相撲協会、苦渋の決断!
大相撲の八百長問題に揺れる日本相撲協会は両国国技館で臨時理事会を開き、大阪府立体育会館で3月13日に初日を迎える予定だった春場所の開催中止を決めた。
大相撲の本場所が中止となるのは、1946年に国技館の修復のために中止となった時以来、65年ぶり2回目となり、不祥事による中止は史上初めてのケースとなる。昨年7月には、野球賭博で十両以上に10人の謹慎休場者を出しながらもNHKのTV中継も無いながらも名古屋場所を開催した。
疑惑を調べる特別調査委員会は、疑惑を持たれている(と言うか実行犯!!)14人については再度の面接や携帯電話のメールの解析を進める一方、7日には新たに全関取の面接調査を開始するが、実態解明は長期化する見通しを示している。
関与を認めた3人以外は、「予想通り」八百長を否定しており調査委員会が新事実を突き止めるとは思えないので、調査は難航が予想される。
現役力士からすれば、協会幹部や親方衆が現役時代に八百長をしていたことは熟知しており、ここで告白して解雇されては不利益をこうむるだけであり、親方衆が過去を告白しない限り現役力士が告白するとは到底思えません。
放駒理事長や芝田山親方や貴乃花親方は、現役時代には「ガチンコ」力士として知られていたが、国民栄誉賞受賞の九重親方にも過去に疑惑が指摘されており、理事達も対応に苦慮しそうだ。
対象者(14人)の中には調査に対して非協力的な者もおり、「妻が踏んで壊したという力士もいる」(山本浩委員)。これは、八百長を認めれば、厳しい処分が適用されるとみられるからだ。
そもそも調査委員会のアンケートでは、誰もが関与を否定するのは目に見えている。協会は過去にも八百長問題が指摘された際にも、臭いものにはふたをする対応で乗り切っていたが、今回だけは、そのような対応では世間が許さない雰囲気になってきた。
年一回の地方場所開催を楽しみにしている地元ファンも多い筈だが、現状では大阪場所開催中止は当然であり、一部で模索されていた両国での無観客開催も断念したようだ。
既に八百長問題は国会の委員会でも取り上げられており、所管の高木文科相も国会での答弁で厳しい対応を取るように話しており、場合によっては放駒理事長の委員会招致も現実味を帯びてきそうだ。
【日本相撲協会・放駒理事長の記者会見での主なやり取り】
(読売新聞より転載しました)
――協会として、故意による無気力相撲があったと判断したか?
そういうことも若干聞いているので、そういう判断だ。
――疑惑が持たれている14人の力士以外に、対象が広がる可能性は?
今のところ、新しい人はまだ出てきていないということだ。
――関与を認めた3人の力士について、理事会独自に処分を下す考えはないか?
今、即処分することは考えていない。全容が見えてくるまでは処分は保留ということにしておく。
――除名処分もあり得るか?
厳しい処分になると思うが、除名かどうかについては答えることができない。
――理事長以下、理事や役員の責任の取り方は?
今のところ考えていない。責任があることは自覚しているが、今は問題解決に向けて力を注ぐだけだ。
――理事長は、過去には八百長はないと言っていたが、本当になかったか?_
過去にいろんなうわさはあり、裁判沙汰になったこともある。しかし、判決も出ているので、私はなかったと理解している。
――本場所はいつまで見合わせるか?
調査が終わり、きちんと処分ができるまでは本場所は厳しいと思っている。それをきちんとしないと、ファンや国民の皆様から理解を得られないだろうと考えている。
――文科省とはどういうやりとりがあって中止となったのか?
文科省も今回の問題をゆゆしき問題として関心を寄せていた。公益法人認定の問題などもあるが、「そんな問題よりも、まず解明してください」と指導を受けている。我々はまず、この問題を解決するということに傾注している。
――本場所がないとなると、力士への手当は?
場所がないから飯が食べられなくなるというのもおかしな話。まだそこまでは検討していないが、そういう心配も当然。理事会で前向きに議論したい。