前回、弘前(青森)から川越まで二分脊椎症の子供を連れて、指圧を受けに来た一家の話を書きました。9月18日、2日目のKちゃんの指圧のとき、興味深いことがありましたので書いてみます。
お父さんが、“K君の弟君が3回も同じように転んだ” と不思議そうに話すのです。同じような転び方には、共通の原因があるものです。実はこんなときこそ、指圧の出番なのです。
「どれどれ、診ましょうね」
弟君の足は長さに左右差があって、左足が極端に詰まって短くなっていました。見た目でも分かるほどです。右足指も短かめ、右足全体的にのびやかさがありません。圧して見せながら、お母さんにも圧させました。ふだんからKちゃんをよく圧しているのが分かります。とても手慣れていて驚きました。
そのあと私が仕上げに圧して、「ほら、これでもう転ばなくなるよ。良かったね!」。子供ながらに圧されて納得した様子、弟君は嬉しそうな表情でふざけていました。お母さん、お父さんの足も圧してみました。さっそくKちゃんの指圧に戻りましたが、あとの3人は、しばらく圧し圧されて盛り上がっていました。
指圧を通してのコミュニケーションは、最高です。圧しても圧されても、双方とも心から触れ合える素晴らしいものです。
ちなみに、Kちゃんに聞いてみました。
「指圧で圧されるのは、どこが好き?」
「頭! あと、足の膝から下のところ」。 これは指圧でいう、「下肢の鷲づかみ」のことでです。
「指圧は、気持ちがいいね」
「うん!」
基本指圧では「力が抜けた状態でしっかり圧す」ので、子供でも痛くありません。また、圧されて「気持ちがいい」ということが、「効果」につながる大切なことなのです。