米国の映画の祭典「第84回アカデミー賞授賞式」がロサンゼルスで開催され、作品賞はモノクロ作品の「アーティスト」(ミシェル・アザナビシウス監督)が受賞した。フランス映画がアカデミー賞の作品賞を受賞するのは史上初。同作は作品賞のほか監督賞、主演男優賞、衣装デザイン賞、作曲賞の5部門を獲得した。
最多11部門ノミネートだった「ヒューゴの不思議な発明」(マーティン・スコセッシ監督)は、美術賞、撮影賞、音響編集賞、視覚効果賞、録音賞の5部門を受賞した。
■第84回アカデミー賞全受賞結果
【作品賞】『アーティスト』
【監督賞】ミシェル・アザナビシウス『アーティスト』
【主演男優賞】ジャン・デュジャルダン『アーティスト』
【主演女優賞】メリル・ストリープ『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
【助演男優賞】クリストファー・プラマー『人生はビギナーズ』
【助演女優賞】オクタビア・スペンサー『ヘルプ 心がつなぐストーリー』
【脚本賞】『ミッドナイト・イン・パリ』
【脚色賞】『ファミリー・ツリー』
【撮影賞】『ヒューゴの不思議な発明』
【編集賞】『ドラゴン・タトゥーの女』
【美術賞】『ヒューゴの不思議な発明』
【衣装デザイン賞】『アーティスト』
【メイクアップ賞】『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
【視覚効果賞】『ヒューゴの不思議な発明』
【録音賞】『ヒューゴの不思議な発明』
【音響編集賞】『ヒューゴの不思議な発明』
【作曲賞】『アーティスト』
【歌曲賞】“Man or Muppet”『マペッツ』
【長編アニメ映画賞】『ランゴ』
【外国語映画賞】『別離』(イラン)
【長編ドキュメンタリー賞】『UNDERFEATED(原題)』
【短編ドキュメンタリー賞】『SAVING FACE(原題)』
【短編実写映画賞】『THE SHORE(原題)』
【短編アニメ賞】『THE FANTASIC FLYING BOOKS OF MR.MORRIS LESSMORE(原題)』
今年度のアカデミー賞は「ヒューゴ...」と「アーティスト」の一騎打ちとの下馬評が高かったが、結果は上記の通り「アーティスト」が作品、監督、主演男優の主要3部門を含む5冠を達成したのは凄い。一方のマーティン・スコセッシ監督作「ヒューゴ...」も5冠を達成したが、こちらは技術系部門を中心とした受賞で主要部門での受賞は逸した。
主要部門では大女優メイル・ストリープが主演女優賞を2度目の受賞、助演男優賞はカナダ出身のクリストファー・プラマーが82歳での最高齢での受賞だった。私はつい先日、受賞作の「人生はビギナーズ」を観てきたが、受賞は妥当な線だと思います。その他では現在公開中の「ドラゴン・タトゥーの女」が編集賞を受賞した。
残念なのは何時もの事だが主要部門受賞作品の「アーティスト」「ヘルプ、こころがつなぐストーリー」「マーガレット・サッチャー...」も未公開で今後順次公開される予定で、「ヒューゴ...」は3月1日公開でこの日は1000円で観賞出来る日なので平日でもかなりの混雑が予想される。
日本の配給会社はアカデミー賞が有力視される作品の公開時期をワザと春休みからGWの間に公開するのが慣わしのようだ。本当はもっと早く公開できる筈なのに、興行を考えてワザとずらすのは納得出来ない気持ちが強い。良い映画は早く観たいのが心情であり、せめてアカデミー賞発表前に公開してもらいたい。予告編は4~6か月前から流すのに本公開まで長過ぎる!