爺の社会科見学

年金生活12年目に突入。好きな地理と写真を生かした、一味違ったブログを目指して。

うらわ美術館の「日本のポスター芸術」

2017-06-06 12:08:46 | 日記

私の実家は戦前より小売店を営んでいた。田舎のため商形態は「よろずや」今で言う「コンビニ」である。改築前は、店舗兼住居で住居の階段の所に数枚のポスターが貼っていた。いつから貼っていたのか不明であるが、子どもながら美人画風の古くさいポスターであったという記憶がある。
そんな昔の記憶を呼び起こすポスターの展覧会が「うらわ美術館」であった。
明治時代から昭和時代(戦前)のポスターなど85点が展示されている、ポスターを作られたのは明治時代からで、江戸時代にも商品名を書いた広告紙などがあったがそれは「引き札」と言われた。(お客を引くという意味があったようだ)商品の売り出し宣伝、店の開店披露などであるが、明治以降は印刷技術の発達によって「チラシ・びら」として配布される現在のような宣伝媒体となった。
展示物の中では、白鶴(日本酒)ポスターの「鶴模様の和服を着た女性」(M30-43)が最も古い時代のものの一つのようである。明治時代のポスターの特徴は、少しかしこまり黒髪をきっちり結い上げ唇を結び涼やかな眼差しで、人気芸妓がモデルとして多いと紹介されていた。大正時代は、美人画ポスターが大正ロマンの特徴である豪華絢爛で、北野恒富(挿絵画家として有名)、伊東深水などが描いたポスターもあった。その中では「赤玉ポートワイン」の「グラスを持つ半裸の女性」(大正11)は当時はセンセーショナルなポスターであた。昭和時代(戦前)に入るとモデルが舞台・映画俳優となり写真・イラストなど多様化してきた、カルピスのポスターは現在に通じるイラスト的なポスターで目を引く、この頃にはポスター用のカタログ見本や文字が図案化されてきた。時代とともにポスターの移り変わりがわかって面白い展示会であった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする