爺の社会科見学

年金生活12年目に突入。好きな地理と写真を生かした、一味違ったブログを目指して。

茨城県古河市を散歩

2021-06-22 10:57:53 | 日記

6月の「退職者の会」の散歩は、「日光街道古河宿の寺社を訪ねる」とし、関東地方のほぼ中央に位置する、古河市を訪れました。古河市は「茨城の小京都」と呼ばれ古くは宿場町・城下町として繁栄し現在にいたり、茨城県西側の経済圏の中心となっている。

早々に駅前のタクシー乗り場から「雀神社」へ古河市の北西に位置するようだ。幹事のMさん曰く、この神社を起点に古河駅に向かいながら神社・名所旧跡を効率よく見学していくようである。
さて、雀神社とは面白い名前の神社ではあるが、由来は地名の「雀が原」または国鎮めの神が転じたものと言われている。創建は、一説では貞観年間(859~877)に出雲大社から勧請とのこと。社殿は、慶長10年(1605)に古河城主・松平康長が造営したと伝わっている、社殿から屋根付き渡り廊下つきの神楽殿があり、神楽や獅子舞が奉納される。正面の参道には対の獅子が岩の上に、親獅子の下には子獅子が、親子獅子の暖かみを感じる。社殿の前にはユーモラスな表情の狛犬が鎮座している、元禄14年(1701)の奉納とのことで当時はこうした狛犬だったのだろうか。

神社の西には堤防があり下には渡良瀬遊水地が広がっているが、堤防の上には万葉歌碑があった、古河市は万葉の時代は「許我(こが)」と表記され、渡良瀬川と利根川が分離する所に位置し、水運の要所であった。。


次は南に位置する「永井寺(えいせいじ)」へ。永井寺は、猛将と言われた江戸時代の古河城主永井氏が創建し菩提寺となっている。


さらに南に歩くと「頼政神社」があるが、その名のとおり源頼政が祭られています。治承4年(1180)宇治の平家との戦いで敗れ自害した首を従者が持って逃れ古河に葬ったと伝えられています。なお、源頼朝、義経とは遠い親戚にあたるようです。


古河市の繁華街の方に歩いて「正定寺」に。江戸時代初期、家康・秀忠・家光に仕えた古河城主土井利勝の開いた寺で土井家歴代の墓所となっています。境内がゆったりした配置になっており、黒門(江戸下屋敷から移築)、赤門があります。

正定寺の隣が、福寿稲荷神社です。

ここで昼食。「富久家」へ立ち寄った所お休みでしたが、店先で折角来たのになど、ワイワイ、ガヤガヤしていたら女将が出てきて1時間待ってくれたら用意するとの事で、ご配慮に甘えることに。
待ちの1時間は、長谷観音に。長谷観音は、明応2年に古河城の鬼門除けとして鎌倉の長谷寺から勧請した。大和(奈良)、鎌倉、古河の本尊は同じ1本のクスノキから作られたと言われ、日本三大長谷観音となっている。


長谷観音から戻り女将の心使いにより美味しい御蕎麦をいただきました。


コースである江戸町通りに入り、古い街並みが残っている、3階せ建ての蔵があり、「篆刻美術館」と案内板があった。入口で篆刻とは何だろう?ということで入館する。
篆刻とは、パンフレットによれば「7000年前にメソポタミアで発生した図象印章に期限がある。その制度が中国に伝わり漢字と融合し、秦漢時代には政治経済と結びつき、世界に稀な印章制度が築かれた。その制度は奈良時代に日本にも導入され、現在に至るまで続いている。」とある。
裏手の蔵では、テーマ「疫神」で30人の書家が疫神の篆書で表現していました。多様な表現に奥の深さに驚かされます。

美術館の通りに「永井路子旧宅」がありました。永井路子は、古河市の名誉市民であるが、生まれは東京市本郷で幼くして父を亡くし、母の実家である古河に転居し古河で育った。古河高等女学校、東京女子大学、東京大学と進み、作家として「炎環」で直木賞を受賞、歴史小説で菊池寛賞を受賞、NHK大河ドラマの「草燃える」「毛利元就」はドラマの原作となった。編集者としても優秀で今で言うキャリアウーマンであった。


雨が降りだし急いで「古河歴史博物館」へ。この区域は、文化的な街である、歩いていても気持ちがいい。人口14万ぐらいの都市で素晴らしい施設が整っており、城下町であった自治体の強味なのだろうか。
博物館は、モダンな建物である、景観を生かした建物は日本建築学会賞した。入ってすぐのホールには、オランダの楽器ストリートオルガンが設置されている。江戸時代の天保3年(1832)に雪の結晶の観察図鑑「雪華図説」を観光した古河藩土井利位やその家老であった鷹見泉石がオランダから知識を得たことを象徴している。常設展示は、鷹見泉石が収集、記録、研究した蘭学資料を展示、原始から近代までの古河市の歴史を解説している。

急に梅雨空で雨となり、早々にタクシーにて古河駅に。まだまだ見学場所があるが一日で回れないほど素晴らしい古河市でした。機会が合ったらまた訪れたい。

【その他のPhoto】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする