かつて、TechCrunchというサイトで進められていたガジェット企画がありました。
そのコードネームは「CrunchPad」。かのサイトの編集長が、「自分が使いたいけど、誰も作ってくれないから」というすがすがしい理由で立ち上げを決意した、Web特化型のタブレットPCです。
Atom+IONという、iPadやAndroidとは違う、PCそのままのアーキテクチャを利用したそれは、高速起動とすべてのWeb標準に準拠し、「部屋中どこでも」PCと同じ完全なWeb体験が気軽に実現できる事を前提に考えられた製品です。ちなみに、このブログでも、開発が報じられたときには紹介していたりします。
しかしながら、ラグジュアリーWebの理想を追い求めたCrunchPadはついに世に出ることはありませんでした。いわゆるお家騒動と言うヤツで、組んでいた製品製造会社の裏切りにより、開発成果を全部横取りされてしまいます。その後、編集長の全く意図しない形で、名前を「joojoo」と変え、世に出ることになりました。
しかも、このようなスタートアップデバイスには珍しく、日本での展開まで始めてしまいました。さすがアジア系。
Fusion Garage、NVIDIA ION搭載iPad型スレート端末「joojoo」を国内発売 PC Watch
iPadのような形状のスレート端末。米国では2009年12月に発表、3月末から出荷が開始された。プラットフォームにはNVIDIAのIONを採用し、CPUはIntelのAtom N270(1.6GHz)というx86構成。メモリは1GB、ストレージは4GBのSSD。OSにはLinuxカーネルをベースに独自で開発したWebブラウザOSを搭載。液晶は静電容量式マルチタッチが可能な1,366×768ドット表示対の12.1型。インターフェイスは、USB 2.0、IEEE 802.11b/g無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、130万画素Webカメラ、音声入出力を装備する。
走るOSについては、言うなれば完全にChromeOS対抗。つまり、Webのみです。仕様その他をばっさり切り捨てたものの、外部ストレージによるメディアファイルの再生には対応する模様。なお、現在公式ページで注文受付中。6月1日から出荷予定となっています。
開発の経緯については色々と憤るところもありますけれど、その仕様や思想は魅力的です。ただ、価格が約44,999円とネットブックよりもちょっと高いですし、iPadともろに競合しますので、知名度的にも大変厳しいでしょうね。
しかしながら、かの編集長が思い描いた理想のウェブ体験には興味がありましたので・・・注文しちゃいました。本体+専用スタンド+送料で、計50,397円。人柱頑張ります。届いたら、何らかのレビュー記事を書く予定です。ちゃんと日本語入力出来るようになってれば良いけど。