kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『人生の特等席』を観て

2012-12-16 18:39:30 | アメリカ映画 2012

12-99.人生の特等席
■原題:Trouble With The Curve
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:111分
■観賞日:12月14日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ
■料金:0円(1カ月フリーパス)

 

□監督・製作:ロバート・ロレンツ
◆クリント・イーストウッド(ガス)
◆エイミー・アダムス(ミッキー)
◆ジャスティン・ティンバーレイク(ジョニー)
◆ジョン・グッドマン(ピート・クライン)
◆マシュー・リラード(フィリップ・サンダーソン)
◆ロバート・パトリック(ヴィンス)
◆ジョー・マッシンギル(ボー・ジェントリー)
【この映画について】
クリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』以来4年ぶりの主演作となるハートウォーミング・ストーリー。年老いたメジャーリーグのスカウトマンと、わだかまりを感じつつも父親の最後の旅に同行することになったひとり娘との絆を描く。娘役を演じるのは、アカデミー賞で3度のノミネート歴があるエイミー・アダムス。(この項、MovieWalkerより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
家庭を顧みず、メジャーリーグ・アトランタ・ブレーブスのスカウトマンとして生きてきたガスは長年大リーグの名スカウトとして腕を振るってきたが、ここのところ年のせいで視力が衰えてきていた。
彼の最後のスカウトの旅に手を貸したのは、父との間にわだかまりを感じ続けてきたひとり娘のミッキーだった。妻を亡くし、男手ひとつで育てようとして育てられなかった父娘の旅の最後にそれぞれが見つけた人生の特等席とは……。

一方の娘は法律事務所で多忙を極め実績も上げて共同経営者への道を進み、現在の仕事を成功に導けば大きく前進するのだった。ミッキーはスカウト仲間のクラインからの要請もあって、多忙な時間を割いてガスの様子を見ることになる。ガスは球団から、ドラフトの有望株で高校生強打者のボー・ジェントリーの獲得の為の調査をしている。
年老いてきたガスは、あくまでもPCを使わずに自ら球場に足を運んでプレイを観察するスタイルを頑固なまでに貫くが、球団上層部の中にはそんな彼のスタイルに疑問を呈する視線がある。
視力の衰えを感じているガスだが、彼には長年のスカウト活動で培った彼独自の視点がある。そんな父を幼少時に一緒に球場巡りをしていたミッキーは今でも野球オタクで、選手を見る目も女性ながらしっかりしている。
肝心のジェントリーだが、相変わらず強打者ぶりを発揮しているが、メジャー入りして大金を稼ぐことを信じて疑わないその尊大な態度がガスには気になっている。だがドラフトが近付くにつれ彼の人気は高まり、球団内部でも指名が検討されている。

そのジェントリーを巡っては、ガスがかつて目にかけて指名したジョニーが今ではレッドソックスのスカウトとして活動していて、こちらもジェントリー指名に向けて調査に熱が入っている。そのジョニーとミッキーが何時の間にか良い仲になり...。
いよいよ球団本部で指名選手を選定する段階になり、ガスは球団が推すボー・ジェントリー指名を回避するべきだと主張するが受け入れられない。逆にレッドソックスはガスがジョニーに進言したとおりボー・ジェントリー指名を回避する。

ボー・ジェントリー指名に成功したブレーブスだったがこれで終わらなかった。ミッキーがモーテルで偶然に見つけた長身の左腕投手を連れて来て、ボー・ジェントリーの打撃投手として対決させた。そこで、この長身投手が投げたカーブを全く打てなかった(Trouble with the Curve)。
この投手こそ、ボー・ジェントリーが球場で尊大な態度を取っていたピーナッツ売りだった。そう、ガスは打球の音でこの高校生打者がカーブを打てないことを見抜いていたのだった。球団幹部の前での打撃練習で醜態を晒したことで、ボー・ジェントリーを進言したスカウトは解雇された。

ミッキーは仕事に戻り、彼女の代わりをその間務めていた男性は降格となり、彼女が再び最前線に戻った。そして、父と娘の絆も戻った。

この作品ではC・イーストウッドが愛弟子の監督デビュー作品に主演として出演した。メジャーリーグの老スカウトであり、一人娘ミッキーとの交流について描かれている。ミッキーは子供の頃に母を亡くしており、スカウト活動で多忙だった父とは疎遠だったことで気持ちもすれ違ったままだった。そんな父娘の心の交流の復活に一役買ったのが「野球」だった。
男性も叶わない豊富な野球知識、父がマウンドから投げる投球をいとも簡単に弾き返すセンス、父譲りの選手を観察する能力はずば抜けていた。野球がアメリカでは生活の一部として定着している姿を改めて感じさせた、サッカーではなくてね!そのミッキーを演じたエイミー・アダムスの演技も良かったが、そもそも「ミッキー」という名前は名選手ミッキー・マントル(男ですよ)に因んで名づけたそうだ。


映画『HICK-ルリ13歳の旅』を観て

2012-12-09 22:16:56 | アメリカ映画 2012

12-97.HICK-ルリ13歳の旅
■原題:Hick
■製作年・国:2011年、アメリカ
■上映時間:95分
■観賞日:12月8日、ヒューマントラストシネマ渋谷(渋谷)
■料金:1,800円

 

□監督・脚本:デリック・マルティーニ
□脚本:アンドレア・ポーテス
◆クロエ・グレース=モレッツ(ルリ)
◆ブレイク・ライヴリー(グレンダ)
◆エディ・レッドメイン(エディ)
◆ジュリエット・ルイス(タミー)
◆ロリー・カルキン(クレメント)
◆アレック・ボールドウィン(ボウ)
【この映画について】
『キック・アス』『モールス』などで人気のクロエ・グレース・モレッツが初の単独で主演を果たした青春ロードムービー。両親の蒸発により居場所をなくした13歳の少女が憧れのラスベガスに向かう旅の途中、さまざまなトラブルに遭いながらも大人へと成長していく姿を描く。
共演者にはテレビドラマ「ゴシップガール」のブレイク・ライヴリー、『マリリン 7日間の恋』のエディ・レッドメインら多彩な顔ぶれがそろう。ラスベガスに行きたいと強く願い行動を起こす少女を演じるクロエの熱演に引き込まれる。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
アメリカ中西部のネブラスカ州。荒廃した農村地帯に住むルリ・マクマレンは、13歳の誕生日を迎えたばかりの少女。テレビで映画を見ることと絵を描くことが大好きだが、トラブルを抱えたアル中の両親からは相手にされず、友だちもない彼女は、熱心な映画鑑賞が育んだ想像力で現実逃避しながら、孤独で退屈な日々を送っていた。
そんなある日、母と父が何も言わず、立て続けに突然蒸発する。1人残されたルリは、家を出て憧れの地ラスベガスに向かうことを決意。映画のような光り輝く夢の場所に行けば、自分を愛し、助けてくれる人と出会えるはずだと信じ、誕生日に貰った拳銃“スミス&ウェッソン45口径”を手に、ヒッチハイクを始める。

幸先よく出会ったのは、童顔で片足が不自由な流れ者の青年エディ。だが、車に乗せてもらうと、当初は愛想が良かったエディの態度が次第に豹変し、気まぐれな性格が明らかになってくる。やがて口論となり、恐ろしくなったルリは辛うじて車から脱出。誰もいない僻地のど真ん中で野宿する羽目に。
そしてある朝、どこか悲しげでセクシーな女性グレンダと出会う。ルリは彼女の車に同乗させてもらい、絆を深めながら、西に向かって車を飛ばす。ある街で、グレンダのリッチな恋人の家に辿り着くと、そこでルリはエディと再会。和解した2人は一緒に買い物に出かけるが、再びエディが本性をむき出しにしてくる。果たしてルリは、エディから逃げ切ることができるのだろうか……?そして、夢のラスベガスに無事辿り着くことができるのだろうか……?

ダコタ・ファニングの次の子役スターであるクロエ・グレース=モレッツ主演作であることから観に行った。結果だけを言えばストーリー構成が散漫だった印象が強い。両親の愛情を受けることなく蒸発してしまったことで、13歳ながらヒッチハイクで夢のラスベガスへ向かう決意をしたルリを演じている。
ヒッチハイク途中で車に乗せてもらったエディ・レッドメイン演じるエディだが、最初は好青年っぽい雰囲気でルリも気にいった様子だったが、こいつの本性が表面化するにつれルリの身に危険が?迫る。エディを巡ってはグレンダという女性との関係も浮上するなどでトラブル発生。
少女から大人の女性への変身を急ごうとするルリだったが、大人の世界は13歳の彼女にはまだまだ未知で危険な世界だった。豹変したエディに監禁されたりで、最後はグレンダとエディのトラブルに巻き込まれエディがグレンダを射殺すると、すかさずそのエディをルリが持参した銃で射殺する展開に。
それでも射殺現場となったコテージの管理人ボウが二人の争いにルリが巻き込まれたことにしてもらいルリに罪が及ぶ事は無かった。田舎者(HICK)ルリは戻る決意をしてバスに乗るが、急遽ロスへと行くことになりジ・エンド。

中途半端なロードムービーになってしまったのは脚本の構成に捻りが足りなかったのと、子役スターである彼女を主役に据えるなら脇役の配役もそれなりのキャリアのある俳優が必要だった。


映画『リンカーン/秘密の書3D』を観て

2012-11-15 23:02:02 | アメリカ映画 2012

12-88.リンカーン/秘密の書3D
■原題:Abraham Lincoln Vampire Hunter
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:105分
■字幕:松浦美奈
■観賞日:11月14日、TOHOシネマズ渋谷
■料金:1,300円

 

□監督・製作:ティムール・ベクマンベトフ
◆ベンジャミン・ウォーカー(エイブラハム・リンカーン)
◆ドミニク・クーパー(ヘンリー・スタージス)
◆アンソニー・マッキー(ウィル・ジョンソン)
◆メアリー・エリザベス・ウィンステッド(メアリー・トッド・リンカーン)
◆ルーファス・シーウェル(アダム)
◆マートン・ソーカス(ジャック・バーツ)
◆ジミ・シンプソン(ジョシュア・スピード)
◆ジョセフ・マウル(トーマス・リンカーン)
◆ロビン・マクリーヴィー(ナンシー・リンカーン)
◆エリン・ワッソン(ヴァドマ)
【この映画について】
ジョニー・デップとのタッグでおなじみのティム・バートンが製作を務め、『ウォンテッド』のティムール・ベクマンベトフがメガホンを取ったアクション。第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンがヴァンパイアを退治するハンターだったという奇想天外な設定のもと、人類の存亡を懸けたバトルが壮大なスケールで展開する。
『父親たちの星条旗』などのベンジャミン・ウォーカーが、知られざる秘密と使命を抱えたリンカーンを快演。銃を仕込んだ特製おのを振り回し、アクロバティックなアクションを次々と見せてくれる。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
開拓農民の家に生まれ育ったリンカーンは、最愛の母を死にいたらしめた地元の名士、ジャック・バーツを少年時代から憎んでいた。だが富豪の青年ヘンリー・スタージスから、バーツが強大な権力を持つヴァンパイアであることを教えられ、リンカーンは驚愕する。

ヘンリーは、ヴァンパイアたちがいかにアメリカ社会に溶け込んでいるかを話し、「彼らを殺すハンターにならないか」とリンカーンに持ちかける。復讐の決意を新たにしたリンカーンは、少年時代から使い慣れた斧をハンターの武器として選択。ヘンリーの下でトレーニングを積み、戦いのテクニックを身につけていく。

1837年、ハンターとして独り立ちしたリンカーンは、イリノイ州スプリングフィールドに移住。昼間はジョシュア・スピードの雑貨店に勤めながら、夜ごと“狩り”をする生活を始める。その二重生活の中で、メアリーと恋に落ちるリンカーン。さらに幼なじみのウィルと再会して友情を温め直し、やがてリンカーンはメアリーと結婚する……。
ヴァンパイアの首領アダムは、腹心のヴァドマの報告から、リンカーンがバーツを殺したことを知り、ウィルを囮に使い、自身のプランテーションにリンカーンをおびき寄せる。そこでリンカーンは、奴隷たちがヴァンパイアの食事として供される光景を目撃、斧一本でウィルを救い出すが、ヴァンパイアを滅ぼすには彼らの食料供給の隠れ蓑になっている奴隷制度を廃止しなければならないと考える。
リンカーンは、奴隷解放運動の推進役として政治家の道を歩み出し、やがて大統領に就任、斧を封印してホワイトハウスの住人となる。ほどなくして、南北戦争が勃発、南軍の影にヴァンパイアの存在を感じたリンカーンは、北軍の勝利の日まで戦い抜こうと決意するのだった……。

アメリカで最も有名な偉人の一人でもあるリンカーン大統領を主人公に、しかも、実は母がヴァンパイアに殺され復讐を誓い勉強の末に大統領へ登りつめて、ヴァンパイアの「食料源」である黒人奴隷を解放することでヴァンパイアの息の根を止めようとしたという発想が凄い。
しかも、リンカーンの少年時代から法律を学ぶ為に田舎の店でアルバイトしながら生活を営み、ヴァンパイア・ハンターとしての修行もしながら遂には大統領の座を掴むまで、と人生の全てを網羅するヴォリュームには圧倒された。
リンカーンを巡っては彼にハンターとしての腕を磨く上でヘンリーが右腕となり、幼馴染のウィルと共に彼を支える存在になった。ただスピードだけは最後の最後で彼を裏切る側に回ってしまう。
そしていよいよハンターとしてのスゴミを身に付けた彼は、ヴァンパイアの首領アダムとの壮絶な戦いに挑む。これが南北戦争となったとの設定で、最後はヴァンパイアの弱点である「銀」が鍵になった。リンカーンは銀を大量に手に入れ、北軍は銀の球を南軍のヴァンパイア達に打ち込み破滅させ勝利を握った。

ラストシーンは平和になったホワイトハウスから、リンカーンは妻と共に劇場へと向かい、ここで冒頭と繋がる形でジ・エンドとなる。歴史ではこの後、リンカーンは劇場で暗殺されることになるのだが、ここではそのシーンは無い。

中々スピード感のある展開で、確かに奇想天外なファンタジー映画ではあるものの、歴史的事実に基づいた形でのフィクションなのがミソだ。また、3D映像も見応えがあり、アダム率いるヴァンパイア軍団とリンカーンとの馬上での戦闘シーンやラストの大統領になっての列車でのクライマックス・シーンは迫力があった。
リンカーンを演じたベンジャミン・ウォーカーは立派な体格で、実際のリンカーンもかなりの長身だったそうなのでイメージに合っているのだろうし、メイクも写真で見るリンカーンと良く似ていた気がする。そして、あの有名な「Government Of The People,By the People,For the People(人民の人民による人民の為の政治)」で有名な演説シーンも出てきましたね。

来年はスピールバーグ監督によるリンカーンの伝記映画も公開されるそうなので、リンカーン・ブームが来そうな気配です。


映画『シャドー・チェイサー』をみて

2012-11-12 22:44:58 | アメリカ映画 2012

12-87.シャドー・チェイサー
■原題:The Cold light Of Day
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:93分
■字幕:岡田壮平
■観賞日:11月10日、シネマスクエアとうきゅう(歌舞伎町)
■料金:1,800円

 

□監督:マブルク・エル・メクリ
◆シガーニー・ウィーヴァー(ジーン・キャラック)
◆ブルース・ウィリス(マーティン・ショー)
◆ヘンリー・カヴィル(ウィル・ショー)
◆ヴェロニカ・エチェギ(ルシア・カルデラ)
◆ロシュディ・ゼム(ザヒール)
◆キャロライン・グッドオール(ローリー・ショー)
◆ラフィ・ガヴロン(ジョシュ・ショー)
◆エマ・ハミルトン(ダラ・コリンズ)

【この映画について】
普通の青年がCIAやモサドが絡む陰謀に巻き込まれて行く様子を、スペインの街並を舞台にアクションたっぷりに描く。“The Cold Light of Day”という原題も物語っているように、光と影のコントラストの強い映像が特徴的だ。
父親の影の姿を追いかけて真実を知り、精悍に変化していく主人公のウィルを演じるのは、『インモータルズ─神々の戦い─』のヘンリー・カヴィル。ウィルの父親・マーティンを演じるブルース・ウィリス、マーティンの同僚であるCIAエージェント・キャラックを演じるシガニー・ウィーヴァーらベテラン俳優の演技も見応えがある。監督は『その男 ヴァン・ダム』を手がけたチュニジア系フランス人のマブルク・エル・メクリ。
(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
休暇を過ごす家族に会うためにスペインの空港に降り立ったアメリカ人青年ウィル・ショー。トラブル続きの仕事を放り出してきた彼の顔には、疲れの色が色濃く滲んでいた。迎えに来たのは、大使館関係の仕事をしている厳格な父マーティン。
だが、2人の関係は長年うまく行っていなかった。母ローリー、弟ジョシュ、その恋人ダラと合流したウィルだったが、一家揃ってのディナー中、自分の会社が破産したという電話を受け、ショックからその場の雰囲気を台無しにしてしまう。

翌日、気まずくなって外出したウィルが戻ると、家族のクルーザーは何者かによって荒らされ、全員が失踪。警察に捜索を依頼したウィルは、なぜか警官たちの襲撃を受けてしまう。その窮地を救ったのはマーティンだった。
家族全員が武装集団に連れ去られたと語るマーティンは、自分がCIAの工作員であることを告白。驚くウィルをよそに、CIAの同僚ジーン・キャラックとマドリードで合流して協力を要請する。犯人に関して、“ブリーフケースを奪われた連中だ。24時間以内に返さないと家族が殺される”という2人の会話をウィルが耳にした次の瞬間、マーティンが何者かに狙撃されて死亡。

ウィルは、父の拳銃と携帯電話を手に無我夢中で走り出す。必死の逃避行の末、アメリカ大使館に駆け込むが、家族が拉致されたという彼の訴えを職員は取り合わず、反対に警官殺しの容疑を掛けられてしまう。その場から逃走したウィルに、やがて犯人から電話が。“ブリーフケースか、家族の命のどちらかだ。午後6時に太陽の門に来い”。だが、ウィルにはまったく事情が理解できない。マーティンが巻き込まれた陰謀とは一体何なのか?正体不明の犯人が要求するブリーフケースとは何なのか……?

この映画、シガーニー・ウィーヴァーとブルース・ウィリスという80~90年代の映画界を沸かせた男女スターが出演しているので、それだけでワクワクするのが「普通」である。ただし、結論を先に言ってしまうと「脚本が拙かった」という事になる。肝心のブルース・ウィリスは序盤に何者かに狙撃されて落命するとは「ダイ・ハード」とは正反対の展開。
こうなると息子のウィルが頼りになる展開なのは明快なのだが、ウィルは休暇でスペインに来た営業マンで実は会社が倒産した事を休暇先で知ったばかりだった男。CIA工作員だった父とは違って一介の営業マンがスペインで父が関わっていた謀略に巻き込まれるという展開が続くのだが、ウィルは父が持っていたイスラエル情報機関の機密事項が入ったブリーフケースが狙われていることに気付く。

だが、このブリーフケースの内容についての説明が無いばかりか、どのような情報が詰っているのか明快では無い。このケースを巡ってマドリード市内でカーチェースを繰り広げるが、これが一番の見どころだった。
結局はジーンはザヒールにブリーフケースを奪い返されてジ・エンド。この追跡劇の副産物として父マーティンはスペインで「トム」という名でスペイン人女性との間に家族を持ち、その娘が途中で知り合った「ルシア」だった。という事はルシアとウィルは異母兄妹関係にある。そのウィルは父の跡を継いでCIAへとリクルートされた。

営業マンからCIAとは随分と極端なリクルートとなった。

二人のスターが出演していながら何故話題にならなかったのかは、やはり隙間だらけの脚本が原因であろう。ブルース・ウィリスが序盤で狙撃されて亡くなるなら、よほど重要な情報が入ったブリーフケースを持っていたのだろうが、その辺のくだりが分かり辛かった。
それにしてもシガーニー・ウィーヴァーはエイリアン・シリーズでの正義感溢れる役から、一癖のある役柄が最近多いようだがこれからもこういう路線を歩むのでしょうか?


映画『アルゴ』を観て

2012-11-03 23:36:35 | アメリカ映画 2012

12-85.アルゴ
■原題:Argo
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:120分
■字幕:松浦美奈
■観賞日:11月3日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ
■料金:1,800円

 

□監督・製作:ベン・アフレック
◆ベン・アフレック(トニー・メンデス)
◆アラン・ラーキン(レスター・シーゲル)
◆ジョン・グッドマン(ジョン・チェンバース)
◆ブライアン・クランストン(ジャック・オドネル)
◆スクート・マクネイリー(ジョー・スタフォード)
◆クレア・デュヴァル(コーラ・ライジェク)
◆クリス・デナム(マーク・ライジェク)
◆テイト・ドノヴァン(ボブ・アンダース)
◆タイタス・ウェリヴァー(ジョン・ベイツ)
◆マイケル・パークス(ジャック・カービー)
◆カイル・チャンドラー(ハミルトン・ジョーダン)
【この映画について】
『ザ・タウン』などのベン・アフレックが、監督、製作、主演を務めたサスペンス。1979年のテヘランで起きたアメリカ大使館人質事件と、その裏で敢行されたCIAによる救出作戦の行方を追い掛ける。
監督として『ザ・タウン』で見せた緩急自在な演出をベンが本作でも繰り出し、謎に包まれていた救出作戦の全ぼうを活写。その一方で、貫録たっぷりに指揮を執るCIAエージェントを熱演する。『リトル・ミス・サンシャイン』のアラン・アーキンや『アーティスト』のジョン・グッドマンら、脇を固めるベテラン勢にも注目。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
1979年11月4日、テヘラン。イラン革命が激しさを募らせ、デモ隊ばアメリカ大使館にも迫り、ゲートではイランの警備隊とのにらみ合いが続く中、興奮した学生らがフェンスを乗り越え、大使館に雪崩れ込んだ過激派グループが占拠し、その様子を館内から見ていた館員らは危険を察し、首相府へ電話で排除を要求すると同時に機密書類の焼却と裁断を急ぐが、時すでに遅く52人もの人質を取るという事件が起きる。
パニックの中、アメリカ人6名が大使館から密かに逃げ出してカナダ大使の自宅に潜伏。救出作戦のエキスパートとして名をはせるCIAエージェントのトニー・メンデスは、6名が過激派たちに発見され、殺害されるのも時間の問題だと判断。彼らを混乱するテヘランから救出する作戦を立案する。しかし、それは前代未聞で大胆不敵、そして無数の危険が伴うものだった……。

アメリカ大使館占拠事件は当時大きなニュースとして連日報道されていたので内容は今でも覚えているが、その裏でこのような救出作戦が練られていたとは当然知らなかった。むしろ、救出に失敗したヘリ墜落事故の話かと?最初は思った。
アルゴ作戦は当然ながら最高機密扱いとされていたようで、最近情報公開が決定されたことで公になり映画化へとなったようだ。監督と主演を兼ねるベン・アフレックは「ザ・タウン」でその確かな監督としての力量を発揮していたが、本作でもそれは変らない

まず冒頭にて大使館の玄関前に既に不穏な空気が漂っている場面が映され、直ぐに大使館占拠へと雪崩れ込む展開で最初から緊張感を持つような画作りだ。まるでドキュメンタリーのようなタッチで進み、雪崩れ込んで来ている最中にも重要書類を次々と裁断するのだが間に合わない。そして、この裁断された書類を子供まで動員する執念で大使館員らの身元を調べ上げる執念には少なからず驚かされた。
カナダ大使私邸へ逃れた6人は、イラン人使用人らの眼を気にしながらも何とか生き延びて行くがやはり同僚らの安否は気になっていたようだ。
その間に母国では救出作戦が練られるも有効策はなく、偶然にもTVで放映されていた映画「猿の惑星」を観たメンデスが、奇想天外な救出作戦「アルゴ」を思いつく。それはSF映画「アルゴ」という6人を架空の映画のロケスタッフに見立てて帰国させるという大胆なプランだった。
紆余曲折を経てゴーサインが出て、早速メンデスはハリウッドに飛んで映画としての体裁を整え脚本とポスターの製作まで済ませ、ポスターには製作会社と連絡先の電話番号まで記された。

革命下のテヘランに正規ルートで入国したメンデスは早速6人とカナダ大使に作戦の概要を打ち明けるが、6人の中には作戦に懐疑的な館員もいて一枚岩では無かったが、それでもメンデスは何とか押し切りテヘランの役所(文化・イスラム指導省)へ出向きロケハンの許可を申請し、地元ガイド付きで許可されバザールなどを見学するがそこは不穏な空気に包まれており、予定を早々に切り上げざるを得なかった。
一方、母国では人質奪還作戦が決定したことで、「アルゴ作戦」は取り消されメンデスへは上司のオドネルから帰国命令が発令された。

だが、自らが企画した作戦に自信を持つメンデスは命令に背く形で作戦を続行し、当初の予定通り6人を映画スタッフとして帰国させることに執着した。
ここから帰国までの時間はスリルに溢れていた。一行は空港のチェックインカウンターで帰国便が取り消されていたことを知るが、メンデスと母国の機転で予約は復活し第一関門を突破。次は、出国審査。だが、ここでは怪しんだ革命防衛隊が徹底的に調べる。その間にもアメリカ大使館内では館員の顔写真復元に執念を燃やし一行は絶体絶命のピンチに。
空港の防衛隊はメンデスが差し出したポスターの連絡先へ直接電話を試みるが、ハリウッドの事務所では「電話は掛かって来ない」と高をくくって室内は無人。鳴り響く電話音とメンデスらの不安な表情が交錯する中で、電話は繋がり命拾いをした一向は出国を許可され、搭乗口へと急ぐ。その時、大使館での復元が終わり指導省から通報を受けた空港の防衛隊が直ちに身柄拘束に動くが、既に、搭乗ゲートは閉鎖され飛行機も離陸寸前。

車に乗り換えた防衛隊が飛行機の離陸を阻止しようと必死に追跡する中、搭乗機は空港を離陸。だが、イラン上空を離れるまで安心は出来ない。そして、機内でイラン領内を離れた事を知らせるアナウンス(本来はアルコール販売が可能になることへのお知らせ)があると、やっと一行は安全に出国できた安堵感からホッとしたようすだった。

いや~、この最後の空港でのシーンが一番緊張した。勿論、この時点でストーリーは把握出来ていらが、もしかしたら戦闘機を緊急発進させてイラン領内で緊急着陸させるのかな?とか思ったりしました。冒頭からエンドロール寸前までハラハラさせられる展開で、最後に、字幕でその後の顛末が紹介されました。
ベン・アフレックの監督として、そして主演俳優としての演技や演出も見事で、本編を通して流れる緊張感を見事に表現していた。現場であるテヘランでの動きと、アメリカのCIA内部とハリウッドでの贋映画製作スタッフの動きが見事に絡み合っていた。
この作戦はどうみてもアメリカでしか思いつかない発想でしょうね。そもそも贋SF映画をイランでロケするとのアイデアを思いつき、それを騙すためにとは言え脚本や絵コンテやポスターまで準備するとは恐れ入った。

ベン・アフレックはC・イーストウッドの後継者になり得る存在と確信できるような内容だった。


映画『エクスペンダブルズ2』を観て

2012-10-20 20:45:25 | アメリカ映画 2012

12-81.エクスペンダブルズ2
■原題:The Expendables 2
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:102分
■字幕:林完治
■観賞日:10月20日、渋谷シネパレス(渋谷)
■料金:1,800円

 

□監督:サイモン・ウェスト
◆シルヴェスター・スタローン(バーニー・ロス)
◆ジェイソン・ステイサム(リー・クリスマス)
◆ドルフ・ラングレン(ガンナー・ヤンセン)
◆チャック・ノリス(ブッカー)
◆ジャン=クロード・ヴァン・ダム(ヴィラン)
◆ブルース・ウィリス(チャーチ)
◆アーノルド・シュワルツェネッガー(トレンチ)
◆ジェット・リー(イン・ヤン)
◆ユー・ナン(マギー)
◆リアム・ヘムズワース(ビリー・ザ・キッド)
◆テリー・クルーズ(ヘイル・シーザー)
◆スコット・アドキンス(ヘクター)
◆ランディ・クートゥア(トール・ロード)

【この映画について】
2010年に大ヒットした『エクスペンダブルズ』。シルベスター・スタローンを筆頭に、“二度と実現不可能”と言われたアクション・スター大集合超大作の続編がついに実現した。
今回は、墜落機からのデータボックス回収を引き受けた“エクスペンダブルズ”が、旧ソ連軍の埋蔵プルトニウムをめぐる戦いに巻き込まれ、冒頭からノンストップで前作を上回る見せ場の連続でたたみかける。連投となるジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレンに加え、チャック・ノリスが初参戦、さらにジャン=クロード・ヴァン・ダムが仇役を演じるという豪華なキャスティング。
キャストパワーも、火薬も銃弾も大増量して、満足度もアップ間違いなしだ。監督は「メカニック」のサイモン・ウェスト。
(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
自らを消耗品と名乗る最強無敵の傭兵軍団エクスペンダブルズ。リーダーで軍用銃のエキスパート、バーニー・ロス。元SAS(英国特殊部隊)隊員でナイフの専門家、リー・クリスマス。マーシャル・アーツの達人、イン・ヤン。大型銃器のスペシャリスト、ヘイル・シーザー。爆破のプロフェッショナル、トール・ロード。狙撃と空手の名手ガンナー・ヤンセン。
そして元SASR(オーストラリア特殊空挺連隊)隊員の若き天才スナイパー、ビリー・ティモンズ。彼らの今回の仕事は、バルカン半島アルバニア領の山脈に墜落した輸送機に積まれていたデータボックスの回収。ボックス内の機密データは旧ソ連軍が埋蔵した大量のプルトニウムの埋蔵場所を示すもので、もしそのプルトニウムが軍事独裁国家などに渡れば、世界が破滅への道をたどることは間違いない。

データボックスが格納された金庫は120秒ごとに変化するアクセスコードに守られており、誤ったコードを入力すると爆発する仕掛けになっている。CIAのチャーチはその暗証番号解読のため、マギーという女性エージェントを派遣、エクスペンダブルズに同行させる。
彼らはGPSをたどってデータボックスを発見、マギーが鮮やかにコードを解除するが、そのときヴィランとその右腕へクター率いる謎の軍団がエクスペンダブルズを包囲、見張りにあたっていたビリーを人質にしてボックスの引き渡しを要求する。

バーニーはビリーの命を優先し、仲間に武器を捨てさせ、ヴィランにボックスを渡すように命じた。だがヴィランはボックスを受け取るや、バーニーたちの目の前でビリーを殺害し去って行く。
ヴィランは機密データを利用して大量のプルトニウムを掘り出し、それを某国のクライアントに売り渡そうとしていた。彼はすでにその準備のため一国の軍隊にも匹敵する軍団を組織し、アルバニアのある村を占拠、村の男たちを強制的にプルトニウムの埋蔵現場で働かせていた。ヴィランたちが潜む村を突き止めたエクスペンダブルズは、村に残された女性たちの助けを借り、ヴィランとその部隊の殲滅作戦を開始。
やがて、その闘いにネパールでバーニーに命を救われたトレンチやチャーチ、さらに伝説のコマンド、ブッカーらも援軍として参戦、バルカンの大地を熱く焦がす激しいバトルが始まろうとしていた……。

シリーズ第2作となった今回も前回同様に新旧の豪華なアクション・スター勢ぞろいとなった。中身は「ランボー」そのものだが、違うのはあちらは基本的にスタローンが孤軍奮闘しているのに対して、やはり歳には勝てず?「人数で勝負」するのがこのシリーズの特徴か?
今回は作戦途中で相手の出方を読み違えてしまい味方を一人失ったのは誤算だったが、最後は村人たちを味方につけて敵をせん滅して捕らわれていた村人を奪還してメデタシメデタシでジ・エンドという簡単な流れ。
出演陣では前回はゲスト扱いで教会での短い再会シーンだけだったシュワ元知事が本格参戦?し、有名な決め台詞「I'm back」(戻ってきたぜ)を連発する。ブルース・ウィリスやジェイソン・ステイサムといった主役級にも配慮した脚本で、スター達の出番もちゃんと満遍なく用意するなどスタローンも脚本執筆は大変だったろうな。
綺麗どころの女優が登場しなかったのがマイナス・ポイントか?硬派な作品だから、やむを得ないというよりこの作品に出たい女優が居るだろうか?


映画『ボーン・レガシー』を観て

2012-10-07 16:24:28 | アメリカ映画 2012

12-80.ボーン・レガシー
■原題:The Bourne Legacy
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:135分
■字幕:戸田奈津子
■観賞日:10月7日、新宿バルト9(新宿三丁目)
■料金:1,800円

 

□監督・脚本・原案・編集:ジョン・ギルロイ
□脚本:ダン・ギルロイ
◆ジェレミー・レナー(アーロン・クロス)
◆レイチェル・ワイズ(マルタ・シェアリング博士)
◆エドワード・ノートン(リック・バイヤー)
◆マーク・ターソ(ステイシー・キーチ)
◆オスカー・アイザック(アウトカム計画工作員)
◆ジョーン・アレン(パメラ・ランディ)
◆アルバート・フィニー(アルバート・ハーシュ博士)
◆デヴィッド・ストラザーン(ノア・ヴォーゼン)
◆スコット・グレン(エズラ・クレイマーCIA長官)
【この映画について】
暗殺者ジェイソン・ボーンと彼をめぐる陰謀を、壮大なスケールで描いた『ボーン』シリーズの裏で進行していたストーリーを描くアクション大作。前3作と同じ世界と時系列を舞台に、ジェイソン・ボーンとは別の暗殺者アーロン・クロスが繰り広げる戦いを活写する。
『ハート・ロッカー』『アヴェンジャーズ』(ホークアイ役)のジェレミー・レナーが暗殺者アーロンにふんし、体を張った見せ場を次々と披露。また、『インクレディブル・ハルク』のエドワード・ノートン、『ナイロビの蜂』のレイチェル・ワイズなどの実力派が共演してドラマを盛り上げる。
(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
CIAの極秘プログラム“トレッドストーン計画”によって生み出された最強の暗殺者、ジェイソン・ボーンが、ロンドンで新聞記者に接触しようとしていた頃。ボーンと内部調査局のパメラ・ランディの告発によって計画が明るみに出ることを恐れたCIA本部では、国家調査研究所のリック・バイヤーが証拠隠滅のために全プログラムの抹消を命じる。

一方、アラスカのCIA訓練地では、“アウトカム計画”によって生み出された暗殺者、アーロン・クロスが訓練を積んでいた。薬の服用を義務づけられていた彼は、相次ぐ予定変更によって自分の身に迫る危険を察知する。
彼の体調を管理しているステリシン・モルランタ社では、突然、職員が銃を乱射。居合わせたマルタ・シェアリング博士は九死に一生を得るが、研究所で行なっていたことに事件の原因があると知っていた彼女に、再び危機が迫る。その窮地を救ったのはアーロン。薬を求めてマルタのところへやってきた彼は、薬はすでに服用が中止され、プログラム従事者の体には半永久的な効果を持つ活性ウイルスが培養されていることを聞き、彼女とともにウイルスを製造しているマニラへ向かう。

急転する事態に混乱するマルタに、“自分はかつてケネス・キットソンという名前で、イラクで戦死したとされる兵士だ”と告げるアーロン。一方、マルタ暗殺の失敗を知ったバイヤーは、彼女を病原体盗難の重要容疑者に仕立て上げ、安全保障局や国防省を巻き込んだ非常事態宣言を発令。組織的な捜査によって2人の行方を洗い出す。
マニラに到着し、研究所に向かうマルタとアーロンだったが、追跡を察知して逃走。バイヤーは精鋭の人間兵器“ラークス計画”の作戦員をタイのバンコクから送り込む。路地の入り組んだマニラのスラム街で、究極の暗殺者たちによるチェイスが始まる……。

ボーン・シリーズと言えば言わずと知れたマット・デイモンの出世作でもあるヒット・シリーズだが、今作はジェイソン・ボーンとは別の工作員アーロン・クロスのお話で、そのクロスを演じるのが「アヴェンジャーズ」で『ホークアイ』を演じていたジェレミー・レナー。ジェレミー・レナーは最近良く観るけど、まだまだマット・デイモンと比べると馴染みがイマイチだけど、個人的には注目している俳優だ。
ジェイソン・ボーンとクロスの関係が映像だけでは分かり辛いのだが、プログラムを購入して読むと「あ~そうなんだ!」となるのだが、予告編にもあるようにNYにジェイソン・ボーンが今にも現れるような表現がされるのだが、マット・デイモンがバ~ンと派手に登場する事を期待していたファンもいるでしょうが登場しませんよ!!

時系列としては確かに同時進行の計画だが、クロスはあくまでも別物と考えましょう。ストーリーの進行は前半は中々進まず、冒頭に酷寒のアラスカでの訓練でクロスがただ者出ない事が分かる。研究所で研究者が突如銃を乱射してからストーリーはクロスとシェアリング博士二人の逃走劇へと話の中心が移り、この二人をCIAが必死に追いマニラまで飛ぶ。
予告編にあるオートバイでの追走劇はこのマニラでの出来事で、この辺りにきて始めてボーン・シリーズらしい動きが出て来る。そもそもマニラに飛んだのは、クロスの体内で培養されているウィルス製造元であるのがマニラだからだ。彼に取ってこれが切れることは一大事だからだ。
ここでCIAからの追撃を二人は振り切って、無事に南の海へと消えて行くことになるのだが、果たして問屋がそう簡単に二人を無罪放免とするのかは次回作を観てみないと分かりませんよね?

前半から中盤のCIAでの動きがメインだった部分から、二人での逃走になってからは面白かった。クロス役のジェレミー・レナーはマット・デイモンのような華やかさは無いけど、これと「アヴェンジャーズ」で名を随分と売っただろうから注目したい。


映画『ハンガー・ゲーム』を観て

2012-10-03 10:39:56 | アメリカ映画 2012

12-78.ハンガー・ゲーム
■原題:The Hunger Games
■製作年・国:2012年、アメリカ
■上映時間:143分
■字幕:石田泰子
■観賞日:10月1日、吉祥寺オデヲン
■料金:1,000円

 

□監督・脚本:ゲイリー・ロス
◆ジェニファー・ローレンス(カットニス・エヴァディーン)
◆ジョシュ・ハッチャーソン(ピーター・メラーク)
◆リアム・ヘムズワース(ゲイル・ホーソーン)
◆スタンリー・トゥッチ(シナ)
◆ドナルド・サザーランド(スノー大統領)
◆レニー・クラヴィッツ(シナ)
◆ウディ・ハレルソン(ヘイミッチ・アバナシー)
◆エリザベス・バンクス(エフィー・トリンケット)
◆ウィロー・シールズ(プリムローズ・エヴァディーン)
◆アレクサンダー・ルドウィグ(ケイトー)

【この映画について】
世界で5000万部以上の売り上げを記録したスーザン・コリンズの原作小説「ハンガー・ゲーム」を映画化し、全米で大ヒットを記録した本作。24人の少年少女たちが殺し合うハンガー・ゲームというショッキングな題材を扱いながらも、残虐描写は少なく、ハンガー・ゲームの準備の模様や少年少女の成長や初恋などの方を中心に描かれている。
ゲームで勝ち残るための手段の一つとして、イメージ戦略やプライバシーの演出などで民衆の支持を得ようとマスコミを利用しようとする展開も面白い。
クール・ビューティーな主人公のカットニスを演じたのは、「ウィンターズ・ボーン」でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたジェニファー・ローレンス。『シービスケット』のゲイリー・ロスが監督を務めている。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
巨大独裁国家パネム。最先端都市キャピトルと12の隷属地区で構成されるこの国では、国民を完全服従させるための見せしめ的イベントとして、毎年1回、ハンガー・ゲームが開催されていた。
その内容は、パネムの全12地区それぞれの12~18歳の若者の中から、男女1人ずつの合計24人をプレイヤーとして選出し、最後の1人になるまで戦わせるサバイバル・コンテスト。一部始終が全国に生中継され、パネムの全国民に課せられた義務で、キャピトルの裕福なエリート層にとっては極上の娯楽コンテンツだった。

第74回ハンガー・ゲームが開催されることとなり、プレイヤー抽選会が開催された第12地区。カットニス・エヴァディーンは、不運にもプレイヤーに選ばれた12歳の妹プリムローズに代わってゲーム参加を自ら志願する。男子のプレイヤーに選ばれたのは、同級生ピータ・メラークだった。
キャピトルに到着すると、専属スタイリストのシナと対面。ゲームを有利に進めるには、見栄えを良くして積極的にアピールし、スポンサーを獲得する必要があるのだ。続いてカットニスたちは、教育係ヘイミッチの指導の下、厳しいトレーニングに打ち込む。そこでサバイバル術や武器の使い方を学びつつ、お互いの力量を探り合う24人。
優勝候補は第2地区代表で冷酷非情なケイトー。彼は、幼いころからハンガー・ゲームに勝つための特殊訓練を受けてきたプロフェッショナルだった。いよいよ訪れる開戦の日。24人は、カウントダウン終了と同時に、鬱蒼とした森に囲まれた草原のスタート地点から全力で駆け出す。家族のため、自分の未来を切り開くため、狩りで鍛えた弓矢の腕前を生かして戦うカットニスは、やがて想像を絶するクライマックスに身を投じてゆく……。

本作は3部作としての1本目との位置付けでありこれ1本で完結とは行かないので、3本観てみたいと思わせる内容の作品だった。特に、主役カットニスを演じるジェニファー・ローレンスの代表作となりそうな内容であり、彼女の出世作でもあった「ウィンターズ・ボーン」で発揮した演技力が確かなものであることが証明された一作とも言える。
今回は24人の選抜隊から命を賭けたサヴァイヴァル・ゲームを生き抜く役であり、次々と脱落する男達を尻目に生命力の強さ(その源は妹や家族の為だが)を遺憾なく発揮していた。彼女の武器は弓なのだが、弓で的を射抜く正確さと瞬時の判断の良さは本命視された他のメンバーをも凌駕する。
このゲームはパネム全体の娯楽としてTV中継されショウアップされるのだが、その司会者でもあり大統領にも近い存在であるシナを演じるスタンリー・トゥッチの見事な演技も全体を盛り上げる上で目立っていた。

カットニスの逞しさと男を巧に味方に付けながらも翻弄するしたたかさが2作目以降にどのように繋がって行くのか楽しみである。


映画『デンジャラス・ラン』を観て

2012-09-17 17:59:03 | アメリカ映画 2012

12-75.デンジャラス・ラン
■原題:Safe House
■製作年・国:2012年、アメリカ
■上映時間:115分
■字幕:松浦美奈
■観賞日:9月17日、新宿バルト9(新宿三丁目)



□監督:ダニエル・エスピノーサ
◆デンゼル・ワシントン(トビン・フロスト)
◆ライアン・レイノルズ(マット・ウェストン)
◆ヴェラ・ファーミガ(キャサリン・リンクレイター)
◆ブレンダン・グリーソン(デヴィッド・バーロー)
◆サム・シェパード(ハーラン・ホイットフィールド)
◆ルーベン・ブラデス(カルロス・ヴィラル)
◆ノラ・アルネゼデール(アナ・モロー)
◆ロバート・パトリック(ダニエル・キーファー)
【この映画について】
デンゼル・ワシントンがCIAの伝説のエージェントにして犯罪者という、ダークヒーローに扮したサスペンス・アクション。犯罪者と新米エージェントの36時間の逃避行が緊迫した描写とともにつづられる。『グリーン・ランタン』のライアン・レイノルズがトラブルに巻き込まれる新米エージェントを熱演。(この項、MovieWalkerより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
南アフリカの米国領事館に、一人の男が出頭した。彼はかつてCIAの中でも屈指の腕を持つ伝説のエージェントでありながら敵国に機密情報を流したとされる、36ヶ国で指名手配を受けた世界的犯罪者トビン・フロスト。
CIAの隠れ家に連行された途端、鉄壁のはずの隠れ家が何者かにより襲撃される。壊滅状態にまで追い込まれる中、隠れ家を管理している新米CIAのマットは、フロストから選択を迫られ、やむなく隠れ家から脱出。敵の正体も目的もわからないまま、マットは危険すぎる男フロストの身柄を守るために彼とともに逃走を繰り広げる……。

デンゼル扮するCIAの超大物エージェントであるフロストは重要な情報を所持している。彼は英国諜報部の裏切り者から西側エージェントの秘密ファイルを南アのとある場所で受け取る。だが、町中で傭兵に急襲され米国領事館に逃げ込み匿われることに。だが、CIAは彼を「Safe House」(映画の原題)と呼ばれるCIAの秘密な隠れ家(アジト)へ移送し、そこの管理人でもある若手エージェントのマットが彼を匿う事になった。
マットはCIAが隠れ家でフロストを拷問中に傭兵に場所を突き止められ襲撃を受け、辛くもフロストと共に逃げ切り、CIA本部の指令により別の隠れ家へと誘導するまで同行することになった。だが一筋縄では行かないフロストはサッカー競技場でマットを巻いて地元警察官までをも巻き込んでまんまと逃走に成功するのだったが...。
だがマットもフロストの行動を読み彼の立ち寄り先である情報提供者の家で合流するが、またもやここで敵の襲撃を受けて国境付近の隠れ家を目指す。そこで初対面の隠れ家管理人ケラーに不意を突かれ銃撃戦になり辛くも射殺するも二人共銃撃を受けて負傷する。そこに、CIA本部から駆け付けてきた責任者のバーローは同行したリンクレーターを道中で射殺し現場へと急行する。

フロストが隠し持っていたファイルとはCIAの汚職に関するもので、そこにはバーローを始めとする汚職に関する情報が含まれていた。何としてもファイルを奪還したいバーローは銃撃戦でフロスト射殺に成功するも、マットの反撃にあい彼も射殺される。
本部へと戻ったマットは副長官からファイルの在処を尋ねられるが白を切りとおし、昇進を仄めかされるがそれを断りフロストから死の間際に預かったファイルをネットを通じてマスコミにばらしCIAを辞めて、恋人が待つパリへと向かい無事に再会を果たす。

デンゼル・ワシントン主演作ということで観る前から期待が高かった本作だったが、やはり彼の出演作に駄作は無いという印象だった。序盤、彼が領事館に逃げ込んで隠れ家でマットと対面するシーンでは、若手のマットを心理的に揺さぶるのだがこの辺りは彼の真骨頂が出ていた。彼に対して心理的に追いこみ、組織の見えにくい部分を彼に仄めかすことで上司への忠誠心に対して疑問を感じさせるように仕向ける辺りは上手かった。
追跡劇のスピード感、マットとフランス人恋人との関係、CIA組織の闇、ファイルの存在、傭兵の執拗な追跡とその黒幕の存在の全てが一つのストーリーに凝縮されていて観ていて飽きさせない展開に。最後はフロストがバーローに銃撃の際の傷が原因で亡くなるのは残念だが、マットが上司からのプレッシャーに負けずにファイルを最後まで他人の手に渡らせなかったのは見事だった?

パリに渡ったマットに今後どのような人生が待っているのか気になったエンディングだった。


映画『アベンジャーズ3D』を観て

2012-09-08 21:29:15 | アメリカ映画 2012

12-72.アヴェンジャーズ
■原題:The Avengers
■製作年、国:2012年、アメリカ
■上映時間:144分
■字幕:松岡広幸
■観賞日:9月8日、TOHOシネマズ渋谷



□監督・脚本・ストーリー:ジョス・ウェドン
□ストーリー:ザック・ペン
◆ロバート・ダウニーJR.(トニー・スターク)
◆クリス・エヴァンス(スティーヴ・ロジャース/キャプテン・アメリカ)
◆マーク・ラファロ(ブルース・バナー/ハルク)
◆クリス・ヘムズワース(ソー)
◆スカーレット・ヨハンソン(ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ)
◆ジェレミー・レナー(クリント・バートン/ホークアイ)
◆トム・ヒドルストン(ロキ)
◆クレーク・グレッグ(エージェント・マリア・ヒル)
◆サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)
◆ステラン・スカルスガルド(エリック・セルウィグ)
【この映画について】
アイアンマン、ソー、ハルク、キャプテン・アメリカなど、世界的に有名なヒット作の主人公が一堂に顔を合わせるアクション大作。特殊な戦闘力を誇る者たちによって編成されたチーム「アベンジャーズ」が、地球滅亡の危機を回避する戦いに身を投じる。
最先端VFXを駆使した圧倒的ビジュアルに加え、『シャーロック・ホームズ』シリーズのロバート・ダウニー・Jrや『それでも恋するバルセロナ』のスカーレット・ヨハンソンら、豪華共演を果たしたキャスト陣も見ものだ。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
長官ニック・フューリー率いる国際平和維持組織シールドの基地で、世界を破壊する力を持つ四次元キューブの極秘研究が行われていた。だが突然、制御不能に陥ったキューブが別世界への扉を開いてしまう。そこから現れたのは、神々の国アスガルドを追放され、地球支配を目論むロキ。彼は、セルヴィグ博士やシールド最強のエージェント、クリント・バートンを操り、キューブを強奪して姿を消す。
その野心を知ったフューリーは、最強ヒーローたちによる“アベンジャーズ”結成を決意し、女スパイのナターシャ・ロマノフやエージェントのフィル・コールソンとともに、ヒーローたちを招集する。

70年の眠りから覚めたキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース、インドのコルカタに身を隠していたブルース・バナーなどが集結。キューブの力で異世界の軍隊を地球に呼び込もうとするロキはドイツへ向かうが、ロジャース、ロマノフ、トニー・スタークらによって捕えられてしまう。
ロキを特殊監房に収容しようとしたところ、姿を現したのは兄のソー。一堂に会したアベンジャーズだったが、意思に関係なく集められた彼らは、チームを組むことを拒否する。そこへ、ロキ奪還を狙い、バートン率いる部隊が空飛ぶ母艦ヘリキャリアを急襲。爆発の衝撃で我を失ったバナーは、凶暴なハルクに変貌し、暴れ始める。混乱に乗じてロキは逃走。ソーとバナーも乱戦の果てに姿を消し、アベンジャーズは存続の危機に陥る。
ロキの地球侵略計画によって、マンハッタン上空に次々と姿を現す地球外の軍勢。この危機を前に、アベンジャーズは世界を救うことができるのか……?

マーヴェル・コミックの主人公達が大集合したこの映画、実は既にここ数年の間に登場したキャラ達を主人公達とした映画が公開されているので、「アヴェンジャーズ」の中では個々の説明はされていない。だが、直近で公開されたのが「マイティ・ソー」であり、主にここからストーリーが繋がる形で「アヴェンジャーズ」へと繋がっている。
「マイティ・ソー」では兄弟として育ったソーとロキが、ここではロキを退治する為に「アヴェンジャーズ」が結成され、その指揮官がサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーであるといのが図式である。
マーヴェル・コミックの主人公達が一堂に会すると言う大胆な企画であるこの作品は、全米でも大ヒットを記録したそうだが、これだけのキャラを集めて周到に何年も前から各キャラの作品を公開して、出演者も芸達者で主役級の俳優をこれでもかと起用すれば当然ながら注目を浴びる。ストーリーそのものは当然ながら単純?なのだが、やはりこういう映画はツベコベ言わずに映画館で楽しむのが一番、そういう意味で楽しめた作品だった。

俳優陣ではアヴェンジャーズ結成の纏め役であり司令官でもあるサミュエル・L・ジャクソンを筆頭に全てが男のキャラである中で、スカーレット・ヨハンソンだけが女性なのだが、最近彼女のお色気シーンの出番が減りつつある傾向なのは残念(笑)。ロバート・ダウニーJR.とジェレミー・レナー、それにマーク・ラファロの全く変身前とは異なるキャラ辺りが目立っていた。ジェレミー・レナーのホークアイは弓の名手で、彼は「ボーン・レガシー」ではマット・デイモンを押し退けて主役を張るので注目の俳優だ。


映画『プロメテウス3D』を観て

2012-09-03 11:11:08 | アメリカ映画 2012

12-71.プロメテウス3D
■原題:Prometheus
■製作年・国:2012年、アメリカ
■上映時間:124分
■字幕:戸田奈津子
■観賞日:9月1日、TOHOシネマズ渋谷



□監督・製作:リドリー・スコット
◆シャーリーズ・セロン(メレディス・ヴィッカーズ)
◆ノオミ・ラパス(エリザベス・ショウ)
◆マイケル・ファスベンダー(デヴィッド)
◆ガイ・ピアース(ピーター・ウェイランド)
◆イドリス・エルバ(ヤネック)
◆ローガン・マーシャル=グリーン(チャーリー・ホロウェイ)
◆ショーン・ハリス(ファイフィールド)
◆レイフ・スポール(ミルバーン)
◆エミュ・エリオット(チャンス)
◆ベネディクト・ウォン(ラヴェル)
◆ケイト・ディッキー(フォード)
【この映画について】
『ブレードランナー』『グラディエイター』など、映画史に残る金字塔を打ち立ててきた巨匠リドリー・スコットが、人類の永遠なる疑問“人類の起源”に挑んだ壮大なミステリー。人類の起源にかかわる重大な手掛かりを発見した科学者チームが、謎を解明するために宇宙船プロメテウス号に乗り組み、未知の惑星に向かう─。自身のアイデアをベースとしたストーリー、惑星の異様な世界観など、監督のこだわりが随所に見られる。エンドロール後まで目が離せない瞬間が待ち受けている。
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のマイケル・ファスベンダーやオスカー女優シャーリーズ・セロンをはじめ、ノオミ・ラパス、ガイ・ピアースら出演陣も豪華。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
人類が長年にわたって追い続けている、人類の起源にまつわる謎。地球で発見された古代遺跡から、その答えがあるかもしれない未知の惑星の存在が浮かび上がる。科学者たちを中心に編成された調査チームは、宇宙船プロメテウス号に乗り込んで問題の惑星へと向かう。
惑星にたどり着いた彼らは、人類のあらゆる文明や常識を完全に覆す世界を目の当たりにして息をのむ。誰も到達できなかった人類誕生の真実を知ろうとチームの面々が探査に没頭する中、思いも寄らない事態が迫ろうとしていた。

一連の「エイリアン」シリーズの前日譚という位置付けで「人類の起源」について解明する、そういうイメージを持って観に行った。だけど、確かにエイリアン1とは舞台になった惑星が異なるので、細かい事かも知れないが前日譚とは言えないと想像出来る。
細かい点はあげつらうと沢山出てきそうだが、辿り着いた惑星の無人基地みたいな中に、巨大なモヤイ像(渋谷駅の待ち合わせ場所にある「アレ」です。)があるのには驚かされた(笑)。
まあ、そんなことは脇に置いて、冒頭で古代遺跡の壁画から発見した壁画の中から、これは宇宙からの「招待状」だと言って宇宙へと旅立つまではワクワク感が満載。だが、いざ惑星に着陸してから探索へと向かうのだが、どうも「人類の起源」探しとは異なる方向へと向かい、ウェイランド社の意向が見え隠れしたりする。ここでカギを握っていたのがウェイランド社が開発したアンドロイドのデヴィッドである。

デヴィッドの存在なくしてこの航海は成り立たないと言っても過言では無かった。デヴィッドは探検した建造物の中からとあるスイッチを操作するとホログラムが作動。この時の映像は中々見事だった。だが、謎の有機体のサンプルを持ち帰ったあたりから不思議な出来事に襲われ、遂には研究者たちにも犠牲が及ぶことになり、最後は、ショウだけが何とか生き延びる(デヴィッドは人間ではない)ことになる。

これだけでは人類の起源が解明されたことにはならず、また、作品としても未完成であることから数年後に続編が製作されるのは間違いないだろう。でも、この規模の続編なので脚本を更に練った上で製作しなければなるまい。
俳優陣はシャーリーズ・セロン、マイケル・ファスベンダー、ガイ・ピアースらが出ているが、生き残ったショウ役の「ミレニアム」で名を売ったノオミ・ラパスは特別美人ではないけど、最近はハリウッド作品への出演が増えて来ている。エイリアン・シリーズでのシガーニー・ウィーヴァーみたいな存在になるのでしょうかね?
ロケ映像は冒頭の滝でのシーン程度で3Dが目立つのだが、壮大な宇宙空間を表現する上で3Dは有効だった。前述した通りデヴィッドが操作して映し出したホログラムは見事だった。


映画『THE GREY 凍える太陽』を観て

2012-09-01 23:10:24 | アメリカ映画 2012

12-70.The Grey 凍える太陽
■原題:The Grey
■製作年、国:2011年、アメリカ
■上映時間:117分
■字幕:斎藤敦子
■観賞日:9月1日、渋谷シネパレス(渋谷)



□監督・脚本・製作:ジョン・カーナハン
□脚本:イアン・マッケンジー・ジェファーズ
◆リーアム・ニーソン(オットウェイ)
◆フランク・グリロ(ディアス)
◆ダーモット・マルローニー(タルゲット)
◆ダラス・ロバーツ(ヘンリック)
◆ジョー・アンダーソン(フラナリー)
◆ノンソー・アノジー(バーク)
◆ジェームズ・バッジ・デール(ルウェンデン)
【この映画について】
墜落事故からは生き残ったが、そのままでは凍死するかオオカミの餌食。太陽が顔を出さない灰色の原野で、寒さに震えながら生還をかける男たちのサバイバルドラマ。
主演はリーアム・ニーソン。かつては人間ドラマへの出演が多かったが、『96時間』のヒット以降、『アンノウン』『特攻野郎AチームTHE MOVIE』など、最近ではアクション俳優に開眼したかのようだ。本作では、人生に絶望し、自殺も考えている射撃手。
作品タイトルの「グレイ(灰色)」は、太陽が顔を出さない冬のアラスカの天気というだけではなく、彼の心象風景でもある。絶望している男が苛酷な環境の中で多くの死を見つめるうち、生きる活力を取り戻していくというドラマでもあるのだ。-20℃の吹雪の中で撮影した迫真の映像も見どころ。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ならず者たちが集まる石油採掘現場。オットウェイは、野獣の攻撃から作業員たちを守るために雇われた射撃の名手である。最愛の妻が去った後、彼は流れるようにこの場所に辿り着いていた。
ある晩、彼は、休暇で家族の元へ帰る作業員たちと共に飛行機に乗り込むが、凄まじい嵐に遭遇し、アラスカの山中に墜落してしまう。放り出されたのは、激しい吹雪が荒れ狂い、全てが深い雪に覆われた想像を絶する極寒の地。
目覚めたオットウェイが見つけたのはバラバラになった機体と、ディアス、タルゲット、ヘンリック、フラナリー、バーク、ウェンデルらの生存者たちだった。残された少ない道具で火を起こし、わずかな暖を取っていた男たちは、やがて自分たちをじっと見つめ、暗闇に光るいくつもの眼に気付く。そこは野生のオオカミたちの縄張りだったのだ。

オオカミの習性をよく知るオットウェイは、望みの薄い救助を待つよりも、この場所から移動することを提案。生存者たちは確かな方角も定まらない中、生き残りを懸けて南を目指して歩き出した。
しかし、まともに食料が手に入らない状況に加え、あまりにも過酷な大自然の猛威が彼らの行く手を阻む。ひとり、またひとりと減ってゆく生存者。諦めれば一瞬ですべてが終わってしまう絶望的な状況の中、どうすれば生き延びることができるのか。愛する人の元へ帰りたい、もう一度会いたい。その切なる願いを胸に“生きること”に執着する彼らの、生死を賭けた壮絶な闘い。その果てに待っているものは……?

酷寒のアラスカでの石油採掘現場、そこでの唯一の息抜きは作業場内のパブで、男達はそこに集い群れて飲むものやゲームに興じる者の中に交じって一人カウンターで静かに飲む男がオットウェイだ。彼は作業員たちをオオカミから守る凄腕のハンターでもある。この冒頭のシーンは、これから起こるであろう過酷な出来事への序章だった。
オットウェイは作業員らと共に猛吹雪の中、不安に駆られながらも飛行機へ搭乗した。だが、案の定、飛行機はレーダーの視界から消え無人の原野に墜落した。救助が全く望めない場所での事故でオットウェイも負傷するが、直ぐにリーダーシップを発揮して暖を取りオオカミからの襲撃を防ぎ負傷者の救助に走る。

ここからは墜落からの救助を待つ乗客というより、オオカミからの攻撃と過酷な気候に如何に立ち向かって生き残って行き救助を要請出来る場所へ辿り着くかがテーマとなり、その中でオットウェイは生存者たちを引っ張るのだが、彼自身も徐々に体力を消耗してしまう。一緒だった仲間達も一人また一人減って行く中で、オットウェイは亡くなった妻への思いを捨てきれない。
困難を乗り越えてオオカミの群れを振り切って、後は、何としても集落のある場所まで辿り着けると力を振り絞ったオットウェイだったが、現実は甘くなかった。何時の間にかオットウェイの周りにはオオカミの群れが。これで自身最期を悟ったのか、彼は亡くなった仲間から預かった遺品と妻への思いを込めて立ち向かって終わった。

もう一度闘って、最強の敵を倒せたら  その日に死んで悔いはない  その日に死んで悔いはない。

父の残したこの詩を胸に彼はオオカミ軍団のボスへと戦いを挑んだのだった。

予告編だけでは墜落してから如何にして生存するだけの話かと思っていたが、むしろ酷寒のアラスカでのサヴァイヴァルと言った趣だった。
オットウェイを演じたリーアム・ニーソン以外はジョー・アンダーソンが目立つ程度の俳優陣だった。やはり主役のニーソンの発揮するリーダーシップはこの映画の中心だけあって彼の個性が発揮出来ていた。
そのニーソン演じるオットウェイには彼自身の私生活において女優だった妻を不慮の事故で亡くしているので、観ていても男の郷愁みたいなものを彼の背中に感じてしまった。


映画『トータル・リコール』を観て

2012-08-25 18:34:00 | アメリカ映画 2012

12-69.トータル・リコール
■原題:Total Recall
■製作年・国:2012年、アメリカ
■上映時間:118分
■字幕:林完治
■観賞日:8月25日、新宿ピカデリー(新宿)

 

TOTAL RECALL TRAILER 1990年版



□監督:レン・ワイズマン
□原作:フィリップ・K・ディック
◆コリン・ファレル(ダグラス・クエイド/カール・ハウザー)
◆ケイト・ベッキンセール(ローリー・クエイド)
◆ジェシカ・ビール(メリーナ)
◆ブライアン・クランストン(コーヘイゲン)
◆ボキーム・ウッドバイン(ハリー)
◆ジョン・チョー(マクレーン)
◆ビル・ナイ(マサイアス)
【この映画について】
フィリップ・K・ディックの短編小説「トータル・リコール(旧題:追憶売ります)」を映画化し、大ヒットした『トータル・リコール』をリメイクしたSF大作。監督を務めるのは『ダイ・ハード4.0』のレン・ワイズマン。
かつてアーノルド・シュワルツェネッガーが演じた主人公を『フライトナイト/恐怖の夜』などのコリン・ファレルが演じ、その妻を『アンダーワールド』シリーズのケイト・ベッキンセールが熱演する。迫力満点のアクションがさく裂する斬新な映像に目を奪われる。
(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
近未来、“記憶”は簡単に売買されるようになっていた。大きな戦争を経て正常な環境を失った世界で、人々はわずかな土地を、裕福なブリテン連邦と貧しいコロニーという2つの地域に分けて暮らしている。
退屈な日常に飽き、刺激を欲した人々は、人工記憶センターであるリコール社の人工記憶を買って不満を解消していた。コロニーで暮らす工場労働者のダグラス・クエイドも、来る日も来る日も工場で働く日々にふと嫌気がさし、リコール社を訪れる。しかし、彼が記憶を植えつけようとしたとき、突然、ブリテン連邦のロボット警官隊が襲撃してくる。

クエイドは自分でも知らなかった戦闘能力を発揮して逃げ切るが、帰宅すると今度は彼の妻ローリーが襲ってくる。ローリーはクエイドに、記憶を消されて新しい記憶を植え付けられただけで、この世にダグラス・クエイドという人物は存在しない、と告げる。ローリーを振り切ったクエイドは、行く先で数々の謎のメッセージを受け取り、メリーナと出会う。メリーナは信用できるのか? 自分は誰なのか? クエイドはその答えを見つけられないまま、ブリテン連邦とコロニーの運命を握る戦いに巻き込まれていく。

この映画は1990年にアーロノルド・シュワルツェネッガー主演で公開されたSF映画で、私も当時観たのだが、まだCGも3Dも無い時代に斬新な映像と特殊メイクの凄さを覚えている。1990年版は舞台が火星で、と言っても火星人が主役では無くてコーヘイゲンは火星の支配者で今回とは随分と設定が違っている、と言っても当時のがオリジナルなのですがね。
今回はコリン・ファレル主演で設定も地球内で、ブリテン連邦と言う名の支配国とそれを支える労働力供給のコロニー(植民地)の話でファレル演じるダグラス・クエイドは労働者としてブリテンで真面目に働くものの管理職は全て支配国の者で不満が溜まっている。この2国を結ぶ交通手段は超高速で地球内のトンネルみたいな空間を移動できるシステム「フォール」で、イメージとしてはブリテンはその名の通り現在の英国で、コロニーはオーストラリアかな?

どちらにも共通しているのは役名とリコール社という記憶を書き替える会社が存在すると言う事実である。今回はブリテンの支配者コーヘイゲンがコロニーを滅ぼして統一しようとすることから始まる。
ここでクエイドがリコール社を訪問して何故か急に自身が追われる身となり、後は不思議な世界が続き、クエイドが体験している現実がリコール社が生みだしたものか、それとも現実なのか区別が付き難い。架空の妻が出現したり協力者が急に接近してきたりと目まぐるしい展開が続く。鍵を握っているのが「フォール」と言う名の高速移動システムで、コーヘイゲンはこのエレベーターみたいな装置を使って軍隊をコロニーへ送りこみ戦闘となる。
細かい展開は別として結局はクエイド側がコーヘイゲンを撃退するのだが、果たしてそれさえ現実だったのかバーチャル体験だったのか最後まで理解に苦しむ展開で終わった。

自分的にはシュワ主演だった1990年版の火星が舞台の方が面白かったので期待していたのだが、余りにも設定が替わり過ぎていて同名異話のようなストーリーには多少ガッカリした。主役のコリン・ファレルも彼の個性が発揮出来ていたとは言い切れず、彼に取っても納得行かない出来だったのでは無いかな?


映画『ハーフ・デイズ』を観て

2012-08-19 14:07:58 | アメリカ映画 2012

12-68.ハーフ・デイズ
■原題:Uncertainty
■製作国・年:2009年、アメリカ
■上映時間:101分
■観賞日:8月17日、シアターN渋谷(渋谷)



□監督・製作・脚本:スコット・マッギー
□脚本:デヴィッド・シーゲル
◆ジョセフ・ゴードン=レヴィット(ボビー)
◆リン・コリンズ(ケイト)
◆アサンプタ・セルナ(シルヴィア)
◆オリヴィア・サールビー(ソフィー)
【この映画について】
人生の岐路に立ったカップルがコインで決めた運命。その2つの可能性を、『綴り字のシーズン』のスコット・マクギー&デヴィッド・シーゲル監督が疾走感あふれる映像で描く、スリリングな物語。主人公のカップルに扮するのは、若手有望株として注目を浴びるジョセフ・ゴードン=レヴィットとリン・コリンズ。(この項、Movie Walkerより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
7月4日、独立記念日。ニューヨークのマンハッタン島とブルックリン区を結ぶブルックリン橋の中央にたたずむ恋人同士のボビーとケイトは人生の岐路に立っていた。
二人はコインの表裏に運命を託し、二通りの一日が始まる。マンハッタン島の方へ向かった二人は、タクシーの中で携帯電話を拾う。落とし主と連絡が取れ携帯電話を返そうと待ち合わせ場所に向かうと、男が射殺されるところに出くわしてしまう。状況を把握しきれず混乱しながらも、ボビーとケイトは走り出す。そして、大金と犯罪組織が絡んだ逃走劇へと発展していく。
一方、ブルックリンへ向かったボビーとケイトは、ケイトの家族が開くホーム・パーティに参加することに。和やかにパーティの準備が進む中、母親との確執や亡くなった兄のこと、ボビーが外国人(カナダ出身)であること、ボビーとケイトの秘密など、次第に家族や二人が抱える問題が浮き彫りになってくる。一見分かれ分かれになった二通りの一日が重なり合うとき、ボビーとケイトはとある決断をする……。

この作品は2009年作で今から3年前なので、主演の二人もまだ若手スター候補俳優の域を出なかった頃でブレーク直前の出演作品である。撮影舞台はNYで同じ日に二つの人生パターンを描いてまた戻って来るというお話。
一方はタクシーの中で偶然拾った携帯電話を運転手に返そうと主張するケイトと「チョット待てよ」と返すのを渋るボビーが、この携帯電話の持ち主であるディミトリとの間で命を狙われるスリリングな展開が繰り広げられる。
もう一方はアルゼンチン系のケイト一家はラテン系らしく大家族で明るくおおらかな家族であるのだが、ケイトは母とは関係がしっくりいっていない。ケイトは妊娠しているが生むべきか否か悩んでいる。こうして二つの対照的な展開は最後に再びブルックリン橋で交わる。

ストーリーはどこにでもある(NYならではだけど)カップルの結婚に対する悩みの静の部分と、NYで予想もしない犯罪グループから追われる動の部分が組み合わさっている。撮影は綿密に計画されていると言うよりは市内でのゲリラショットのような手持ちカメラでの撮影感が好感を持てる。
今や引っ張りだこのジョセフ・ゴードン=レヴィットがこんな映画に出ていたんだ?って思うと不思議な感じもしますが、彼を見ているとイチロー選手が白人っぽくなったような容姿にも見えました、特にアゴヒゲあたりがね(笑)。


映画『アメイジング・スパイダーマン』を観て

2012-08-05 19:12:01 | アメリカ映画 2012

12-65.アメイジング・スパイダーマン
■原題:The Amazing Spyderman
■製作国・年:2012年、アメリカ
■上映時間:136分
■観賞日:8月4日、TOHOシネマズ日劇

 

□監督:マーク・ウェッブ
◆アンドリュー・ガーフィールド(ピーター・パーカー/スパイダーマン)
◆エマ・ストーン(グウェン・ステイシー)
◆リース・イーヴァンス(カート・コナーズ博士)
◆デニス・リアリー(ステイシー警部)
◆キャンベル・スコット(リチャード・パーカー)
◆イルファン・カーン(ラタ博士)
◆マーティン・シーン(ベン・パーカー)
◆サリー・フィールド(メイ・パーカー)
◆エンベス・デイヴィッツ(メアリー・パーカー)
【この映画について】
『ソーシャル・ネットワーク』で多くの演技賞に輝いたアンドリュー・ガーフィールドを主演に迎えて描く、『スパイダーマン』シリーズ最新作。主人公だけでなく、スタッフ&キャストを一新、高校時代の主人公ピーター・パーカーの物語が繰り広げられる。監督は『(500)日のサマー』で一躍注目を集めたマーク・ウェッブ。(この項、Movie Walkerより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
13年前に父リチャードと母メアリーが失踪して以来、伯父夫婦であるベンとメイに育てられてきた高校生のピーター・パーカー。彼は、ニューヨーク市警警部キャプテン・ステイシーの娘で、同級生のグウェン・ステイシーを密かに慕っていた。
そんなある日、ピーターは自宅で父親の残していった鞄を見つける。中には、父の親友であった生物学者カート・コナーズ博士と父の関わりを記したメモが入っていた。父のことを知ろうと、ピーターはオズコープ社で遺伝子を研究するコナーズ博士を訪ねるが、そこで遺伝子操作の実験中の蜘蛛に噛まれてしまう。その翌日、ピーターの体内で大きな異変が起こり始める……。

今回のスパイダーマンは若きピーターと恋人グウェンの話がメインであり、そこに、ピーターの失踪した両親の話が絡み、中盤以降にピーターがスパイダーマンに変身してNY市内でコナーズ博士が変身したリザードとの対決になる。グウェンとピーターの秘めた恋は、NYPD(NY警察)の警部である父には知られず、二人だけの秘密であり、ピーターがグウェンとの夕食に招待されて父と交わす会話がスパイダーマンについて及ぶところが面白かった。
ピーターの両親がある日ピーターを置いて失踪してしまう様子と、その後、伯父夫婦に育てられながらも両親への思いを捨てきれない様子は丁寧に描かれていた。だが、グウェンがアルバイトしているオズコープ社がピーターが父親の手掛かりとして探している場所であり、そこに偶然にも社会見学で乗り込んで彼女と偶然に会うと言う設定は出来過ぎの様な感もするが、そこから手掛かりのヒントを得てコナーズ博士へとやがて繋がるのでしょうがないか?

ピーターの育ての親とも言うべき伯父のベンの死をきっかけに自らの隠された能力をフル活用するために、スパイダーマンへと変身し夜の街で悪の退治に乗り出すが、世間はスパイダーマンを危険人物として扱い、グウェンの父は指揮する立場にいる。そして、変身したトカゲ男ことリザードとの対決に乗り出すのだが、ラストを観ていると続編がありそうな感じなので、また数年後にこの続きが製作されるだろう。

ピーターとグウェンの恋物語として見るとアンドリュー・ガーフィールドとエマ・ストーンのコンビはフレッシュで魅力を感じる。二人共にどこか恋に対して控え目で初々しさを醸し出しているのは好感が持てる。
この作品は3D公開だったが、スパイダーマンがNY市内の高層ビル街を縦横無尽に飛び回るようや、ラストでのリザードとの対決は映像的に見応えがあって良かった。 


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