kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

どこよりも詳しい!ポール・マッカートニー東京ドーム公演11.19リポート VOL.2

2013-11-21 11:34:26 | 音楽

           【詳報!ポール・マッカートニー東京ドーム公演】

VOL.2ではポールのステージでの様子を可能な限りレポートします。ライヴを楽しみながらもポールのトークも可能な限りメモしましたが、広い会場ゆえに聞き取り辛い時もありましたので、『完全収録』ではありませんのでご了承ください。また、トークの訳はあくまでも私の翻訳なので、ステージのスクリーンを丸写しにしたものでは無いので併せてご理解下さい。

1.Eight Days a Week(1964)
19:20,会場が暗くなって一斉に歓声が上がり主役ポールの登場を待ちわびる東京ドームを埋め尽くした5万人余りの観衆。両翼ポール(ファウルとフェアゾーンを分ける為の棒です)際から野球開催時は両チームの応援席も開放していてこちらも満席でした。
20分遅れでポールとメンバーがステージに登場。ポールはベースを抱えて演奏、ライヴ初登場曲で一気にボルテージは上がりました。
ポールのトーク:「Thank You」
2.Save Us(新曲)(2013)
ここでいきなり新譜からのナンバーが登場。従来はウィングス時代の「Junior's Farm」でした。演奏が終わると丁寧にお辞儀するポール。
ポールのトーク:「コンバンハ、トーキョー。タダイマー。」
3.All My Loving(1963)
ステージにビートルズ時代の映像が流れる中をポールが歌う。キーボード担当のウィックスはここではギターで演奏に加わる。
ポールのトーク:「Thank You」「アリガトー、オーケー、コンバンモ、ニホンゴガンバリマス。デモ、エイゴノホウガトクイデス。



4.Jet(1973)
ポール着ていた上着を脱いでギターを抱える。ここで登場したのが、昨日までのListen to What the Man Saidでは無くジェットに変更された。ジェットはウィングス時代の人気が高いロックナンバーで自分も大好きで、ファンの人気も高く「Jet!」のパートでポールが拳を上げるのと同時にファンも拳を上げるのが定番だ。でも、 Listen to What the Man Saidも大好きな曲なので聴きたかった~。
ポールのトーク:「Glad to be back in Japan,Tokyo」(東京に戻ることが出来て嬉しいです)
5.Let Me Roll It~Foxey Lady(1973)
名盤「Band On The Run」からのナンバーが続く。エンディングから続く形でジミヘンの「Foxey Lady」へと移行してから終わる。
ポールのトーク:「Thank You.アリガトー、ドウモアリガトー」「...a tribute to late great Jimi Hendrix.I was very lucky to know Jimi a little bit in the 60's when he came to London,a great guy...」ポールがジミヘンへ捧げると言っていた訳を語っていた。全てを聞き取れなかったが、ジミヘンが1967年にロンドンへ来ていたときに、ポールへ共演しないかと連絡が来たそうで、丁度その頃は、「Sgt.Pepper's」が完成したばかりで結局共演は実現しなかったが、ジミヘンは「Great Guy」だと褒めていた。大体そんな内容でしたので、細かい英文は掲載出来ません。
6.Paperback Writer(1966)
ギターチェンジして演奏。途中、レコードとは違うリフがあった。演奏終了時にスタンドに向かって手を振るポール。
ポールのトーク:「Thank You.アリガトー」「ツギノキョクハダンセイノタメデス」
7.My Valentine(2012)
ポール、ギターからピアノへ。前のアルバムから唯一の披露曲。
ポールのトーク:「Thank You.This One's For Wings Fan.」(次の曲はウィングスファンへ)と行って両手で「W」のポーズを取ってから演奏へ。
8.Nineteen Hundred and Eighty-Five(1973)
これも名盤「Band On The Run」からの曲で、ポールがピアノを力強く演奏しながら歌うプログレっぽい雰囲気を持っている。これも私の好きな曲。
やはりウィングス時代の曲は同時進行で聴いていたのでライヴで聴けると嬉しいです。
ポールのトーク:
「Thank You」
9.The Long and Winding Road(1970)
言わずと知れた名曲でポールはウィングス時代からステージで演奏している。この曲をフィル・スぺクターが過剰なアレンジを施した事に激怒していたのは有名な話だが、ポールはステージで演奏する際にはウィックスがオーケストラパートをなぞる時や、シンプルにピアノで演奏するバージョンとある。今回はウィックスのオケパートは控え目でロックバンドらしい演奏スタイルを貫いていました。
ポールのトーク:「Good People Tokyo」「ツギノハ、リンダノタメニ、カキマシタ」
10.Maybe I'm Amazed(1970)
ポールがザ・ビートルズ解散直後に発表したソロ作からの曲でウィングス時代からファンの間でも人気が高い一曲。演奏が終わると観衆に手を振りアコギへ持ち替える。
ポールのトーク:「アリガトー」「Having A Good Time?」(楽しんでいるかい?)
11.Things We Said Today(1964)
ここからはアコギに持ち替えてアコースティック・ナンバーが続く。ポールのショウはこの様に必ずアコースティック・パートがある。前日までは「I've Just Seen a Face」だったようで、今日は「今日の誓い」へ差し替わりました。今から49年前の曲とは思えない何時までも輝きを失わない曲ですね。
ポールのトーク:
「Thank You,Thank You.Thank You Very Much」
12.We Can Work It Out(1965)
ここではウィックスはアコーディオン、エイブはタンバリンに持ち替え。ジョンのパートは二人のギタリストがハーモニーで加わる。演奏が終わるとポールは別のアコギへ持ち替える。
ポールのトーク:「We Gonna Have a Party Tonight.」(今夜はパーティーだぜ~)
13.Another Day(1971
)
ウィックスはアコギへ。エレキ1、アコギ3、ドラムスの変則編成での演奏。平凡なOLの1日を歌った曲で1971年にシングル発売されたアコギ中心の演奏が印象的な曲。演奏が終わるとポールは再び別のアコギへ持ち替える。
ポールのトーク:「サイコー、サイコー」。
14.And I Love Her(1963)
エイブはパーカションに。これもアコギが良い味を出すバラード。演奏終了後、観衆に手を振るポール。
ポールのトーク:「Thank You,Thank You Very Much.Way back in 1960's there was lot of trouble particulary in the south states of America.Of civil rights and we heard all about this news in England and i wanted trying write a song that anybody in America in the south heard about it and might just help them we are going through this troubles,that's this next song OK? I hope you understood the translation,because i do.」ここでは次の「Blackbird」を書いた時のことをポールが話していた。1960年代にアメリカの南部の州では公民権を巡る運動が活発であることを知って、この曲を書くことで運動家の人たちに少しでも希望を持たせられればと思った、とポールが語っていました。一部、聞き取れませんでしたが、大体の内容は合っていると思います。
15.Blackbird(1968)
ポールのアコギのテクは光る曲。ポールはこの手のフォーク調の曲は得意ですね。これはウィングス時代から演奏している。
ポールのトーク:「アイシテマス、トーキョー。オーケー、ツギノウタハJOHNのタメデス。JOHNにハクシュヲ。Thank You.」
16.Here Today(1982)
ジョン・レノン追悼曲としてポールが1982年に「Tug Of War」に収録されていた曲で、ポールがジョンとの思い出をレコードでは弦楽四重奏をバックに歌うが、ステージではポールのアコギ一本での演奏。ラストの部分の歌詞「For you are in my song」(君(ジョンの事)は僕の曲の中に何時でも居るから)は泣かせますね。演奏終了後は派手な塗装を施した通称マジカル・ピアノへ。
ポールのトーク:「We like to do a song from our new album.Song is called NEW.」(次の曲は新譜NEWからの曲でNEWです。)
17.New(新曲)(2013)
NEWと言う名の新曲でアルバムの中では一番ポップで「Penny Lane」を思わせる曲調が特徴的でポールはステージのセンターでピアノを演奏。
ポールのトーク:「This is also from our new album.」(次も新譜NEWからです)
18.Queenie Eye(新曲)(2013)
新曲が2曲続きました。
ポールのトーク:「All right.Thank You.アリガトー、OK.スバラシイOK.」
19.Lady Madonna(1968)
ポールのステージではウィングス時代からの定番曲。演奏終了後、ポールはアコギへ持ち替える。
ポールのトーク:「Thank You,Thank You Very Much.OK,Yeah!Oh Yeah!」「This next song is from movie Yellow Submarine.」(次の曲は映画イエロー・サブマリンからです)
20.All Together Now(1969)
ウィックスがハーモニカを演奏。ザ・ビートルズ時代の曲だがどちらかと言えばレアな曲だが楽しく能天気な歌詞が特徴で個人的には好きな曲。
ポールのトーク:「イイネ~。OK.Thank You.This song is from album "Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band"」(次の曲はアルバムSgt.Pepper'sからです。)
21.Lovely Rita(1967)
アルバムSgt.Pepper'sからの曲。
ポールのトーク
:「Thank You,Lovely Rita.Ok,Would loke to do a song from our new album.」
22.Everybody Out There(新曲)(2013)
これも新譜からで4曲目。ポールのシャウトが乗ってきた証拠だ。演奏終了後アコギをチェンジする。
ポールのトーク
:「Wowowowow」「Oh Yeah!」「Thank You」
23.Eleanor Rigby(1966)
ここではポールのアコギとウィックスのキーボードのみの演奏。ストリングス演奏はウィックスがキーボードで再現。2人のギタリストはコーラスで参加。
ポールのトーク:「Thank You,All right.Next song is also from "Sgt.Pepper's"(どうも、次の曲もアルバムSgt.Pepper'sからです)



24.Being for the Benefit of Mr. Kite!(1967)※ジョン・レノンの曲
ポールがベースに持ち替えてジョンの曲を歌う。発売当時はステージで再現不可能とまで言われていたが、ウィックスのキーボードであの難しい浮遊感が違和感なく再現されていた。中間部ではドームの天井に緑、ピンクのレーザー光線が交錯していた。
ポールのトーク:「Thank You,All right.」「ツギハ、ジョージノ、タメデス。ジョージニ、ハクシュヲ。」
25.Something(1969)※ジョージの曲
ポールがジョージ所有のウクレレを持って登場。前半部はウクレレの独奏で、中間部のギターソロ部分からバンドメンバーが加わりポールもベースに持ち替えて演奏。前の曲とこの曲はポールの曲では無いが、鬼籍に入った二人の持ち歌を追悼の意味でポールが歌った。
ポールのトーク
:「Thank You.アリガトー。Thank You,Thank You George for writing beautiful song.」(どうも、素晴らしい曲を作ったジョージに感謝。)「So,in this next song we would like you to join in with the chorus.」(次の曲では皆に一緒にコーラスに参加してもらいたいね)「イッショニウタオウヨ!」
26.Ob-La-Di,Ob-La-da(1968)
後半パートに入るこの辺から盛り上がってきた。日本でも人気が高いこの曲はノリが良いのでドーム内には「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」の大合唱が響く。
ポールのトーク:「イイネ~、Yeah!」
27.Band on the Run(1973)
これもポールのライヴでは定番曲で人気が非常に高いので有名。曲は3部構成で少しずつ盛り上がって「バ~ンドオンザラ~ン」の大合唱がここでもドーム内に響いた。
28.Back in the U.S.S.R.(1968)
これも非常に盛り上がる曲で観衆もノリノリ状態が続く。ザ・ビートルズの録音時にポールはドラムスとギターを担当したが、ここでは本職のベース。
ポールのトーク:「Thank You.スバラシイ~。」
29.Let It Be(1970)
ポールがピアノの前に座り定番曲のこれを演奏。場内はカラフルなペンライトが鮮やかだった。
ポールのトーク:「Let it Be,Thank you.」
30.Live and Let Die(1973)
ウィングス時代からポールのステージでもっとも迫力を感じさせるのがこの曲の演出である。ウィングス時代はマグネシウムをこれでもか、と言わんばかりに使用していた。今回のステージでは炎が凄い勢いで吹き出してスタンドからは一瞬ステージが見えなくなるほど炎が高く舞い上がるので盛り上がる。演奏終了時にポールがおどけた表情で耳をふさぐ仕草で観衆を和ませていた。
ポールのトーク
:「アリガトー
31.Hey Jude(1968)
観衆の誰もが楽しみにしているこの曲。東京ドームに「ラ~ララ、ラララ~ラ~、ラララ~ラ~ヘ~イ・ジュード」がこだまする。これも定番の演出だが、ポールが「ダンセイダケ」「ジョセイダケ」と煽り、再び男女関係無くララララ~が鳴り響く。



曲が終わってポールとメンバーが一旦ステージに揃ってあいさつをし手を振って袖に下がる。だが、拍手は鳴り止まず観衆のアンコールを求める声が続く。そして、2分位過ぎた頃だろうか?ポールが大きな日章旗を持ってステージに、他のメンバーは英国旗を持ってステージへ再登場。
ポールのトーク:「You Want To Hear Some More!」(もっと聴きたいか~い。)

~Encore1~
32.Day Tripper(1965)
ポールがベースを抱えて登場、ウィックスはタンバリン。
ポールのトーク:「Thank You,アリガトー。」「モットキキタイ?」「モットキキタイ?」
33.Hi, Hi, Hi(1972)
ウィングス時代のナンバーで当時からライヴの最も盛り上がる場面で演奏されていた。発売当時は歌詞がワイセツだと物議を醸したが、確かに歌詞内容を精査するとそう聞こえるが、今では何の違和感も感じず観衆も聴いていると思います。ドライヴ感があって私の好きな曲です。
ポールのトーク:「Ok,Thank You.ドーモ。」「モットキキタイ?、イイゼ、トーキョー」
34.I Saw Her Standing There(1963)
Get Backと交互に演奏されるみたいで、今日はこっちだったので個人的には嬉しかった。ザ・ビートルズはこの曲から始まっていることを考えると、今から50年の歴史を感じさせないポールの力強い演奏とヴォーカルは流石の一言に尽きる。高音部は多少きつそうだがノリは最高に良い。

ここで1度目のアンコールが終了し、ポールは大相撲の四股を踏むパフォーマンスをして袖に下がった。ここでも盛大な再登場を願う拍手が鳴り止まず、ポールはアコギを持って一人でステージへ。と言う事はあの曲だ。
「Thank You,You're Great Audience.I'd Like to dedicate this song to people of Fukushima.」(どうも、今日の観衆は素晴らしいです。次の曲は福島の人たちに捧げます。)

~Encore2~
35.Yesterday(1965)
ポールのアコギとウィックスがキーボードで弦楽四重奏を再現する演奏で、他のメンバーはお休み。
ポールのトーク:「モットキキタイ?」「Ok,Let's rock.」(さあ、ロックしようぜ。)
36.Helter Skelter(1968)
メンバーが再び揃って、ハードなロックナンバーが登場。ウィックスはアコギ、ポールはベースに持ち直しての演奏だが、ザ・ビートルズでのレコーディングではギターだった。スピード感ある曲調とポールの絶叫が特徴的で、曲に合せてバリライトが目まぐるしく動いていた。開始から2時間以上が過ぎているのにポールのヴォーカルは衰え知らずなのが凄い、だって、この曲は絶叫調だからアンコールでは辛い筈なのにそんなのは一切感じさせなかった。
ポールのトーク:「Wow!アリガトー トーキョー。モウカエルジカンデス。」ここでポールはツアークルーとバンドへの賛辞を惜しまず、特にクルーの優秀さを褒めていました。「We would like to thank you」(皆さんに感謝します)
37.Golden Slumbers / Carry That Weight / The End(1969)
ショウの最後の曲は通称アビー・ロード・メドレーの3曲だ。最初、ポールはピアノで入り、途中からはギターに持ち替えての演奏。

ポールのトーク:「トーキョー、マタアイマショウ。See you next time.マタネ~」

22:00,2時間40分に渡るショウは終りました。可能な限り、ポールのトークを再現してみましたが、ポールのライヴを観た人も観れなかった人も様子が掴めたでしょうか?ポールは曲間でステージの足元の日本語アンチョコを駆使して、観衆に日本語と英語で積極的に呼びかけました。英語のパートはスクリーンに和訳が表示されるので分かり易かったでしょうが、自分の席からは翻訳は見え辛かった。最初の来日時よりポールのトークが格段に上達?して一曲ごとに話していて、観衆は身近に感じたと思います。
ファンの年齢層は60代位の「ザ・ビートルズ世代」から50代の自分のような「ウィングス・ソロ世代」、その親から影響を受けた若い世代と幅広く世代を超えた人気を誇っているのが分かります。各世代によって聴きたいレパートリーは異なるでしょうが、やはり、ザ・ビートルズの曲が多くなるのは当然だと思いました。自分の感想としてはウィングス・ナンバーももっと聴きたかったのは、やはり、ポールはウィングス時代に2度日本公演がおじゃんになっていますからね、その辺の曲は聴きたかった。

ポールはステージを去る際に「see you next time」と言っていたので、それが近いうちにあることを信じて待ちたいと思います。


どこよりも詳しい!ポール・マッカートニー東京ドーム公演11.19リポート VOL.1

2013-11-20 23:13:30 | 音楽

      【詳報!ポール・マッカートニー東京ドーム公演】

待ちに待ったポールの日本公演は京セラドームでの2回(大阪)を皮切りに、福岡での1回を挟んで、11/18からは遂に東京ドームでの3回の公演が始まりました。もう、既に、ポールのライヴの様子が一部TVで放送されたりしていますが、今回のツアーもやはりザ・ビートルズの曲が中心の選曲で、そこに、1970年代のウィングスの曲とソロ名義でのヒット曲に新譜「New」から4曲を加えた全39曲の構成です。
ザ・ビートルズ時代の曲がメインなので、それ以外ではウィングスでの活動時は1970年代で、1980年代以降の曲は新曲を除けば2曲(7,16)だけなのは私の様なファンにはチョット寂しいですね。

【Tour Member】
Paul McCartney(Bass,Guitar,Piano)
Rusty Anderson(Guitar)
Brian Ray(Guitar)
Paul "Wix" Wickens(Keyboard,Guitar,Harmonica,Percussion,Tambourine)
Abe Laboriel,Jr.(Drums,Percussion,Tambourine)

ツアーメンバーは上記の4人で固定されているので演奏には安定感があるし、事実上のバンドリーダーである通称「ウィックス」がメインのキーボード以外にも多くの楽器をこなしているのが目立ちます。ポールは本職のベース以外にも2種類のアコギとやはり2種類のピアノを曲に合せて演奏していました。

【11.19セットリスト】曲名(発表時の名義)⇒発売時「収録アルバム(シングル発表の場合はシングル名)」⇒※発表年
1.Eight Days a Week (ザ・ビートルズ)「Beatles For Sale」※1964
2.Save Us(新曲)「New」※2013
3.All My Loving (ザ・ビートルズ)「With The Beatles」※1963
4.Jet(ポール・マッカートニー&ウィングス)(Listen To What The Man Saidから差し替わりました)「Band On The Run」※1973
5.Let Me Roll It (ポール・マッカートニー&ウィングス)「Band On The Run」※1973
6.Paperback Writer (ザ・ビートルズ)「Paperback Writer(Single)」※1966
7.My Valentine(ソロ)「Kisses On The Bottom」※2012
8.Nineteen Hundred and Eighty-Five (ポール・マッカートニー&ウィングス)「Band On The Run」※1973
9.The Long and Winding Road (ザ・ビートルズ)「Let It Be」※1970
10.Maybe I'm Amazed (ソロ)「McCartney」※1970
11.Things We Said Today (ザ・ビートルズ)(I've Just Seen A Faceから差し替わりました)「A Hard Days Night」※1964
12.We Can Work It Out (ザ・ビートルズ)「Day Tripper(Single)」※1965
13.Another Day(ソロ)「Another Day(Single)」※1971
14.And I Love Her (ザ・ビートルズ)「A Hard Days Night」※1964
15.Blackbird (ザ・ビートルズ)「The Beatles(White Album)」※1968
16.Here Today (ソロ)※ジョン・レノン追悼曲「Tug Of War」※1982
17.New(新曲) 「New」※2013
18.Queenie Eye(新曲) 「New」※2013
19.Lady Madonna (ザ・ビートルズ)「Lady Madonna(Single)」※1968
20.All Together Now (ザ・ビートルズ)「Yellow Submarine」※1969
21.Lovely Rita (ザ・ビートルズ)「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」※1967
22.Everybody Out There(新曲) 「New」※2013
23.Eleanor Rigby (ザ・ビートルズ)「Revolver」※1966
24.Being for the Benefit of Mr. Kite! (ザ・ビートルズ)♪ジョン・レノンの曲「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」※1967
25.Something (ザ・ビートルズ)♪ジョージ・ハリスンの曲「Abbey Road」※1969
26.Ob-La-Di, Ob-La-Da (ザ・ビートルズ)「The Beatles(White Album)」※1968
27.Band on the Run (ポール・マッカートニー&ウィングス)「Band On The Run」※1973
28.Back in the U.S.S.R.(ザ・ビートルズ)「The Beatles(White Album)」※1968
29.Let It Be (ザ・ビートルズ)「Let It Be」※1970
30.Live and Let Die (ポール・マッカートニー&ウィングス)「Live And Let Die(Single)」※1973
31.Hey Jude (ザ・ビートルズ)「Hey Jude(Single)」※1968
~Encore1~
32.Day Tripper(ザ・ビートルズ)「Day Tripper(Single)」※1965
33.Hi, Hi, Hi (ポール・マッカートニー&ウィングス)「Hi,Hi,Hi(Single)」※1972
34.I Saw Her Standing There(ザ・ビートルズ)(Get Backから差し替わりました)「Please Please Me」※1963 
~Encore2~
35.Yesterday (ザ・ビートルズ)「Help!」※1965
36.Helter Skelter (ザ・ビートルズ)「The Beatles(White Album)」※1968
37.Golden Slumbers / Carry That Weight / The End(ザ・ビートルズ)「Abbey Road」※1969

演奏曲目を年代別で分析するとザ・ビートルズのが62%強を占めている中で、一つのアルバムに固まらず満遍無く披露しているのが分かる。その反面、ウィングス時代のはアルバム「Band On The Run」から4曲を演奏するなど、このアルバムの人気の高さが分かる。ソロ名義では1970年代の2曲とジョン追悼曲「Here Today」は1982年の曲。だが、それ以降の1980年代から2000年代の曲は無し。この辺は過去のツアーで演奏されているのでカットされたのだろうが、1980年代の曲は過去にも殆ど披露されていないのは何故か?新曲は4曲披露されたが、この煽りで「Junior's Farm」「Your Mother Should Know」「Mrs.Vandebilt」辺りが削られた。何と2曲はウィングス・ナンバーだ、残念無念。

ザ・ビートルズの曲 23曲
※1963年 2曲「Please Please Me」「With The Beatles」
※1964年 3曲「Beatles For Sale」
※1965年 3曲「Help!」「Day Tripper」
※1966年 2曲「Revolver」「Paperback Writer」
※1967年 2曲「
Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」
※1968年 6曲「The Beatles(White Album)」「Hey Jude」「Lady Madonna」
※1969年 3曲「Abbey Road」「Yellow Submarine」
※1970年 2曲「Let It Be」

ウィングスの曲 6曲
※1972年 1曲「Hi,Hi,Hi」

※1973年 5曲「Band On The Run」「Live And Let Die」
 
ソロの曲 8曲(新曲4曲含む)
※1970年 1曲「McCartney」
※1971年 1曲「Another Day」
※1982年 1曲「Tug Of War」
※2012年 1曲「Kisses On The Bottom」
※2013年 4曲「New」

ポールはツアー単位で数曲入れ替えをし、2002年の大阪公演で「Calico Skies」が突如披露されたように、今日の演奏曲目も何と3曲の入れ替えが生じました。今、日本公演は新譜「New」が発売された直後のタイミングもあってここから4曲披露されていますが、その4曲に加えて「Jet」が4曲目に11曲目に「Things We Said Today」がアンコール34曲目に「I Saw Her Standing There」が披露されました。「I Saw Her...」は「Get Back」と交互に演奏されていたものの、後の2曲は突然の披露でした。
「Jet」はウィングス時代からの定番曲でファンの人気も高い曲で、ウィングス時代の名曲「あの娘におせっかい」と交代となったようですが、個人的にはこちらを聴きたかった。でも、「Jet」なら納得です。もう1曲はザ・ビートルズ時代の「Things We Said Today」が「夢の人」と交代でした。こちらも以前のツアーで披露されていたので衝撃度は低かったものの、個人的にはこちらの曲の方が好きですね♪♪。
新譜からの4曲は日本公演前にアメリカやイギリスでのサプライズ・ギグで演奏していたのをYou Tubeでみていたので想定の範囲内でした。

ステージの構成としてはオープニングの「Eight Days A Week」は解散後初披露の曲で、掴みの一曲として相応しくファンの気分も最初から盛り上がりますねこれは。ここからの前半部はソロ、ウィングス時代の曲とザ・ビートルズ時代の曲を適度に混ぜて進み11~16はアコースティック・セットでポールもアコギに持ち替えています。
中盤に新譜から3曲を披露しながらもザ・ビートルズ時代の曲がここら辺から中心となり一気に進みます。鬼籍に入っているジョン、ジョージへの追悼曲としてザ・ビートルズ時代の曲が2曲と、ポールがジョンに捧げた「Here Today」を披露。「Something」は前半部はジョージのウクレレをソロで演奏、中間のギターソロ部分からポールはギターに持ち替える構成でした。
アンコール前で盛り上がったのは26~28と30~31の部分でした。26,27,31はポールと観衆の合唱がドーム内に響き30はウィングス時代からの定番ですが、ここではステージから炎が何度も爆発する演出で、ポールが歌い終わると「耳が聞こえないよ~」というオドケた表情がユーモラスでした。

アンコールの34は「Get Back」と交互で披露されているようです。ザ・ビートルズはこの曲で歴史が始まったのですが、50年前の曲を今でも違和感なく歌うポールはやはりスーパースターです。
2度目のアンコールはポールが一人でイエスタデイを歌い終わると、対照的な36でシャウトしまくり、37の通称アビー・ロード・メドレーで締めくくる約2時間40分のショウは幕となりました。このメンバーでのツアーはすっかり定着しているので、バンドメンバーも生き生きとして演奏し、ポールとの息も合っているようです。

明日の「VOL.2」ではポールのステージでの様子を中心にレポートします。


ボズ・スキャッグスの「二人だけ」(1976)

2013-01-05 12:41:13 | 音楽

◇私の好きな曲、~ボズ・スキャッグスの「二人だけ」♪ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【アーティストの略歴】
ボズ・スキャッグスといえば例えAOR界に詳しくない人でも、大体40代後半~50代半ば位の男性はリアル・タイムで聴いていた人も多いでしょう。最近ではすっかりAORとは関係無い所で活動しているのは、少々寂しい。
元々はスティーブ・ミラーやデゥアン・オールマンとの共演もある、1960年代の半ばから音楽活動をしているベテランだ。1970年代の半ばからAORの一人者として活動するものの、1980年代に入り8年位アルバムを出さない時期もあった。最近では自己のルーツのR&B系のサウンドを取り上げている。日本でも人気が高いアーティストの一人だ。
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【この曲について】『WE'RE ALL ALONE(二人だけ)』作詞:作曲/BOZ SCAGGS
▲この曲はボズの究極の一枚でありAORの名盤との誉れも高い、『SILK DEGREES』(1976)の最後を飾る10曲目に【WE'RE ALL ALONE】というタイトルで収録されている。
このアルバムがAOR時代の到来を告げたと言っても過言ではあるまい。実際にはこれより前にも既にAOR風のアルバムや曲は出ていたのは事実だが、完成度と商業性を兼ねたのはこれが最初ではないかな?。

♪さて本題のこの曲だが、ボズの曲と言えばやはりそのスイートなバラードが魅力である事は否定できない。そのボズの中でもこれは代表的な名バラードで、ボズのコンサートでも必ずアンコールやその前の重要な場面で演奏される。私が日本武道館でのコンサートを観た時もそうでした。
そしてこの曲は既にスタンダード・ナンバーとしても定着していて、多くのカバーを生み出し中にはジャズ系のアーティストにも取り上げられことさえある。

★この曲を演奏しているのはドラムスの故ジェフ・ポーカロ、ベースのデヴィド・ハンゲイト、キーボードのデヴィッド・ペイチであり後のTOTOのメンバーである。演奏面ではピアノの音色が綺麗で演奏を引っ張っていく役割を果たし、ボズのヴォーカルを優しく包んでいる。
曲調も内容もとてもロマンティックで、日本語タイトル見たいに恋人と『二人だけ』のシーンを演出する最高のBGMとなりうる。それも夜のドライヴのお供にこの曲とこのアルバムを持って行けば、最高な一夜を過ごせるでしょうね(自分は未経験ですがそんなシーンは...)。

■窓を閉じて、光を和らげて
 そうすれば全ては最高だね
  何も心配する事なんて無いんだよ
   悩みなんて解き放てば、その気になるように
    スタートが切れるさ■ 

これは私が勝手に自分の拙い英語力を駆使して、中間部分を訳して見ました。歌詞カードには随分と長たらしく意訳していたけど、自分ではこういう風に解釈しました。


【ヒット・チャート】
残念ながらこの曲は発売当時はシングル・カットされた形跡はありません。しかしこのアルバムからは6曲目の「LOWDOWN」がビルボード・チャートで三位を記録。9曲目の「LIDO SHUFFLE」が同じく11位を、7曲目の「IT'S OVER」が38位を記録しています。
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【最後に】
このアルバムにはこの曲以外にもいい曲が目白押しです。AORとはこういう風にアルバム全体で聞かせることが出来るのが特徴かな。勿論他の多くのアーティストも同様ですが、AORはシングル向きの曲を量産するタイプの音楽ではない。このアルバム見たいに一枚を通して聞いて、始めてその人のカラーが分かる。例えばホール&オーツは典型的なシングル・アーティストで一曲一曲の良し悪しが出るタイプの人たちです。

ボズのこのアルバムは一曲目の『WHAT CAN I SAY』からこの『WE'RE ALL ALONE』まで正に完璧な一つの流れが出来ている。従ってメリハリもあるし何度聞いていても飽きない、そんな素晴らしい一枚です。尚、このCDには2つのヴァージョンが存在します。一つはオリジナル通りの収録と、もう一つはボーナス・トラックとして3曲のライヴが収録されています。出来れば後者の方を購入されることをお勧めします。
まだ未聴の方には、AORに多少でも感心があるなら古典的なフレーズである『騙されたと思って』是非買って下さい。決して損はさせないアルバムですよ!。


ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスの「ビタースウィート・サンバ」(1965)

2012-11-11 11:06:13 | 音楽

【偉大なトランペッター、ヴォーカリスト、経営者】
ハーブ・アルパート(デビュー時はドア・アルパートと称した)を語る上で、彼の軌跡を辿ると1960年代初期にはトランペッターとしての活躍が始まる。だが程なく「アメリカン・ポップスとメキシコ音楽のマリアッチを融合させたアメリアッチ」音楽という独自のジャンルを構築する。ユダヤ系一家でありながら、カリフォルニア州というメキシコ移民の多い州で育った影響もあったのだろう。
余談ながらティファナ・ブラス結成前の「The Maltese Melody」(マルタ島の砂)はドイツ出身のバンド・リーダー、ベルト・ケンプフェルト作であるがこちらはイージー・リスニング風のアレンジながら素敵な佳曲だ。

その独自の音楽の表現手段として「Tijuana Brass」を結成し、一気にシーンを突っ走り他の追随を許さぬ活躍を1960年代は見せた。
その中でも「Bittersweeet Samba」は日本で人気の高い曲であり、その要因はラジオ放送のテーマソングとなったことも大きい。この曲は彼のトランペットを堪能出来る曲でもあり、どちらかと言えばラテン色よりはポップス色が濃く出ているサウンドにサンバを加えたような曲だ。それでも彼の当時の活躍を象徴するようなサウンドであることは間違いないし、この曲を聴いただけで当時を思い出す人たちも多いのではないだろうか?(私はこの番組聞いていませんでした)

さて、マリアッチ・サウンドを如実に表す曲と言えば他に「The Lonely Bull(El Solo Toro)」(悲しき闘牛)がある。1962年に発表したこの曲は、ファンファーレのようなイントロに闘牛場の歓声のようなS.E.がかぶさりラテン音楽風のサウンドが展開される。アレンジも終始ラテン調であるが、ハーブのトランペットは優しい音色を奏でこれぞ「アメリアッチ」と呼んで差し支えない究極のサウンドだ。「アメリアッチ」はまさに時代を先取りした「フュージョン・サウンド」でもあるのだった。これからティファナ・ブラスについて知りたい人は、まずこの曲から入ることをお薦めしたい。

幅広い活躍を見せていたハーブ・アルパートは1968年に名作曲家コンビ、バート・バカラック=ハル・デイヴィッドのコンビによる曲「This Guy's In Love With You」を発表する。インスト曲ばかり発表してきた彼だが、この曲は彼がこのコンビに愛妻ラニ・ホールへの思いを伝える為に書いてもらった。彼のホノボノとした大らかなヴォーカルは見事にシングル・チャートで1位に輝く快挙を成し遂げた。
1970年代に入ると表立った音楽活動からは一旦身を引く。そしてその間にティファナ・ブラス時代にハーブ・アルパート(A)は親友ジェリー・モス(M)と「A&Mレコード」を創設し社業に専念する。世に送り出したアーティストはカーペンターズ、キャロル・キング、ブライアン・アダムス、スティングなどだ。

満を持して1979年、当時流行のディスコ・サウンドを大胆に導入したフュージョン・アルバム「Rise」を発表した。そこにはティファナ・ブラス時代のアメリアッチ・サウンドは影を潜め影形もなくなり、時代にマッチした新たなサウンドを作った。この変身は見事に受け入れられ表題曲「Rise」はインスト曲ながら見事に1位を2週間獲得した。因みにこの曲は甥のランディ・バダスが書いた。
これで彼は前述のヴォーカル曲とインスト曲という2つのタイプの曲で1位を獲得する快挙を成し遂げた。


こうして見事なまでな復活を果たしたハーブは、成熟したラテン音楽とジャズを融合したフュージョンを作った。この頃のハーブはサントリーのレッド・ホットというウィスキー(記憶が正しければ)のCMに出演していた。このシリーズはハーブが白スーツに身を包みトランペットをプールサイドで吹くというCMだったがご存知だろうか?彼のファンだった自分はこのCMを見るのが楽しみだった。

現在のハーブはA&Mレコードを手放し「アルモ・サウンズ」(AL-MO=アルパートとモスの2文字から命名)というレコード会社を立ち上げ独自の活動をする一方で、古巣A&Mレコードからはティファナ・ブラス時代のレコードがCD化されているので是非買って彼の良さを味わって下さい。


ザ・ランナウェイズ「Cherry Bomb」(チェリー・ボム)

2011-03-26 18:40:09 | 音楽

1970年代の半ばに、日本で絶大な人気を誇った西海岸出身のガールズ・バンド「ランナウェイズ」の伝記映画が公開されている。映画の予告編を観た時から、ヴォーカルのシェリー・カーリーを天才少女子役のダコタ・ファニングが演じるとあって注目した。

ザ・ランナウェイズが日本で大人気だったのは、「チェリー・ボム」を引っ提げて来日公演を成功させた1977年だった。↓のYou Tubeの映像はまさに当時の日本公演の貴重な映像だが、これをみていても当時の熱狂が伝わってくるようだ。
 
 私は、ザ・ランナウェイズが来日した時は高校生だった。この時、人気を二分していたのは「クイーン」と「ベイシティ・ローラーズ」(古~い)だった。だが、この二組のロックグループに割って入って人気を博していたのがザ・ランナウェイズだった。この時の人気はすごかった。私は、特にファンでは無かったが、それでもその人気は社会現象化していて、シェリー・カーリーの挑発的な衣装は高校生には刺激が強過ぎた?残念ながらバンドは来日公演の最中にベースのジャッキー・フォックスが自殺未遂騒動を起こす等で(バンドは否定していた)帰国する等して騒動を起こしたが、それでも人気はすごかった。

「チェリー・ボム」はストレートなロックナンバーで、2分少々と短い時間ながらも強烈なビートとシェリーの凄みを利かせたヴォーカルで乳乳乳乳乳乳乳乳、チェリー・ボム!」と絶叫されてはたまらない。グループとしては全米規模のヒットを出せず、本国より日本での人気が先行してしまい、シェリーのルックスばかりに注目が集中し、日本公演から帰国後まもなくシェリーもジャッキーも脱退してしまった(その辺のいきさつは映画で描かれていた)。

グループはまもなく解散してしまい、シェリーは双子の姉妹マリーとデュオ名義でアルバムを発表したり女優として活動していた時期もある。ジョーン・ジェットはブラックハーツをバックに従え、苦労の末に「アイ・ラヴ・ロックンロール」の大ヒットを飛ばし、ソロでの成功が逆にランナウェイズの名前を知らしめることになった。
ジョーンと一緒にバンドを始めたドラムスのサンディ・ウェストは残念ながら数年前に肺がんで死去。リタ・フォードはソロ転向に成功しトップ10ヒットを飛ばしたが、最近の活動は分からない。ベースのジャッキー・フォックスは?分かりません。映画でも描かれていませんでした。

記録より、ガールズ・バンドの草分け的な存在として記憶に残るでしょう。


1985年の全米1位、ミスター・・ミスター「キリエ」

2011-01-06 00:00:00 | 音楽

ミスター・・ミスター「キリエ」

ミスター・ミスターは、元々ペイジスのメンバーだったリチャード・ペイジとスティーヴ・ジョージが、ペイジスを解散した後に、スティーヴ・ファリスとパット・マステロットを加えて1984年にデビューを果たす。
ペイジス時代にはリチャードもスティーヴも、ソングライターとしてもヴォーカリストとしてもAORシーンでは引っ張りだこだった。主に西海岸を中心に活動し、ペイジス解散後もTOTOやシカゴからの勧誘を振り切って、ミスター・ミスターの活動に賭けていた。

この「キリエ」は第1シングルとして発売された「ブロークン・ウィングス」が全米1位となった後の第2シングルとして、ヒットチャートを駆け上がるべくして駆け上がり、こちらも見事に1位を獲得し、連続1位を達成する快挙を達成した。

サウンドは彼ららしいダイナミックなロックサウンドで、産業ロックの要素をふんだんに取り入れテンポの良さもあって、ブロークン・ウィングス同様に耳に馴染みやすい曲である。
曲名の「キリエ」とは、「Kyrie Eleison」で神への呼びかけの時に使う言葉でもあるが、曲全体からは宗教的には決して聞こえない。1980年代の半ばに大ヒットを連発したミスター・ミスターだが、次作以降は大ヒットに恵まれることは無かった。それでも1980年代を代表するヒット曲であるのは間違いないし、私もこの曲は今でも大好きです。

 

【Kyrie】

The wind blows hard against this mountain side
Across the sea into my soul
It reaches into where I cannot hide
Setting my feet upon the road

My heart is old it holds my memories
My baby burns agem like flame
Somewhere between the soul and soft machine
Is where I find myself again

*CHORUS*

Kyrie Eleison
Down the road that I must travel
Kyrie Eleison
Through the darkness of the night
Kyrie Eleison
Where I'm going will you follow
Kyrie Eleison
On a highway in the light

When I was young I thought of growing old
Of what my life would mean to me
Would I have followed down my chosen road
Or only wished what I could be

*CHORUS*

Oh...Oh...Oh
Oh...Oh...Oh
Oh...Oh...Oh
Oh...Oh...Oh

*CHORUS*

Kyrie Eleison
Down the road that I must travel


ボニーM/怪僧ラスプーチン(1978)

2011-01-04 00:00:00 | 音楽

ボニーM/怪僧ラスプーチン(1978)

この曲は1978年に、西ドイツ(当時)のボニーMというディスコ・サウンドで一躍有名になったグループのヒット曲。ボニーMは、プロデューサーのフランク・ファーリアンが主導して結成されたグループというかユニット。
フランク・ファーリアンは、1980年代後半に「ミリ・ヴァニリ」を世に送り出した張本人でもあるが、グラミー賞新人賞を受賞した後に、口パクを自ら暴露して賞をはく奪されたという「事件」もあった。
当時、ディスコサウンドが全盛だった時代に、西ドイツでもミュンヘンを中心にこの手のダンスグループが盛んだった。因みに日本で1980年代初頭に大人気だった「アラベスク」は、ボニーMの成功に触発されたプロデューサーが作ったグループだ。
 
さて、この「怪僧ラスプーチン」はディスコブームに乗って、日本でもヒットした。
特に、この曲がヒットした1978年には「バビロン河」もイギリスで大ヒットを記録するなど、ディスコブームの風に上手く乗った。you tubeの映像のヒット回数も1200万回超と凄い回数で、この曲が今でも頻繁に流れている証拠だ。21世紀の今聴くと突拍子もないサウンドと感じるかも知れないが、当時はこれが流行のサウンドだった。
メンバーはファーリアンが自ら集め、結成当初の1975年頃はメンバーが固定しなかったが、メンバーが固定されたこの頃は、ヒット街道まっしぐらだった。
ワールド・ミュージックのようなサウンドとロシアの楽器を融合させた独特のサウンドが耳について離れない。

「怪僧ラスプーチン」のタイトルにもなっている「ラスプーチン」はロシアでの実在の人物であり、歌詞の中にあるように帝政ロシア皇帝一家に気に入られた正体不詳の人物である。
グループは派手な衣装に身を包む女性ヴォーカル陣と、その隣で軽快に?独特のステップを踏む男性ヴォーカリスト?のボビー・ファレルで構成。西ドイツ発信のグループながらメンバーはアフリカとカリブ海諸国出身だ。
しかし、その実態はファーリアンのユニットであり、ビデオでのボビー・ファレルの声も実際にはレコードで使用したファーリアンの声で口パクとのこと。そのボビー・ファレルは、残念ながらつい最近、12月30日、というから数日前にロシアのサンクトペテルブルグで急死したそうだ。

【Rasputin】
There lived a certain man in Russia long ago
He was big and strong, in his eyes a flaming glow
Most people looked at him with terror and with fear
But to Moscow chicks he was such a lovely dear
He could preach the bible like a preacher
Full of ecstacy and fire
But he also was the kind of teacher
Women would desire

RA RA RASPUTIN
Lover of the Russian queen
There was a cat that really was gone
RA RA RASPUTIN
Russia's greatest love machine
It was a shame how he carried on

He ruled the Russian land and never mind the czar
But the kasachok he danced really wunderbar
In all affairs of state he was the man to please
But he was real great when he had a girl to squeeze
For the queen he was no wheeler dealer
though she'd heard the things he'd done
She believed he was a holy healer
Who would heal her son

(Spoken:)
But when his drinking and lusting and his hunger
for power became known to more and more people,
the demands to do something about this outrageous man became louder and louder.

"This man's just got to go!" declared his enemies
But the ladies begged "Don't you try to do it, please"
No doubt this Rasputin had lots of hidden charms
Though he was a brute they just fell into his arms
Then one night some men of higher standing
Set a trap, they're not to blame "Come to visit us" they kept demanding
And he really came

RA RA RASPUTIN
Lover of the Russian queen
They put some poison into his wine
RA RA RASPUTIN
Russia's greatest love machine
He drank it all and he said "I feel fine"
RA RA RASPUTIN
Lover of the Russian queen
They didn't quit, they wanted his head
RA RA RASPUTIN

Russia's greatest love machine and so they shot him till he was dead

(Spoken:) Oh, those Russians...


詳報!ブルース・スプリングステイーン「闇に吠える街」(DXボックスセット版)

2011-01-02 00:00:00 | 音楽

3CD+3DVDの凄過ぎる中身


2年前に発売が予告されていたものの、新作発売のスケジュールを優先したことで延び延びになっていた「闇に吠える街」デラックス盤(定価14,700円)が遂にそのベールを脱いだ。
その中身はCDにして3枚、更にDVD3枚、8時間にも及ぶまさにこれぞ決定盤とも言える内容です。私は、Tレコードで予約し12/18に購入し、早速、リマスター盤とCD2&3を聴き、DVDは時間が長いので正月休暇の楽しみとして31日から今日まで少しずつ聴きました。
このアルバムは、ヒットシングルこそなかったが、この時期に書いたものの収録漏れとなりパティ・スミスとの共作「Because The Night」や、ポインター・シスターズが取り上げた「Fire」はヒットしました。

<CD1: REMASTERED DARKNESS ON THE EDGE OF TOWN>

01. Badlands / バッドランド
02. Adam Raised A Cain / アダムとケイン
03. Something In The Night / サムシング・イン・ザ・ナイト
04. Candy's Room / キャンディーズ・ルーム
05. Racing In The Street / レーシング・イン・ザ・ストリート
06. The Promised Land / プロミスト・ランド
07. Factory / ファクトリー
08. Streets Of Fire / ストリーツ・オブ・ファイヤー
09. Prove It All Night / 暗闇へ突走れ
10. Darkness On The Edge Of Town / 闇に吠える街

CD1は現代のテクノロジーを使用してのリマスター盤として登場。リマスター前の音源を持っている人でも、あらためてその魅力を堪能出来る一枚。

<CD2: THE PROMISE (DISC1)>

01. Racing In The Street ('78) / レーシング・イン・ザ・ストリート ('78)
02. Gotta Get That Feeling / ゴット・ゲット・ザット・フィーリング
03. Outside Looking In / アウトサイド・ルッキング・イン
04. Someday (We'll Be Together) / サムディ(ウィル・ビー・トゥゲザー)
05. One Way Street / ワン・ウェイ・ストリート
06. Because The Night / ビコーズ・ザ・ナイト

07. Wrong Side Of The Street / ロング・サイド・オブ・ザ・ストリート
08. The Brokenhearted / ザ・ブロークンハーテッド
09. Rendezvous / ランデヴー
10. Candy's Boy / キャンディーズ・ボーイ

<CD3: THE PROMISE (DISC2)>
01. Save My Love / セイヴ・マイ・ラヴ
02. Ain't Good Enough For You / エイント・グッド・イナフ・フォー・ユー
03. Fire / ファイア
04. Spanish Eyes / スパニッシュ・アイズ
05. It's A Shame / イッツ・ア・シェイム
06. Come On (Let's Go Tonight) / カム・オン(レッツ・ゴー・トゥナイト)
07. Talk To Me / トーク・トゥ・ミー
08. The Little Things (My Baby Does) / ザ・リトル・シングス(マイ・ベイビー・ダズ)
09. Breakaway / ブレイクアウェイ
10. The Promise / ザ・プロミス
11. City Of Night / シティ・オブ・ナイト

今回の目玉でもある2枚組「The Promise」は単独でも発売されます。ここでの収録曲は、70曲とも言われるレコーディング曲の内、本作には収録出来なかった曲を中心にして作られた。中にはライヴのレパートリーとしてファンの間では知られている曲や、前述のパティ・スミスに提供した曲も含まれている。
最大の目玉は、当時録音された中でも何故か収録漏れとなった表題曲で、Eストリート・バンドのメンバーも太鼓判を押していた。歌詞の内容が当時の自分の心境と近過ぎたからと本人は語っているが、本編に収録しても違和感は全く無い。
本人曰く、収録漏れ曲はポップでキャッチーな曲が多いのだが特徴で、アルバムの目指すコンセプトと一致しなかったからとの事だが、これだけグレードの高い曲を外すのだから、それだけ彼のソングライティングが充実していた証拠だ。

<DVD1: "THE PROMISE: THE MAKING OF 'DARKNESS ON THE EDGE OF TOWN'">
グラミー賞とエミー賞を受賞トム・ジムニー監督による90分に及ぶドキュメンタリー。スプリングスティーン&Eストリート・バンドの1976年から1978年までの未発表映像(自宅でのリハーサル、スタジオ・セッションなど)、ブルース本人やバンドメンバー、ジョン・ランダウ、マイク・アペルなどによって語られていく。今は亡きダニー・フェデリシのコメントも。
ここでは訴訟に関することも包み隠さず語っているが、当時の自宅でのリハーサル風景などは貴重だ。 

<DVD2:"DARKNESS ON THE EDGE OF TOWN (PARAMOUNT THEATER, ASBURY PARK, NJ,2009">
01. Badlands / バッドランド
02. Adam Raised A Cain / アダムとケイン
03. Something In The Night / サムシング・イン・ザ・ナイト
04. Candy's Room / キャンディーズ・ルーム
05. Racing In The Street / レーシング・イン・ザ・ストリート
06. The Promised Land / プロミスト・ランド
07. Factory / ファクトリー
08. Streets Of Fire / ストリーツ・オブ・ファイヤー
09. Prove It All Night / 暗闇へ突走れ
10. Darkness On The Edge Of Town / 闇に吠える街

1-10は現在のメンバーでアルバム収録曲を生演奏した映像。リマスター盤と比べるのも面白いと思う。

THRILL HILL VAULT (1976-1978)
01. Save My Love (Holmdel, NJ 76) / セイヴ・マイ・ラヴ
02. Candy's Boy (Holmdel, NJ 76) / キャンディーズ・ボーイ
03. Something In The Night (Red Bank, NJ 76) / サムシング・イン・ザ・ナイト
04. Don't Look Back (NYC 78) / ドント・ルック・バック
05. Ain't Good Enough For You (NYC 78) / エイント・グッド・イナフ・フォー・ユー
06. The Promise (NYC 78) / ザ・プロミス
07. Candy's Room Demo (NYC 78) / キャンディーズ・ルーム・デモ
08. Badlands (Phoenix 78) / バッドランド

09. The Promised Land (Phoenix 78) / プロミスト・ランド
10. Prove It All Night (Phoenix 78) / 暗闇へ突走れ
11. Born To Run (Phoenix 78) / 明日なき暴走

12. Rosalita (Come Out Tonight)(Phoenix 78) / ロザリータ

前半はブルースの自宅でのリラックスしたリハーサル映像など。後半の8~12は有名なフェニックスでのライヴ映像。12を除く4曲は初登場、ブルースの熱の入ったライヴを堪能出来る。

<DVD3: HOUSTON '78 BOOTLEG: HOUSE CUT>
01. Badlands / バッドランド
02. Streets Of Fire / ストリーツ・オブ・ファイア
03. It's Hard To Be A Saint In The City / 都会で聖者になるのはたいへんだ
04. Darkness On The Edge Of Town / 闇に吠える街
05. Spirit In The Night / 夜の精
06. Independence Day / 独立の日
07. The Promised Land / プロミスト・ランド
08. Prove It All Night / 暗闇へ突走れ
09. Racing In The Street / レーシング・イン・ザ・ストリート
10. Thunder Road / 涙のサンダー・ロード
11. Jungleland / ジャングルランド
12. The Ties That Bind / ザ・タイズ・ザット・バインド
13. Santa Claus Is Coming To Town / サンタが街にやってくる
14. The Fever / ザ・フィーヴァー
15. Fire / ファイア
16. Candy's Room / キャンディーズ・ルーム
17. Because The Night / ビコーズ・ザ・ナイト
18. Point Blank / ポイント・ブランク
19. She's The One / 彼女でなけりゃ
20. Backstreets / 裏通り
21. Rosalita (Come Out Tonight) / ロザリータ
22. Born To Run / 明日なき暴走
23. Detroit Medley / デトロイト・メドレー
24. Tenth Avenue Freeze-Out / 凍てついた十番街
25. You Can't Sit Down / ユー・キャント・シット・ダウン
26. Quarter To Three / クォーター・トゥ・スリー

映像盤で最大のウリがこのノーカットでのライヴ映像。これは1978年12月8日ヒューストンでのライヴで、映像は会場に流すためのものをそのまま使用している。従って、商品化を前提としていないので、照明は暗く多少見辛いが音声はしっかりしている。
映像は暗いが、会場でコンサートをみているような雰囲気で見られると思えば決してマイナスでは無い。このライヴは途中20分間の休憩をはさんで2時間55分にも渡り、当時のブルースのライヴの凄さを伝えてくれる。彼が、ライヴに来るお客さんを如何に大事にし、全力投球をしているかが窺い知れる。
収録曲は主に「闇に吠える街」「明日なき暴走」からが中心だが、まだ未発表だった「ザ・リバー」からも3曲、また、12月のライヴなので13のようなX'MAS曲もやったり、お得意のデトロイト・メドレーでは大いに盛り上がっている。

以上が、このDX盤の中身です。後は、ボスの来日公演が実現することを祈るだけですね。因みに私は、世界人権宣言40周年記念コンサートが東京ドームで開催された時に一度だけ行きました。但し、これは慈善ライヴなので1時間半の短縮版だったので、今度はEストリート・バンドを引き連れてのフルライヴを堪能したいです。その時は、万難を排して、会社を休んででも観にいきます。

P.S.ポール・マッカートニー&ウィングスの「バンド・オン・ザ・ラン」と立て続けにDX盤を購入したので、財布の中身がキツ~イです。


永遠の名曲/ラバーズ・コンチェルト(1965)

2010-12-02 00:00:00 | 音楽

ラバーズ・コンチェルト(1965)


「ラバーズ・コンチェルト」は1965年に、黒人女性3人グループ「The Toys」が発表して、ヒットチャート2位にまで上るヒットを記録した名曲です。


元々はクラシックのバッハの曲『メヌエット ト長調 BWV Anh.II/114』をベースに、アメリカのサンディ・リンザーとデニー・ランドルが、ポップソングとしてアレンジしたもの。
クラシックの名曲をポップスにアレンジする手法は珍しくは無いのですが、私もバッハがこの曲のベースと聞いていましたが、実はその原曲はバッハではなく同時代の作曲家クリスティアン・ペツォールトの曲であるとの説が正しいそうです。
このTHE TOYSが歌ってヒットしたラバーズ・コンチェルトは、その後、ジャズシンガーとして有名なサラ・ヴォーンや、ダイアナ・ロスが「シュープリームズ」時代にも歌っています。

THE TOYSのバージョンはアレンジも演奏もシンプル
で、リード・ヴォーカルに2人のコーラスが加わり、最後は3人でハモっています。シュープリームズも大体同じ流れですが、ダイアナ・ロスの歌唱力の方がTHE TOYSよりは勝っていると思います。
 
日本ではサラ・ヴォーンの歌声の方がCMソングとして起用されていた
ので、オリジナルのTHE TOYSのバージョンより有名な様です。サラ・ヴォーンはまるで男性が歌っているかのような歌唱法ですが、歌唱力もアレンジも見事に一体化していますね。
また、その後、日本でもザ・ピーナッツや薬師丸ひろ子なども歌っているそうで(私は当然ですがそれらのアルバム持っていません)、いまや、世界中でカバーされている名曲と言えるでしょう。
 

私は、オリジナルのTHE TOYSのバージョンをCDで持っています。と言っても、オリジナル・アルバムではなくて、「BILLBOARD TOP ROCK'N'ROLL HITS 1965」というコンピレーション・アルバムに収録されているものです。

<A LOVER'S CONCERTO 歌詞>

How gentle is the rain that falls softly on the meadow
Birds high above in the trees serenade the flowers with their melodies oh oh oh
See there beyond the hill the bright color of the rainbow
Some magic from above made this day for us
Just to fall in love

Now I belong to you from this day until forever
Just love me tenderly and I'll give to you every part of me oh oh oh
Don't ever make me cry through long lonely nights without love
Be always true to me kept it stay in your heart eternally

Someday we shall return to this place upon the meadow
We'll walk out in the rain
Hear the bird's above singing once again oh oh oh
*
You'll hold me in your arms and say once again, you love me
And if your love is true
Everything will be just as wonderful

(*Repeat)


バンド・オン・ザ・ラン スーパー・デラックス・エディション(3CD+DVD)

2010-11-14 00:00:00 | 音楽


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ポール・マッカートニーがザ・ビートルズ解散後、1971年に結成したWINGSは1982年に正式に解散(事実上1980年には解散状態でした)するまでポールのバンドとして一時代を築きました。
なかでもここに紹介する「Band On The Run」は1973年暮れに英国で発売され日本では1974年に発売された。ポールのザ・ビートルズ解散後の最高傑作と称され(ファンによっては異論もあるようですが)るアルバムで、グラミー賞も受賞した。
このアルバムは、その後の、WINGSのライヴやポールのソロ転向後のライヴにおいても、未だにこのアルバムの収録曲からの演奏は高い人気を誇っています。私も東京ドームにおいてポールのコンサートを何度か観ていますが、やはり、「Band On The Run」や「Jet」のイントロが耳に入った瞬間にぶっ飛びました。
さて、今回の豪華盤でのリイシューですが、ポールが所属レコード会社をコンコードへ移籍してことで、移籍に伴い原盤権も移ったことから、ポールのWINGS時代やソロ名義アルバムも、今後この形式で随時発売になるそうで、私の様な熱心なマニアには嬉しいニュースです。

ディスク:1(リマスター・アルバム)
1. バンド・オン・ザ・ラン
2. ジェット
3. ブルーバード
4. ミセス・ヴァンデビルト
5. レット・ミー・ロール・イット
6. マムーニア
7. ノー・ワーズ
8. ピカソの遺言
9. 西暦1985年

Disc1は通常のアルバム収録でリマスターが施されています。因みに、この収録曲順は英国盤使用です。今回、単独でも販売されています。

ディスク:2(ボーナス・オーディオ・トラックス)
1. 愛しのヘレン
2. カントリー・ドリーマー
3. ブルーバード (『ワン・ハンド・クラッピング』より)
4. ジェット (『ワン・ハンド・クラッピング』より)
5. レット・ミー・ロール・イット (『ワン・ハンド・クラッピング』より)
6. バンド・オン・ザ・ラン (『ワン・ハンド・クラッピング』より)
7. 西暦1985年 (『ワン・ハンド・クラッピング』より)
8. カントリー・ドリーマー (『ワン・ハンド・クラッピング』より)
9. ズー・ギャング

Disc2の1,2はシングル発売された音源で当時は2がB面でした。1は米国盤LPでは7と8の間に収録されましたが、これは米国盤のみの特例です。
3~8は未発表映像「One Hand Clapping」からの音源で、今まで何故か未発表になっていました。これに関してはDisc4で後述しますが、5,8はそのDisc4の映像盤においては未収録となっており、このDiscだけの貴重なテイクです。
9は英国発売のシングル「Band On The Run」のB面にだけ当時収録されていました。英国のTV番組のテーマ曲としてポールが提供したものですが歌なしのインスト曲です。

ディスク:3 (オーディオ・ドキュメンタリー)
アルバム制作秘話
Disc3は音声だけによるアルバム制作秘話です。以前、発売されたDLX盤と同じものですが、一度聴けば充分です。正直言って退屈でした。

ディスク:4(DVDボーナス・フィルム)
1. バンド・オン・ザ・ラン (ビデオ・クリップ)
2. マムーニア (ビデオ・クリップ)
3. アルバム・プロモ
4. 愛しのヘレン (ビデオ・クリップ)
5. ウイングス・イン・ラゴス(無音のモノクロ映像に「バンド・オン・ザ・ラン」の別ヴァージョンをBGMとして使用)
6. オスタレイ・パーク(アルバム・ジャケット撮影風景)

Disc4の1,2,4はPVでYou Tube等で普通にご覧になれます。3はアルバムの宣伝用に制作されたビデオ。5はアルバムを制作したナイジェリアのラゴスでの様子など。
6はアルバムジャケット撮影の様子。アルバムのジャケットにはウィングスのメンバー3人とジェームス・コバーンなど英国を代表する俳優が映っていますが、その撮影の様子です。

7. ワン・ハンド・クラッピング (TV放送用にアビイ・ロード・スタジオにて1974年8月に収録されたスタジオ・ライヴ)

【ワン・ハンド・クラッピング】収録曲
1.ワン・ハンド・クラッピングのテーマ
2.ジェット
3.ソイリー
4.C・ムーン
5.リトル・ウーマン・ラヴ
6.恋することのもどかしさ(メイビー・アイム・アメイズド)
7.マイ・ラヴ
8.ブルーバード
9.レッツ・ラヴ
10.オール・オブ・ユー
11.アイル・ギヴ・ユー・ア・リング
12.バンド・オン・ザ・ラン

 

13.死ぬのは奴らだ
14.西暦1985年
15.ベビー・フェイス

このDisc4の7は今回のスーパーデラックス盤の最大の目玉かも知れません。この映像は、このアルバム発売後に、ウィングスがアビーロード・スタジオにてTVスペシャル用に企画したもので、アルバム収録曲を含むレパートリーをスタジオで演奏したものです。
タイトルは「One Hand Clapping」で、マニアには当時からブートレグ(海賊盤)などで広く知られていて、映像も海賊版が広く出回っていたようです。私は、You Tubeの存在を知ってからこの映像の一部を見ていました。この映像がお蔵入りした理由は不明ですが、今回のDVD映像を観るとオリジナル・マスターが経年で変化したのか、それともマスター紛失でコピー版からの映像なのか微妙で、所々見苦しい点がありますが音質は問題ありません。

収録曲の中では9はペギー・リーへ提供した曲で、ここではポール一人だけの演奏シーンがあります。10と15も9と共にアルバム未収録曲で、11もポールがピアノで一人で演奏していますが、この曲はポールのソロ名義でシングル「Take It Away」に別テイクが収録されている。
14はアルバム「バンド・オン・ザ・ラン」収録曲で、こちらも演奏シーンはポール一人だけで。珍しくハンドマイクでレコード音源をバックに歌っている。

本来は今回収録された15曲とDisc2の音源の2曲以外にも未発表の映像が存在するのですが、完全版ではないようです。狭いスタジオでメンバーが窮屈そうに演奏している様子がメインですが、所々、メンバーやポールの音声が被ったり、休憩の合間のリラックスした表情なども観ることが出来ます。
ドラマーのジェフ・ブリトンが大好きな空手の道着を着用して演奏しているシーンは笑えます。彼のウィングス在籍は短期間でした。その彼の演奏を巡ってリンダが注文を付け、彼がそれを反省するシーンもありますが、その後、渡米してレコーディングの最中に他のメンバーといさかいを起こして脱退することになるので、何となく意味深に私は感じてしまった。

以上が、私が買った「スーパー・デラックス・エディション(3CD+DVD)」の中身で価格は12,000円でした。このアルバムは限定1万セットでの発売です。
約25.5cm×31.5cmのハードカヴァー・ブック・スタイルで約120Pの超豪華版です。国内盤は対訳が付録で付いているのですが、これを全部読むのは大変なので、少しずつ休日に読む予定です。シリアル・ナンバー付きで私のは「33797」でした。


私は奮発して買いましたが、「デラックス・エディション+DVD 限定盤」やDisc1と2だけのもあったりしますので、興味のある方はCDショップで確認して買った方が良いと思います。


アラベスク/「ハイ・ライフ」「ローラー・スター」(1980)

2010-10-22 00:00:00 | 音楽

「アラベスク」は、独仏混血でドイツ生まれのサンドラ・アン・ラウアー(Sandra Anne Lauer)、メキシコ系米国人でドイツ生まれのミシェーラ・ローズ(Michaela Rose)、ドイツ出身のジャスミン・エリザベス・フェッター(Jasmin Elisabeth Vetter)の3人のメンバーで構成された、当時の西ドイツ出身のグループ。
結成当時のメンバーから出産等の理由で2人が抜けて、サンドラとジャスミンが加入し固定したメンバーなってから売れ始めた。
[ハロー・ミスター・モンキー」が日本で大ヒットを呼んだことが、このグループの運命を決定づけた。本国西ドイツではパッとしなかったが、日本での活動をメインにしたことでシングル・ヒットを連発し、ノーランズと人気を二分した。
サウンド的には当時流行していたディスコ・サウンドで突き進み、下手にバラード路線へ歩まなかったことで集中的に売ることが出来た。バックのソングライターが作るサウンドは欧州的で、歌詞は全て英語で歌われているが簡単な歌詞で英語力の無い日本人でも簡単に歌詞を覚えられる手軽さも良かった。

リード・ヴォーカルのサンドラ(映像の中央)のルックスの良さと確かな歌唱力もアラべクスのウリだ。「ハイ・ライフ」は通算6番目のシングルとして「ローラー・スター」とのカップリングで発売された。スピード感があり親しみやすいメロディでヒットした。
当時はMTVが普及する前の時代だったので、彼女らの動く姿を見る機会は少なかったが、それでも来日時に音楽番組などに出演したのを覚えている。

 

「ローラー・スター」は「ハイ・ライフ」とのカップリング曲。タイトル通り、当時流行していたローラー・スケートをする素敵な男の子に恋する女心を表現している。
「ハイ・ライフ」同様に親しみやすく分かりやすいポップスで、今聴いてもヒット性充分の曲で、来日コンサートでも披露された。「He~y Heya!へ~イ、ヘヤ!」の掛け声と振りがキュートだ。アラべクスのビデオを観ていると、歌と共に振付もユニークで動きが早いが、振り付けは体操選手だったジャスミンが主に担当していたそうだ。

 


オリヴィア・ニュートン・ジョン/「マジック」(1980)

2010-10-21 00:00:00 | 音楽

前日に続いてオリヴィアを!「ザナドゥ」を折角取り上げたので、今日は同じサントラ盤に収録されている「マジック」を。

映画はこけてしまった「ザナドゥ」ですが、サントラ盤はそんな映画の不評を振り払うかのようにELOとの共演と言う話題性も呼んで大ヒットしました。表題曲は8位止まりだったものの「マジック」は見事に1位を獲得しました。私も、表題曲は確かに好きですが、どちらかと言えば「マジック」の方が好きですね。
ミディアム調のメロディ・ラインを持つこの曲、表題曲が持つ華やかさとは対照的にオリヴィアの落ち着いた雰囲気のヴォーカルがこの曲を引き立てています。

この曲は、AOR系のSSW(シンガーソングライター)ジョン・ファーラー作です。演奏にはそのジョン・ファーラーがギターとシンセサイザーとバックヴォーカルを担当し、ベースはTOTOのデヴィッド・ハンゲイトが弾いています。
ジョン・ファーラーは「フィジカル」ではプロデューサーとして参加し、この時代のオリヴィアを支えていた功労者ですね。
オリヴィアは当時31~32歳で日本でも人気がありました。若々しく可愛らしかったオリヴィアも今では62歳で、娘さんが後を追うように?音楽活動をしているそうです。

 


オリヴィア・ニュートン・ジョン/「ザナドゥ」(1980)

2010-10-20 00:00:00 | 音楽

オリヴィア・ニュートン・ジョンの久し振りの来日に合わせる形で、過去のアルバムがCD化されましたが、「ザナドゥ」は映画のサントラ盤という扱いなのと同時に、ELO(Electric Light Orchestra)との共演盤でもあることから見送られたのは残念。ザナドゥは文字通り映画のサントラ盤ですが、発売当時はLPの片面をELOとオリヴィアが分け合う形で収録され、表題曲だけが「共演」というスタイルでの販売でした。
当時、ELOはヒットを連発していたジェフ・リン中心のグループで、ザ・ビートルズに多大な影響を受けたジェフ・リンがグループ名にあるようにオーケストラのようなポップサウンドでディスコ・ブームに乗ってヒットを飛ばしていた。

そんなELOに対してオリヴィアは「カントリー・ロード」「ジョリーン」など、フォーク・カントリー系のサウンドで売れ始め、映画ではジョン・トラヴォルタとの共演で「グリース」に出演し、続く映画路線として選んだのがELOとの共演になる「ザナドゥ」だった。

 

さて、この映画が公開されたころ、私は大学生でしたが映画は観ませんでしたが、主題歌「ザナドゥ」は日本でもアメリカでもヒットしました。アメリカでは最高位8位でした。サウンド的には、ELO丸出しの曲調で、ジェフ・リンらしい音作りで分厚く音を重ねて、そこにヴォーカルを被せるスタイルは健在。アップテンポでポップなメロディとオリヴィアの可愛らしい声は良くマッチしていると思う。純粋にオリヴィアを好きな人には、戸惑うようなジェフ・リンの曲調ですが、一度聴いたら忘れられないような明るい曲調で、その後の彼女のコンサートなどでも歌われています。

この曲を有名にしたのはオリヴィアの歌ですが、作者であるジェフ・リンのELOバージョンも存在するようです。サントラ盤には収録されていないこのテイク、You Tubeで聴くことが出来ます。
どうやら2000年に発表されたそうで、両者を比較しても違いは少ない。オリヴィアの歌の方が華やかさがあり、ELOのバージョンはリズムが多少強調されている。
サントラ盤としては大ヒットしたのですが、映画自体の興行成績も評判もイマイチで、オリヴィアはこれを最後に映画から撤退しました。

 


AORの名盤~ジミー・ウェッブの「エンジェル・ハート」(1982)

2010-10-13 00:00:00 | 音楽

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<曲目>
1. Angel Heart/エンジェル・ハート 

2. God's Gift/神の贈り物
3. One Of The Few/雨あがりの朝
4. Scissors Cut/シザーズ・カット
5. Work For A Dollar/ワーク・フォー・ア・ダラー
6. His World/ヒズ・ワールド
7. Our Movie/想い出のシーン
8. Nasty Love/ナスティー・ラヴ
9. In Cars/美しき若葉の頃
10. Old Wing Mouth/オールド・ウィング・マウス

Musicians:

Drums
:Jeff Porcaro
Percussion:Fred Mollin,Victor Feldman
Bass:Bob Glaub,Dean Cortese,Lee Sklar
Guitar:Steve Lukather,Dean Parks,Fred Tackett
Keyboards:Jimmy Webb,David Paich,David Foster,Matthew McCauley
Trumpets:Jerry Hey
Background Vocal:Matthew McCauley,Fred Mollin,Gerry Beckley,Michael McDonald,Leah Kunkel,Graham Nash,Kenny Loggins,Valerie Carter,Daryl Hall,Stephen Bishop

最近、AORのリイシューが目白押しでAORファンとしては嬉しくて涙が出そう?です。
中でもスティーヴィー・ウッズの3枚、マーク・ジョーダンの「ブルー・デザート」と併せて、SSW(シンガー・ソングライター)でもあるジミー・ウェッブの「エンジェル・ハート」も目玉と言えるでしょう。SSWとして今でも活動をしているジミー・ウェッブですが、このアルバムが発表された1982年はAOR真っ盛りのころです。
SSWらに取ってAORの大流行はむしろ歓迎されるムーブメントだったと言える時代で、他のフィールドのアーティストへの楽曲提供で名前を売るチャンスでしたからね。さて、このアルバムはSSWらしく、10曲全てが彼の作品で占められています。そこはSSWとしても名高いだけあって、アルバム全体と通してもメリハリが利いています。

6曲目の「His World」はTOTOのメンバーにデヴィッド・フォスターもピアノで参加していてTOTOサウンドそのものの様な感じがします。スティーヴ・ルカサーのギターも唸っています。
4曲目の「Scissors Cut」はアート・ガーファンクルに提供した曲でもあるけど、ここではグラハム・ナッシュがバックヴォーカルで参加している。
7曲目の「Our Movie」ではリア・カンケルとここでもグラハム・ナッシュのコーラスが上手くハマっている。
9曲目の「In Cars」でのビーチ・ボーイズ風のコーラスを試すなど工夫しているようだ。
バックで支えるミュージシャンもクレジットを見れば分かるように西海岸系のビッグネームが揃っている。TOTOのデヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ルカサーはギターで、ドラムスのジェフ・ポーカロは全曲であのグルーヴを聴かせてくれる。

他にもデヴィッド・フォスターや、バックヴォーカルではダリル・ホール(ホール&オーツ)、ケニー・ロギンス、マイケル・マクドナルド(ドゥービー・ブラザーズ)、ヴァレリー・カーター、リア・カンケル、スティーブン・ビショップなどのビッグネームが名を連ねている。まさに、錚々たるメンツである。
さて、このアルバム元々は1978年に作成する予定が、諸事情により延び延びとなり録音は1980年に終わりながらも発売は1982年になってしまったそうだ。

我々は単に1982年に発売されたAORアルバムと思っていたが、でも、これだけの充実した内容ながらもセールスは芳しくなくシングルヒットも生まれなかったそうだ。

Musicians:

Drums
:Jeff Porcaro
Percussion:Fred Mollin,Victor Feldman
Bass:Bob Glaub,Dean Cortese,Lee Sklar
Guitar:Steve Lukather,Dean Parks,Fred Tackett
Keyboards:Jimmy Webb,David Paich,David Foster,Matthew McCauley
Trumpets:Jerry Hey
Background Vocal:Matthew McCauley,Fred Mollin,Gerry Beckley,Michael McDonald,Leah Kunkel,Graham Nash,Kenny Loggins,Valerie Carter,Daryl Hall,Stephen Bishop

最近、AORのリイシューが目白押しでAORファンとしては嬉しくて涙が出そう?です。
中でもスティーヴィー・ウッズの3枚、マーク・ジョーダンの「ブルー・デザート」と併せて、SSW(シンガー・ソングライター)でもあるジミー・ウェッブの「エンジェル・ハート」も目玉と言えるでしょう。SSWとして今でも活動をしているジミー・ウェッブですが、このアルバムが発表された1982年はAOR真っ盛りのころです。
SSWらに取ってAORの大流行はむしろ歓迎されるムーブメントだったと言える時代で、他のフィールドのアーティストへの楽曲提供で名前を売るチャンスでしたからね。さて、このアルバムはSSWらしく、10曲全てが彼の作品で占められています。そこはSSWとしても名高いだけあって、アルバム全体と通してもメリハリが利いています。

6曲目の「His World」はTOTOのメンバーにデヴィッド・フォスターもピアノで参加していてTOTOサウンドそのものの様な感じがします。スティーヴ・ルカサーのギターも唸っています。
4曲目の「Scissors Cut」はアート・ガーファンクルに提供した曲でもあるけど、ここではグラハム・ナッシュがバックヴォーカルで参加している。
7曲目の「Our Movie」ではリア・カンケルとここでもグラハム・ナッシュのコーラスが上手くハマっている。
9曲目の「In Cars」でのビーチ・ボーイズ風のコーラスを試すなど工夫しているようだ。
バックで支えるミュージシャンもクレジットを見れば分かるように西海岸系のビッグネームが揃っている。TOTOのデヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ルカサーはギターで、ドラムスのジェフ・ポーカロは全曲であのグルーヴを聴かせてくれる。

他にもデヴィッド・フォスターや、バックヴォーカルではダリル・ホール(ホール&オーツ)、ケニー・ロギンス、マイケル・マクドナルド(ドゥービー・ブラザーズ)、ヴァレリー・カーター、リア・カンケル、スティーブン・ビショップなどのビッグネームが名を連ねている。まさに、錚々たるメンツである。
さて、このアルバム元々は1978年に作成する予定が、諸事情により延び延びとなり録音は1980年に終わりながらも発売は1982年になってしまったそうだ。

我々は単に1982年に発売されたAORアルバムと思っていたが、でも、これだけの充実した内容ながらもセールスは芳しくなくシングルヒットも生まれなかったそうだ。

 


ハワイアンAORの名盤、レイ・グーリアック「ホーム・アウェイ・フロム・ホーム」(1979)

2010-10-05 00:00:00 | 音楽

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<曲目>
1. Goodbye Aloha
2. Dream Lady
3. Making Amends
4. Love Is All
5. See
6. Take Good Care (of your time)
7. Maui On My Mind
8. Hold Her Own
9. All Alone
10. Home Away From Home
11. Such A Mess
12. Laugh Too Loud

インディアナ州出身のレイ・グーリアックが1979年に故郷で録音したアルバムだが、内容は自身が1976年からしばらくの間滞在していたハワイのマウイ島への賛歌として作られた。従って、このアルバムはハワイ出身者が制作したハワイアンAORとは純粋な意味では異なるのだが、内容的には十分ハワイアンAORとして通用する中身になっている。
アルバム収録曲は全てレイ自身によるもので、演奏も本人が殆ど全ての楽器(ギター、ベース、ピアノ、ドラムス、シンセサイザーなど)をプレイし、バック・コーラスも彼自身の声による多重録音で処理されている。

1曲目はいきなり軽快なリズムに乗せて歌っているが、中身はハワイへの感謝を示している。ラリー・リー辺りのサウンドに少し近い雰囲気を感じる。
2曲目はタイトルの様に何だか夢の中を漂っているような感じで、フォーク調のアコギがメロディ・ラインを牽引している。
3曲目は、こちらも軽快なサウンドでカントリー・ロック風でコーラス・ワークも爽やかだ。
4曲目は、どことなくマッタリとしたムードが漂い、レイの歌声もここではロック調である。
5曲目は、全曲同様ここではハワイの風は感じられず、どちらかと言えばサザンロック風の曲調である。レイによる一人多重録音びよるヴォーカル・ハーモニーが耳に付く。
6曲目は、アコギによる軽快なリズムが終始流れとレイのゆったりとしたヴォーカルとバック・コーラスが絡む。ギターのメロウなリズム・パターンが心地良い。
7曲目は、このアルバムのハイライト的な曲。マウイでの快適な生活をそのまま歌詞にした、レイによるマウイ賛歌と言って良いだろう。曲調は全曲と似ている。
8曲目は、一転してアップテンポなポップスでレイのヴォーカルも再びロック調に変わる。
9曲目は、トロピカルなナンバーながらもボザノヴァを感じさせるまったりムードの曲。レイが演奏しているのか判らないが、ホーンセクションが随所に絡む。
10曲目は、アルバムの表題曲。生まれ故郷から遠く離れたマウイ島での生活について吐露している。メロディ・ラインはピアノとアコギでリズムを形成したシンプルな曲。
オリジナル・アルバムは10曲収録だが、今回の再発盤では2曲のボーナス・トラックが追加収録されている。
11曲目は、ウェスト・コースト・ロック風のサウンドで中間部でのギター・ソロがロック色を強めている。ハワイを感じさせない曲で、ラストはいきなり終わる。
12曲目は、波音のSEで始まり同じSEで終わる。ソプラノ・サックスの音色が印象的。


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