12-69.トータル・リコール
■原題:Total Recall
■製作年・国:2012年、アメリカ
■上映時間:118分
■字幕:林完治
■観賞日:8月25日、新宿ピカデリー(新宿)
TOTAL RECALL TRAILER 1990年版
□監督:レン・ワイズマン
□原作:フィリップ・K・ディック
◆コリン・ファレル(ダグラス・クエイド/カール・ハウザー)
◆ケイト・ベッキンセール(ローリー・クエイド)
◆ジェシカ・ビール(メリーナ)
◆ブライアン・クランストン(コーヘイゲン)
◆ボキーム・ウッドバイン(ハリー)
◆ジョン・チョー(マクレーン)
◆ビル・ナイ(マサイアス)
【この映画について】
フィリップ・K・ディックの短編小説「トータル・リコール(旧題:追憶売ります)」を映画化し、大ヒットした『トータル・リコール』をリメイクしたSF大作。監督を務めるのは『ダイ・ハード4.0』のレン・ワイズマン。
かつてアーノルド・シュワルツェネッガーが演じた主人公を『フライトナイト/恐怖の夜』などのコリン・ファレルが演じ、その妻を『アンダーワールド』シリーズのケイト・ベッキンセールが熱演する。迫力満点のアクションがさく裂する斬新な映像に目を奪われる。
(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
近未来、“記憶”は簡単に売買されるようになっていた。大きな戦争を経て正常な環境を失った世界で、人々はわずかな土地を、裕福なブリテン連邦と貧しいコロニーという2つの地域に分けて暮らしている。
退屈な日常に飽き、刺激を欲した人々は、人工記憶センターであるリコール社の人工記憶を買って不満を解消していた。コロニーで暮らす工場労働者のダグラス・クエイドも、来る日も来る日も工場で働く日々にふと嫌気がさし、リコール社を訪れる。しかし、彼が記憶を植えつけようとしたとき、突然、ブリテン連邦のロボット警官隊が襲撃してくる。
クエイドは自分でも知らなかった戦闘能力を発揮して逃げ切るが、帰宅すると今度は彼の妻ローリーが襲ってくる。ローリーはクエイドに、記憶を消されて新しい記憶を植え付けられただけで、この世にダグラス・クエイドという人物は存在しない、と告げる。ローリーを振り切ったクエイドは、行く先で数々の謎のメッセージを受け取り、メリーナと出会う。メリーナは信用できるのか? 自分は誰なのか? クエイドはその答えを見つけられないまま、ブリテン連邦とコロニーの運命を握る戦いに巻き込まれていく。
この映画は1990年にアーロノルド・シュワルツェネッガー主演で公開されたSF映画で、私も当時観たのだが、まだCGも3Dも無い時代に斬新な映像と特殊メイクの凄さを覚えている。1990年版は舞台が火星で、と言っても火星人が主役では無くてコーヘイゲンは火星の支配者で今回とは随分と設定が違っている、と言っても当時のがオリジナルなのですがね。
今回はコリン・ファレル主演で設定も地球内で、ブリテン連邦と言う名の支配国とそれを支える労働力供給のコロニー(植民地)の話でファレル演じるダグラス・クエイドは労働者としてブリテンで真面目に働くものの管理職は全て支配国の者で不満が溜まっている。この2国を結ぶ交通手段は超高速で地球内のトンネルみたいな空間を移動できるシステム「フォール」で、イメージとしてはブリテンはその名の通り現在の英国で、コロニーはオーストラリアかな?
どちらにも共通しているのは役名とリコール社という記憶を書き替える会社が存在すると言う事実である。今回はブリテンの支配者コーヘイゲンがコロニーを滅ぼして統一しようとすることから始まる。
ここでクエイドがリコール社を訪問して何故か急に自身が追われる身となり、後は不思議な世界が続き、クエイドが体験している現実がリコール社が生みだしたものか、それとも現実なのか区別が付き難い。架空の妻が出現したり協力者が急に接近してきたりと目まぐるしい展開が続く。鍵を握っているのが「フォール」と言う名の高速移動システムで、コーヘイゲンはこのエレベーターみたいな装置を使って軍隊をコロニーへ送りこみ戦闘となる。
細かい展開は別として結局はクエイド側がコーヘイゲンを撃退するのだが、果たしてそれさえ現実だったのかバーチャル体験だったのか最後まで理解に苦しむ展開で終わった。
自分的にはシュワ主演だった1990年版の火星が舞台の方が面白かったので期待していたのだが、余りにも設定が替わり過ぎていて同名異話のようなストーリーには多少ガッカリした。主役のコリン・ファレルも彼の個性が発揮出来ていたとは言い切れず、彼に取っても納得行かない出来だったのでは無いかな?