を選ぶのです。
結果として、進化したIT世界を捨て、コンピューターの無い時代の生活になるというラストで、それがオープニングのマックスが廃墟となった一軒家を訪れるシーンへと繋がる訳ですね。マックスの回想シーンとして「ウィルとエヴリンはここに居たんだ」ってな感じでね。

ストーリーを構成するオールマイティーなコンピューターが暴走する怖さが根底にあるが、全体通してその怖さが映像的にも伝わってこないのは残念。細かい点を検証していくと矛盾点も多く、半科学集団のテロ行為も冒頭部だけで、そこからの展開が不明瞭だったし、コンピューターの暴走が全世界的という設定ながら、そうなの?ってな感じ。撮影監督からの転身だったフィスター監督、折角、モーガン・フリーマンやジョニデを起用しているのに活かされていない。再びメガホンを取る機会が訪れたなら、もっと細部にまで拘った演出を心掛けてもらいたいね。


映画『スノーピアサー』を観て

2014-02-11 18:25:47 | 映画・SF

14-14.スノーピアサー
■原題:Snowpiercer
■製作年、国:2013年、韓国・アメリカ・フランス
■上映時間:125分
■料金:1,800円
■観賞日:2月11日、角川シネマ有楽町(有楽町)

 

□監督・脚本:ボン・ジュノ
□脚本:ケリー・マスターソン
◆クリス・エヴァンス
◆ティルダ・スウィントン
◆オクタヴィア・スペンサー
◆ジェイミー・ベル
◆ユエン・ブレムナー
◆エド・ハリス
◆ジョン・ハート
◆ソン・ガンホ
◆コ・アソン
【ストーリー&感想】
フランス人漫画家、ジャン・マルク・ロシェットによるグラフィックノベルを、『殺人の追憶』の韓国の鬼才ポン・ジュノ監督が映画化したSFアクション。
地球温暖化がますます深刻になっていき、2014年7月1日、気温を最適なレベルに保つために79カ国により人工冷却物質CW-7が散布された。しかしこれが仇となり、雪と氷が地球を覆い氷河期へ突入した。永久不滅のエンジンを搭載し1年かけ地球一周する列車スノーピアサーに全てが凍る前に乗り込んでいた者以外は死に絶えてしまった。
それから17年後の2031年、人類唯一の生存場所であるスノーピアサーは、無賃車両の最後尾車両は貧困層の人々が押し込められ、皆食料を満足に得ることができず飢えていた。その一方で富裕層の人々がいる豪華な前方車両では、氷河期になる前と変わらない暮らしが続いていた。そしてスノーピアサーを開発したウィルフォード産業のウィルフォードが絶対的権力を握っていた。最後尾車両にいるカーティスはエドガーら仲間とともに、悲惨な現状を変えるために革命を目論み、ウィルフォードのいる先頭車両を目指す……。

氷河期へ突入してしまった地球の中で、スノーピアサーの乗客だけがノアの方舟の如く走り続ける列車で生き残っているという設定。だけど、この設定はどうも無理が有り過ぎるのは明快。先頭車両から後部へと行くに連れ富裕層から貧困層へと移り変わっていく。だが、そもそも氷河期の地球で国家と言う概念自体が崩壊している筈の中で、列車の中で生き続ける人類にまで階級世界を持ちこむのはどうか?
氷河期の中で何故列車が走り続けることが可能か?根本的な部分で疑問を持ちながら観ていたので楽しめなかった。
ボン・ジュノなる韓国人監督は初耳だが、貧困層の代表として先頭車両を目指しながらも反乱にあって力尽きたカーティス、エドガー。結局崩壊する列車から生き残っていたのが韓国人のヨナとアフリカ系のティミーという子供の男女2名だけで白人は排除されたのはやはり韓国人監督だからか?で、氷河期の地球で今後この二人に人類の全ての運命が託されるのだろうか?果たして、この二人のどちらかが成人前に亡くなったら、地球上に生命体は存在しなくなるのか?

疑問点だらけの作品だが俳優陣は豪華だった。ティルダ・スウィントンは総理大臣で列車を率いるウィルフォードの代理人だ。そのウィルフォードは中々姿を現さなかったがエド・ハリスが貫録たっぷりに演じる。貧困層の精神的指導者ギリアムにはジョン・ハート、連れ去られた息子を取り戻すのに躍起になるターニャにはオクタヴィア・スペンサーなどアカデミー賞受賞経験者を配するなど実力者が勢揃いだ。


映画『エリジウム』を観て

2013-09-25 18:19:19 | 映画・SF

13-77.エリジウム
■原題:Elysium
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:109分
■料金:1,300円
■観賞日:9月24日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)



□監督・脚本・製作:ニール・ブロムカンプ
◆マット・デイモン
◆ジョディ・フォスター
◆アリシー・ブラガ
◆シャールト・コプリー
◆ディエゴ・ルナ
◆ウィリアム・フィクトナー
◆ワグネル・モウラ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
『第9地区』が第82回アカデミー賞作品賞などにノミネートされた新鋭ニール・ブロムカンプ監督が、マット・デイモンを主演に迎えたSFアクション。22世紀、富裕層だけが居住を許されるスペースコロニー“エリジウム”を舞台に、虐げられた地球の住人の反撃をハードに描く。
2154年。限られた富裕層の者たちは汚れを排除したスペースコロニー“エリジウム”に、その他の者たちは地球に住んでいた。
人口過密となった地球は荒廃しきり、犯罪と貧困がはびこっていた。マックスも犯罪に手を染めては留置所送りになっていたが、この繰り返しを断ち切るべくアーマダイン社の工場で働き始め、組立ラインに従事する。更生したかに見えたある日、事故が彼を変える。なんとしてでもエリジウムに行かなければならない理由のできたマックスは潜入を試みるが、彼の前に、不法入国者からエリジウムを守るデラコート高官が立ちはだかる……。

「第9地区」でスラム化した宇宙人難民の話であっと言わせたブロムカンプ監督、今度もやはり貧困層と富裕層の二つの世界を地球と宇宙空間に浮かぶ世界に分けて描いている。
余命5日間と宣告されたマックス、旧友看護師の娘で白血病を患っているマチルダを助けたい一心で動く。その原動力は富裕層が住む宇宙空間エリジウムにはどんな病気も治癒出来る医療ポッドがあり、そこで治療を受けたいからだった。
エリジウムへの密航斡旋業者スパイダーの力を借りて渡航するのだが、エリジウムではデラコートがアーマダイン社長カーライルをそそのかしてエリジウムのシステム変更プログラム作成を命じ、自らが総裁に収まろうとの野望を抱く。

このデラコートの企みとマックスの助かりたいとの気持ちを利用したスパイダーの側の野望などが交錯する。エリジウムでの激しい戦闘でデラコートは死亡(医療ポッド使う余地無かった)、マックスは自分の余命と引き換えにマチルダを助けただけでなく、地球住民に「エリジウム市民」の権利を与えたことで病人達が次々と渡航してくることになった。

「第9地区」を観た後でこの作品に接しただけに、既に、ブロムカンプ監督の特徴を把握していただけあって、驚きは少なかった。ただ、今回はマット・デイモンという国際的スターが主役だけに、彼がSF作品でどのように演じるのかに注目だった。
ストーリー的には腑に落ちない点(不老不死のエリジウムにあの医療ポッドがあったら人口調整は?食料は?等など)は多数あるが、アイデア的にはユニークなので、もう少しストーリーに磨きをかければとの思いを感じた。


映画『パシフィック・リム 3D』を観て

2013-08-27 17:41:40 | 映画・SF

13-67.パシフィック・リム 3D
■原題:Pacific Rim
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:132分
■料金:2、100円
■観賞日:8月26日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)



□監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
□脚本:トラヴィス・ビーチャム
◆チャーリー・ハナム
◆菊地凛子
◆イドリス・エルバ
◆チャーリー・デイ
◆芦田愛菜
◆ロバート・カジンスキー
◆マックス・マルティーニ
◆ロン・パールマン
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ギレルモ・デル・トロが放つSFアクション。世界各国を襲撃する謎の巨大生命体を倒すべく、人型巨大兵器イェーガーを操縦するパイロットたちの姿を壮大なスケールで活写する。
2013年、突然未知の巨大生命体が太平洋の深海から現われる。それは世界各国の都市を次々と破壊して回り、瞬く間に人類は破滅寸前へと追い込まれてしまう。人類は一致団結して科学や軍事のテクノロジーを結集し、生命体に対抗可能な人型巨大兵器イェーガーの開発に成功する。
パイロットとして選ばれた精鋭たちはイェーガーに乗り込んで生命体に立ち向かっていくが、その底知れぬパワーに苦戦を強いられていく。2020年2月、米国アンカレッジを怪獣「ナイフヘッド」が襲撃。2024年、パイロットを辞めて壁の建造に携わっていたローリーの元にペントコストが現れ、戦線復帰し、異世界と繋がる深海の割れ目を破壊する計画に参加するよう求める。2025年1月、香港を、初の2体同時出現にして過去最大級・カテゴリー4の怪獣「オオタチ」と「レザーバック」が襲撃する。残存する4機のイェーガーのうち3機を出撃させるが、2機が破壊されパイロットの1人であるハーク・ハンセンが腕を骨折する。
待機していたローリーとマコがジプシー・デンジャーで出撃し、このコンビでの実戦は初めてながら、怪獣を2体とも撃破することに成功する。

この作品、ストーリーより、まるでゴジラを21世紀にスケールアップしたような怪獣が縦横無尽に地球を破壊し尽くす様子が痛快だった。メキシコ人監督のデル・トロはどうやら日本映画の怪獣お宅らしく自宅にも怪獣フィギュアのコレクションが沢山あるらしく、今回登場する怪獣もずばり「kaiju」そのものなんですね。
出演陣にも菊地凛子、菊地凛子の少女時代を演じていたのがあの芦田愛菜チャンだ。愛菜チャン、デル・トロ監督の評価も非常に高く親を失って泣きじゃくるという短い役だったのだけど上手でしたよ。これを観たハリウッド関係者から更なるオファーが舞い込んで来ても不思議ではないでしょうが、学業との兼ね合いでどうでしょうか?

ストーリーの中では司令官ペントコストが隊員らをグイグイ牽引するのだが、彼には隊員らが知らない有る事を隠していた。決してそのことを皆に悟られること無くリーダーシップを発揮していたのは見事だった。

それにしても怪獣のスケールは凄かったし、それに対抗する為に製作されたイェーガーは二人乗りで、それぞれの脳に接続して動きを整えて対抗する優れモノだ、このアイデアは素晴らしかった。
最後は人智が怪獣を撃退したかたちになったが、怪獣の攻撃で失ったものは果てしなく大きい。果たして再度の攻撃はあるのか心配になった。そうなったら人類はどのように再度立ち上がるのだろうか、それこそ人類の結束が試されるだろう。


映画『アフター・アース』を観て

2013-07-02 22:21:30 | 映画・SF

13-56.アフター・アース
■原題:After Earth
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:100分
■観賞日:7月1日、新宿ピカデリー(新宿)
■料金:1,000円

 

□監督・脚本・製作総指揮:M・ナイト・シャマラン
□脚本:ゲイリー・ウィッタ
◆ウィル・スミス
◆ジェイデン・スミス
◆ソフィー・オコネドー
◆ゾーイ・イザベラ・クラヴィッツ
【ストーリー&感想】
2025年、人類は自らの故郷である地球の自然環境を破壊してしまい、遠く離れた惑星ノヴァ・プライムに移住せざるをえなくなった。ノヴァ・プライムの先住民は、人類を抹殺する巨大生物「アーサ(URSA)」を作り上げた。「アーサ」は視覚も嗅覚もないが、人の恐怖心を察知して攻撃することが出来る。そして人類が地球を去ってから1000年後、惑星ノヴァ・プライムのレンジャー部隊から全てが始まる。

レンジャー部隊の候補生である13歳のキタイ・レイジは訓練に励んでいたが、能力的な成績は良いものの精神的には未熟とみなされ、正式任用には不適格とされてしまう。キタイのもとに、レンジャーの最高司令官でもあり父でもあるサイファ・レイジが宇宙遠征から帰還した。サイファは恐怖心を消して「アーサ」と戦うことができるため、数多くの人々を救った伝説級のレンジャーである。この恐怖心を消す術のことは「ゴーストと呼ばれている。
キタイは宇宙船の倉庫でレンジャーの訓練のために捕獲されている「アーサ」を目撃する。ところがその任務に向かう途中、小惑星嵐にあったために宇宙船に深刻なダメージを負ってしまう。偶然近くにあった第一級隔離惑星に不時着を試みるも、宇宙船は真っ二つに折れて墜落することになってしまった。

生存者は、キタイと致命的なけがを負ったサイファのみである。また、救難信号の発信機がある船尾は、100km後方に墜落していることが判明した。サイファはキタイに通信装置や武器、医療器具などを託し、さらにキタイを常にモニターできるようにした。
キタイは負傷して動けない父の代わりに発信器を回収し、共に故郷へ帰るべく独り危険な旅へと赴く。この危険な惑星は地球である。1000年の間に、人類を抹殺するべく進化した動物達が地球を支配していた。道中、キタイは凶暴な動物達に襲われながらも、船尾を目指す。ゴーストを体得したしたキタイは、「アーサ」を死闘の末に倒す。山頂に到着したキタイは救難信号を発信させ、レンジャーに救助された父子は抱擁しあって終わる。

シャマラン監督作品+ウィル・スミス(父子)の組み合わせで期待した作品だったが、結論を言えば「期待外れ」だったと言わざるを得ない。
シャマラン監督の最近の作品は、どうも方向性にしても作品の中味にしても観たものに訴える何かインパクトが薄いような気がする。
ストーリーも人類が地球を捨てて他の惑星に移住して、その滅びた地球に不時着した父子の話、って言うのも斬新さには欠けている。これもそれも、全てはウィル・スミスが息子ジェイデンを父としての目線でストーリーの原案を考案したからに他ならない。偉大な父を尊敬しながらも、思春期(反抗期?)の息子が大人へと成長していく様子がストーリーの中核を成しているが、何も滅びた地球が舞台で無くても良かったような気がする。
興行成績も海外で苦戦していると聞いているが、それがウィル・スミスの次回作に影響が出るか否かは微妙な気がする。


映画『オブリビオン』を観て

2013-06-09 23:02:26 | 映画・SF

13-48.オブリビオン
■原題:Oblivion
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:124分
■料金:1,800円
■観賞日:6月8日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)



◇トム・クルーズ
◇オルガ・キュリレンコ
◇モーガン・フリーマン
◇アンドレア・ライズボロー
◇メリッサ・レオ
◇ゾーイ・ベル
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
西暦2077年。60年前に起きた異星人スカヴとの戦争に勝利したにもかかわらず地球は荒廃し、人類の大半は、土星の衛星であるタイタンへの移住を余儀なくされていた。そんな中、地球にたった二人残った元海兵隊司令官ジャック・ハーパーとヴィクトリア・オルセンは、上空から地上を監視する平凡な日々を送っていた。
ある日、パトロールの途中で彼は、墜落した宇宙船の残骸から謎の女性ジュリア・ルサコーヴァを助け出す。彼女は何故か会った事も無いジャックの名前を口にするものの、その記憶は途切れ途切れのものでしかなかった。そんな時、2人は突然スカヴに捕えられ、ジャックは連れて来られた先でマルコム・ビーチと名乗る男と出会う。自分以外にも地球で生きる者がいた事に驚くジャックに、マルコムは「ある真実」を告げる。そしてこれが、ジャック自身と地球の運命を大きく変えていく事になるのだった。

この作品、どこか「スター・ウォーズ」と「猿の惑星」シリーズの要素を持っていたとの印象だが、ジャックのクローンが多数存在するという設定だ。序盤は退屈なシーンもあって、ジャック自身が2017年に宇宙飛行士だった従来の(本物の?)ジャック・ハーパー機長のクローンであり、反乱軍は残存する人間で構成されている。これを理解するのは時間を要したが、途中で、観賞中に一瞬「意識が飛んだ」ことでストーリー展開がごちゃごちゃになってしまった。ラストでは、ジュリアはジャックの子供を生んで、泉のほとりの森の中の小屋で平和に暮らし、生き残ったレジスタンスたちも健在だという結末になり、「私の名前はジャック・ハーパー、ただいま」のナレーションで終わる。

何だか分かった様な分からないような流れとエンディングでした。この作品、一度観ただけでは分かり辛いかも?


映画『美しいひと』を観て

2006-08-03 21:55:43 | 映画・SF

原題:9 Lives(アメリカ)
上映時間:114分
鑑賞日:7月22日 ル・シネマ(渋谷)
監督・脚本:ロドリゴ・ガルシア
出演:エルピディア・カリーロ(第1話、サンドラ)、ロビン・ライト・ペン(第2話、ダイアナ)、リサ・ゲイ・ハミルトン(第3話、ホリー)、ホリー・ハンター(第4話、ソニア)、アマンダ・セイフライド(第5話、サマンサ)、エイミー・ブレナマン(第6話、ローナ)、シシー・スペイセク(第7話、ルース)、キャシー・ベイカー(第8話、カミール)、グレン・クローズ(第9話、マギー)、ダコタ・ファニング(第9話、マリア)

【この映画について】
この作品は9話の短編作品が独立した形で構成されており、各々の作品同士は直接的には結びつかない。だがそこには共通したテーマや悩みなどがありそれを鑑賞した人がどう感じるかが問われる作品である。">1編が15分程度の作品ながら出演女優らは実力者が揃っている。詳しくは上の欄を観ていただくのが良いがスイスの映画祭では9人の女優が主演女優賞を授賞し話題をさらったが、1編ごとに女優の個性を見事に引き出したガルシア監督の力量も評価出来る。
【ストーリー(ネタバレなし)】
【第一話、サンドラ】
服役中のヒスパニック系のサンドラは模範囚をでの早期出所を目指し複数の役務をこなし看守への受けもいい。がその反面看守に服役囚の情報を伝えるので仲間内からは総スカンを食っている。そのサンドラの楽しみは面会に訪れる娘との会話。だがその日が来た或る日、彼女の身に思いも寄らぬ出来事が起きたのだった...。
【第二話、ダイアナ】
かつての恋人、ダイアナとダミアンの二人が偶然にも買い物中のスーパーマーケットで出会う。最初は他愛もない話をしていた二人だったが、徐々に恋人時代だった頃の話に話題が移る。しかし二人とも既に家庭を持つ身であり、ダイアナは妊娠中だった。その大きなお腹をみたダミアンがダイアナへ打ち明けた話とは...。
【第三話、ホリー】
二人姉妹のホリーとヴァネッサ。姉のホリーは父への反発から家出をしそれがトラウマとなり男性とも上手く交際が出来ない。ホリーが久し振りに家に帰って来てヴァネッサと会話を交し、仕事中の父と直ぐに会いたいと駄々をこねる。そして戻ってきた父とホリーの間には何があったのか...。
【第四話、ソニア】
友人夫婦の家に招かれたソニアと夫のマーティン。しかし何故だか夫のマーティンは友人夫婦の家に着いた時から何故だか不機嫌。ついに会話の中で言い争いになり言わなくても良いことを言い出して...。
【第五話、サマンサ】
サマンサは車椅子生活の父と母ルースの不仲を繋ぐ天使のような存在。学校でも優秀な成績のサマンサに父は東部の学校への進学を進める。夫の介護に疲れているルースは何か心身に満たされないものがあり...。
【第六話、ローナ】
ローナは元夫のアンドルーの妻が自殺しその葬式に乗り気ではないが出席することに。そこでは自殺した遺族の冷たい視線が突き刺さる。そこで元夫アンドルーがローナに見せた心の葛藤とは...。
【第7話、ルース】
第5話で登場したルースはサマンサの先生と不倫に走りモーテルの一室にいた。モーテルでは不法滞在で夫が警察に突如逮捕され、呆然とする妻は泣きじゃくる。その光景をみたルースの胸に去来したものとは...。

【第8話、カミール】
乳がんで片方の乳房を失うことになるカミールは夫のリチャードへ自分への理解の無さを病室で詰る。カミールは病院や夫への不満や娘への親心ををぶつける。手術当日、麻酔で眠っている妻へ夫が取った行動とは...。
【第9話、マギー】
娘マリアの墓参りに来たマギー。そこでマギーが見た娘の姿の幻とは...。

以上の9話からなるこの作品だが、主人公は全て女性でありその女性の生き様を映し出しているのだがそこには幾つかの共通点があるのだが...。それは映画館かDVDでご確認ください。
【鑑賞後の感想】
9話から成り立つこうした映画って観た経験がないのだが、観ていると余り関連性が感じられないストーリーだったが2話3話と進んでいくとそこには共通点があることに気が付いてくる。全部を書くとネタバレになるが、その大事な一つは「家族や親しい人たちとの絆」ではないだろうか。
その絆を繋ぐ形は人それぞれであり、出演女優たちは自らの個性を活かしながらもそれらを分かりやすく表現している点を評価したい。
【自己採点】(10点満点)
8.8点。ストーリーの異なる9話に共通点を持たせ纏めた監督の力量は評価したいし、女優陣の演技もそれぞれが見事だった。


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