kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』を観て

2014-07-26 17:57:27 | 映画・ミュージカル、音楽題材

14-63.パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト
■原題:The Devil's Violinist
■製作年、国:2013年、ドイツ
■上映時間:122分
■料金:1,800円
■鑑賞日:7月26日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)

 

□監督・脚本・撮影:バーナード・ローズ
◆デヴィッド・ギャレット
◆ジャレッド・ハリス
◆クリスチャン・マッケイ
◆アンドレア・デック
◆ジョエリー・リチャードソン
◆ヴェロニカ・フェレス
◆オリヴィア・ダボ
◆ヘルムート・バーガー
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
超絶技巧で有名な伝説的バイオリニスト、ニコロ・パガニーニの破天荒な人生と、彼の人生を変えた2人の人物との出会いを描く伝記ドラマ。スキャンダルが絶えない異端児パガニーニを、欧米で圧倒的人気を誇る天才バイオリニスト、デイヴィッド・ギャレットが演じる。監督は、『不滅の恋/ベートーヴェン』などのバーナード・ローズ。共演には『リンカーン』などのジャレッド・ハリス。

1830年のイタリア、並外れた才能を持ちながらも不遇の日々を送るバイオリニスト、パガニーニの前に突如現れたウルバーニは、彼を著名なバイオリニストにしてみせると約束。ウルバーニはさまざまな手段を用いて名門劇場での公演を成功に導き、パガニーニは一躍富と名声を手に入れる。成功後も放蕩(ほうとう)生活を送る彼のもとに、ロンドンデビューの話が舞い込む。ヨーロッパの中心ロンドンを征服しろと発破をかけるウルバーニに対して息子と離れたくない一心で拒否する。ギャンブルに溺れるパガニーニはヴァイオリンまで失ってしまい、折角稼いできた大金も失い、ロンドン公演の招聘元である指揮者ジョン・ワトソンに前金だけでは足りなくなったので経費の増額を要求する。ワトソンは何とかロンドン公演を実現したいことから借金をしてまで増額要求に応えたが、それでも指定日までに来なかった。だが業を煮やしたウルバーニによって半ば強引にロンドンに連れられて来た。
だが、そこで待っていたのは不道徳なパガニーニの公演に反対する道徳向上女性同盟のデモ隊だった。宿泊先のホテル前で繰り返される抗議行動に参ったウルバーニはワトソンに頼んで彼の自宅へ急遽泊まることになった。ワトソンの愛娘シャーロットはオペラ歌手を目指して修行中の身、そんな彼女の歌声を聴いてあっという間に虜になったパガニーニだが、不道徳な行状を知っているシャーロットの態度は冷たかった。だが、パガニーニの説得で彼の公演で歌声を披露したところ、これが大評判を呼ぶことになった。
以前よりの不摂生がたたりパガニーニの健康状態は徐々に悪化、更に相変わらずのギャンブル狂も止まない。彼の生活面も含めて全てを取り仕切っていたウルバーニと仲違いしてしまい、もう誰も彼をコントロール出来る人物は居なくなった。そして、1840年、一人息子に看取られて寂しく亡くなった彼の亡骸を引き取る教会は1876年までどこにも現れず息子と共に転々としていったそうだ。

クラシック音楽に造詣は全く無いが、破天荒なヴァイオリニストをここでは現代のロック・スターの様に描いているのが分かる。破天荒で私生活はハチャメチャな所や長髪を振り乱しての演奏、マネージャーの様な役割をこなすウルバーニは彼の財産管理まで請け負い、行った先では抗議活動も盛ん。これはまさに1960年代のザ・ビートルズを彷彿とさせる描き方だ。
主役を演じるのは米独混血で「現代のパガニーニ」と称されるデヴィッド・ギャレットだ。彼無くしてこの映画は成り立たなかっただろう、何しろ超絶技法の持ち主である主人公を名の知れたハリウッド・スターがスタイルだけマネして彼が吹き替えで弾いても説得力に欠けていただろうと思う。長髪をなびかせての演奏は、恐らくパガニーニがそうであっただろうと推測するに十分足る演技(演奏)だったと観ている方にも伝わってくる熱演だった。
共演陣ではウルバーニを演じたジャレッド・ハリス、招聘元の指揮者ワトソンを演じクリスチャン・マッケイの演奏シーンは本人が実際に演奏しているそうだ。この二人を筆頭に芸達者な俳優達が俳優が本職では無いギャレットをしっかりと支えていた点も見逃せない。


映画『ダイバージェント』を観て

2014-07-20 15:25:50 | 映画・SF

14-62.ダイバージェント
■原題:Divergent
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:139分
■料金:0円(ポイント使用)
■鑑賞日:7月20日、TOHOシネマズ有楽座(有楽町)



□監督:ニール・バーガー
◆テオ・ジェームス
◆シャイリーン・ウッドリー
◆アシュレイ・ジャッド
◆ジェイ・コートニー
◆レイ・スティーヴンソン
◆ゾーイ・クラヴィッツ
◆ケイト・ウィンスレット
◆マギー・Q
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
アメリカでベストセラーを記録した、ベロニカ・ロスの小説「ダイバージェント 異端者」を実写化したSFアクション。軍事や警察を統括するドーントレスを筆頭に、五つの共同体で社会が構成された未来を舞台に、いずれにも該当しない異端者と判断された少女が自身の宿命をめぐる戦いに身を投じる。監督は『リミットレス』などのニール・バーガー。
最終戦争から100年後の未来。人類は過去の経験から、国家、人種、宗教という概念を捨て、新たな社会体制を作り上げた。それは一生に一度の“選択の儀式”という性格診断テストにより人類を性格別に、勇気ある者の集団【勇敢】正直者の集団【高潔】優しい者の集団【平和】他人を思いやる者の集団【無欲】論理的で知識が豊富な者の集団【博学】という5つの共同体に分類する社会であった。
【無欲】の家庭で育ったベアトリスは、16歳になり診断の時を迎えるが、結果は5つのどれにも当てはまらない【異端者】と判定される。【異端者】は未知の特殊能力を持ち、人類を滅ぼす危険分子とされていた。ベアトリスは【異端者】であることを隠すため、結果を偽って【勇敢】へと加入する。名前もトリスと改名し、軍事・警察の機能を担う【勇敢】での激しい戦闘訓練に耐えながら彼女は肉体面、精神面での強さを徐々に身に付けていくのだった。だがその頃、政権担当の【無欲】に対する抵抗運動が勃発。同時に何者かによる【異端者】暗殺計画が動き始め、トリスの身に危険が迫りつつあった……。

ジェニファー・ローレンス主演の「ハンガー・ゲーム」と似て非なる作品が本作だ。あちらは一つの国家がハンガー・ゲームと呼ばれるゲームを通じて支配するのだが、本作は部隊が何故かシカゴで最終戦争から100年後という設定だ。5つの共同体に分かれる儀式はドキドキするのだが、何となくプロ野球のドラフト会議みたいな乗りだった。
ここで運命が分かれてしまい、家族との別れが待っている。ベアトリスはどの共同体にも属さない「ダイバージェント(異端者)」と分類される。それは共同体を破滅させる存在として抹殺される運命にあるが、判定官女性の機転で「勇敢」へ属するが、そこでの訓練は熾烈を極めて行くが、眠っていた才能が開花した彼女はドンドン関門を突破していく。共同体の中で「博学」が勇敢を使って共同体を支配しようと画策するが、この計画は異端者であったことでマインド・コントロールからは逃れたが、異端者であったことがバレたことで命を狙われることに。だが、寸前で生き別れになっていた筈の母と父の機転で救われ「博学」の計画は阻止された。
残ったベアトリス、戦闘を生き残った兄ケイレブ、フォーと父のマーカスらは【平和】行きの列車に乗って去っていく。

ハンガー・ゲームもそうだが本作もアメリカのヤング・アダルトに大人気らしい。アメリカ映画はこの手の近未来物が好きだね。ただ何故舞台がシカゴなのか、どうしてこの様な共同体が組織されたのか等映画内では説明されていないので分かり辛く、その点では「ハンガー・ゲーム」の方が分かり易い。ジェニファー・ローレンスという若くしてアカデミー賞を受賞した女優が主演なのと、こちらではシャイリーン・ウッドリーというこれから売れるであろう女優の違いもあって主演のインパクトもハンガー・ゲームに軍配が上がる。
本作は4部作(原作本では3部作)の1作目という位置づけらしく、続編の製作も既に決まっているそうだ。本作には描かれていなかった部分が2作目ではどうなるのか観てみたい気もする。

ラストの方でハンス・ジマーの音楽、音が大きすぎて本編に集中出来なかった。


映画『呪怨 -終わりの始まり-』を観て

2014-07-19 23:26:33 | 映画・ホラー,サスペンス,スリラー

14-61.呪怨 -終わりの始まり-
■配給:ショウゲート
■製作年、国:2014年、日本
■上映時間:91分
■料金:1,800円
■鑑賞日:7月19日、新宿バルト9(新宿三丁目)

 

□監督・脚本:落合正幸
□脚本:一瀬隆重
◆佐々木希
◆トリンドル玲奈
◆青柳翔
◆金澤美穂
◆高橋春織
◆黒島結菜
◆最所美咲
◆小林颯
◆緋田康人
◆袴田吉彦
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
Jホラーの代表作として絶大な支持を誇り、ハリウッドリメイクや番外編も作られた『呪怨』シリーズの劇場版第3弾。不登校の生徒の家を訪問した小学校教師が、大勢が不審死を遂げているその家の過去を追体験してしまう恐怖を描く。ヒロインには女優、タレントなど幅広く活躍している佐々木希。監督は、『感染』『シャッター』などホラー演出に定評のある落合正幸が務め、家に関わった者全てに死を招く呪怨の秘密も明かされる。

臨時教員の生野結衣は、学級担任を受け持つことになります。前任の小西先生が1学期早々に亡くなったためです。急遽学級担任を受け持つことになった小学校教諭の結衣は、佐伯俊雄という児童が不登校になっているため彼の自宅を訪問する。その日を境に彼女の様子がどことなくおかしいと感じるようになった結衣の恋人・直人は、不動産会社をあたり佐伯家について調べ始める。するとその家では、14年前に佐伯剛雄が妻の伽椰子と6歳だった息子の俊雄を殺害し、剛雄本人も路上で死んでいるのが発見されるという痛ましい事件が起きていた。以来、その家に引っ越してきた住人やその関係者、興味本位で肝だめしに侵入した女子高生グループらが次々と死んだり失踪したりと、不可解なことが続いていた。再び佐伯家に足を踏み入れる結衣。この呪われた家の秘密が彼女に襲いかかる……。

本作では三つの時間軸を行ったり来たりしながら進む。
①19年前、児童虐待の通報で駆け付けた福祉センター職員や警察官は、その家の少年・山賀俊雄の刺殺死体を発見しました。屋敷はやがて売却されることに。この時の様子を映したビデオがオープニングとなって登場する。
②10年前、例の屋敷で幽霊が出るとの噂をキャッチした女子高生・葵は、同級生3人と共にその家に入ります。肝試しに家に入って、七海が敏雄を目撃。家が売れ、佐伯夫妻入居。 夫の剛雄は仕事で忙しく妻の伽耶子は子供を切望するも、夫の仕事のせいでその機会すら無くさびしい思いをしてノイローゼに陥る。19年前に亡くなった山賀敏雄の霊が伽耶子に憑りつき、妊娠・出産 。心当たりない夫は妻に不信感を抱き始める。肝試しメンバー、全て行方不明に。
③現在、佐伯敏雄(山賀敏雄の生まれ変わり)が剛雄に懐か無いのを不審に思っていた夫に対して剛雄の子ではないことを伽耶子が告げたことで夫が逆上、伽耶子と敏雄を殺害(19年前に犠牲になった山賀俊雄の生まれ変わりです)。臨時講師としてクラス担任を急遽受け持った結衣、不登校児の敏雄に関わっていくうちに霊現象に巻き込まれる。女校長にこの件で相談を持ちかけるも、担任のあなたが解決しなさいと突き放されショック状態に陥った結衣は恋人の直人に悩みを打ち明け、過去の事件について遡って熱心に調査に奔走する。直人は原因を探るうち、佐伯一家から19年前の事件にたどり着くが、山賀俊雄と佐伯俊雄が瓜二つであることに驚きます。直人自身が、伽耶子に首を捻じ曲げられ惨殺される 。目覚めた結衣は直人の死体を見て絶叫します。結衣のすぐそばで俊雄がうずくまっていました。

敏雄、結衣をお母さんと呼び、次なる宿主として選ぶ。。。さあ、次作へと続くのでしょうね。

ここで本作は終わるのですが、これで完結とは行かないでしょうね。何せタイトルが「終わりの始まり」なのだから、これって都合の良いタイトルでどこまでも続けようと思えば出来ますからね。俳優陣ではホラー映画では欠かせないのがヒロインの存在。今回の主役は佐々木希で可愛くて美人キャラでもあるので怖さが売りのホラーでどれだけスクリーンに観客の目を釘付けにするかはヒロイン次第なので、この美貌は十分合格点です。まあ、演技力についてはこの際二の次として(笑)、共演のトリンドル玲奈はオーストリアと日本のハーフで顔立ちも白人系の顔なのでJホラーのヒロインとしては違和感を感じますが、そういう点を除けば逆に新鮮さを感じる方もいるかも。
ストーリー的には俊雄・敏雄の誕生秘話みたいな感じで、ジワジワと迫ってくるような怖さにどこか欠けている部分があって、その辺は落合監督の演出なのでしょうが、次回作ではどのような演出がなされるのか期待したい。


映画『渇き。』を観て

2014-07-15 23:03:18 | 映画・邦画

14-60.渇き。
■配給:ギャガ
■製作年、国:2014年、日本
■上映時間:118分
■料金:1,100円
■鑑賞日:7月14日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)

 

□監督・脚本:中島哲也
□脚本:門間宣裕、唯野未歩子
◆役所広司
◆妻夫木聡
◆小松菜奈
◆橋本愛
◆二階堂ふみ
◆清水尋也
◆オダギリジョー
◆國村隼
◆中谷美紀
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
品行方正だった娘・加奈子が部屋に何もかもを残したまま姿を消したと元妻から聞かされ、その行方を追い掛けることにした元刑事で父親の藤島昭和。自身の性格や言動で家族をバラバラにした彼は、そうした過去には目もくれずに自分が思い描く家族像を取り戻そうと躍起になって娘の足取りを調べていく。交友関係や行動を丹念にたどるに従って浮き上がる、加奈子の知られざる素顔に驚きを覚える藤島。やがて、ある手掛かりをつかむが、それと同時に思わぬ事件に直面することになる。

この映画、原作は読んでいないので違いは分からないけど、終始一貫、役所広司のテンションの高い演技が良くも悪くも印象的だった。彼はどんな役を演じていてもそれを物にする演技力の高さが売りだが、ここでもその良さは発揮されている。だが、その高さに果たして周りが付いて行けていたかは多少疑問に残るが、それでも配役的にはバランスが取れていたと思う。
ストーリー的には離婚した妻と暮らしている高校生の娘、加奈子が魔性の女ぶりを遺憾なく発揮して大人たちを振りまわす様子が傑作だが、その加奈子が中谷美紀に刺されてしまっていたというオチには?が着く。でも、不良仲間や学校の同級生やはたまたヤクザも手玉に取ろうとしていた、そんな娘の行状を全く知らなかった父、ここまで極端ではなくても、世の中の父親、特に離婚して一緒に住んでいないと行動って把握出来ないものなんですね。私には年頃の子どもはいませんので、その辺の感情とかは理解不能ですが、スマホや携帯が当たり前の様な世の中では自分の子供の交友関係を知るのは難しいのでしょうね。
自分の頃は「○○クンとか○○サンから電話よ~」って母が電話を取れば、自分の息子が誰クンと親しいとか分かるけど、今は無いもんね。

加奈子を演じていた小松菜奈、今後、どういう役を演じるのか注目したい。


映画『マレフィセント』を観て

2014-07-14 18:22:31 | 映画・恋愛、ファンタジー、コメディー

14-59.マレフィセント
■原題:Maleficent
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:97分
■料金:1,100円
■鑑賞日:7月14日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)

 

□監督:ロバート・ストロンバーグ
◆アンジェリーナ・ジョリー
◆エル・ファニング
◆シャールト・コプリー
◆ブレントン・スウェイツ
◆サム・ライリー
◆イメルダ・スタウントン
◆レスリー・マンヴィル
◆ジュノー・テンプル
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ディズニーアニメ『眠れる森の美女』ではオーロラ姫に呪いをかけた悪役だった、邪悪な妖精マレフィセントを主人公とするダークファンタジー。マレフィセントをアンジェリーナ・ジョリーが演じ、彼女の封印された過去とオーロラ姫を永遠の眠りにつかせる呪いをかけた理由が明かされる。監督は、『アバター』などのプロダクションデザインを手掛けたロバート・ストロンバーグ。エル・ファニング(姉はダコタ・ファニング)やアンジーの娘ヴィヴィアン・ジョリー=ピットが共演。
とある王国のプリンセス、オーロラ姫の誕生祝賀パーティー。幸せな雰囲気があふれるその会場に、招かれざる邪悪な妖精マレフィセントが出現する。オーロラ姫に永遠の眠りにつく呪いをかけたマレフィセント。それは、なぜなのか。答えは、謎に包まれたマレフィセントの過去にあった。

「眠れる森の美女」をベースにして悪役マレフィセントの視点から描いた作品で、マレフィセントを演じるのがアンジーでオーロラ姫の幼少時代を実の娘が演じている。成長したオーロラ姫を演じたのが子役として活躍してきたエル・ファニングだ。明るくて活発な姫役にはぴったりの配役だった。ディズニー映画らしく、また、監督が美術出身ということもあり映像の美しさも目を引きました。

ストーリーとしては、かつては恋人関係だったマレフィセントと現王ステファン、だが、王は元々王族ではなく王女の配偶者の座を狙って自らが王位に就くことを目指していたのでマレフィセントは結局捨てられた形となり、だまされたときに大事な羽根まで奪われてしまい自由に空を飛べなくなっていた。その恨みを晴らすタイミングを見計らっていたら、王夫妻に子供が生まれたことを知り、宮殿に乗り込んであの有名な呪いを参列者の前で堂々とかけるのだった。このシーンの一部が予告編にも使われているが、アンジーの演技の見せどころもここだった。
王は呪いをかけられた姫を3人の妖精に森で育てるように命じるが、この妖精が当てにならなかった。子育て経験も無くいい加減な妖精だったが、姫はスクスクと成長してまもなく16歳を迎えようとしていた。姫が自分にかけられた呪いを解くのに必死になるが、かけたマレフィセント自身にも解除は出来ない呪いだった筈だ。フィリップ王子こそが呪いを解くキスの持ち主だったが、王子がキスしても呪いは解けず。そしてマレフィセントが自分がしたことを悔い、キスをしたところ呪いは解けた。マレフィセントは姫の成長をずっと陰ながら見守っていた、それが何時しか「真の愛」へと昇華していたのだった。

姫はマレフィセントを許し、森で暮らしたいと訴える。だが、城を出る際に王国側と戦闘になりマレフィセントとドラゴンに扮したディアバルの奮闘で王側が敗退、王もマレフィセントとの戦いに敗れ亡くなる。王の死後、人間界出身で森で育った姫が双方の女王として君臨することになり国は平和を取り戻すことになりました。


映画『トランセンデンス』を観て

2014-07-07 15:06:14 | 映画・SF

14-58.トランセンデンス
■原題:Transcendence
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:119分
■料金:1,800円
■鑑賞日:7月6日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)

 

□監督:ウォーリー・フィスター
◆ジョニー・デップ
◆モーガン・フリーマン
◆レベッカ・ホール
◆ポール・ベタニー
◆ケイト・マーラ
◆キリアン・マーフィー
◆コール・ハウザー
【ストーリー&感想】
『ダークナイト』シリーズなどのクリストファー・ノーラン監督が製作総指揮を務めるSFサスペンス。亡き科学者の意識がアップロードされた人工知能が進化を果たし、人類や世界を混乱に陥れていく。メガホンを取るのは、『インセプション』『マネーボール』などの撮影を手掛けてきたウォーリー・フィスター。ジョニー・デップ、モーガン・フリーマンら、実力派スターが顔をそろえる。電脳化が進む現代に警鐘を鳴らす物語と鮮烈なビジュアルに息をのむ。
人工知能が人間の知性を超える現象“トランセンデンス”を開発研究する科学者ウィルは、ある日、反テクノロジーの過激派組織の凶弾に倒れてしまう。死の間際に、妻エヴリンは彼の頭脳をスーパーコンピューターへインストール、それは自我を持った超頭脳の誕生であった。ウィルの意識はコンピューターの中で生かされ、ネットワークの力により軍事機密、金融、政治から個人情報まで地球上のすべての情報を手に入れることになる。やがて、超高速処理能力で化学反応を引き起こしながら、人類の想像を遥かに超える進化をし始めるのだった……。

人工知能開発に反対するテロ集団に襲われ銃弾を浴びて余命が数週間と宣告されたことから、妻が彼の脳をインストールして生かそうと画策する。一度は失敗かと思われた計画は実は成功していた、という所からストーリーは進む。共同研究者のマックスはインストールしたのは彼の頭脳であってウィル自身とは似て非なるものとエヴリンを説得するが、妻は亡夫自身がコンピューターの中から呼びかけていることからマックスの忠告に耳を貸さずに追放してしまう。ウィルの頭脳は進化を続けていくのだが、それは妻が望んでいたことだった。でも、それを知ったのはウィルの頭脳をシャットダウンすることを実行する直前で、結局妻も自分を犠牲にしてウィルの暴走?を止めることになるのだが、それはマックスが開発したソフトを使ったからでしたというのがオチ?かな。自分にコンピューターウイルスを仕込んで、それをウィルに注入することで、感染させてから、死を選ぶのです。
結果として、進化したIT世界を捨て、コンピューターの無い時代の生活になるというラストで、それがオープニングのマックスが廃墟となった一軒家を訪れるシーンへと繋がる訳ですね。マックスの回想シーンとして「ウィルとエヴリンはここに居たんだ」ってな感じでね。

ストーリーを構成するオールマイティーなコンピューターが暴走する怖さが根底にあるが、全体通してその怖さが映像的にも伝わってこないのは残念。細かい点を検証していくと矛盾点も多く、半科学集団のテロ行為も冒頭部だけで、そこからの展開が不明瞭だったし、コンピューターの暴走が全世界的という設定ながら、そうなの?ってな感じ。撮影監督からの転身だったフィスター監督、折角、モーガン・フリーマンやジョニデを起用しているのに活かされていない。再びメガホンを取る機会が訪れたなら、もっと細部にまで拘った演出を心掛けてもらいたいね。


映画『her/世界でひとつの彼女』を観て~アカデミー賞受賞作品

2014-07-06 15:16:57 | 映画・恋愛、ファンタジー、コメディー

14-57.her/世界でひとつの彼女
■原題:Her
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:120分
■料金:1,800円
■鑑賞日:7月5日、ヒューマントラストシネマ有楽町(有楽町)

 

□監督・脚本:スパイク・ジョーンズ
◆ホアキン・フェニックス
◆エイミー・アダムス
◆ルーニー・マーラ
◆オリヴィア・ワイルド
◆スカーレット・ヨハンソン(サマンサの声)
◆ポーシャ・ダブルデイ
◆サム・ジェーガー
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
鬼才スパイク・ジョーンズが監督と脚本を手掛けたSFラブストーリー。人工知能型OSの声に惹かれる主人公と、生身の女性よりも魅力的なシステムとの恋のてん末を描く。『ザ・マスター』などのホアキン・フェニックスが主演を務め、彼が恋心を抱く声の主を『マッチポイント』などの女優スカーレット・ヨハンソンが好演。アカデミー賞脚本賞を受賞した。
近未来のアメリカ・ロサンゼルス。顧客の想いを代筆することを仕事にしているセオドアは、妻キャサリンに去られ失意の日々を過ごしていた。見かねた友人のエイミーが彼に女性を紹介しようとしても、断る始末だった。そんな中、人工知能型OS“サマンサ”に興味を持つセオドア。サマンサは実態を持たないものの、話してみると驚くほど個性的で人間味に溢れていた。以来サマンサに魅了され、相談事や寝る前のささやかなやりとりをし、携帯電話に移して外出するなど、彼女と会話するひとときがかけがえのないものになる。サマンサにとってもセオドアを通して見る外の世界は驚きに満ちていた。やがて二人の間に恋が芽生えるが……。

ストーリーとしては特段ひねりが無かったけど、大体予想範囲内のエンディングでしたね。サマンサの声を演じているスカーレット・ヨハンソン、その見事なのは肢体だけではなく声でも魅了された。映画では彼女が演じているのだから、観ている側(特に男性)は声とヨハンソンの姿をオーバーラップさせながら私もそうだけど見てしまいますね。でも実際はOSの声だからホアキン・フェニックスが演じているセオドアが本当に魅せられたのかな?って思った。声だけでも十分にセクシーなヨハンソン、セオドアも声とは分かっていても恋人の様にのめりこんでいくのは分かるような気がする。IT化が進んでいくと今回の様な設定がいずれ当たり前の様な社会に変貌し、笑って見ていれれなくなるかもねこういう映画の世界が。


映画『パークランド-ケネディ暗殺、真実の4日間』を観て

2014-07-05 11:46:55 | 映画・ドラマ、アクション

14-56.パークランド-ケネディ暗殺、真実の4日間
■原題:Parkland
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:93分
■料金:1,800円
■鑑賞日:7月5日、ヒューマントラストシネマ有楽町(有楽町)

 

□監督・脚本:ピーター・ランデスマン
◆ザック・エフロン
◆マーシャ・ゲイ・ハーデン
◆ポール・ジアマッティ
◆ビリー・ボブ・ソーントン
◆ジェームス・バッジ・デール
◆ジャッキー・ウィーヴァー
◆コリン・ハンクス
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
全世界に衝撃を与えた、アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・フィッツジェラルド・ケネディのダラスでの暗殺事件。いまもなお多くの謎が残るケネディ大統領と容疑者とされるオズワルドの暗殺の真相に迫る社会派ドラマ。長年、ジャーナリストとして活躍してきたピーター・ランデスマンが、まったく新しい視点から事件の裏側に迫っていく。プロデューサーの一人としてトム・ハンクスが参加している点にも注目。

1963年11月22日、アメリカ大統領ケネディがジャクリーン夫人とジョンソン副大統領とともにテキサス州ダラスを訪れるということで、街は熱気に包まれていた。エイブラハム・ザプルーダーはパレードを撮影しようと、所有する8ミリカメラを携えディーリー・プラザへと向かう。大統領夫妻を乗せたリンカーン・コンティネンタルが見えてきたそのとき、銃声が鳴り響いた。凶弾に倒れたケネディ大統領は市内のパークランド病院に搬送され、懸命な救命措置を受けたものの、帰らぬ人となる。突然の悲劇に、街は混乱し、全世界に衝撃が走った。急遽大統領職を委任されたジョンソン副大統領、警備にあたっていたシークレット・サービス、リー・ハーヴェイ・オズワルド容疑者を別件でマークしていたFBI捜査官、そしてオズワルドの家族は、この事件を境に運命を大きく変えていく。2日後、リー・ハーヴェイ・オズワルドが銃撃され、奇しくもケネディ大統領と同じくパークランド病院に搬送されてくる……。
ケネディ暗殺事件を救急搬送され原題にもなっている「パークランド病院」でのザック・エフロン演じる新人研修医の奮闘、マーシャ・ゲイ・ハーデンが演じるヴェテラン看護婦とSS(シークレット・サービス)らとの混乱時のやり取りなど、今までには無い視点で一部描かれている。更に、犯人として逮捕されたオズワルドをめぐる家族(兄、母、妻)の中でも兄のうろたえた様子と母の達観したような表情が対照的だった。ラストはそのオズワルドが暗殺されてしまい、埋葬地を巡っても「大統領暗殺犯」を埋葬することを拒否する墓地や教会があり最後まで混乱する。

IT社会の今では考えられないSSやFBIの失態も果たしてどこまでが真実なのかは、大統領死後75年間はその真実は封印されると言われていますがその理由も憶測を呼び謎を深めています。映画としては邦題にあるような「真実」は当然ながら何もありませんし、作品としての演出もありません。それでも俳優陣は若手スターのザック・エフロンが新人研修医に扮して大統領の心臓マッサージを施したり、ポール・ジアマッティが撮影した8mフィルムを巡る捜査側との駆け引きなど見どころは多いが、監督がジャーナリスト出身で生粋の映画人ではないので材料を上手く処理しきれていない印象を持った。


映画『X-MEN:フューチャー・パスト 3D』を観て

2014-07-03 15:31:34 | 映画・ドラマ、アクション

14-55.X-MEN フューチャー&パスト
■原題:X Men:Days Of Future Past
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:131分
■料金:2,100円
■鑑賞日:7月3日、TOHOシネマズみゆき座(日比谷)



□監督・製作:ブライアン・シンガー
◆ヒュー・ジャックマン
◆イアン・マッケラン
◆ジェニファー・ローレンス
◆ハル・バリー
◆ジェームス・マカヴォイ
◆マイケル・ファスベンダー
◆エレン・ペイジ
◆ニコラス・ホルト
◆パトリック・スチュワート
◆ピーター・ディンクレイジ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
未来から過去へと送り込まれたウルヴァリンや、超人的パワーを持つX-MENのメンバーが、二つの時代を舞台に地球の危機を救うべく戦いを繰り広げるSFアクション。ブライアン・シンガーが『X-MEN2』以来の監督として復活し、ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンをはじめ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ハル・ベリーなど豪華俳優陣が競演。
2023年、バイオメカニカルロボットのセンチネルの攻撃により、X-MENと地球は危機的状況に陥る。プロフェッサーXは宿敵マグニートーと共闘し、1973年にウルヴァリンの魂を送る。しかし、1973年の地球でセンチネル・プログラムの開発を阻止しようとする間も、2023年では地球滅亡の危機が迫っており……。
現在の危機を乗り切るために過去に戻って未来を書き換えれば現在を救えるというのが大まかな流れ。過去と現在を行き来するパターンは「歴史を変えてはダメ」(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では盛んに強調されていたが...)と言う大原則もここではそれに挑戦するから面白いとも言える。それを推進するのがエレン・ペイジ演じるキティ・プライドで彼女の能力で危機を乗り切ろうとするのだ。50年の時代を行ったり来たり、この計画果たして完全だったのか、意味深なエンディングだったので、まだまだ続きそうだ。

マーヴェル・コミックの中でも人気シリーズであるX-Menを実は最初から観ていないので、どうもキャラの個性とか過去が分からない部分があるので、それを覚悟で鑑賞。アメコミ映画ながらこれだけのキャストを揃えていて、尚且つ、俳優陣もイアン・マッケランのような大ベテランからエレン・ペイジや若手スターのジェニファー・ローレンスまで出演している、さぞかし出演料高かったと思うよ、だってジェニファー・ローレンスはアカデミー賞獲ったばかりだしね。真っ青のスーツを着て動く姿は、それだけを見ていたら彼女だとは分からなかった。彼女の演技の幅がまた一つ拡がったようだ。

マーヴェル映画の定番、エンド・ロールに予告編?ありますので最後まで観ましょう!!


時計