kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『あなたを抱きしめる日まで』を観て

2014-03-31 17:03:26 | 映画・ドラマ、アクション

14-31.あなたを抱きしめる日まで
■原題:Philomena
■製作年、国:2013年、イギリス・アメリカ・フランス
■上映時間:94分
■料金:1,800円
■観賞日:3月28日、新宿ピカデリー(新宿)

□監督:スティーヴン・フリアーズ
◆ジュディ・デンチ
◆スティーヴ・クーガン
◆ショーン・マホン
◆キャシー・ベルトン
◆メア・ウィニンガム
◆ミシェル・フェアリー
◆アンナ・マックスウェル・マーティン
◆ルース・マッケイブ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
無理やり引き裂かれてしまった息子を捜すアイルランド人の主婦が、元エリート記者の男との旅を通して不思議な友情で結ばれていくさまを描く、実話をベースにしたヒューマンドラマ。
イギリス。善良で信仰心が篤い田舎の主婦フィロミナは、娘のジェーンとともに穏やかな生活を送っていたが、ある日、50年間隠し続けてきた秘密をジェーンに打ち明ける……。

1952年、アイルランド・ロスクレア。10代で避妊の知識も全くないままに交際相手の子を未婚のまま妊娠したフィロミナは家を追い出され、強制的に修道院に入れられる。
そこでは同じ境遇の少女たちが、奉公人のように働かされていた。フィロミナは男の子を出産、アンソニーと名付けるが、面会は修道院内の託児施設にて1日1時間しか許されない。それでも少女達は厳しい戒律の下での生活も、我が子と短時間でも会えるのを楽しみに日々を過ごしていた。

だが修道院には別の姿があった。別れはいきなり訪れた。修道院は、3歳になったアンソニーを1000ポンドと引き換えにアメリカに養子に出し、フィロミナは「誰にも息子のことを話さない」という誓約書に半ば強制的に署名させられた……。
それから50年の月日が経過、フィロミナは、アンソニーのことを忘れたことは一日も無く、いつも気がかりに思い、密かに彼の行方を捜していた。そしてアンソニーの50歳の誕生日に、初めて娘のジェーンに父親違いの兄の存在を明かしたのだった。
事実を知ったジェーンは、母のために、あるパーティで知り合ったなんとも頼りなさそうな元ジャーナリストのマーティンに話を持ちかけるが、マーティンは気乗りがしなかったが、それでもフィロミナが懇願する姿を見て、彼のツテを頼りに共にワシントンD.C.の移民局へ向かった。ジャーナリストとしての再起をかけたマーティンは、意外な所でアンソニーとの接点があったことに気付く。一歩一歩、少しずつではあるがアンソニーに近づいていく二人。だがそこで二人は思いもよらぬ事実を知ることになる……。

ジャーナリストとして多くの人物に会ってきたマーティンは、アンソニーがマイケル・ヘスの名前で共和党員だと言う事まで判明。調査の結果、彼は当時のレーガン大統領、ブッシュ大統領(父)の顧問だったことことと、マーティンと会っていたことまで分かり、何と写真まで彼のPCに保管されていた。だが、悲しいことに、アンソニーことマイケル・ヘスは1995年にAIDSが原因で亡くなっていた。
だが帰国を思い止まり、フィロミナはアンソニーのパートナーだったピートの居所を掴み自宅を訪ねたが一度は断られるも諦めずに面会し生前の様子を知ることが出来た。
そこで知った驚きの事実は、まさに目から鱗だった。何とアンソニーは生前、実母を探しに修道院まで来ていたが、そこで自分は母に捨てられたと聞かされていた。更に、彼の死に際して亡骸をどこに埋葬するか養父とピートの間で論争になり、生前の希望もあって修道院に埋葬されていると知って驚愕する二人。帰国して修道院を改めて訪問して遂にアンソニーの墓の在処を知った。

マーティンは子を売り渡したシスター・ヒルデガードが修道院内で健在であると知り、シスターの元へ強引に詰め寄り罵るが、シスターは「姦淫」の罰だと冷たく言い放った。激高するマーティンだったが、そんなシスターを彼女は「許す」と言う。そして、墓の前で母子の対面がやっと実現したのだった。マーティンはこの取材で得たストーリーの出版を躊躇うが、彼女のたっての願いで出版を決意した。

宗教的な一面が強いこの話、修道院が未婚の母が出産した子供を本人に知らせずに米国へ売り渡していたことにフィロミナもマーティンもショックを受けた。だが、彼女は修道院を恨むことなく最後はシスターを許す心の広い女性だったのは救いだ。これが仮に正反対な女性だったら、記者と共に紙面で幼児人身売買について糾弾していただろう。
そして、彼女が長年捜していた息子アンソニーが実は修道院で眠っていたとは驚き。秘密主義の修道院はその事実を一切彼女に報せること無かったが、彼女は渡米したことで息子の米国での人生を知ることが出来たので、修道院を攻撃するような態度はとらなかった。これは立派だと思う。幾ら彼女が半強制的に誓約書に署名していたとは言え、中々出来ることではない。出来れば生前に面会出来れば最高だっただろうが、亡くなった息子もここに埋葬されれば、きっと母が捜してくれるとの思いで生まれ故郷のアイルランドに戻ったのだろう。

このフィロミナを演じたジュディ・デンチで無ければこの女性をここまで演じることは出来なかっただろうし、マーティン役のスティーヴ・クーガンは脚本、製作にまで関わっている点も見逃せない。


西武、本拠地で屈辱の開幕3連敗

2014-03-30 23:22:10 | 野球観戦記2013~

                          2014プロ野球観戦記 
           ×埼玉西武 1 ー 7 東北楽天○

チ  ー  ム 
東北楽天
埼玉西武ライオンズ

【球場】
西武ドーム3
塁側A

【責任投手】
○辛島1勝
●レイノルズ1敗

【投手-捕手】

(楽)辛島、福山、西宮、小山伸、斎藤、
-嶋
(西)レイノルズ、岡本篤、高橋、十亀-炭谷

【本塁打】
浅村1号(西)

【埼玉西武
】スタメン
7栗山
9熊代
8秋山
4浅村
3木村
D森本
5ランサム
2炭谷
6鬼崎
-----
1レイノルズ

【観戦評】
本拠地での開幕カードをいきなり連敗中のライオンズ。オープン戦の不調が断ち切れないような内容で、逆に楽天は好調が持続していて、田中不在の危機感が良い方向に働いているのはやはり日本一を経験したからだろうか?

連敗中だけに何としても先発投手が先制点を与えずに先制するのを待ちたい。所が、初回木村の失策とボークをきっかけにユーキリスの1安打だけで2点を失い、早くも嫌な展開に。逆に、1回裏にクリが四球で出塁後の1死2塁で3,4番がまたもや凡退で球場の溜息を誘う。
2回表にも鬼崎の送球がそれたのを木村が後逸し嶋の2進を許し岡島の2塁打で失点。レイノルズに取っては1,2回の3失点は失策がらみで自責点は0なだけに気の毒な結果だった。

1,2戦共に貧打が目立っていただけに序盤の0-3は厳しい。結局、6回の浅村のソロ本塁打だけが唯一の得点で3安打ではどうにもなりません。
投手はレイノルズが6回で降板すると7回から岡本篤、高橋、十亀が1イニングごとに登板。だけど岡本篤は制球が定まらず2失点、高橋も2失点と、相変わらず終盤の投手起用に悩まされそうだ。個人的に7回は新人豊田を投入して1軍に馴れてもらいたかった。9回の十亀も2四球と不安が多少残った。

今日の両チームの投手陣が与えた四球は楽天6西武8の計14個。スタンドで観ていて杉永球審(この人は元ドラ1投手)の判定はことごとく辛かった。特に西武打者の見逃し三振が目に付いたが、これも球審の判定への戸惑いと同時に西武打者の消極的な姿勢もあった。

3連戦の西武打線の安打総数が13で、この日の楽天打線の安打数が13。これでは3連敗を喫してもやむを得ないでしょう。主砲中村の調整が大幅に遅れインフル感染疑惑まで報じられる中、未だにイースタンの試合にも出場していないので復帰はGW突入後と見るのが妥当でしょう。又、伊原監督が「5番DH」を期待していた坂田が怪我の手術で全治6カ月らしく、シーズン終盤に復帰出来るか否かの状態。

こうなるとフロントによる打線テコ入れが求められる。MLB40人枠を外れた外国人選手を獲得するか、それとも昨オフに入団間近と報じられていたDeNAを退団して独立リーグ所属のラミレス(NPBでは日本人扱い)獲得を検討しても良いのではないだろうか?ラミレスは守備の不安があるので西武では「5番DH」に専念し交流戦は代打待機として計算出来る。年齢的な衰えは隠せないが、日本人枠で査証新規発行の必要もないことから取りに行っても良いだろう。

これで次戦のロッテ戦は0勝3敗同士の対戦となった。先発は牧田と涌井。


菊池、6回5失点の乱調で連敗

2014-03-29 22:54:20 | 野球観戦記2013~

               2014プロ野球観戦記 
           ×埼玉西武 2 ー 5 東北楽天○

チ  ー  ム 
東北楽天
埼玉西武ライオンズ

【球場】
西武ドーム3
塁側B

【責任投手】
○塩見1勝
Sファルケンボーグ1S
●菊池1敗

【投手-捕手】

(楽)塩見、ファルケンボーグ
-嶋
(西)菊池、ウィリアムス、西口、豊田-炭谷

【埼玉西武
】スタメン
7栗山
9熊代
8秋山
4浅村
3木村
D森本
5ランサム
2炭谷
6金子侑
-----
1菊池

【観戦評】
開幕試合を1点差で落としてしまっただけに連敗は避けたいところ、その為には打線の特に3,4番の奮起が期待されます。
菊池は初回、いきなり岡島に2塁打を浴び、これをきっかけに内野ゴロで1点を失う。2回は立ち直り直球も変化球の制球も良く3者三振に仕留めます。このリズムがそのまま攻撃陣に乗り移り1死から木村のセンターへの大飛球はあわや本塁打の打球でしたが3塁打となってランサムの2塁打で同点、更に、炭谷の左犠飛で2点目が入り逆転しました。得点した次の回は抑えないと行けないのにあっさりと同点になりリードもフイに。
菊池は球数が多くなってきた5回に入り直球のスピードがガクンと落ちた。序盤はコンスタントに145キロ以上計測していたのに、138~9キロにまで落ちてきて楽天打線にボールを見極められてきた。変化球も直球も制球に苦心して結局6回5失点5四球で降板した。降板した6回は明らかにスタミナも集中力も失われていた。

こうなると今の打線に3点差を跳ね返す力はなく、4安打2得点で連敗を喫してしまった。
菊池の投球を見ていると明らかにスタミナ不足を感じた。昨年の序盤は球威も変化球のキレもスタミナもどれを取ってもその時期の投球は楽天の田中より上回っていた。1年後の開幕2試合目のこの日の投球はキャンプでの投げ込み不足も一因にあるのでは無いだろうか?
打線はこの日も4安打で浅村に9回2死から安打が出たが秋山は連日の無安打。これでは打線が活気付かない。

明日の3戦目は何としても勝って3連敗だけは阻止したい。先発はレイノルズと左腕辛島。


岸、好投も一発に泣く

2014-03-28 00:05:17 | 野球観戦記2013~

             2014プロ野球観戦記 
           ×埼玉西武 1 ー 2 東北楽天○

チ  ー  ム 
東北楽天
埼玉西武ライオンズ

【球場】
西武ドーム3
塁側B

【責任投手】
○則本1勝
●岸1敗

【投手-捕手】

(楽)則本
-嶋
(西)岸、岡本篤、ボウデン-炭谷

【埼玉西武
】スタメン
D栗山
9熊代
8秋山
4浅村
7木村
3脇谷
5ランサム
2炭谷
6金子侑
-----
1岸

【観戦評】
「野球が無い生活は退屈だ」球場バックスクリーンにこんなコピーが流れていました。まさにその通りですが、日本一になれなかったオフは辛い、のも事実。球団創設以来のワースト記録更新となる5季連続V逸中で、ナベQ監督退任は1年遅かったと個人的には思っておりました。

まあ、そんなワースト記録、今季こそストップしたいのですが、SBが札束攻勢をかけて大量補強をしオープン戦13連勝で、凄いっすね。いくらオープン戦成績は別物と言っても、ライオンズは打線が低調なのが気になります。

試合の方は岸と則本の先発。岸は初回を3者凡退で切り抜ける無難な立ち上がり。一方のライオンズは1死2塁の好機を作るも秋山、浅村の3,4番が打てず。中村が怪我で不在なのでこの二人が機能しないと得点力は向上しませんね。岸は2回、稼頭央に初球を叩かれ2ラン本塁打となった先制点を与えてしまいます。岸の課題は被本塁打の多さであり、防御率は2点台でも勝ち星が15を越さない原因の一つはこれです。それにしても稼頭央はMLB時代も開幕試合で本塁打していたので、そう言った意味でも慎重に行ってもらいたかった。
3回裏に熊代のタイムリーで1点を返すも8回の好機に1回に続いて3,4番が打てず。9回には1死1,2塁と絶好の好機でここまで2安打の炭谷。自分は「絶対バント」と勝手に思っていたが、無造作に打って嫌な予感が的中の遊ゴロ併殺で2年目則本にプロ初完投勝利を贈ってしまった。

今日の試合犠打を2回決めたのに、何故、ここで強攻なのか疑問に思う。炭谷が1試合3安打を打つ確率と犠打を決める確率を天秤にかければ、当然後者の方を選択すると思った。2死になっても2,3塁となれば楽天サイドにプレッシャーを掛けられた。相手が嫌がることをしなかった理由を知りたい。
次打者鬼崎が敬遠され満塁で斉藤勝負になる可能性は高いが、そこは大崎とか上本を代打に送れば良い。仮に無得点のまま終わっても積極的に動いた中での敗戦ならチームもファンも納得したのではないか?

岸は7回2失点で降板。1,3回以外は走者を出したが粘り強く後続を絶って2回の2失点だけに抑えたのは評価出来るが、交流戦前までは常に開幕投手と対戦するだけに、今度はチームに勝利をもたらす投球がみたい。
打線はオープン戦からの不調を引き摺っているようで、このままでは大量点は望めそうにもないだけに、出た走者は確率の高い作戦で進塁させる作戦を取ってもらいたい(結果は別として)。

明日は菊地と塩見の左腕が先発。


映画『ネブラスカ、ふたつの心をつなぐ旅』を観て

2014-03-24 14:52:42 | 映画・ドラマ、アクション

14-30.ネブラスカ、ふたつの心をつなぐ旅
■原題:Nebraska
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:115分
■料金:1,800円
■観賞日:3月23日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷) 

□監督:アレクサンダー・ペイン
◆ブルース・ダーン
◆ウィル・フォーテ
◆ジューン・スキッブ
◆デヴィン・ラトレイ
◆ランス・ハワード
◆ステイシー・キーチ
◆ボブ・オデンカーク
◆マリー・ルイーズ・ウィルソン
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
『ファミリー・ツリー』などのアレクサンダー・ペインがメガホンを取り、頑固な父と息子が旅を通して家族の絆を取り戻す様子を描くロードムービー。大金が当選したという通知を信じる父とそれを怪しむ息子が、モンタナからネブラスカまで車で旅する途中に立ち寄った父の故郷で、父の意外な真実に遭遇しながらつながりを深めていく様子を映し出す。
100万ドルが当たったという通知を受け取ったウディ。それはどう見てもインチキだったが、徒歩でもモンタナからネブラスカまで金を受け取ろうとするウディに息子のデイビッドが付き添うことに。こうして始まった父と息子の4州をまたぐ車での旅。途中、立ち寄った父の故郷で、デイビッドは父の意外な過去を知ることになる。

ブルース・ダーンって既に引退していたと思っていたけど、この作品では良い味出していました。まるで彼の為に書いたかのような(キャスティング決まる前はデ・ニーロが候補の一人だったそうだ)脚本も素晴らしかった。
ストーリーは年金生活者の両親、父が「100万㌦が当選した」との胡散臭い通知を頑固なまでに信じたことから始まる。妻も息子もさじを投げる頑固者で、一人で徒歩で自宅のあるモンタナからネブラスカへ向かうと言い張る。一度は警察官に諭され戻ったが、それでも諦めない父は隙を見て家を出る。息子が急遽父の行方を探し当てて、渋々、仕事を休んでネブラスカ行きに同行することに。
息子の車で受取先に向かうが、二人の間にはろくに会話が無い(男同士ってそんなもんだけど)。だが、二人の旅の最中、親戚の家に寄ったりしていると、父の過去が分かったり母との出会いまで判明して息子は混乱する。結局、「100万㌦」は抽選の結果次第ということが判明、案の定、落選していた(本当に抽選したのかは怪しい)ことが判明。

ウディとケイトの老夫婦の会話劇は洋の東西を問わず女性の方が口が達者だと思わせボケとツッコミも絶妙だった。久し振りに会った親戚どもがウディが100万㌦当選したと知るや、あの時貸した金(実際に借りたとウディは思っていない)を返せと迫られたりして、ロード・ムーヴィーとして単調にならない工夫がされている脚本は良かった。
ブルース・ダーンは若い頃にヒッチコック作品に出演していた(「ファミリー・プロット」)のをTVで観た記憶があるが、最近の作品は全く知らない。それでも認知症気味の頑固爺役を好演しアカデミー賞主演男優賞候補に挙がっていたのは流石だった。因みにこの作品自体はアカデミー賞で主演男優、主演女優、作品、監督、脚本、撮影の6部門でノミネートされたが残念ながら受賞は全て逸した。 


映画『LIFE!』を観て

2014-03-23 18:14:35 | 映画・ドラマ、アクション

14-29.LIFE!
■原題:The Secret Life Of Walter Mitty
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:114分
■料金:1,800円
■観賞日:3月22日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)


□監督・製作:ベン・スティラー
◆ベン・スティラー
◆クリステン・ウィグ
◆ショーン・ペン
◆アダム・スコット
◆シャーリー・マクレーン
◆キャスリーン・ハーン
◆パットン・オズワルト
【ストーリー&感想】
凡庸で空想癖のある主人公が未知なる土地への旅を経て変化していくさまを、ベン・スティラー監督・主演で描くヒューマンドラマ。夢を諦め、写真雑誌の写真管理部で働く地味な中年男性が、ひょんなことからニューヨークをたち世界中を巡る旅を繰り広げる様子をファンタジックに映し出す。

LIFE誌の写真管理部に務めるウォルター・ミティー、歴史ある雑誌がWEB専門に移り変わることで、その紙売り最後の表紙を飾る写真が紛失していることに築いた彼は、早速、カメラマンのショーン・オコンネルを探しに行く。
そのショーンを探しに世界中を旅することになるベン・スティラー演じるウォルターのお話。ショーンは神出鬼没のカメラマンとして有名で、誰もその滞在先を把握出来ていない。ここからはどこがウォルターの現実か妄想か映像から区別がつかない展開になるのだが、それがこの製作者(監督と主演はベン・スティラー自身)と言うか原作の(短編)意図するところか?
ウォルターはショーンを探しにグリーンランド、アイスランドからヒマラヤ山中にまで足を運びそのヒマラヤでショーンと出会えた。普段は平凡な写真管理部の社員だった彼が、自らの殻を破り世界の秘境を一人で旅することで得た物は「自信」だったか?

結局、写真のネガを捜し当てた彼は最終号の締め切りに間に合い、それをNY街中のスタンドで彼が入社したばかりで関心を持つリストラされそうな女性社員と二人で眺め手に取ってジ・エンドとなる。

LIFE誌は実在の写真を中心とした雑誌で、この映画の中にあるように何度かの休刊を乗り越えて、今ではWEBで細々と生き残っているそうだが、かつては同誌の表紙を飾るのはその人物のステータスでもあるほど影響力が強かったが押し寄せる時代の波には勝てなかった。そのライフ誌に外部から若い経営者が残りこんでリストラ策を次々と実行し、ウォルターもその経営者から最後通告を突き付けられ、必死に写真のネガを探しに行くのだった。

主演と監督を兼ねるベン・スティラーはコメディ俳優「らしく」、過去作には「ナイト・ミュージアム」シリーズがあるそうだが私は全て未見だった。カメラマンを演じるショーン・ペン(マドンナの元夫)、彼はエキセントリックな演技をすれば右に出るものは居ない演技派だが存在感は見せているが、どちらかと言えば地味な役だった。往年の名女優シャーリー・マクレーンがウォルターの母役で出演していた。


映画『ローン・サバイバー』を観て

2014-03-22 13:39:39 | 映画・ドラマ、アクション

14-28.ローン・サバイバー
■原題:Lone Survivor
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:121分
■料金:1,800円
■観賞日:3月22日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木) 


□監督・脚本・製作:ピーター・バーグ
◆マーク・ウォールバーグ
◆テイラー・キッチュ
◆エリック・バナ
◆ベン・フォスター
◆エミール・ハーシュ
【ストーリー&感想】
アメリカ海軍の特殊部隊ネイビーシールズ史上最悪の惨事と呼ばれるレッドウィング作戦の全貌を映画化した戦場アクション。実際に作戦に参加し唯一生還した兵士の回顧録を原作に、極限状況下の戦場の真実をリアルに描く。
2005年6月、国際テロ組織アル・カイーダの重要工作員の暗殺を狙ったレッド・ウィング作戦のため、アメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズはアフガニスタンに赴く。4人の隊員が山岳地帯で偵察をしていた際、ある判断が200人超のタリバン兵から攻撃される状況を呼んでしまう。絶体絶命の状況下、崖から転がり落ち全身負傷しながら自分と仲間を信じて行動する4人。生死を分ける選択に次々と迫られる過酷な場に立ち向かっていくが…
冒頭で4人の隊員の絆の深さが示されるシーンから始まる、ストーリー展開はマーカスが重傷を負ってヘリで基地へ帰還する場面からそこに至るまでの3日間を描いている。4人はタリバン最高指揮官のビン・ラーディンの側近が潜んでいる場所への偵察任務を与えられた。
だが、場所は山奥深い地形で基地との通信も途絶えがち。誤算だったのは任務中に羊飼い達が通りかかったことだった。4人は議論の末に羊飼いを解放するが、それは自身らが危険にさらされることを意味していた。案の定、4人はタリバンの大軍に囲まれることになり、激戦を戦い抜くがマーカス以外の3人は殉死し、文字通り彼だけが生き残る(ローン・サバイバー)ことになったが、そんな彼も重傷を負う。だが、マーカスを助けたのはタリバンの脅威に晒されている村の父子だった。彼を匿っている間にもタリバンがマーカスを差し出すように強要するが、村人は「客人」だからと突っぱねる。
結局、村人の機転でマーカスの存在を米軍基地に伝えたことで、救助され、一人だけ生き残ったのだった。この恩に対して5年後、彼は村を訪ねて謝意を伝えたそうだ。多民族国家のアフガニスタンを構成する主民族パシュトゥーン人には掟があるという。その掟は、助けを乞う者がいれば、(仮に敵でも)命をかけて保護しなければならないと定めている。マーカスはこの掟に命を救われたのは幸運だが、そこに至るまでに仲間は亡くなっているので、やはり彼の生存本能の高さが招いたのだと思う。

マーク・ウォールバーグを筆頭に4人の戦闘シーンは激しかった。4人対100人を超すタリバン大軍との戦闘はスキルの高さを持った兵士だったから持ち堪えられたとも言える。だが、その裏でこの作戦を立案するにあたって、どこまで下調べしていたのかに疑問を感じた。救援隊も上司の命令に背いて失敗しているし。

勇敢に戦った4人中3人が亡くなったのは不幸だったが、彼らは母国や家族の為に戦っていた。その姿勢は立派であるし、この過酷な撮影に挑んだマーク・ウォールバーグらにも賛辞を贈りたい。


映画『ホビット 竜に奪われた王国』を観て

2014-03-17 21:59:07 | 映画・恋愛、ファンタジー、コメディー

14-27.ホビット 竜に奪われた王国 3D
■原題:The Hobbit:The Desolation Of Smaug
■製作年、国:2013年、アメリカ・ニュージーランド
■上映時間:161分
■料金:2,100円
■観賞日:3月16日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)



□監督・製作・脚本:ピーター・ジャクソン
□脚本:ギレルモ・デル・トロ、フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン
◆イアン・マッケラン
◆マーティン・フリーマン
◆オーランド・ブルーム
◆リチャード・アーミティッジ
◆ベネディクト・カンバーバッチ
◆ルーク・エヴァンス
◆ジェームズ・ネスビット
◆ケン・ストット
【ストーリー&感想】
 『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの60年前を舞台にしたJ・R・R・トールキンの冒険小説を実写映画化した『ホビット』3部作の第2章。マーティン・フリーマン、イアン・マッケランら前作からの続投組に加え、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどのオーランド・ブルームもレゴラス役で再登場。
魔法使いガンダルフに誘われトーリン・オーケンシールド13人のドワーフたちとともに、巨大な竜スマウグに奪われたドワーフの王国エレボールを取り戻す旅に出たホビット族のビルボ・バギンズ。臆病だったビルボは、旅を通じて自分にも知恵や勇気があることに気付き、ドワーフたちと固い絆で結ばれていった。獰猛で巨大なクモの群れの襲撃、ドワーフたちと因縁のある森のエルフとの遭遇、急流を下りながらのオークとの死闘など、旅路は困難を極めた。それでも彼らは目的を果たすため、恐ろしいスマウグがいるはなれ山の荒れ地を目指す……。

「LOTR」シリーズの前日譚3作の2作目である本作、1作目には復活登場しなかったレゴラスを演じるオーランド・ブルーム、本人も再登場を熱望していたが、やはり、彼が戻ると華やかさが加わる。今回はガンダルフは前半に集中して登場し、途中で別ルートで単独行動を取ること(一行に合流すると宣言するが)になり、ホビットが主役扱いされることに。
リングを一行に内緒で所持していることから、臆病なビルボもドラゴンとの戦いでもリングを使って対抗するが、所詮、他に戦う術がないのでドラゴンの逆鱗に触れてからはやはり逃げるしかない?
3作シリーズの2本目って位置付けが難しいのだが、「LOTR」シリーズの良さは残しつつ、ドラゴンの怒りに火が付いて、3作目に繋げてガンダルフがどのような行動を取るのか?ホビットの活躍は?アラゴルンの復活登場はあるのか?その辺に注目して3作目公開を待ちたい。


映画『ダラス・バイヤーズクラブ』を観て~アカデミー賞受賞作品

2014-03-16 22:43:46 | 映画・ドラマ、アクション

14-26.ダラス・バイヤーズクラブ
■原題:Dallas Buyers Club
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:117分
■料金:1,800円
■観賞日:3月15日、ヒューマントラストシネマ有楽町(有楽町)



□監督:ジャン=マルク・ヴァレ
◆マシュー・マコノヒー
◆ジャレッド・レト
◆ジェニファー・ガーナー
◆デニス・オヘア
◆マイケル・オニール
◆ダラス・ロバーツ
◆スティーヴ・ザーン
【ストーリー&感想】
HIVの治療薬を求めてメキシコに渡り、政府の目を逃れて無認可の薬やサプリメントの販売を行う“ダラス・バイヤーズクラブ“を設立した男の壮絶な実話を描くドラマ。『マジック・マイク』でも活躍を見せたマシュー・マコノヒーが21キロもの減量を行いエイズ患者役を熱演するほか、ジャレッド・レト、ジェニファー・ガーナーが共演する。
アカデミー賞主演男優賞(マシュー・マコノヒー)、助演男優賞(ジャレッド・レト)、メイク・ヘアスタイリング賞の3部門を受賞した。

1985年、アメリカ南部に位置するテキサス州。電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフは、多くの女性と性行為を重ねた末、HIV(エイズ)陽性で余命30日との診断がくだる。エイズは同性愛者が感染する病とされている中で、同性愛者ではないロンは納得がいかない。
突然の事態に驚き、エイズについて猛勉強するロン。アメリカでは認可されている治療薬が少ないため代替治療薬を求めて向かったメキシコで、未認可医薬品やサプリメントを密輸できないかと思いつく。同じくエイズ患者であるトランスセクシュアルのレイヨンとともに非合法組織ダラス・バイヤーズクラブを設立し新薬の提供を始めた。会費を徴収するが薬代は無料で提供する(会費が薬代?)このクラブの存在が知れ渡るようになると、薬を求める人たちの長蛇の列が事務所前に出来ていた。友人や顧客のおかげでネットワークはどんどん拡大し、ロンは日々世界各国を飛び回って特効薬を探していた。しかしそんな彼に司法当局は目をつける……。

考えてみればこの時代はインターネットも携帯電話も無かった時代。そんな時代のテキサス州で自由気ままに生きていたロン、ある日、いきなり余命30日と診断されてパニックに。
彼を診断した医師と病院、特に診断した男性医師を敵対視し、女医のイブには協力を仰ぐなど、どこまでも彼の行動は個性的だ。ネット時代だったらあっと言う間に評判が評判を呼んだろうが、それでも彼は一日一日を精一杯生き抜き30日の余命宣告から7年(だっけな?)も余命を「伸ばした」のだった。未承認薬を求めてはメキシコや欧州、日本にまで手を広げ、まさにグローヴァルに展開する彼の治療薬仕入れの旅だった。
当時のエイズ患者には「同性愛者」のレッテルが張られ、劇中でも俳優ロック・ハドソンの話題が出て来るが、彼もエイズで亡くなった。ロンは自分は「冗談じゃない、俺はゲイではない」の思いが強いのだが、彼の生への執着は凄かった。そのロンを演じるにあたりマシュー・マコノヒーは体重を20キロ以上も落として撮影に臨むなど、この作品への並々ならぬ思い入れが感じられる。この激ヤセは映像的にも説得力ありましたね。
テキサス州出身の彼が、映画化が長年頓挫していたこの企画に対して脚本を手にした時からロン役を彼なりに理解し、大減量に挑戦したみたいだ。助演のジャレッド・レトは最近では音楽活動が中心だったそうだが、彼も、レイヨンという難しい役所を見事に演じ切っていた。その二人がアカデミー賞男優部門をいずれも獲得したのには大いに納得する。

マシュー・マコノヒーはこの映画での受賞で益々出演依頼が殺到するでしょうね。


映画『それでも夜は明ける』を観て~アカデミー賞受賞作品

2014-03-15 23:10:43 | 映画・ドラマ、アクション

14-25.それでも夜は明ける
■原題:12 Years A Slave
■製作年、国:2013年、アメリカ・イギリス
■上映時間:134分
■料金:0円(ポイント利用)
■観賞日:3月15日、TOHOシネマズみゆき座(日比谷)



□監督:スティーヴ・マックイーン
□脚本:ジョン・リドリー
◆キウェテル・イジョフォー
◆ベネディクト・カンバーバッチ
◆マイケル・ファスベンダー
◆ポール・ダノ
◆ポール・ジアマッティ
◆ルピタ・ニョンゴ
◆ブラッド・ピット
◆サラ・ポールソン
【ストーリー&感想】
奴隷制度がはびこっていたアメリカを舞台に、自由の身でありながら拉致され、南部の綿花農園で12年間も奴隷生活を強いられた黒人男性の実話を映画化した伝記ドラマ。アカデミー賞では作品賞、助演女優賞(ルピタ・ニョンゴ)、脚色賞(ジョン・リドリー)の3部門で受賞した。

奴隷制度が広がっていた1841年、アメリカ。ニューヨーク州サラトガで家族とともに暮らす自由黒人で音楽家(ヴァイオリン奏者)のソロモン・ノーサップは妻と2人の子供に恵まれ何の不自由も無い生活を送っていた。
だが、ある日、二人の白人興行師からワシントンのサーカスで演奏して欲しいと高給で話を持ちかけられ2週間の約束で行くことに。
到着後、レストランで二人からワインを言われるがままに勧められ呑み過ぎて嘔吐していたソロモンだが、目が醒めると地下室で手足を鎖で縛られていた。彼は、訳も判らず突如誘拐され、船に乗せられ奴隷としてアメリカ南部のニューオーリンズへ売り飛ばされジョージア州から脱走した奴隷のプラットとして、牧師で大農園主のフォードに買われ農園内の製材所で他の奴隷たちと一緒に働くことに。
早くも有能さを発揮したソロモンだったが、白人の大工ティビッツからは黒人というだけで何かと因縁を付けられ遂には格闘になりねじ伏せるが、後に、復讐され木に吊るされる羽目に。

ソロモンはティビッツに命を狙われる前に彼を、狂信的な選民主義者エップスに売る。エップスはフォードとは違い、奴隷を所有物と言い放ち、毎日、綿花の収穫ノルマを厳しく化し平均以下の場合は鞭打ちが待っていた。
白人たちからはむごい差別と虐待を受けながらも、ソロモンは決して人としての尊厳を失うまいと心に決める。いつかまた家族と再会できる日が来ることを信じ続けて耐え忍ぶソロモン。そして12年もの歳月が流れたある日、奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人大工バスと出会い、これを機に彼の運命は大きく変わっていく……。

カナダ人大工バスの登場は突然だったが、彼の前にも白人の労働者に窮状を訴え手紙を投函するように依頼したものの裏切られ、今度こその思いを込めてバスに依頼し、彼は見事に応えてくれた。彼は奴隷解放主義者でもあったことから、彼の通報が元でサラトガの小売店主パーカーが保安官らと共に農場に現れ故郷へと帰ることが出来た。
そして遂に自宅に戻り妻、娘マーガレットには夫と子供(ソロモンの孫)らが待っていた。

奴隷や奴隷解放がテーマの作品は数多く制作され、最近ではリンカーン大統領関係の作品も当然ながら奴隷解放問題は避けて通れないテーマだった。今作はイギリス人監督スティーヴ・マックイーンによる製作で、ハリウッドでは当初からキャスティングやスポンサーで苦労したらしく、だが、ブラピがプロデューサーと出演に決まってから流れが少し変ったらしい。それでも主演のキウェテル・イジョフォー、ベネディクト・カンバーバッチはイギリス出身、マイケル・ファスベンダーはドイツ出身のアイルランド育ち、ルピタ・ニョンゴはケニア出身と主要キャストに米国人の俳優は無い。ブラピにしても登場シーンは後半の一部、その他はポール・ダノ、ポール・ジアマッティらでこちらは主役級俳優ではない。
自由人としてヴァイオリン奏者として何の不自由も無く白人並みの生活を送っていたソロモン、だが、彼のチョットした隙(白人に泥酔させられる)に人身売買の手に渡って12年も奴隷としての生活を余儀なくされながらも、家族の元へ帰ると言う気持ちだけは切れることなく持ち続けたことが、感動的なラストシーンへと繋がって行く。

アメリカの歴史でも暗部である奴隷問題、日本人の私はこうした映画を通して学ぶことしか出来ないが、未だに一部では白人優先主義を唱える白人がいるときく。バラク・オバマ氏が大統領に当選したときも、快く思わない白人が多くいて暗殺の可能性まで指摘されていたが、再選され2期を全うすることで初の黒人大統領として歴史に名を残すだろう(実績は別として)。
そのオバマ氏もこうした黒人の苦難の歴史を経て念願の米国大統領の座を掴んだ。ソロモンの12年間は地獄の様な期間だったろうが、彼の諦めなかった気持ち、これこそが帰還を果たせた最大の理由だった。だが、後日談として、誘拐に関わった白人には何のお咎めも無かったそうだ。それも当時の現実だった。


柏市通り魔事件容疑者、任意同行時に「ヤフーチャット万歳!」

2014-03-06 14:10:11 | 時事ニュース・国内

千葉県柏市で2人が死傷した連続通り魔事件は、現場近くに住む自称無職の竹井聖寿(せいじゅ)容疑者(24)が強盗殺人容疑で逮捕された。
「感情が高ぶった」「金を取る目的で刺した」。竹井容疑者は素直に容疑を認めているというが、事件の翌日には、報道陣に「犯行を見た」と冗舌に証言していた。竹井容疑者は「犯人は手に30センチほどの長さの刃物を持っており、暗闇でもギラギラ光っていた」「犯人は『ハハハ』と笑い声を上げたり、奇声を上げたりしながら、牛刀のようなもので倒れた男性に馬乗りになり、背中を何度も刺していた」「刑事さんが先ほどこられて、『動画持ってる』って提出したんです」「でも、これは『外部には内密に』って言われてるんです」と状況を細かく話していた。

竹井容疑者の行動の異様さが際だったのが、3月5日19時過ぎ、家宅捜索後に任意同行される際の行動だ。竹井容疑者は報道陣に向かって中指を立て、つけていたマスクを外して「ヤフーチャット万歳!」と絶叫した。



柏市連続通り魔事件は、被害者の男性と同じマンション内に住む竹井容疑者の犯行だった。この容疑者はTVカメラ前で一部始終をペラペラと喋っていた。
私は犯行発生当時より犯人は土地勘があって遠くに行っていない人物と思っていたが、まさか、竹井容疑者の自宅前の路上で犯行に及んでいたとはそこまでは予想外だった。
任意同行時に奇声を発していたが、最初は「...万歳」で何を言っているか判らなかったが、「ヤフーチャット万歳」らしい。これは竹井容疑者が「除悪」のHNでチャットしていたそうだが、仮想世界で仲間を物色していたのだろうがそこでも居場所は無かったようだ。

今後、捜査の進展と共に竹井容疑者の動機や生活状況、家庭などがあぶり出されるだろう。


第86回アカデミー賞、「ゼロ・グラビティ」が最多7冠

2014-03-03 22:53:35 | 映画全般

第86回アカデミー賞受賞式が3日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催された。サンドラ・ブロック主演のSF映画『ゼロ・グラビティ』が最多となる7部門で受賞した。作品賞を受賞した『それでも夜は明ける』は3部門を獲得した。最多タイの10部門でノミネートされていた『アメリカン・ハッスル』は、まさかの受賞なしだった。

同授賞式の最大の目玉である作品賞を受賞したのは、スティーヴ・マックイーン監督作品『それでも夜は明ける』。主演男優賞を獲得したのは、『ダラス・バイヤーズクラブ』のマシュー・マコノヒー。主演女優賞は、『アビエイター』(2004年)で第77回アカデミー賞助演女優賞に輝いて以来、2度目のオスカー受賞となったケイト・ブランシェット。主演女優賞では『エリザベス』(1998年)に次いで2回目のノミネートで栄誉を手にした。
4度目のノミネートでのオスカー初受賞が期待されていた『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレオナルド・ディカプリオがまたも受賞を逃して残念でしたね~。また、宮崎駿監督の『風立ちぬ』(長編アニメ映画賞ノミネート)はディズ二ー・アニメという強敵に阻まれ、森田修平監督の『九十九』(短編アニメ映画賞ノミネート)といった日本作品も受賞はならなかった。

「ゼロ・グラビティ」の7部門受賞は納得で、逆に「アメリカン・ハッスル」の無冠にはあるていど納得ですが、俳優部門で1つ位獲るかとも思っていた。「ダラス・バイヤーズ・クラブ」はミニ・シアター系で上映中で、実は、今週末に観る予定だったのですが、早く行かないと混みそうな気がする。男優部門の2冠は凄いですね。

【受賞リスト】

『それでも夜は明ける』(3部門)

■作品賞
■助演女優賞、ルピタ・ニョンゴ
■脚色賞、ジョン・リドリー

『ダラス・バイヤーズクラブ』(3部門)
■主演男優賞、マシュー・マコノヒー
■助演男優賞、ジャレッド・レトー
■メイク・ヘアスタイリング賞

『ゼロ・グラビティ』(7部門)
■監督賞、アルフォンソ・キュアロン
■編集賞、アルフォンソ・キュアロン、マーク・サンガー 
■撮影賞、エマニュエル・ルベツキ
■音響編集賞
■録音賞
■作曲賞、スティーヴン・プライス
■視覚効果賞

『ブルー・ジャスミン』
■主演女優賞、ケイト・ブランシェット

『her/世界でひとつの彼女』
■脚本賞、スパイク・ジョーンズ

『華麗なるギャツビー』(2部門)
■美術賞
■衣装デザイン賞、キャサリン・マーティン

『アナと雪の女王』(2部門)
■歌曲賞、「Let It Go」
■長編アニメ映画賞

『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(イタリア)
■外国語映画賞

『ミスター・ハブロット(原題) / Mr. Hublot』
■短編アニメ映画賞

『ヒリアム(原題) / Helium』
■短編実写映画賞

『ザ・レディー・イン・ナンバー・6: ミュージック・セイブド・マイ・ライフ(原題) / The Lady in Number 6: Music Saved My Life』
■短編ドキュメンタリー賞

『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』
■長編ドキュメンタリー賞


映画『エヴァの告白』を観て

2014-03-02 17:35:31 | ヨーロッパ映画

14-24.エヴァの告白
■原題:The Immigrant
■製作年、国:2013年、アメリカ・フランス
■上映時間:118分
■料金:1,000円
■観賞日:3月1日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)



□監督・脚本・製作:ジェームス・グレイ
□脚本:リチャード・メネロ
◆マリオン・コティヤール
◆ホアキン・フェニックス
◆ジェレミー・レナー
◆ダグマラ・ドミンチック
◆ジッキー・シュニー
◆エレーナ・ソロヴェイ
◆マヤ・ワンパブスキー
◆イリア・ヴォロック
◆アンジェラ・サラフィアン
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナーらが豪華共演を果たした人間ドラマ。より良い人生を求めてアメリカに移住してきた女性が、さまざまな出来事に振り回されながらもたくましく生き抜く姿を映し出す。
1921年1月、エヴァは妹マグダを連れて、戦火の祖国ポーランドからアメリカを目指し、ニューヨークのエリス島に辿り着いた姉妹は希望に胸を躍らせ、迎えの叔母夫婦を待っていた。
ニューヨークに辿りつくが、病気の妹マグダは入国審査で肺病だと診断され6ヶ月間隔離されることに。エヴァ自身も船内での素行を理由に入国の許可が下りなかった。しかし、強制送還を待っていた彼女の美しさに一目で心を奪われたブルーノが係員に賄賂を握らせ、救いの手を差し伸べる。彼は、移民の女たちを劇場で踊らせ、売春を斡旋していた。エヴァは妹を救い出すため、厳格なカトリック教徒から娼婦に身を落とす。彼女に想いを寄せるマジシャンのオーランドに救いを求めるが、それもかなわなかった。エヴァは生きるため、ある罪を犯す。ある日、彼女は教会を訪れ、告解室で告白する……。

エヴァの妹を思う気持ちが物語の全てと言っても過言ではありませんでした。両親を失い姉妹二人で新天地に「移民」(原題)としてやってきて、その入り口で躓いてしまった姉妹。エヴァはブルーノの世話になりながらも、ブルーノは彼女を商売道具の一つとして見ていて恋心も持ち合わせてはいるもののエヴァにはそんな気持ちは通じない。
エリス島に迎えに来ている筈の叔母夫婦とも会えず、ブルーノの下宿先から住所だけを頼りに叔母夫婦宅を捜し当て一泊するものの、地元で地位を築いている叔父の裏切りにあい不法移民として通報されてしまう。もう、誰も頼れなくなったエヴァは売春で稼いだお金で妹を救おうと懸命になる。
ラストではエリス島へ密航し内通している係員からマグダを引き渡され再会を果たしニュージャージーへと向かって行った。やっと二人揃って新天地での生活が始まるのだった。

エリス島は当時は移民局がありここで入国審査を受ける。まさにその島でロケを敢行したことに意義がある。ブルーノの役柄はパンフレットによると、どうやらウクライナ系ユダヤ移民でもあるグレイ監督の家族の歴史も反映されているそうだ。
邦題だとエヴァが教会で告解したことを想起させられるが、原題はシンプルに「移民」なので、こちらの方がストーリー全体を現していると言えそうだ。
主演のフランス出身のマリオン・コティヤールはポーランド訛りの英語、ポーランド語を駆使する難しいキャラだったが、決して美貌だけではない演技力のしっかりした国際女優であると再認識させられた。


映画『エージェント:ライアン』を観て

2014-03-01 11:12:04 | 映画・ドラマ、アクション

14-23.エージェント・ライアン
■原題:Jack Ryan:Shadow Recruit
■製作年、国:2014年、アメリカ
■上映時間:105分
■料金:1,000円
■観賞日:3月1日、TOHOシネマズスカラ座(日比谷)



□監督:ケネス・ブラナー
◆クリス・パイン
◆キーラ・ナイトレー
◆ケヴィン・コスナー
◆ケネス・ブラナー
◆デヴィッド・ペイマー
◆コルム・フィオール
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
『レッド・オクトーバーを追え!』などの原作で知られる、トム・クランシーの人気小説「ジャック・ライアン」シリーズを新たに実写化したサスペンスアクション。投資銀行員という表向きの顔を持つCIA情報分析アナリストのジャック・ライアンが、世界恐慌勃発を狙う巨大な陰謀に立ち向かう。

ライアンはCIA分析官として志願してアフガンの戦場へ赴いたが、ヘリコプターで移動中にロシア軍の攻撃にあい背骨二本を折る重傷を負い、ワシントンDCの施設でリハビリに励んでおり、担当医は医大3回生のキャシーだった。その様子を眺めていたのがハーパーで彼との面会を希望する。CIAだと名乗った彼はライアンに対してウォール街で身分を隠して財務分析官として勤務、世界経済会の不審な資金の流れをチェックするのが仕事だ。
10年後、全世界を標的とした大規模テロ計画がロシアで発覚、CIAは真相を暴くため、ウォール街に勤務する若き経済アナリスト、ジャック・ライアンをスカウトし捜査を開始する。
だが突然現場の最前線へ放り込まれたスパイ経験ゼロの彼を待ち受けていたのは、恐るべき巨大な陰謀であった。世界経済を牛耳るロシアの実業家チェレヴィン、不可解な行動をとるCIA上官ハーパー……。誰を信用すべきか、何が真実なのかはっきりしない中、その天才的な情報分析力を武器に“エージェント・ライアン”はポスト9・11の全く新しいテロに挑んでいく……。

ロシアの投資グループの首領チェレヴィンが今回の事件の鍵を握っている。内務大臣から秘密指令を受け、ウォール街をテロ攻撃で混乱させ世界的大恐慌を発生させ米国にダメージを与える作戦。そのチェレヴィンには死んだはずの息子をミシガン州に潜伏させ時を待っていた。 息子アレキサンドルは警察車両を装って爆弾を仕掛け、ウォール街の地下で爆発させる計画だったがライアンに察知され、車はイースト・リバーに落ち事なきを得た。
この一件でライアンは大統領から労いの言葉をかけられ、恋人のキャシーとも結婚することが決まってメデタシ。

ジャック・ライアンはクリス・パインで4代目5作品目となるが、このクリス・パインで続編化しても面白そうだ。マット・デイモンでも良いかも知れないが、スターダムに乗りかけている彼の代表作になる可能性もあるし、共演者のキーラ・ナイトレーは華があるのでコンビとして定着すれば面白そうだ。
ケネス・ブラナーは監督とチェレヴィン役を兼ねていたが、わざとロシア訛りの英語を話すなど芸も細かく悪役としてピッタリだったし、彼の息子がアメリカに潜伏していたというシナリオも見事だった。


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