本講演は、河出新書より「日本史の法則」で出版されているようで、本郷氏も東京大学での研究も40年となり、日本史の歴史の特徴を探っているとのこと。
第1回の今回は「地理と歴史の流れ」のテーマで講演された、
本郷氏は、日本史の法則を6つあげた。
①日本は一つではない
②歴史も一つではない
③日本の歴史はぬるい
④信じる者は救われない
⑤日本では地位より人、血より家
⑥日本史の自由と平等
本講演では、「日本は一つではない」「歴史も一つではない」「日本の歴史はぬるい」の3つの内容で話された。特に「日本史はぬるい、変わる時は外圧」では、外国と日本を比較した。
🔳日本史はぬるい、変わる時は外圧
〇虐殺がない、戦争が長引かない
ドイツ30年戦争、英仏100年戦争とか、日本では応仁の大乱で11年、焼け野原になった割に、仏像もお経も残つ ている。
〇藤原京、平城京、平安京には城壁がなかった、遺骨にも戦いのあとがないらしい、欧州や中国では城壁都市であ った。
〇平安京ができると、藤原氏が台頭→天皇は子どもの方が良い。(成人男子の天皇否定)
軍事面から子ども、女子はだめになった。→平安時代は必要なかった
〇平安時代、遣唐使の廃止し、うちむきな日本。→国風文化花盛り。女流文学が花ひらく。
外国からの刺激がない、ひらがな・カタカナも生まれた。
〇鎌倉北条氏の例外、血塗られた政争、
北条氏は三位にはならなかった、武士を大事に・・・
モンゴルの来襲と貨幣経済に・・・→社会を変える
近現代史になると多くの人が亡くなりました。スターリンのシベリア送り、ロシア革命、毛沢東の大躍進運動、文化大革命、カンボジアのクメールルージュの虐殺。
日本においても、日露戦争、第二次世界大戦でとらえ方が変わりましたが、それは明治時代から変わりました。
🔳日本は西高東低・・・固関
〇愛発、不破、鈴鹿の東が「関東」、関東はあっても「関西」はない
悪いのは東から来る・・・
壬申の乱は、不破の関周辺に拠点を置いた大海人が、関東で兵を集めて勝利した。
〇坂上田村麻呂は、蝦夷征伐→征伐であってもその後の統治がない。
〇織田信長の天下布武の「天下」、池上裕子氏によると「天下=京都」。もう少し広くても機内。
〇伊達政宗の東北制覇→会津を占拠したに過ぎない 会津・白川・米沢
秀吉と奥州仕置→秀吉は会津までしか来ない
〇東国で国作りをした家康→米作りに「ほぼ均一な税」の活路を見出す。
内需拡大路線への転換→鎖国
私達は、歴史を流れとして教えられてきました、その時々の分岐はなかったのか不思議なところです、別角度での検証も。
日本は、島国で鎖国等もあり独自の文化を形成してきたが、しかし文化や制度等は中国・朝鮮から流入してきたもので、無から有を作り上げたのではなく、あったものを改良・改革するのは得意である。筋が通ってないと言うか、理念が定まらない日本と言うか日本史から理解できるのかもしれない。
本郷氏は「日本史はぬるい」との言葉は言い当てているなと思った、政権が変わっても天皇制が存続している、今回の自民党総裁選挙においても敗れても要職につくなど、日本固有のものなのか面白い。
歴史に興味を持つとき、歴史の縦軸とともに地理の横軸を念頭に入れていかなければならないと考えさせられた。