14-30.ネブラスカ、ふたつの心をつなぐ旅
■原題:Nebraska
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:115分
■料金:1,800円
■観賞日:3月23日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)
□監督:アレクサンダー・ペイン
◆ブルース・ダーン
◆ウィル・フォーテ
◆ジューン・スキッブ
◆デヴィン・ラトレイ
◆ランス・ハワード
◆ステイシー・キーチ
◆ボブ・オデンカーク
◆マリー・ルイーズ・ウィルソン
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
『ファミリー・ツリー』などのアレクサンダー・ペインがメガホンを取り、頑固な父と息子が旅を通して家族の絆を取り戻す様子を描くロードムービー。大金が当選したという通知を信じる父とそれを怪しむ息子が、モンタナからネブラスカまで車で旅する途中に立ち寄った父の故郷で、父の意外な真実に遭遇しながらつながりを深めていく様子を映し出す。
100万ドルが当たったという通知を受け取ったウディ。それはどう見てもインチキだったが、徒歩でもモンタナからネブラスカまで金を受け取ろうとするウディに息子のデイビッドが付き添うことに。こうして始まった父と息子の4州をまたぐ車での旅。途中、立ち寄った父の故郷で、デイビッドは父の意外な過去を知ることになる。
ブルース・ダーンって既に引退していたと思っていたけど、この作品では良い味出していました。まるで彼の為に書いたかのような(キャスティング決まる前はデ・ニーロが候補の一人だったそうだ)脚本も素晴らしかった。
ストーリーは年金生活者の両親、父が「100万㌦が当選した」との胡散臭い通知を頑固なまでに信じたことから始まる。妻も息子もさじを投げる頑固者で、一人で徒歩で自宅のあるモンタナからネブラスカへ向かうと言い張る。一度は警察官に諭され戻ったが、それでも諦めない父は隙を見て家を出る。息子が急遽父の行方を探し当てて、渋々、仕事を休んでネブラスカ行きに同行することに。
息子の車で受取先に向かうが、二人の間にはろくに会話が無い(男同士ってそんなもんだけど)。だが、二人の旅の最中、親戚の家に寄ったりしていると、父の過去が分かったり母との出会いまで判明して息子は混乱する。結局、「100万㌦」は抽選の結果次第ということが判明、案の定、落選していた(本当に抽選したのかは怪しい)ことが判明。
ウディとケイトの老夫婦の会話劇は洋の東西を問わず女性の方が口が達者だと思わせボケとツッコミも絶妙だった。久し振りに会った親戚どもがウディが100万㌦当選したと知るや、あの時貸した金(実際に借りたとウディは思っていない)を返せと迫られたりして、ロード・ムーヴィーとして単調にならない工夫がされている脚本は良かった。
ブルース・ダーンは若い頃にヒッチコック作品に出演していた(「ファミリー・プロット」)のをTVで観た記憶があるが、最近の作品は全く知らない。それでも認知症気味の頑固爺役を好演しアカデミー賞主演男優賞候補に挙がっていたのは流石だった。因みにこの作品自体はアカデミー賞で主演男優、主演女優、作品、監督、脚本、撮影の6部門でノミネートされたが残念ながら受賞は全て逸した。
デ・ニーロじゃなくて、ほんとうによかったです。
ぼくが最初に彼を意識したのは『華麗なるギャツビー』。
『帰郷』での役と併せ、なんて切ない人だろうと…。
デ・ニーロだと既に超大物俳優としてのキャリアから
来るイメージが(最近は何でも出ている?)定着して
いますが、B・ダーンならではのカラーが出ていて、
これで良かったと思いますね私は。
B・ダーンに関してはTVで観た「ファミリー・プロット」
程度しか記憶にないです。最も、その作品はA・
ヒッチコック監督の最後の作品だから観たのですが。