「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

お盆休みを利用して神戸で2人目の指圧治療

2010年08月19日 | 指圧の活動

 8月13日は治療所のお盆休みの初日でした。あるご縁から伺うことになった出張治療のため、7時30分東京発の新幹線「のぞみ11号・博多行き」で、今月2度目の神戸出張治療へ向かいました。2日にはこれまでも伺っていた方の治療、この日は初めての方でした。

 
今回、基本指圧に興味を持たれたのは82歳の男性です。新神戸駅に出迎えの方が来られ、直ぐに芦屋のご自宅に向かいました。駅から車で20分ほどの距離です。
 長い年月、この仕事をしていますので色々な方々との出会いがあり、それがまたこの仕事の楽しみな部分でもあります。今回治療に伺った方は海軍兵学校の出身で、東証と大証で一部上場している日本のトップ企業の創業者です。

 結婚当初、夫がよく話していたのが高校の担任教師のことです。その先生は海兵(海軍兵学校)の卒業で、とても優秀な方だったというのです。数学の先生は陸軍士官学校(陸士)の出身だったそうです。

 私の年代では海兵と聞いても、実はあまりピンとこないのが正直なところです。ところがこの海兵は、頭脳はもちろん身体能力もずば抜けていなくては到底入れなかったそうです。当時は海兵、陸士に入れなかった人が帝大(旧帝国大学。現在の東大、京大、阪大、他)に行ったと聞いています。私にとっては伝説のような、海兵出身の方にお目にかかるとは考えてもいませんでしたので、ワクワクしてその日を待ちました。

 本来、自分の仕事スタイルとして、特別な事情以外に往診はしないことを建て前としてきました。しかしこのたびは、例外として往診で基本指圧を受けていただくことに話が決まりました。お気に召したら通っていただくということで、1回限りのお試しです。
 実はこのかたは、頸椎を2回、腰椎を3回手術されていて、いろいろ不都合がおありのようです。しかし大変お元気で、とてもお洒落で素敵な紳士でした。

 さっそく施術させていただきました。“これはいい”といわれるものには何でも挑戦されるようで、お灸治療で低温火傷をした跡まで、笑いながら見せてくださいました。この方の保健には、基本指圧で十分に対応可能であることを、圧してすぐに確信できました。ただ大きな問題は、「芦屋」と「川越」の距離をどうするかということです。

 私の技術で何とか届きそうだとなると、ついやってみたくなるのが自分の性分だと自覚しています。今回もそんな気持ちが頭をもたげてきました。しかし、追いかけてまで圧そうとしてはいけないと教えられていますから、ここはこれがどんなご縁なのか? ゆっくり見ていようと思っています。

 実は圧し手には、圧すことで分かる受け手の色々な情報があります。自分勝手に、海兵出身者はもっと刃物のような厳しさを持っている方かとイメージしていましたから、大きな包容力とピュアーな優しさに感激して帰ってきました。

 この素敵な紳士のお役にたてる、なにかよい方法が見つかりますように! 素晴らしい出逢いに感謝します。ありがとうございました。

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