「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

チャレンジ教室のママ、プロ顔負けの判断と処置

2009年11月05日 | 指圧の活動
  チャレンジ指圧教室で、障害を持つ我が子を圧すために指圧を学んでいるお母さん達は、本当に素敵です。月2回の教室が始まってまだ半年なのに、「我が子を圧す」というハッキリした目標があるからでしょうか、熱心さは言うまでもないことですが、圧し方もそこそこ上手なので驚いてしまいます。  

 この教室とは別に毎週2回、水曜と金曜の夜、チャレンジの子供達にボランティア指圧をしています。この子供の身体状況の厳しさは言うまでもありませんが、障害のある子供と日々向き合い育てているお母さんの身体も、長年の心身両面の疲労が溜っていてかなり深刻な状況です。 
 大きく重くなった我が子を抱きかかえ、日常生活自体が想像を絶する大変さなのですから、ほんの少しの無理がかかっただけで、とんでもないほどの辛さや痛みを味わうハメになります。  

  先日もMちゃんの指圧が終わり親子で帰ろうとしたとき、Mママが立ち上がろうとした身体をよじらせ、「イタタターッ!」と腰を押さえて苦痛に顔を歪めました。すかさずUさんに「ちょっと圧してあげて!」と声をかけると「ハイッ! 私でいいんですか?」 
  チャレンジ指圧教室の生徒さんは、凄い! 驚きました。いきなり痛みのある腰を圧したりはしませんでした。まず、仰臥位で受け手の足首を持って持ち上げてみて、左右の足の重さを比べました。
「ワーッ右足がスッゴク重ーい!」といい、右鼠径部から丁寧に右下肢を圧し始めました。右下肢全体を圧して、次に左鼠径部を圧しました。プロ顔負けの判断と処置です。  

 時間があまりなかったのですが、Mママは、起き上がって「あ~、ラク」ととてもうれしそうです。「ありがとう」とMちゃんを抱きかかえて、元気に帰って行きました。Uさんは、痛みのある腰に直接触れることなく、わずかな時間の中で強烈な「痛み」を楽にしてあげられたのです。お見事でした。 
 痛みの対処がいちばん勉強になります。実際にある辛さを、圧すことで楽にすることができると、圧す方にも受け手にも、それが1つの学びになります。痛みや辛さが有るときこそが、勉強のチャンスです。絶好の機会はなるべく逃さず、皆の実力になるよう対応すべく心掛けています。  

  基本指圧を学んでいるので、楽になりながら勉強になるのが、とてもありがたいことだと思っています。 
 チャレンジのお母さんたちには、我が子を医者任せにする気持ちはありません。子供が自分でできることには、しっかり立ち向かわせようという、はっきりした目標があります。そこが上達の分かれ道なのでしょうか? 圧しても圧されても、学びが100%身につくのです。―― 日々是好日、勉強勉強 ――。


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