たぶん、日本ではあまりなじみが無いと思いますが、ヨーロッパで「iPadのライバル」として注目を集めていたデバイスがあります。
Apple がiPadならドイツはwePadで行くぜ–有料コンテンツひも付きで超安価に TechCrunch
NeofonieのwePadは*、本誌Crunchgearの編集長が夢にまで見た美人に形も機能も似ているが、しかしこのドイツ製のAndroid機はマルチタッチの画面がやや大きいし、CPUもiPadより速い。それに、Flashは動くし、USBポートはあるし、カードリーダー内蔵、メモリは増設可能だ。しかも完全なマルチタスクができるし、カメラもある。無敵だね。〔*: 公式商標は’WePad’〕
私もTechCrunch以外のニュースソースはあんまり見たことが無いのですが、iPadよりも私はこっちの方が好みです。Atom搭載でFlashが動きますしね。
しかしながら、この端末について、ちょっと残念なニュースが入ってきました。その「名前」を変えるというのです。それも、なんともひどい理由で。
Appleの圧力でWePadがWeTabに変わった? TechCrunch
iPadのライバルとして世界(とくにヨーロッパ)で騒がれている、あのWePadのメーカー企業Neofonieが、当のタブレットコンピュータの名前を、突然、WeTabに変えた。同社は名前の変更を同社のFacebookのページで発表したが、理由の説明はない。
本誌としては、これはカリフォルニア州Cupertinoに本社のある某コンピュータおよびスマートフォンメーカーと何らかの関係があるのではないか、という疑いをぬぐいきれない。
まあ、普通はそう思ってしまいますよね。なにしろ、日本においても過去に「iPad」という商標が富士通にあるにもかかわらず、お構いなしに使っていたという経緯がありましたからね。(ちなみにその件については富士通と和解済み)また、全く根拠がない言いがかりというわけでもなく、同じような難癖を別の企業にもふっかけていた事実があるのです。
Appleは’pad’を登録商標として所有していないが、 CEOのSteve Jobsは過去に、journalPadというアプリケーションのデベロッパChris Ostmoのメールへの返事で、うちの登録商標だと主張している。
実際問題として、これが本当だとすると正直やり過ぎ感が。いつの間にAppleっていう会社はそんなに偉くなったんでしょうか?大人気とか報道されているiPadにしてもまだ100万台売れたに過ぎません(初動ならDSやPSPの方がよっぽど売れてる)し、iPhoneにしても携帯電話一機種としては売れたかも知れませんが、プラットフォームとしては別にトップというわけでは決してありません。また、AppStoreに係る審査の不透明さとか、ソフトウェア開発における条件の締め付けなど、今回の件と同様に、影と言えるような部分も以前から言われていることです。
なんというか、過去のセカンドライフなどと同じように、メディアが作り上げた影響力がとても大きいと思うのですね。そして、Apple自身もそれをコントロールすることで地位を盤石にしようと努力している訳です。それについて否定をするわけではありませんが・・・バブルはいつかはじけるときが来ます。そのときにAppleが、イメージ戦略通りの力を持ってさえすれば、問題ない話なんですけどね。