kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

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2011年、映画観賞履歴<下半期~年間総合>

2011-12-31 23:40:50 | 映画全般

昨日は1~6月でしたが、今日は下半期(7~12月)です。本数的にはやはり下半期の方が、特に年末年始にかけては話題作が目白押しですから多くなります。

下半期は本数では51本でアメリカ映画(共同制作を除く)が31本、欧州映画(欧州国同士の共同製作を含む)11本、欧北米中米共同制作映画3本、日本映画5本、カナダ映画1本。上半期と比べるとアメリカ映画の割合が多少減少した分、日本映画と欧州映画が若干増えましたね。

43.テンペスト(アメリカ)
44.127時間(アメリカ)
45.メタルヘッド(アメリカ)
46.ビューティフル(スペイン・メキシコ)
47.アイ・アム・ナンバー4(アメリカ)
48.スーパー8(アメリカ)
49.黄色い星のこどもたち(フランス・ドイツ・ハンガリー)
50.マイティ・ソー(アメリカ)
51.モンスターズ/地球外生命体(イギリス)
52.スーパー(アメリカ)
53.ハリー・ポッターと死の秘宝Part2(アメリカ・イギリス)
54.メカニック(アメリカ)
55.モールス(アメリカ)
56.ツリー・オブ・ライフ(アメリカ)
57.未来を生きる君たちへ(デンマーク・スウェーデン)
58.ハンナ(アメリカ)
59.七つまでは神の子(日本)
60.神様のカルテ(日本)
61.ゴーストライター(イギリス・ドイツ・フランス)
62.ミケランジェロの暗号(オーストリア)
63.ザ・ウォード監禁病棟(アメリカ)
64.アンフェア/the answer(日本)
65.サンクタム3D(アメリカ)
66.親愛なるきみへ(アメリカ)
67.世界侵略/ロサンゼルス決戦(アメリカ)
68.猿の惑星/創世記(アメリカ)
69.リミットレス(アメリカ)
70.ブリッツ(イギリス)
71.スイッチを押すとき(日本)
72.ラビット・ホール(アメリカ)
73.ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~(ドイツ)
74.ウィンターズ・ボーン(アメリカ)
75.ミッション:8ミニッツ(アメリカ)
76.コンテイジョン(アメリカ)
77.三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 3D(ドイツ)
78.カウボーイ&エイリアン(アメリカ)
79.マネーボール(アメリカ)
80.ラヴ・アゲイン(アメリカ)
81.フェア・ゲーム(アメリカ)
82.50/50(アメリカ)
83.フェイク・クライム(アメリカ)
84.リアル・スティール(アメリカ)
85.スウィッチ(フランス)
86.サラの鍵(フランス)
87.私だけのハッピー・エンディング(アメリカ)
88.灼熱の魂(カナダ・フランス)
89.源氏物語 千年の謎(日本)
90.ブリューゲルの動く絵(ポーランド・スウェーデン)
91.ボー・ボー・ウィズ・ショットガン(カナダ)
92.ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル(アメリカ)
93.永遠の僕たち(アメリカ)

【年間総合】
 1.灼熱の魂(カナダ・フランス)
 2.ブラックスワン(アメリカ)
 3.英国王のスピーチ(イギリス・オーストラリア)
 4.黄色い星のこどもたち(ドイツ・フランス・ハンガリー)
 5.ザ・ファイター(アメリカ)
 6.愛する人(アメリカ・スペイン)
 7.サラの鍵(フランス)
 8.リアル・スティール(アメリカ)
 9.ミケランジェロの暗号(オーストリア)
10.猿の惑星/創世記(アメリカ)
次 未来を生きる君たちへ(デンマーク・スウェーデン)
次 ソーシャル・ネットワーク(アメリカ)
次 コンテイジョン(アメリカ)

敢えて年間ランキングを作りましたが、順位については「敢えて」付けたと解釈して下さいね。その中で1,7,8位は12月観賞作品ですが、やはり、年間1位は「灼熱の魂」で間違いありません。予告編を映画館で観た時はここまで印象に残る作品とは思っていませんでしたが、実際に観るとストーリーのち密さや映像や展開などどれを取っても文句を付けることが出来ない内容でした。
衝撃のラストでの驚愕の事実も凄まじかったですが、これが全国拡大公開系で無いのが残念であると同時に、それで良かったような気もします。シネコン系での上映ではこの映画の良さが伝わらないかも知れません。

2位と3位と5位はどちらもアカデミー賞を賑わせた作品で、「ブラック・スワン」は1位を先月観るまではこれが1位確実でした。ナタリー・ポートマン産休前の力作でしたね。3位は現女王の父君の話ですがコリン・ファース良かったです。5位はボクサーを支えるファミリーの実話で、クリスチャン・ベールの怪演が印象的でアカデミー賞助演男優賞受賞していますね。
4位と7位はどちらも同じ事件を題材にしている作品で、9位の作品も含めて偶然ですがユダヤ人に関する作品です。でも、9位はユダヤ人の悲劇を扱いながらも最後はひと泡吹かせる展開が痛快だった。

6位はナオミ・ワッツの実際の妊婦姿が印象的で、若気の至りで14歳で出産したが母によって養子に出された娘への思いを綴った作品。ラストで親子3代が繋がるシーンは感動的でしたがナオミ・ワッツが思い掛けない出産で亡くなってしまう展開は残念でした。
8位は元々期待せずに観に行ったら面白かったのと、珍しく「負けるが勝ち」的なハリウッド映画らしからぬ?ラストが感動を呼んだのではないでしょうか?
10位は有名なシリーズ作品へと繋がる時代の設定で、ここから新たなスタートを切る大事な1作目との位置付けでしょうね。ラストでは明らかに続編があるように作られていますが、一本の作品としても質が高いので次作へ期待が高まりました。

次点の作品は12月の展開次第ではトップ10入りも可能だった作品です。来年はどういう作品に巡り合えるか、今から楽しみに待ちましょう。

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2011年、映画観賞履歴<上半期>

2011-12-30 20:35:47 | 映画全般

011年も残すところ今日も含めて2日間です。そこで、備忘録的に今年観た映画を振り返ります。

まずは1~6月の上半期で42本を観賞。ごく平均的な本数で、野球シーズンを含むのでこんなもんですね。
アメリカ映画(共同制作除く)28本欧州映画8本(欧州国同士の共同制作含む)欧米共同制作映画4本日本映画2本。
こうして製作国からみるとアメリカ映画が圧倒的に多かったが、個人的には欧州系映画が好きなのですが、この時期に自分好みの欧州系映画が少なかったのが理由か?
観た作品の中ではモーツァルト、ショパン、ハワード・ホークスなど偉人の伝記物という私の好きなテーマや、同じく、「ランナウェイズ」や「デザート・フラワー」も女性パンク・ロックバンドやソマリア出身のスーパーモデルの話ですね。
印象に残った作品と言えば5月に観賞した「ブラック・スワン」で、出産前のナタリー・ポートマンがアカデミー主演女優賞を受賞した迫真の演技が良かったですよ!
また、違う意味でですが、「ヒアアフター」は3月13日に観賞して、その内容がスマトラ島沖での大地震で発生した大津波に呑まれるシーンから始まる映画だったので、大震災から僅か2日後で観ていて複雑な心境だったのを覚えています。

では、下半期(7月~12月)と年間総合は明日に続きます。

 1.きみがくれた未来(アメリカ)
 2.シチリア!シチリア!(イタリア)
 3.スプライス(カナダ・フランス)
 4.アンストッパブル(アメリカ)
 5.しあわせの雨傘(フランス)
 6.デザート・フラワー(ドイツ・オーストリア・フランス)
 7.白いリボン(ドイツ・オーストリア・フランス・イタリア)
 8.愛する人(アメリカ・スペイン)
 9.完全なる報復(アメリカ)
10.ソーシャル・ネットワーク(アメリカ)
11.グリーン・ホーネット3D(アメリカ)
12.ウォール・ストリート(アメリカ)
13.ザ・タウン(アメリカ)
14.RED/レッド(アメリカ)
15.リセット(アメリカ)
16.ナルニア物語、第3章アスラン王と魔法の島 3D(アメリカ)
17.アンチクライスト(デンマーク・ドイツ・スウェーデン・イタリア・ポーランド)
18.英国王のスピーチ(イギリス・オーストラリア)
19.ショパン、愛と哀しみの旋律(ポーランド)
20.ヒアアフター(アメリカ)
21.恋とニュースのつくり方(アメリカ)
22.ツーリスト(アメリカ)
23.あしたのジョー(日本)
24.ザ・ランナウェイズ(アメリカ)
25.アメイジング・グレース(イギリス)
26.ザ・ファイター(アメリカ)
27.トゥルー・グリット(アメリカ)
28.SP革命篇(日本)
29.ザ・ライト エクソシストの真実(アメリカ)
30.ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路(フランス)
31.ブルー・ヴァレンタイン(アメリカ)
32.キラー・インサイド・ミー(アメリカ・スウェーデン・イギリス・カナダ)
33.キッズ・オールライト(アメリカ)
34.ザ・ホークス~ハワード・ヒューズを売った男~(アメリカ)
35.抱きたいカンケイ(アメリカ)
36.ジュリエットからの手紙(アメリカ)
37.アンノウン(アメリカ)
38.ブラックスワン(アメリカ)
39.アジャストメント(アメリカ)
40.アウェイク(アメリカ)
41.スカイライン-征服-(アメリカ)
42.パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉(アメリカ)

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映画『永遠の僕たち』を観て

2011-12-30 17:05:11 | アメリカ映画 2011

11-93.永遠の僕たち
■原題:Restless
■製作年・国:2011年、アメリカ
■上映時間:90分
■字幕:寺尾次郎
■観賞日:12月30日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)

 
□監督・製作:ガス・ヴァン・サント
□脚本(脚色):ジェイソン・リュウ
□撮影監督:ハリス・サヴィデス
□編集:エリオット・グラハム
□美術:アン・ロス
□衣装デザイン:ダニー・グリッカー
□オリジナル楽曲:ダニー・エルフマン
◆ヘンリー・ホッパー(イーノック)
◆ミア・ワシコウスカ(アナベル)
◆加瀬亮(ヒロシ)
◆シュイラー・フィスク(エリザベス)
◆ジェーン・アダムス(メイベル)
◆ルシア・ストラス(レイチェル)
◆チン・ハン(ドクター・リー)
【この映画について】
他人の葬式に潜りこむ事を日常とする、死に取りつかれた少年と、ガンに冒された少女─そんな思春期の二人を主人公にした、純粋で真っ直ぐなラブストーリー。
第64回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でオープニング上映され高い評価を受けた本作のメガホンをとったのは、『グッド・ウィル・ハンティング』で瑞々しい青春を描いたガス・ヴァン・サント監督。彼の死生観が漂う、一風変わった青春映画だ。主演の二人に、名優デニス・ホッパーの息子ヘンリー・ホッパー、『アリス・イン・ワンダーランド』でアリス役に抜擢されたミア・ワシコウスカというフレッシュな新鋭が名を連ね、二人を見守る重要な役どころで加瀬亮が出演しているのも話題。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
イーノックは、自動車事故で両親を亡くして以来、生きることを諦めてしまった少年。見知らぬ人の葬儀に、遺族のふりをして参列することが彼の趣味だった。ある時、いつものように葬儀に参列していると、係員から問い詰められてしまう。窮地を救ってくれたのは、以前、別の葬儀で出会った少女アナベル。この再会で2人は互いに心を開き始める。

イーノックは、事故の際の臨死体験をきっかけに、ヒロシという第二次世界大戦で戦死した特攻隊員の幽霊が見えるようになっていた。家では、叔母とうまくいかず、ヒロシと遊んで過ごす時間が多かった。
ある日、彼は再会したアナベルを両親が眠る墓地に案内する。帰宅後、イーノックのことを姉のエリザベスに嬉しそうに話すアナベル。そんな彼女の明るい表情に、エリザベスは心を軽くする。実はアナベルは、ガンの闘病中だったのだ。しかも、定期健診によって、一時収まっていたガンが再発していることが明らかになる。自分の余命が3カ月であることをイーノックに打ち明けるアナベル。イーノックは、彼女にヒロシの存在と両親を失った事故の経験を告白する。

やがて、自分の葬儀を自分でプロデュースしたいと告白したアナベルに、イーノックはその準備を手伝うと約束する。それからもデートを重ねて心を通わせる2人だったが、遂にある日、アナベルが倒れてしまう。そのショックで自棄を起こしたイーノックは、両親の墓を掘り返そうとしてヒロシに殴られ、失神。目覚めたのは病院のベッドの上。イーノックは、同じ病院に入院していたアナベルを見舞う。
最期の時が近づいた彼女と言葉を交わしていると、ヒロシが彼女のお伴をしようと現れる。そして迎えたアナベルの葬儀。彼女自身がプロデュースしたセレモニーの最中、イーノックの心には、彼女との思い出が走馬灯のように巡るのだった。

ここ最近、何だか若年の癌患者がテーマの作品が続いているけど、単なる偶然だろうかこういう現象は。「50/50」は体験者がセス・ローゲンと親交があったことから脚本を書いたそうだが、今回の主人公は若い女性で、如何にして亡くなっていくのか?という流れの中での話し。加瀬亮が臨死体験後のイーノックだけに現れる元特攻隊員との設定だが、加瀬の英語は覚えたての英語ではないようでアメリカ滞在経験があるそうで多少納得。今後、外国映画からのオファーが増えそうな予感がします。
あの変な特攻隊員の格好には多少違和感を感じたが、それよりイーノックとの会話の中で原爆投下のことが出て来て、映像でも長崎に投下されたシーンが数秒ドーンとまさに出るのだが、日本で日本人が観ることが全く念頭に無い無神経なシーンだった。未だにアメリカ人の意識はこの程度かと残念だった(映画の評価を下げる要因にはなりません、念の為)。

原爆投下のシーンは不快だったが、ストーリー全体としてが孤独な居場所の無い二人の若者の話し。イーノックは学校にも通わず、他人の葬儀に知人を装って顔をだすのが日常で、それに気が付いたアナベルの親族に摘まみ出されそうになったところを彼女の機転で救われたのが交際の始まり。
イーノックが「ヒロシ」の話をするとアナベルも興味深そうにヒロシについて質問してくる。アナベルの余命が3カ月近くと宣言され、やがて死に行く彼女に対してヒロシが彼女をあちらの世界に「誘導」するような終わり方。ヒロシは自分が現生で悔いを残すような死に方だったので、イーノックを通して彼女には悔いのない終わり方(変な表現だが)を望んでいた。加瀬亮のこの辺の演技は良かった。
最後は、彼女の葬儀に途中から「知人」として参加したイーノックが壇上で思い出を語ろうとするところ(実際は話そうと壇上に上がったが彼女との思い出が駆け巡り話しださないまま)でストップモーションがかかってエンドロールへと。この流れは良かった。それまでに二人の間の関係を中心に進んでいるので、ここで彼があれこれと語るシーンを挿入する必要はないからだ。

エンドロール前がこういう終わり方で、逆に、オープニングではザ・ビートルズの「Two Of Us」がバスからの車窓を背景に流れる。この曲をカバーでなく、オリジナル曲(アルバム「レット・イット・ビー」)をそのまま映像と重ねているのだが、タイトル通り、この映画がイーノックとアナベルの二人(Two Of Us)の物語であることを示している。

イーノックを演じるのはデニス・ホッパーの息子であるヘンリー・ホッパー、どことなく素人さを感じるが出演作を重ねれば解消されるだろう。一方のミア・ワシコウスカの出演作は数本観ているので違和感なく、感情の起伏が多い難しい役だったが上手く演じていた。若手演技派女優としての道を進むことになるだろうが、何時の日か主役級での話題作への出演を観てみたい。

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映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』を観て

2011-12-25 11:34:33 | アメリカ映画 2011

11-92.ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
■原題:Mission:Impossible-Ghost Protocol
■製作年・国:2011年、アメリカ
■上映時間:132分
■字幕:戸田奈津子
■鑑賞日:12月25日、吉祥寺スカラ座(吉祥寺)



□監督:ブラッド・バード
□脚本:ジョッシュ・アッペルバウム、アンドレ・メネック
□製作:トム・クルーズ、J.J.エイブラムス、ブライアン・バーグ
□撮影監督:ロバート・エルスウィット
□美術:ジム・ビッセル
□編集:ポール・ハーシュ
□衣装デザイン:マイケル・カプラン
□音楽:マイケル・ジアッキノ
◆トム・クルーズ(イーサン・ハント)
◆ジェレミー・レナー(ウィリアム・ブラント)
◆サイモン・ペッグ(ベンジー・ダン)
◆ポーラ・パットン(ジェーン・カーター)
◆ミカエル・ニクヴィスト(カート・ヘンドリクス)
◆トム・ウィルキンソン(IMF長官)
◆レア・セドゥー(サビーヌ・モロー)
◆アニル・カプール(ブリッジ・ナス)
◆ジョッシュ・ホロウェイ(トレヴァー・ハナウェイ)
◆ウラディミール・マシコフ(アナトリー・シディロフ)
【この映画について】
トム・クルーズが製作・主演を務める「ミッション:インポッシブル」シリーズの第4弾。『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』で2度のアカデミー長編アニメーション賞に輝いたブラッド・バードが初の実写監督に挑んだ。今回のイーサン・ハントは、ドバイにある世界一の超高層ビル“ブルジュ・ハリファ”の壁面をよじ登ったり、複雑に動き回る立体駐車場の中で格闘したりと、正に縦横無尽の活躍を繰り広げる。これらのアクションをすべてトム・クルーズ自身が演じているというのだから、その役者魂には脱帽だ。
今回チームを組むのは「ザ・タウン」「マイティ・ソー」のジェレミー・レナー、「宇宙人ポール」のサイモン・ペッグ、「ミラーズ」「プレシャス」のポーラ・パットン。
(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
IMFエージェントのトレヴァー・ハナウェイはハンガリーの首都ブダペストで、「コバルト」というコードネームの人物に渡されるはずの秘密ファイルを奪う任務に就いていた。簡単な任務のはずだったが、同ファイルを狙う別組織が乱入したため追跡・銃撃戦となる。やがて、ハナウェイは女殺し屋のサビーヌ・モローによって殺され、ファイルも横取りされてしまう。

その後、ハナウェイのチームリーダーのジェーン・カーターと、新たに現場エージェントに昇格したベンジー・ダンが、イーサン・ハントとその情報屋であるボグダンをモスクワの刑務所から脱出させる。新たなチームリーダーとなったイーサンはIMFの指令によってコバルトの正体を探るため、ダンとカーターを率いてクレムリンに侵入する。だが、IMFの周波数を使う別組織に先手を打たれて爆破テロに巻き込まれ、イーサンは気を失う。病院で目覚めたイーサンは、ロシア諜報員のアナトリー・シディロフに爆破テロの首謀者だと決め付けられる。イーサンはその場から逃亡し、IMFに救助を求める。

イーサンを迎えに来たのはなんと、IMF長官だった。長官によると、ロシア政府は爆破テロをアメリカ合衆国によるものであると信じ込んでいるという。しかも、合衆国大統領は関与を否定するために「ゴースト・プロトコル」を発動させていた。つまり、IMFは解体され、イーサンのチームはテロリストとして追われる身となってしまったのである。
IMF長官は、コバルト追跡任務続行のためにイーサンを逃がそうとする。だが、彼らが乗る車がシディロフ率いる部隊に市中でいきなり銃撃され、長官は射殺され、イーサンも車もろとも川に沈み橋上から銃撃されるが辛うじて逃げ切った。ハントは長官に同行していた分析官のウィリアム・ブラントと共に脱出し、カーターとダンと合流する。

クレムリンを爆破したのは、実はカート・ヘンドリクスという核兵器戦略家で、彼こそがコバルトの正体だった。ヘンドリクスは、人類の次の進化のためには核兵器による浄化が必要であると信じており、核兵器発射制御装置を盗むためにクレムリンに潜入し、その盗難を隠蔽するためにクレムリンそのものを爆破したのだった。

そして、モローがハナウェイから奪ったファイルには、ヘンドリクスの装置を機動するための暗号が記されているのだった。イーサンたちは、モローとヘンドリクスの部下が取引する手筈になっている中東ドバイのブルジュ・ハリーファ・ビルに先行し、仕掛けを施す。
2つの異なる階で、ジェーンがモローに成りすまし、イーサンとブラントがヘンドリクスの部下に成りすますことにより、お互いに取引が成立したと思わせ、ヘンドリクスに偽暗号をつかませるという作戦である。

いつも国際色豊かなM:iシリーズ、今回は、いきなり冒頭でクレムリンを爆破するというハイライト的な場面で始まる展開には度肝を抜かれた。あのシーンはもっと後でも良かったのだが、007同様出し惜しみをしないサービス精神の塊であるトムらしいアイデアだ。そのモスクワでのシーンから始まり、中東のドバイでの超高層ビルでのスタントなしの死ーン、最後はインドへと舞台が移りアメリカに戻って来て終わるのだが、その間にも世界各地での出来事が短く挿入されるなど、まさに世界をまたぐ設定だ。
ストーリー的には核テロリストに先を読まれて逆にテロリストとして追われる身になったチームだが、今回はチームとしての結束が強調されていて、イーサンのワンマンチームではなく4人でチームとして動いているのも特徴だ。中でもブラントは「事務職」?から待望のチーム入りで張り切っている。またこの映画は国際色豊かな配役も見所だが、中でも核テロリストとして登場するミカエル・ニクヴィストはオリジナル版「ミレニアム」3部作シリーズで主人公となる記者ミカエル(ハリウッド版ではダニエル・クレイグが演じ来年2月に公開)を演じていたが、ここでは準主役での扱いで、記者役とは異なる個性を放っていた。今後、ハリウッド系作品で欧州が舞台になる場合、出番が増えそうな予感がする。

さて、主役のトムはプロデューサーも兼ねているのだが、やはり、何といっても本作ではドバイでのスタント・シーンには感心した。CGを巧に使えば問題無いシーンだが、この危険なシーンを自ら演じる彼の熱意は凄いの一言だ。現場スタッフも映画会社も愛妻ケイティ・ホームズも本心はハラハラドキドキだったのではないか?
今回、ある意味で最もほろりとさせられたのはミッションを完了させてチームとしてアメリカに戻ってきたシーン(シアトルかな?)。ここだけは敢えてネタバレしませんが、あの場面でのイーサンの表情が爽やかだったのは何故か?あのシーンがスピード感満点で進んだストーリーの解毒剤とも言える、是非、映画館かDVDで確認して下さい。

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映画『ホーボー・ウィズ・ショットガン』を観て

2011-12-24 21:55:09 | 映画・ホラー,サスペンス,スリラー

11-91.ホーボー・ウィズ・ショットガン
■原題:Hobo With A Shotgun
■製作年・国:2011年、カナダ
■上映時間:86分
■字幕:間淵康子
■料金:1,800円
■鑑賞日:12月23日、シアターN渋谷(渋谷)


□監督・編集:ジェイソン・アイズナー
□脚本:ジョン・デイヴィース
□撮影監督:カリム・ハンセン
□製作:ニヴ・フィッチマン
◆ルトガー・ハウアー(ホーボー)
◆グレゴリー・スミス(スリック)
◆モリー・ダンスワース(アビー)
◆ブライアン・ダウニー(ドレイク)
◆ニック・ベイトマン(イヴァン)
【この映画について】

クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスがB級映画に思いを捧げた『グラインドハウス』の流れをくむバイオレンス・アクション。カナダ出身のジェイソン・アイズナー監督が友人らと作った本作のフェイク予告編がファンを魅了、長編映画化に至ったという。この流れは昨年公開された『マチェーテ』と同じで、グラインドハウス・ブランドの第2弾と言える作品。悪が巣食う町を粛清するために、ショットガンを撃ちまくる主人公を演じるのは、スタッフの総意でキャスティングしたという「ザ・ライト エクソシストの真実」、現在公開中の「ブリューゲルの動く絵」のルトガー・ハウアー、「あの日の指輪を待つきみへ」のグレゴリー・スミス。
阿鼻叫喚の血まみれシーンと、5分に一度のショック描写の連続─“修正不可能”のレッテルを貼られ、R18+というレイティングに“相応しい”俗悪映画だ。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
列車に無賃乗車して町から町へとさすらう初老のホーボー(=流れ者)。仕事を求めて新たな町ホープタウンに降り立った彼を待っていたのは、暴力と混沌に支配された世界だった。
犯罪組織のボス、ドレイクが町を牛耳り、その息子スリックとイヴァンが殺戮を繰り返していながら、彼らを取り締まるべき警察は事態を見て見ぬふり。ホーボーは娼婦アビーを誘拐しようとしたスリックを警察に突き出すが、警察署長が犯罪組織と通じていたため、釈放されたスリックによってナイフで胸を切り刻まれてしまう。ゴミ捨て場に放置されたホーボーはアビーに救われるが、もはや犯罪者に立ち向かう気力を失っていた。

彼は芝刈り代行業で日銭を稼ぐべく、質流れの電動芝刈り機を買うための資金を得ようと屈辱的な仕事を引き受けるようになる。ホームレス同士のケンカや過激なパフォーマンスを撮影していたビデオ監督に命じられるまま、ガラス瓶を自分の頭でたたき割り、鋭く尖ったその破片をかじって痛みに耐えるホーボー。
ようやく金を貯めて質屋を訪れたその時、店内に武装した強盗が押し入ってくる。ホーボーは反射的に壁にかけてあったショットガンを手にし、強盗を次々と射殺。この事件をきっかけに、彼は再び悪に立ち向かう決意を固め、ドラッグの売人・ポン引き……と彼は犯罪者を血祭りに上げていく。ショットガンを持ったホーボーの活躍は、大々的にメディアに取り上げられ、またたくまに人々の間で話題となる。

今まで暴力に怯えて暮らしていた住民も、彼に刺激されて自警団を結成、これでホープタウンの犯罪は一掃されるかと思われた。だが町の平和を望まないドレイクは、スリックとイヴァンにホーボー狩りを命じる。ホーボーvs.犯罪組織の対決は苛烈をきわめ、悪徳の町ホープタウンは血まみれになっていく……。

実はタマタマだったのだが、昨日観た2本の映画(ブリューゲルの動く絵とこれ)のどちらにもホーボーを演じたオランダ出身のルトガー・ハウアーが主役で出演していた。本当にタマタマなのだが、かたや有名な画家を演じ、こちらでは流れ者を演じる等、両極端な役柄だったがどちらも違和感は感じず。
話しは逸れてしまったが、ホーボーというのは名前ではなく「流れ者」を意味するのだが、冒頭の長距離列車の貨物に無賃乗車して勝手にふらっと下車してその町で流れ者としてうろつくのが彼のスタイルで、B級映画の雰囲気がプンプンと漂ってくる。降り立った町の名前が「ホープタウン」(希望の町)というのも捻りが効いていて笑ってしまった。
この町は犯罪組織の親分ドレイク父子が牛耳っていて警察ともつるんでいてヤリタイ放題で、住人は恐怖におののいており、ホーボーが町に降り立った直後にも、息子スリックとイヴァンが中心部で公開処刑をしても誰も文句を言えない光景を見てしまった。

腕に自信のあるホーボーは我慢して見ていたが、遂に弾けてしまい、見るに見かねてショットガンを手に立ち上がった。そんなホーボーを住人達もサポートし一緒に応援するのだが、ドレイクらが黙って見過ごす筈もなく、ホーボーは娼婦のアパートに匿われながら犯罪組織と対峙したが、最後は彼自身が追い詰められ銃弾を浴びるのだが、犯罪組織も壊滅的打撃を受けて、町は平穏を取り戻すことになる?、と思えるのだが社会に根付いている犯罪の欠片がある限り、別の組織が乗り込んで来ないとも限らないが、派手にドンパチしての終わりでした。

シアターNはこの手の作品の上映が多い映画館ですが、まあ、アメリカの場末の映画館(作品としてはカナダ映画です)で唯一の娯楽として3本立てあたりで上映される「グラインドハウス」スタイルであり、元々はフェイク予告編からスタートした映画なので、難しいストーリーは無く麻薬、売春、暴力、銃犯罪というアメリカ社会の暗部が単純に描かれていれば観る方は分かり易いし、結局は銃撃戦を楽しむ、この手の映画はそれで良いと思います。

主役のルトガー・ハウアーはオランダ出身の俳優でしたが、これは製作スタッフが初期段階で思いついたそうだ。

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映画『ブリューゲルの動く絵』を観て

2011-12-23 23:21:55 | ヨーロッパ映画

11-90.ブリューゲルの動く絵
■原題:The Mill And The Cross
■製作年・国:2011年、ポーランド・スウェーデン
■上映時間:96分
■字幕:小野郁子
■料金:1,700円
■鑑賞日:12月23日、ユーロスペース

 

□監督・製作・脚本・撮影監督・音楽:レフ・マイェフスキ
□脚本:マイケル・フランシス・ギブソン
□撮影監督:アダム・シコラ
□衣装デザイン:ドロタ・ロクエプロ
□美術:カタジーナ・ソバンスカ、マルセル・スラヴィンスキ
□編集:エリオット・エムス、ノルベルト・ルジク
□音楽:ヨゼフ・スカルェク
◆ルトガー・ハウアー(ピーテル・ブリューゲル)
◆シャーロット・ランプリング(聖母マリア)
◆マイケル・ヨーク(ニクラース・ヨンゲリンク)
【この映画について】
闇に光を与えたキリストを葬ることは再び闇に支配を許すこと。しかし、人間は愚行を繰り返す一方で、何度でも立ち上がり、図々しいほどの逞しさで歴史を作ってきた。16世紀フランドル絵画の巨匠ブリューゲルの「十字架を担うキリスト」は、処刑地ゴルゴダの丘へ向かうキリストの道行を当時のアントワープを舞台にして描き出したユニークな傑作。その作品世界に入り込んで普遍的な人間の営みを活写してみせたのは、『バスキア』で原案・脚本を手がけたポーランドの鬼才レフ・マイェフスキ。デジタル技術を駆使した斬新で大胆な映像表現とダイナミックなサウンドに圧倒される。
出演は「ザ・ライト エクソシストの真実」「ホーボー・ウィズ・ショットガン」のルトガー・ハウアー、「わたしを離さないで」「スイミング・プール」のシャーロット・ランプリング。
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
16世紀のフランドルの夜が明け、農村の一日が始まる。若夫婦は仔牛を売りに出かけ、岩山の風車守りの家族は風車を回し小麦を挽く。だが、のどかな村の様子とはうらはらに、支配者は異端者を無惨に迫害していた。
アートコレクターのニクラース・ヨンゲリンクは画家ピーテル・ブリューゲルに、このあり様を表現できるかと問いかける。それに応えブリューゲルが風車の回転をとめると、すべての光景がぴたりと動きをとめた。するとフランドルの風景の中にキリストや聖母マリアらが過去から舞い戻り、聖書の「十字架を担うキリスト」の物語が始まるのだった……。

ブリューゲルの「十字架を担うキリスト」は、十字架を背負いゴルゴダに向かうキリストの受難の物語を、1564年のフランドルを舞台にして描き出した傑作。映画では数百人がひしめきあうこの絵画から、十数人にスポットが当てられ、彼らの当時の生活の様子と聖書の物語が絡み合いながら繰り広げられてゆく。
ブリューゲルが描いたこの絵の中のほぼ中央で十字架を背負っているのがキリストであるが、眼を凝らしてみないとこれがキリストであるとは分からない。そもそもこの映画には、この絵を分析した美術批評家マイケル・フランシス・ギブソン著「The Mill And The Cross」が原作となっている。
ギブソンはマイェフスキの作品に深く関心を寄せていて、彼に自著の「The Mill...」を贈ったのがこの映画化の始まりだったそうだ。マイェフスキはたぐいまれな想像力を発揮し、まるで一枚の絵画が動いているかのような絵画と映像の融合をCGを駆使して見事にスクリーンに投影した。

この映画はストーリーを楽しむと言うより、邦題にあるように「動く絵」そのものを観賞した人たちが如何にして楽しむかでしょうね。ここには主人公が雄弁にセリフで語るシーンは僅かで、無言のシーンが続きますが「ツリー・オブ・ライフ」で感じたような”苦痛”ありませんでした。
この画から当時のフランドル地方の苦しい生活が垣間見えるようで、そこにキリストの苦難を掛け合わせた解釈は我々日本人には理解するのが難しいですが、この映画の良い所は映像でそうした点を超越したことだと勝手に思いました。

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映画『源氏物語 千年の謎』を観て

2011-12-21 16:50:59 | 映画・邦画

11-89.源氏物語 千年の謎
■配給:東宝
■製作年・国:2011年、日本
■上映時間:136分
■鑑賞日:12月19日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)
■入場料:0円(招待券)

 


□監督:鶴橋康夫
□原作・脚本:高山由紀子
□脚本:川崎いづみ
□撮影:藤石修
□照明:磯野雅宏
□美術:今村力
□衣装:宮本まさ江
□音楽:住友紀人
◆生田斗真(光源氏)

◆中谷美紀(紫式部)
◆東山紀之(藤原道長)
◆安倍晴明(窪塚洋介)
◆伊本雅裕(藤原行成)
◆東儀秀樹(一条天皇)
◆蓮佛美沙子(彰子)
◆榎木孝明(桐壺帝)
◆真木よう子(桐壺更衣、藤壺)
◆多部未華子(葵の上)
◆芦名星(夕顔)
◆田中麗奈(六条御息所)
◆室井茂(弘徽殿女御)

【この映画について】
日本文学史に輝く、日本一のベストセラーでロングセラーである恋愛絵巻「源氏物語」。これまでにも何作も映画化されてきたが、本作は「源氏物語」をベースに、その誕生秘話を描いたフィクション。光源氏と恋人たちのめくるめく情事と、現実の世界での紫式部の秘めた恋を同時進行させている。多くの女性を愛さずにはいられない光源氏と、そうと分かっていながらも源氏の魅力に抗えない愛人たち。物語の主人公たちと同様に、式部自身も秘めた想いを止める事は出来ないのだった。
平安王朝時代を再現した宮廷の内装や衣装の絢爛豪華さは、「源氏物語」ファン必見。出演は、生田斗真、中谷美紀、東山紀之ほか。監督は『愛の流刑地』の鶴橋康夫。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
絢爛豪華な平安王朝の時代。一条帝の心を娘の彰子(しょうし)に向けさせ、あわよくば彰子が帝の子供を身籠り天皇の外戚として権力を確固たるものにしようと企む時の権力者・藤原道長は、紫式部に帝の気を引く様な物語を書くよう命じる。その物語の題名は『源氏物語』。
主人公は今上帝と桐壺更衣の間に生まれた光源氏。だが、帝の寵愛を受ける桐壺更衣は、嫉妬心に燃える帝の正妻・弘徽殿女御(こきでんのにょご)によって殺害される。光源氏は宮中の女性たちの憧れの的だったが、桐壺に瓜二つの義理の母・藤壺への狂おしい思いを断ち切ることができずにいた。その苦しさから逃れるため、正妻・葵の上(あおいのうえ)、艶やかな大人の色香を放つ六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)、はかなげでつつましやかな夕顔と、奔放に愛を求めて彷徨うのだった。

やがて、女の心の奥に潜む“嫉妬”という魔物に追いつめられてゆく光源氏……。紫式部が綴る『源氏物語』は、たちまち帝の心を掴み、道長の思惑通り、帝と彰子の間に男の子が生まれた。これによって道長の栄華は確固たるものとなり、紫式部の役目は終わるはずだった。しかし何故か紫式部は『源氏物語』を書き続ける。
そんな中、道長の友人で陰陽師の安倍晴明は、物語に没頭する紫式部に不穏な気配を感じ始める……。光源氏に心奪われる女性たちに深く嫉妬した御息所の修羅の心が、道長への思いを心に秘めた式部自身の心と重なり、生き霊となって現実と物語の空間を越え始めていたのだ。愛と嫉妬と憎悪にゆがむ時空を超えた紫式部、道長、光源氏の運命。そして、陰陽師・安倍晴明がその生き霊を追う……。

源氏物語に精通していない管理人が、学校で習った程度の予備知識で(招待券で)観に行きました。紫式部が道長に依頼されて、帝の彰子への気を引く為に書いたという設定は面白かった、というか実際はどうだったか知りませんが。現実の世界と、紫式部が読み聞かせる創造上の世界がシンクロして、注意深く観ていないと「あれ?今、どっちの世界?」ってな感じになってしまいがち。
ドラマの主人公も光源氏と紫式部の双方とも言える扱いで、後半は紫式部が主役のような部分も多かった。キャスト的には光源氏を演じた生田斗真は色白の美青年の趣があってイメージ的にもピッタリ、紫式部役の中谷美紀もこれで良かったと思う。他のキャストで目立っていたのが田中麗奈、六条御息所役で、自分より若い源氏への愛にのめりこんで行き、遂には生霊になる難しい役なのだが、エキセントリックに演じていて静かな役所が多い中で光っていた。
この映画で目立っていたのはストーリーや豪華な出演陣よりむしろセット、映像の美しさだった。壮大なスケール感を象徴するのは、琵琶湖畔に総工費約2億円を投じて建造された道長の邸宅「土御門邸」のオープンセットで、平安時代にタイムスリップしたような感覚に陥った。また、出演者が身に付けていた衣装も華やかさに満ち溢れていて眼を奪われた。

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映画『灼熱の魂』を観て~2011年で最も印象的だった作品

2011-12-20 20:52:22 | ヨーロッパ映画

11-88.灼熱の魂
■原題:Incendies
■製作年・国:2010年、カナダ・フランス
■上映時間:131分
■字幕:松浦美奈
■料金:1,800円
■鑑賞日:12月19日、TOHOシネマズシャンテ

□監督・脚本:ドニ・ヴィルヌーヴ
□原作:ワジディ・ムアワッド
□撮影監督:アンドレ・トゥルパン
□編集:モニック・ダルトンヌ
□美術:アンドレ=リン・ボーバルラン
□音楽:グレゴワール・エッツェル
◆ルブナ・アザバル(ナワル・マルワン)
◆メリッサ・デゾルモー=プーラン(ジャンヌ・マルワン)
◆マキシム・ゴーデット(シモン・マルワン)
◆レミー・ジラール(公証人ジャン・ルベル)
【この映画について】
憎しみと暴力が生む報復の連鎖を断ち切る術をひとりの母親が提示する。主人公は愛する者と交わした約束を守るために地獄のような日々を生き抜く強靱さの持ち主だ。その半生を辿る双子の旅はギリシャ悲劇さながらに驚愕の真実を突きつける。
レバノン出身でカナダ在住の劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲「Incendies」に衝撃を受けた『渦』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がダイナミックに映画化した本作。『パラダイス・ナウ』『愛より強い旅』のベルギー人女優ルブナ・アザバルが主演女優賞に輝いたのを始め、カナダ版アカデミー賞に当たるジニー賞で8部門を制覇し、米国アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた魂を揺さぶる秀作である。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
初老の中東系カナダ人女性ナワル・マルワンは、ずっと世間に背を向けるようにして生き、実の子である双子の姉弟ジャンヌとシモンにも心を開くことがなかった。そんなどこか普通とは違う母親は、謎めいた遺言と二通の手紙を残してこの世を去った。その二通の手紙は、ジャンヌとシモンが存在すら知らされていなかった兄と父親に宛てられていた。遺言に導かれ、初めて母の祖国の地を踏んだ姉弟は、母の数奇な人生と家族の宿命を探り当てていくのだった……。

謎めいた様子のナワル・マルワン、秘書として勤務している会社内でも自分の事は殆ど語らず、後見人役でもある経営者も彼女から遺言を託されたが戸惑うばかり。そのナワルがプールサイドで彼女だけにしか分からない「何か」に気が付いたことがストーリーの発端で、最初と最後のシーンを挟む形で映画は展開する。
遺言どおり母の過去を知ろうとする姉と気乗りしない弟、対照的な性格の双子、積極的に取り組む姉だったが徐々に母の知られざる過去に辿り着くことで、新たな戸惑いを感じる。一枚の写真から母の出身の中東へと飛び、母が学んでいた大学~出身地へと若かりし時代へと遡る。そこで分かったことは、母ナワル・マルワンはキリスト教徒で、異教徒(イスラム教)の恋人との間に子供を授かった。だが、保守的な村で異教徒との恋はご法度で恋人は銃殺され、お腹の子供も出産と同時に手放すことになった。この時、彼女は「いつか必ず探しに来る」と誓う。

叔父宅へ身を寄せて大学に通うが内戦が勃発し大学は閉鎖され、別れた息子を捜しに故郷へと向かうがキリスト教徒とイスラム教徒との戦争は激化していた。息子に辿り着くこと無くイスラム教勢力のテロリストとして活動しキリスト教右派指導者を射殺したが相手側に捕まり南部の監獄へ送られ、そこで死よりも残酷なこの世の地獄を体験することになる。

双子の姉ジャンヌはこの監獄に母が居たことを突き止め、監獄に15年間幽閉され拷問を加えられ獄中で出産していた事実を知りそれが自分たちだった。しかし父が誰なのかは結局判明しなかったが、兄と思える人物の消息が微かに分かり始めた。
母の故郷での調査では結局父も兄も判明しなかった。だが、母がプールサイドで放心状態に陥ったのは何故だったのか?カナダに戻って双子の姉弟が母から託され渡すことになった手紙の相手は驚くべく人物だった。姉弟が2通の手紙を手紙を渡したのは同一人物だった。

【ネタバレ】生き別れになっていたナワル・マルワンと異教徒の間の子。監獄で母をレイプ、拷問を加えたのは何と「息子」だったが、息子は母だと知らなかった。息子はまだ見ぬ母への思いを胸に抱いてカナダへと移住し、母もカナダへと移住した。母は息子の体にある「目印」をプールサイドで発見した。それをみて母は放心状態に陥いるが、母は決して親子であることを言わなかった。息子がその事実を知ったのは双子からもらった手紙を読んでからだった。「息子は号泣」するが、事実を知ったとき、母は既にこの世にはいなかった。

このストーリーは古代神話オイディプスをベースにした戯曲からの映画化なのだが、作者がレバノン出身であることから映画内では特定されていないものの、舞台はレバノン(ロケ地はヨルダン)であることは明白である。キリスト教徒とイスラム教徒の対立から内戦に突入し国が荒廃して行く様子はレバノンそのものと言える。
一枚の写真から母の知られざる過去を辿って行く過程で双子の姉弟が知った事実は余りにも過酷だったが、母は敢えて自らの口で語るのではなく二人にこういう形で知ってもらいたかったのだろう。そこには母自身の過酷な体験もあり、それを知ることで報復、暴力の連鎖を断ち切ることの大事さを体験してもらいたかった。同性の姉ジャンヌは積極的に調査に参加するが、弟は尻込みしていたが姉に中東まで呼び出され最後には男らしく?積極的に関わるようになったことで、重要な手掛かりを得たのだった。
双子の出自を知ることで非暴力の連鎖を断ち切り、宗教を越えてお互いが理解することの大切さを知ってもらいたかったのだと母は思う。双子の体にはキリスト教徒であった母の血と、その母とイスラム教徒との間に生まれた父であり兄でもある男性の血が二人には流れているからだ。
ラストは二人が目的の人物に手紙を渡す場面で終わって行くのだが、真相を知った渡された方はどういう気持ちで今後の人生をカナダで送るのか、或いは送ったのか?そちらも観終わって気になった。

予告編を観たとき、この映画はどういう展開なのか理解し難かったが、観終わって、間違い無く2011年で最も印象に残った作品です。ストーリーの構成も独立した「章」から成り立っていて分かり易い。主演でナワル・マルワンを演じているのはベルギー出身の女優だが、台詞よりその場その場での状況に応じた表情が全てを語っていたように本人に成りきっていた。

この映画はアカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされたものの、受賞はデンマーク代表の「未来を生きる君たちへ」だったが、「灼熱の魂」が受賞しても不思議では無かった。もっとも「未来を生きる君たちへ」も良い作品なので受賞は当然だと思います。ただどちらも非暴力に対するメッセージが製作の背景にあるのは共通しています。
日本では拡大公開ではなくミニ・シアター系での上映が中心で地方での上映も僅かなので、上映されない地方での映画ファンにはDVD発売時にご覧ください。

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北朝鮮・金正日総書記が死去、後継に三男・正恩氏

2011-12-19 22:24:59 | 時事ニュース・海外

北朝鮮の国営テレビとラジオは正午から特別放送を行い、最高指導者の金正日(キムジョンイル)・朝鮮労働党総書記が「17日午前8時半、現地指導に向かう列車内で肉体的過労のため死去した」と発表した。

69歳だった。国営朝鮮中央通信は「金総書記が心筋梗塞を起こし、心原性ショックを併発した」としている。金総書記は、核兵器・弾道ミサイル開発を主導し、日本人拉致事件にも深く関与していた。
同通信は、三男の正恩(ジョンウン)氏(28)の統治に移行すると正式に伝えた。ただ、北朝鮮が今後、権力移行期に不安定化する可能性は高い。1994年の金日成(キムイルソン)主席死去後、1997年10月に総書記に就くなど17年にわたり独裁体制を敷いてきた。
今後は正恩氏が後継者になると発表されたが、20代と若いことから金正日総書記の義弟である張成沢(チャン・ソンテク)氏を中心とした集団指導体制へと移行される可能性も指摘されている。

金総書記が亡くなったという報道は、私はこの日、休暇で外出中で駅売店の見出しで知った。以前にも何度か暗殺説や病死説が流れたことがあったが、その都度、デマであったことが判明するが、今回は国営放送が正式に死亡を発表したが、亡くなったのが「17日午前8時半」と伝えられており、空白の2日4時間弱の間に何があったのだろうか?
この間、日本においては日韓首脳会談が京都で行われており、日韓首脳も死去に関する情報は持ち合わせていなかったことになる。

日朝間には拉致問題という大きな未解決問題が横たわっており、日本人拉致を金日成政権時代に直接指揮していたとされる金正日総書記の死で、この問題が前進するかは不透明だ。

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映画『私だけのハッピー・エンディング』を観て

2011-12-18 16:22:54 | アメリカ映画 2011

11-87.私だけのハッピー・エンディング
■原題:A Little Bit Of Heaven
■製作年・国:2011年、アメリカ
■上映時間:107分
■字
幕:伊原奈津子
■料金:1,800円
■鑑賞日:12月17日、新宿ピカデリー(新宿)
 

□監督:ニコール・カッセル
□脚本:グレン・ウェルズ
□撮影監督:ラッセル・カーペンター
□編集:スティーヴン・A・ロッター
□美術:スチュアート・ワーツエル
□音楽:ヘイター・ペレイラ
◆ケイト・ハドソン(マーリー・コーベット)
◆ガエル・ガルシア・ベルナル(ジュリアン・ゴールドスタイン)
◆キャシー・ベイツ(ビバリー・コーベット)
◆ルーシー・パンチ(サラ・ウォーカー)
◆ロマニー・マルコ(ピーター・クーパー)
◆ウーピ・ゴールドバーグ(神様)
◆ローズマリー・デウィット(レネー・ブレア)
【この映画について】
突然ガンを宣告されたキャリアウーマンが、残された時間に苦悩しながら自身の人生を見つめ直すようになる姿を描いた切ないラブストーリー。不治の病に侵されたヒロインには、『あの頃ペニー・レインと』のケイト・ハドソン、彼女を不器用ながら温かく見守る主治医を、『バベル』のガエル・ガルシア・ベルナルが演じる。
共演には『ゴースト/ニューヨークの幻』のウーピー・ゴールドバーグ、『アバウト・シュミット』のキャシー・ベイツら実力派が脇を固める。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】
広告代理店に勤務する30歳のマーリー・コーベットは、大好きな仲間たちに囲まれ、仕事も順調、恋も気ままに楽しんでいる。ただし、真剣な恋はお断り。物事が深刻になってもユーモアで交わし、独身生活を満喫するキャリアウーマンだ。ところがある日の検診で、医師ジュリアン・ゴールドスタインから、突然の“がん”の宣告を受ける。

何も起こっていないかのようにいつもの笑顔で元気に過ごそうとするマーリーだったが、友達はハレモノに触るようにマーリーに接し、母・ビバリーはただ悲しみオドオドするばかり。父は離れて暮らしていたために、どう接していいかも分からない。ジュリアンとの出会いも、患者と医師という立場が二人を遠ざけていく。周りの気遣いにマーリーはイライラしてしまい、八つ当たりする日々。友達とも険悪になり、両親との溝も深まっていく……。

だがそんなマーリーを静かに受け止めてくれるジュリアンの存在がいつしか彼女の心を溶かし始めていた。明るく振舞い、自分の気持ちを隠していたが、本当は本気になって向き合って、傷つくのが怖かったのだ。ジュリアンが側にいてくれるおかげで友人や両親、愛する人に心を開き、素直になる大切さを知っていくマーリー。しかしその喜びに気付いた時、彼女に残された時間はあとわずかだった……。

若くして癌に冒される話って言うと「50/50」「永遠の僕たち」も同じテーマで、偶然にも同じような時期に公開されているのは不思議だ。「50/50」はセス・ローゲンが明るく励ます役で暗くなっていないし、本作でもケイト・ハドソンのキャラもあってかコメディ・タッチで前半は進んでいく。
本人には全く癌に冒されていると言う意識は無く、むしろ周囲の人間が妙に気を遣っているのが滑稽に感じる位だ。マーリーは不仲な両親をみて育ったせいか、自身は恋愛に奥手で心を開こうとしない。母はオロオロするだけで何を言ってもマーリーは受け付けない。母を演じているキャシー・ベイツ、彼女はこういう役柄が最近目立つようで「P.S.アイ・ラブ・ユー」ではヒラリー・スワンクの母役だった。
その我儘な性格のマーリーを癒したのが担当医でもあるジュリアンだった。ジュリアン役はガエル・ガルシア・ベルナルでだが、この手の役に慣れていない?せいか英語のせりふも演技もぎこちなさを感じた。しかし役上では彼はマーリーの癒し役で担当医と患者の関係を越えた仲になって行く。あれほど気ままな恋を謳歌していた彼女が担当医に気を許すのだが、前半は明るくふるまっていた彼女にもやはり癌は徐々に彼女の体を蝕んでいった。

コメディ・タッチの前半から打って変わって後半は彼女の体調が悪化し重くなっていく。それでもケイト・ハドソンは深刻になり過ぎずに上手くこの役を演じていた。最後は、車椅子で公園に行っていた彼女が静かに息を引き取って行くのだが、やはり若くして癌で亡くなるのを見るのは辛い。
それでもマーリーは担当医ジュリアンとの僅かな期間の関係で人生を終えたが、彼女に取っては「チョットした天国(幸せ)」(A Little Bit Of Heaven、←原題)を味わった気分だったに違いない。

最後にウーピ・ゴールドバーグが「神様」役で出演しているが、何だかこのシーンだけ浮いているように感じたがマーリーに重要な啓示を与えるので、まあ良いかな?

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映画『サラの鍵』を観て

2011-12-17 22:19:54 | ヨーロッパ映画

11-86.サラの鍵
■原題:Elle s'appelait Sarah(英題:Sarah's Key)
■製作年・国:2010年、フランス
■上映時間:111分
■字幕:斎藤敦子
■料金:1,800円
■鑑賞日:12月17日、新宿武蔵野館(新宿)


□監督・脚本:ジル・パケ=ブレネール
□脚本:セルジュ・ジョンクール
□原作:タチアナ・ド・ロネ
□撮影監督:パスカル・リダオ
□編集:エルヴェ・シュネイ
□美術:フランソワーズ・デュペルデュイ
□音楽:マックス・リヒター
◆クリスティン・スコット・トーマス(ジュリア・ジャーモンド)
◆メリュジーヌ・マヤンス(サラ・スタルジンスキ)
◆ニエル・アレストリュプ(ジュール・デュフォール)
◆フレデリック・ピエロ(ベルトラン・テザック)
◆エイダン・クイン(ウィリアム・レインズファード)
◆シャーロット・ポートレル(成長したサラ)
◆ナターシャ・マシュケヴィッチ(ミセス・スタルジンスキ)
◆アルベン・バジュラクタラジ(ミスター・スタルジンスキ)
【この映画について】
ナチス占領下のパリで行われたユダヤ人迫害、ヴェルディヴ事件を題材に、過去と現代を交錯させながらユダヤ人一家に起こった悲劇を描く感動的な社会派ドラマ。世界中で300万部を売り上げたタチアナ・ド・ロネの原作を基に、『マルセイユ・ヴァイス』のジル・パケ=ブランネール監督が映画化。
『イングリッシュ・ペイシェント』などのクリスティン・スコット・トーマスが、アウシュビッツについて取材するジャーナリストを好演。次第に解き明かされる衝撃の事実とラストに胸を打たれる。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】
夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリアは、45歳で待望の妊娠をはたす。が、報告した夫から返って来たのは、思いもよらぬ反対だった。
そんな人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。夫の祖父母から譲り受けて住んでいるアパートは、かつて1942年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたというのだ。さらに、その一家の長女で10歳の少女サラが収容所から逃亡したことを知る。

一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。すぐに戻れると信じて……。果たして、サラは弟を助けることができたのか?2人は今も生きているのか?事件を紐解き、サラの足跡を辿る中、次々と明かされてゆく秘密。そこに隠された事実がジュリアを揺さぶり、人生さえも変えていく。すべてが明かされた時、サラの痛切な悲しみを全身で受け止めた彼女が見出した一筋の光とは……?

このストーリーはヴェルデイヴ事件とその後のサラの人生と、ジュリアが45歳にして妊娠したことで夫との間に不協和音が生じたこと。この二つが中心に進んでいき、更に、ジュリアがサラのことを取材を通じて知ったことで夫との間に修復不能な亀裂が生じてしまい苦悩する様子が描かれている。
どの話もお互いに密接に絡んでいて知られざるサラの人生をジュリアが取材と称して暴いてしまったことで、サラのことを深く知らなかったサラの息子にまで衝撃を与えてしまう。特に息子は自分にユダヤ人の血が流れていることすらジュリアに明かされるまで知らず、また、ジュリアがサラがアメリカに渡ってからその最期を迎える瞬間までの人生にまで踏み込んだので家族は複雑な思いを抱く。

サラは弟を寝室に閉じ込めてしまい、ヴェルディブ事件から移送先の収容所を抜け出して親切なフランス人夫婦に匿われてかつての自宅に戻ったものの、そこには変わり果てた弟の姿しか無かった。映画なので亡くなった弟の姿は明かされないが、その時のサラの号泣していた姿がそれを物語っている。
サラは両親とも弟とも切り離され、引き取られたフランス人夫妻の家を音も無く去り、人知れずアメリカへと渡り人生を終える。その終え方にまでジュリアが踏み込んでしまったのでサラの遺族からは反発されるし、彼女の夫からは軽蔑され家族から孤立する形で、結局ジュリアは夫の理解を得られず離婚し一人で出産する。

ジュリアは生まれた娘に「サラ」と名付けるが、それは、サラが封じた自らの人生の軌跡を暴いてしまったジュリアが、自らの取材を通じて知ったあの事件の記憶を語り継いでいくことで、あの事件で命を落とした多くのユダヤ人達の魂も少しは救われるに違いない。

「黄色い星の子供たち」でも扱われていた題材だが、こちらはユダヤ人少女サラ・スタルジンスキとジュリアのお話が中心。サラを演じた子役が大人顔負けの演技で非常に良かった。この子役
メリュジーヌ・マヤンス無くしてこの映画は成立しなかったと言っても過言ではないだろう。

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映画『スウィッチ』を観て

2011-12-16 17:28:36 | ヨーロッパ映画

11-85.スウィッチ
■原題:Switch
■製作年・国:2011年、フランス
■上映時間:100分
■料金:1,000円
■鑑賞日:12月14日、新宿武蔵野館
 


□監督・脚本:フレデリック・シェンデルフェール
□脚本:ジャン=クリストフ・グラジェ
□撮影:ヴィンセント・ガロ
□音楽:ブルーノ・クーレ
◆カリーヌ・ヴァナッス(ソフィ・マラテール)
◆エリック・カントナ(ダミアン・フォルジャ)
◆メーディ・ネブー(ステファニー)
◆オーレリアン・ルコワン(ドロール)
◆カリーナ・テスタ(ベネディクト・セルトー)
◆ブルーノ・トデスキーニ(ヴェルディエ)
◆マキシム・ロイ(クレール)
【この映画について】
期間限定の自宅交換システムが、ごく平凡な女性を殺人の濡れ衣&身元乗っ取りの恐怖に陥れるという衝撃のサスペンス・スリラー。主人公のソフィ役に抜擢されたのは、ケベックを拠点に活動する新進女優カリーヌ・ヴァナッス。折り紙付きの実力を備えた若手有望株の彼女が魅せる演技力&生命力の眩さには、誰もが見惚れずにいられないだろう。
監督は、『スパイ・バウンド』『裏切りの闇で眠れ』などデビュー以来一貫して猟奇犯罪や裏社会にまつわるテーマを探求してきた鬼才フレデリック・シェンデルフェール。またシェンデルフェール監督とともに脚本を練り上げたのは、『クリムゾン・リバー』の原作者ジャン=クリストフ・グランジェ。このミステリー界の大御所が、急展開に次ぐ急展開の果てに最後に突きつける“驚愕の真実”は、あらゆる観客が息をのむであろう奇想に満ちている。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
モントリオール在住、25歳のカナダ人女性ソフィ・マラテールは容姿も気立ても悪くないが、バカンスを一緒に過ごす親しい友人や恋人がいなかった。その上、ファッション・イラストレーターの仕事は絶不調。あらゆる運に見離されたソフィに、雑誌編集者クレールからアドバイスが。それは“switch.com”というサイトにアクセスし、海外の利用者と自宅を交換してみてはどうかというものだった。

彼女の体験談に惹かれたソフィは、早速、登録。まもなくベネディクト・セルトーという女性との間で契約が成立し、パリに旅立つ。パリ7区にあるベネディクトのアパートは、外観も内装も豪華な造り。
解放感を味わったソフィは、期待に胸を膨らませるが、翌朝待っていたのは悪夢のような出来事だった。激しい頭痛と嘔吐感で目覚めたところに、玄関を破壊して警官隊が突入してくる。連行された警察では、殺人課警部ダミアン・フォルジャから信じられない話を聞かされる。アパートの別の部屋でトマ・ユイゲンスという若者の死体が見つかったというのだ。その上、その死体は切断された頭部が行方不明で、凶器のナイフにはソフィの指紋が付着。さらに問題なのは、警察がソフィを“ベネディクト・セルトー”として逮捕したことだった。

自分がソフィ・マラテールであると主張し、すべての経緯を説明する。しかしアパートで押収されたベネディクト名義のパスポートにはソフィの写真が貼られ、“switch.com”も跡形もなく消滅。何一つ彼女がソフィ・マラテールであることを証明するものは見つからなかった。ソフィは、見知らぬ殺人鬼にアパートだけでなく、身元まで“スウィッチ”されてしまったのだ……。何故自分なのか、ベネディクトとは一体何者なのか……。やがて、事件は猟奇性をはらんだ驚愕の真実へと繋がっていく……。

以前、ジュード・ロウとキャメロン・ディアス主演で「ホリデイ」という、自宅交換を題材としたラヴ・コメディがあったが、今回は同じ「自宅交換」であっても、そこに恐ろしい陰謀が隠されていたこの作品とは大違い。だが、どちらも共通しているのは「自宅交換」であるが、日本人にはネットを通じてお互いの自宅を一定期間交換して滞在するという題材は馴染みにくいのだが、映画の中での話としては面白い。
「スウィッチ」ではパリとモントリオールの2大都市を巡る話しで、どちらもフランス語圏大都市で起きる。オープニングからして退屈な生活で変化を求めるソフィが、知人に勧められるのだが、ここは余りにも呆気無くイキナリのパリ行きが決まるのだが、手筈が良過ぎて観ている側に疑問を感じさせるスタート。
パリに着いて近所をウキウキ気分で散歩しているとイランからの男子留学生から声をかけられるが、この留学生が後になって鍵を握る存在に。しかしというかやはり上手い話には裏があり、翌朝、ソフィは警察官が乱入して来て訳も分からないうちに警察署へ殺人容疑で連行される。担当刑事のフォルジャを演じているのがエリック・カントナで、彼はフランス大統領選へ出馬すると言われている人物でサッカーの有名選手だったそうだ(私はサッカー全く知らないのでどの程度のレベルの選手だったかは?です)。

取り調べで何時の間にか自分が殺人犯扱いされ、自分の身分を証明するものもなくなり困惑するソフィ。その彼女が大胆にも隙をついて逃亡し、警察の追跡を交わすのだが元サッカー選手のカントナでさえ息絶え絶えの彼女の身軽さは凄い。ソフィ役のヴァナッスは飛びきりの美人ではないけど、サービスショットもあり逃亡劇は思わぬ協力者やイラン人留学生の裏切りもあるが逃げまくる。
この逃亡劇の裏ではフォルジャが徐々に「彼女は本当に犯人?」という疑問も沸いてきて、更に、犯行想定時間の誤りに気が付くなど、警察内部の杜撰さが浮き彫りになり、事件は徐々に核心へと迫る。フォルジャはソフィの過去とカナダでの生活について調べている間に、一つの疑問からある女性へと行き着いた。
最初は犯人像が全く見えなかったのが、ソフィがフランスで育っていた時代にヒントがあり、その時のソフィの父が精子バンクに小遣いの足しに登録していたことが判明。そこから一気に事件は進展し、犯人の女性ベネディクト(自宅交換を持ちかけた女)と最初の犠牲者、ソフィは同じ父を持つ兄弟姉妹であることが分かる。互いに面識は無いのだが、犯人の女性が自らの境遇とソフィの恵まれた生活に嫉妬したのが動機だった、というのがオチでした。

このオチ、ベネディクトが自分の両親が実はそうでは無かったのが出発点でもあるのだが、だからと言ってソフィとトマを殺害しなくとも良いのに?ってな疑問が観終わっても残りましたね。ただ、自宅交換サイトも周到に用意された罠でありモントリオールの家まで燃やされるという恐怖は観ていてもゾッとしました。
ソフィが必死に警察から逃れる様子はスピード感があって楽しめた半面、やはり、犯行を企画して実行するまでの流れが上手く整理できていなかったように思えます。その部分にもっと捻りを加えたら一級品のサスペンスになっていたかも。

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映画『リアル・スティール』を観て

2011-12-15 11:32:20 | アメリカ映画 2011

11-84.リアル・スティール
■原題:Real Steel
■製作年・国:2011年、アメリカ
■上映時間:128分
■字幕:松浦美奈
■料金:1,000円
■鑑賞日:12月14日、TOHOシネマズ渋谷


□監督・製作
:ショーン・レヴィ
□脚本
:ジョン・ゲイティンズ
□原案:リチャード・マシスン
□製作総指揮:ジャック・ラプケ、ロバート・ゼメキス、スティーヴ・スターキー、スティーヴン・スピルバーグ、ジョシュ・マクラグレン、メラリー・マクラグレン
□撮影監督:マウロ・フィオーレ
□美術:トム・マイヤー
□衣装デザイン:マーリーン・スチュワート
□音楽:ダニー・エルフマン
◆ヒュー・ジャックマン(チャーリー・ケントン)
◆ダコタ・ゴヨ(マックス・ケントン)
◆エヴェンジェリン・リリー(ベイリー)
◆アンソニー・マッキー(フィン)
◆ケヴィン・デュランド(リッキー)
◆ホープ・デイヴィス(デブラ・バーンズ)
◆ジェームズ・レブホーン(マーヴィン・バーンズ)
◆カール・ユーン(タク・マシド)
◆オルガ・フォンダ(ファラ・レンコヴァ)
【この映画について】
スティーヴン・スピルバーグとロバート・ゼメキスが製作総指揮を手がけ、『ナイト・ミュージアム』のショーン・レヴィが監督を務める本作。2020年という近未来を舞台に、ロボット・ボクシングを通して心を通わせていく父と息子、少年とロボットの物語だ。
ヒュー・ジャックマン演じるダメ親父と、ダコタ・ゴヨ演じる生意気な少年が、一つの目的に向って進むうちに親子の絆を強くしていく過程は、なんとも心を打つ。しかし、ただの感動物語だけではなく、『トランスフォーマー』のようなロボット同士の対決の迫力と面白さや、場末の賭けボクシングの世界の怪しさ、自分より強い選手に戦いを挑むスポーツ映画としての魅力といった様々な楽しみ方がある作品だ。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
チャーリー・ケントンはかつて将来を嘱望された期待のボクサーだった。チャンピオンを目指してトレーニングに打ち込んできたものの、時代は高性能のロボットたちが死闘を繰り広げる“ロボット格闘技”の時代に突入。もはや人間のボクサーは生きる場所を失い、チャーリーは人生の敗残者も同然だった。

辛うじてロボット格闘技のプロモーターとして生計を立てているものの、乏しい資金力で手に入れられるロボットは、リングの上であっという間にスクラップ状態。人生のどん底にも関わらず、さらなる災難がチャーリーに舞い込んでくる。
赤ん坊の時に別れたきりの息子マックスが最愛の母を亡くして、11歳になった今、初めて彼の前に現れたのだ。だが、マックスは、そう簡単にチャーリーに心を開くはずもなく、親子関係は最悪の状態。そんなある日、2人はゴミ捨て場でスクラップ同然の旧式ロボット“ATOM”を発見する。それが、彼らの人生に奇跡を巻き起こす“運命の出会い”であることに、チャーリーもマックスもまだ気づいていなかった……。

ATOMは古い型のスパーリング・ロボットだったが、この型特有の模倣機能が備わっていたのが大きかった。マックスは対戦相手だったノイジー・ボーイから取りだした音声認識システムをATOMに組み込み、プログラムを徹夜で進化させる。マックスは、父がかつては諦めない闘いぶりで観客を魅了していたボクサーだったことをベイリーから聞かされ、ATOMに技を教え込んで欲しいと懇願されマックスの願いを聞く。
これを機に、チャーリーの中に眠っていた感覚が蘇り、ATOMは連戦連勝街道を突っ走り、遂に、最強ロボットであるゼウスとの戦いに挑む。最強ゼウス相手に超満員の観衆は大興奮、このクライマックスの戦闘シーンにはジーンとさせられた。誰もがゼウス圧勝を予想するなかでも、ATOMは今までも不利な戦いに勝利してきた経験がここで活きてきた。
ゼウスは初回にダウンを奪ったものの、徐々にATOMの反撃にあい焦りが募って来る。必死に反撃を試み王者の強さを見せるが、ATOMの攻撃も執拗だった。観客は攻め込まれるゼウスをみて大いに興奮するが、結局は初回にダウンを奪ったゼウスが辛うじて判定勝利を収めるが、観客はどちらが真の勝者か知っていた。

その勝利の裏で、マックスは親権者の叔母夫婦に引き取られることが決まっていた。当初はぎこちなかった父子関係も、ATOMを通じてその絆は強固なものになっていた。

当初、観賞するか決めかねていたこの映画だったが、観て大正解だった。恐らく自分の年間ベスト10入りするのは間違いないだろう。生き別れ状態だった父子が、心を通わせるまでの物語だが、シャイな父はボクサーとしては大成しなかったが、息子マックスが発見したATOMに自分が成し得なかった夢を託せるまでになっていった。マックスも孤独な自分の境遇を嘆くだけでは無く、この格闘ロボットと共に成長していく様子が描かれていたのは良かった。
ラストの格闘シーンでは、ハリウッド映画にありがちな「勝者こそ真の王者」ではなく、日本的な「負けるが勝ち」的な終わり方だったし、叔母夫婦に引き取られるシーンはホロリとさせられた。
日本的と言えば、余談だがマックスがノイジー・ボーイをコントロールする時に使う言語は「日本語」だったし、マックスのTシャツやロボットのデザインの一部も漢字だった。
マックス役でヒュー・ジャックマン相手に堂々と演じていた子役のダコタ・ゴヨには今後大いに注目したい。

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今日は誕生日...大台突入!

2011-12-14 09:41:39 | 管理人のつぶやき

12月14日、過去にこの日に何があったか?この日の全国のTV局で必ずどこかで赤穂浪士に関する番組が放映されることから、今日が「討ち入り」の日として余りにも有名。

で、そんなこととは関係なく、今日は管理人の誕生日であります。わーい(嬉しい顔)
そうなんですね「大台突入」であります。今日は会社へは「有給休暇」を申請して仕事は休みで、午後からは外出します。
学生時代に、この年齢に自分が達するというのはどういう気持ちなのか想像も出来ませんでしたが、現実に数時間前に到達すると「ああ、大台なんだ」って感じです。戦国武将の織田信長が「人生○○年」って言っていましたね。

そこで「Birthday」関連の曲で真っ先に思い出されるのは:
①The Beatles 「Birthday」(Lennon/McCartney)
②Stevie Wonder 「Happy Birthday」(Stevie Wonder)
でしょうか一般的には。



このスティーヴィー・ワンダーの映像は何と1982年の武道館でのライヴの模様です。スティーヴィーはそもそも、黒人指導者マーティン・ルーサー・キング牧師の為に作った曲ですが、今ではすっかり誕生日を代表する曲の一つとなっていると思います。この曲はアルバム「Hotter Than July」の最後の曲として収録されています。

 

 

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映画『フェイク・クライム』を観て

2011-12-10 17:55:30 | アメリカ映画 2011

11-83.フェイク・クライム
■原題:Henry's Crime
■製作年・国:2010年、アメリカ
■上映時間:108分
■字幕:岡田理枝
■料金:1,800円
■鑑賞日:12月10日、ヒューマントラストシネマ渋谷


□監督:マルコム・ヴェンヴィル
□脚本・原案・製作総指揮:サーシャ・ガヴァシ
□脚本:デヴィッド・ホワイト
□原案・製作:スティーブン・ハメル
□撮影監督:ポール・キャメロン
□美術:クリス・ジョーンズ
□衣装デザイン:メリッサ・トス
□音楽:タップトーン・レコード
◆キアヌ・リーヴス(ヘンリー)
◆ヴェラ・ファーミガ(ジュリー)
◆ジェームズ・カーン(マックス)
◆ビル・デューク(フランク)
◆ピーター・ストーメア(ダレク)
◆ジュディ・グリア(デビー)
◆ダニー・ホック(ジョー)
◆フィッシャー・スティーヴンス(エディ)
【この映画について】
ヘンリーは、毎日ただなんとなく生きている男。そんな彼の人生が、刑務所を出てから、銀行強盗という目的のために、自分で決めて人を動かしていくという能動的な生き方に変わっていく。この作品の面白さは、銀行強盗の段取りより、ヘンリーが俳優になるという展開。劇のリハーサルと実際の女優との恋愛、そして銀行強盗の準備が平行して進んでいく。
最後にヘンリーが選択するのはどれか。無為な人生を送っていたが、次第に生きる力を取り戻していく主人公にキアヌ・リーヴス。銀行強盗の仲間になる詐欺犯に名優ジェームズ・カーン、そして舞台女優役に『マイレージ、マイライフ』でアカデミー賞にノミネートされたヴェラ・ファーミガが扮している。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ニューヨーク州バッファローのハイウエイ料金所で深夜働くヘンリー・トーンは、看護師の妻と共に目的もなく漫然と日々を過ごしていた。ある日、高校時代の悪友たちから野球の試合に誘われ、車を銀行の前に停めて待っていたところ、突然ベルが鳴る。知らないうちに彼は強盗の運転手にさせられていたのだ。逮捕されたヘンリーは仲間の事を一言も喋らず、懲役3年の刑に服する。

刑務所で同房になったのは詐欺犯のマックス。彼は、ヘンリーに意義ある人生を送るようアドバイスする。そして1年後。仮釈放されたものの、妻が他人の子を身籠っていることを知って家を去るヘンリー。
雪が降る中、強盗のあった銀行の前にぼんやり立っていた彼は、突然クルマにはねられる。あわててクルマから飛び出してきたのは、舞台女優のジュリー・イワノワ。彼女は隣の劇場でチェーホフの『桜の園』の主人公ラネーフスカヤを演じることになっていた。
大した傷もなく、これをきっかけにジュリーと知り合ったヘンリーは、劇場と銀行の間に古いトンネルが存在したことを知り、あることを思いつく。やってもいない銀行強盗で刑務所に入ったのだから、銀行から金を頂いてもいいだろう……。
やがて刑務所から出所したマックスを巻き込み、劇場から銀行までトンネルを掘る計画を立てる。それはまず、マックスを劇場のボランティア・マネージャーに仕立て上げ、続いてヘンリーが劇団員に応募するというものだった。

計画は順調に進み、トンネル掘りが開始。だがやがて、ヘンリーは自分に舞台俳優の才能があることに気付くとともに、ジュリーに対する恋心を自覚してゆく。ある夜ついに、ジュリーに身に覚えのない犯罪で刑務所に入っていたことと、これからの計画を打ち明けるが……。

この作品、キアヌ・リーヴスが主役なのですが、彼だけが目立つ設定ではなくて舞台女優役のヴェラ・ファーミガと塀の中で知り合ったマックスを含めた三人の物語と言えます。ヴェラ・ファーミガは「マイレージ・マイライフ」でブレークして、最近では「ミッション:8ミニッツ」にも出演していていた注目の女優です。
ヘンリーは彼に心を寄せる女性の存在がありながらも結婚を躊躇っていて、ある日、かつての知り合いから野球の試合へ駆り出された筈なのに、騙されて銀行強盗犯に仕立てられた。ここから彼の人生は違った方向へと進んで行って、塀の中で「主(ぬし)」のような存在のマックスと意気投合。マックスは塀の中の居心地が良いのか仮釈放の面接でワザと悪態をつく。そして、ヘンリー釈放後、度々マックスを訪ねてそこで銀行強盗の話を持ちかける。しかし、そのきっかけがトイレに張ってあった古い記事、という設定がけっさくだった。

まあ、結局あれやこれやでジュリーと仲良くなって、彼女の舞台を見学に行って演技に興味を持ち、そこにマックスを引きこんで計画を練る。ヘンリーが徐々に演技に興味を持ち始めるのだが、マックスは隙をついて控室からトンネルを掘り進める。でもね、これってちょっと無理があるんだよね。だって、当然大きな音もするし土砂を処理しなければならないし、また協力者も必要だし。
ってな訳で登場したのが、ヘンリーを陥れたメンバーの一人でヘンリーの妻を寝取った男。また、この男がヘンリーには内緒で主犯格の男に知らせて波乱が起きるのだが、今度は簡単に騙されなかった。一度は銃を向けられたが、反撃して負傷しながらもこの男をねじ伏せた。

こうして銀行の地下まで掘り進めることに成功したが、その一方で銀行の古参警備員は勘付いていたのだが、逆に内部情報を教えるサービスぶり、まあこれには訳があったのですがね。
ヘンリーの俳優としての舞台と銀行から金を盗む計画は同時進行で進み、この辺がドキドキする反面盛り上がりに欠ける面もあった。計画はまんまと成功し、ヘンリーはマックスと共にフロリダ方面へと逃亡...。と思いきや、ヘンリーは町に留まり、マックスだけが計画通り高飛びしたのでした、っていうオチでした。

ヘンリーと地方巡業女優から抜け出したいジュリーの関係、ここではジュリーの強烈な個性が目立っていてキアヌ・リーヴスの個性を上回っていた。やはりヴェラ・ファーミガは只者では無いですね。それとマックスを演じたベテランのジェームズ・カーンも良い味だしていましたよ。この二人が個性的だっただけに、逆に、キアヌ・リーヴスが大人しく感じた。

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