Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

クラウドコンピューティングがビジネスを変える?

2008-04-18 23:15:08 | Thinkings

 近頃、ビジネス界隈、の中のIT関連企業のニュースでよく聞かれる言葉に「SaaS」と言うものがあります。

 「Software as a Servie」の略語であるそれは、一言で説明するならば、顧客が必要とする機能だけを提供するソフトウェアビジネスモデルのこと。例を挙げると、ナイフにハサミに缶切りなど、機能満載のスイスツールズと、実用本位のアーミーナイフ・・・。えーと、中国語辞典に古語辞典、ことわざ辞典に家庭の医学まで入っている何でもありな電子辞書に対して、国語辞典と英和辞典だけが入った必要最小限の電子辞書を提供するサービスだと想像してもらえればいいのでは。

 転じて、現在の「主流の使われ方」としては、サーバーサイドで一通りの機能を用意し、その中の必要な機能だけを、顧客がネットワーク越しに利用するシステムのこと。インターフェイスはもちろん、データを保存するストレージさえもサービス提供側が管理し、顧客は月々の使用料を支払うことになります。

 元々は、例えばグループウェア(スケジューラーや社内メール、電子会議室など)や財務管理などに使われており、それらに関わるサーバーの運用や管理のコストを圧縮したい場合には、有用な手段であります。

 しかしながら、最近のトレンド・・・と言うよりも、大手ITベンチャー(というのも変な言葉だが)が「そっちの方に持って行きたい」として必死にメディアへの露出や情報をばらまいて、作り出そうとしている風潮はちょっと違和感を覚えます。それは、オフィスソフトへのSaaSの進出・・・具体的に言うと、「MS Officeなんて古いから乗り換えろ」という動きです。もっと具体的に言うと、SalesForceと提携して波にのっている様に見えるGoogle Appsのことです。

SalesforceとGoogle、日本市場でも「Salesforce for Google Apps」を推進 マイコミジャーナル

既報のように、"Salesforce for Google Apps"は、「Google Apps」を構成する「Gmail(電子メール)」、「Google Docs(オフィススイート)」、「Google Talk(インスタントメッセンジャー)」、「Google Calendar(スケジューラ)」を、Salesforceアプリケーション上から、連携させて利用できるようにしたものだ。

 他にもオンラインで使えるオフィススイートはたくさんあります。今回の提携によって、グループウェアとオフィススイート、そして、外部への顧客対応などのビジネスに必要なものが全てひとまとめにして提供できるようになり、かつ、それらの柔軟な連携がとれると言うところが新しいみたいです。

 彼らは、「これまでのソフトの時代は終わる」という発言をしています。これは、明確なOfficeへの、ひいてはMicrosoftへの挑戦であると言えるでしょう。彼らが進めるところによると、「ブラウザさえあれば他は何もいらない、OSも何だっていい。アプリケーションは全て、ブラウザ越しに提供するから」という未来像が待っています。

 多分、私が昔からPCを使っていて、「ソフトウェアはローカルで動くもの」という考えを強く持っているのが一番の違和感の原因だろうと思うのです。しかし、それを抜きにして考えても、「ソフトウェアのバージョンアップですら自社の意志では決められない」「回線に障害が起きたとき、全ての業務は止まる」「データが全て社外にあるというリスク」「サービス提供側が倒産、及びサービスの停止を決定したときの対応」など、考えるべきリスクはたくさんあります。

 加えて、MS Officeと戦うにしては、ソフトがあまりにチープなんですよね・・・。Google Docsは、ユーザー登録さえすれば誰でもすぐに利用できますが、言ってみれば、「WordPadよりはマシなワープロ」と、「表作成ツール」でWord、Excelと戦おうと言うわけで・・・Wordはともかく、Excelの替わりにアレを使いたくないぞ、私は。

 確かに、ビジネスで使うのにVistaは重すぎるし多機能すぎるでしょう。でも、WordやExcelがそうだとは思いません。コスト的にも、月間サービス料を積み上げると従来型のOfficeが不利なわけでもないし、それさえイヤならOpenOfficeだってある。別にSaaSにしなくても言い分野まで、声高に「そういう時代だ」と吹聴し、従来型の全てを否定する・・・多分、私はそういう姿勢が気にくわないんでしょうね。何となく分かった気がする。保守的なんですね、私は。

 私が思うに、中企業以上で外回りをしなくて良い部署にいる場合、フル機能のWindowsはいらないというのは全く理にかなっているでしょう。でも、ファイルの管理はもっと柔軟に行いたいし、ツールだってもっと強力なモノを使いたい・・・そう考えると、今のところのベストな選択肢はシンクライアント+デスクトップサーバーだと思いますね。小企業やSOHOの場合は、むしろ通常のデスクトップやノートをそろえて、ファイルサーバーを運用した方がずっと現実的。

 適材適所。いくら新しい技術だからと言って、無理に適用するのはむしろ退化です。それに、ドッグイヤーなこの業界、5年後、Googleが今の地位にいるかなんて誰にも分からないんですからね・・・


パワードスーツ、量産に

2008-04-17 20:04:50 | Technology

 いや、一気にSFが現実に近づいてきましたよ?

 強化外骨格・・・日本語で言うと厳ついですが、横文字に直すと「パワードスーツ」。本当ならシェルの方がよさげだと思いますが、SFでは定番となっているアイテムですね。しかし、イメージ的にはガンダム的な何かを想像してしまいがちですが、今回のネタのものは、着込むことで、普段の何倍もの力が出せるようになる機械仕掛けの鎧みたいなものの方です。
 SFにおける戦隊物のヒーロースーツの様なそれが、なんと、実際に量産されるとか。

 ロボットスーツを量産化/ベンチャー企業が起工式 佐賀新聞

 体に装着して手足の動きをモーターで補助し、高齢者の歩行などを可能にするロボットスーツ「HAL」の量産化に向け、開発者である筑波大の山海嘉之教授らが設立したベンチャー企業サイバーダインの研究開発センター起工式が16日、茨城県つくば市のつくばエクスプレス研究学園駅前で開かれた。

 元記事の写真を見る限りでは、体に沿うように「着る」機械部品ですが、それらの部品が、実際の体の動きをアシストしてくれると言うモノらしいです。

 脳からの信号を皮膚表面に付けたセンサーで読み取り、体の動きをトレースして引っ張ったり支えたりする。そうすることで、例えば、筋力が落ちて自由に動けない高齢者が歩きやすくなったり、現場労働者の筋力をサポートして重量物を移動や仕分けをする作業を軽減したりと言った用途が想定されています。

 さて、老人や障害者にとって希望の一つとも言えるHALですが、とりあえず10月から工場が稼働し始め、数年で年間数万着を生産することになるとか。すでに量産までこぎ着けて、今後の明確なロードマップがあるという現実に、何というか確かな手応えみたいなものをかんじますね。

 ちなみに、アメリカ軍でも同様のシステムが、主に「筋力増強」の部分で実験されており、以前、40キロくらいあるボックスを軽々と放り投げるデモを見たことがあります。今回のHALも同様のものなんですけれど、「じゃあ次は防弾性能を・・・」ではなくて、第一に民間利用が出てくる日本は本当に平和なんだと思いますし、やっぱりそれはありがたいことです。


衝撃のMacintosh互換機の登場

2008-04-16 22:57:20 | Thinkings

 現在、OS Xが動くMacは全てApple社の製品であり、OSと主要アプリケーション、動作ハードウェアに至るまで、ほぼApple一社で市場を形成していると言っても過言ではありません。つまり、今の市場においてMac OSが動くPC=Apple社の製品となっています。

 しかしながら、過去に目を向けてみると必ずしもそうは言えません。

 実は、Apple社は1995年から1998年までのたった三年間ではありますが、Macintoshの基本アーキテクチャをサードパーティに公開し、互換機の製造を容認していた時期があるのです。その3年間においてだけは、Mac OSはApple社のものだけではなく、もっと広範な意味でのOSだったと言えるでしょう。

 さて、今日においてまた単一プラットフォームに逆戻りしてしまったMacですが、2006年初等までは、モトローラ(IBM)のPowerPCというCPUを使った、Windowsが動くPCとは違う設計思想で作られていました。しかし、IntelとAppleによる歴史的な接触により、現在のMacは全て、WindowsPCとおなじIntel製のCPUが使われています。
 CPUおよび、その制御を行う周辺のチップセットがIntelに変更されたことにより、必然的に周りのアーキテクチャもWindowsPCとほぼ同一になりました。つまり、現在のMacはハードウェア的にはWindowsPCと何も変わらないのです。

 でも、普通のPCではOS Xは動きません。なぜなら、OS XはBIOSではなくEFIを採用しているからです。・・・BIOSもEFIも、OSを立ち上げるための、ハードウェアに書き込まれた基本ソフトだと思ってください。つまり、ソフトウェアの問題さえクリアできれば、OS Xは自作のPCでも立ち上がるのです。こんなふうに。

米サイスター社、MacOS Xが動作可能な低価格マック互換機を発売 technobahn

米サイスター(Psystar)社は14日、同社のホームページ上で無変更の「Mac OS X」が動作可能なオープンマッキントッシュを399ドル(約4万円)で販売開始したことを発表した。

 サイスターのオープンマックはアップルが販売している純正マックが搭載しているBIOSとなる「EFI V8」のエミュレーターを搭載することで、「Mac OS X」に対して自分自身を純正マックと誤認識させることで「Mac OS X」のインストール及び、起動を可能にしている。

 現在のOS Xの価格がアマゾンで13,912円。合わせて5万3千円でMacが手にはいることになります。Mac Miniがアマゾン価格87,220円と言うことで、性能は高いにもかかわらず、お値段は三分の二になりますね。そんなわけで問い合わせが殺到しているようですが、ライセンス的にはアウト。というのは、OS Xが「Apple社のハードウェアに限り」インストールを許可しているため。今後、Appleがどう動くか注目ですね。

 Mac OSがApple以外のハードウェアで動く!という衝撃よりも、「安い互換機を使ってMac OSを動かしたい」という需要があるという現実により大きな衝撃を受けてしまいました。ずいぶんと市民権を得ているんですね・・・

 OS自体はWindowsに比べてずいぶんと安いMac。しかし、それは「ハードウェアとセット」という考え方だからであって、今後Appleが互換機を容認するようになれば、OS Xの値段も上がっていくかも知れませんね。


家庭用シンクライアント Luiは当たるのか

2008-04-15 23:59:59 | Technology

 前回の記事で、WILLCOM D4を紹介しました。Intelの新しいプラットフォームであるAtomを搭載するフルWindowsPCでありながら、ポケットに入るサイズの端末。モバイルの可能性を広げる、やたら豪華な”PHS”でした。

 さて、二日続けてモバイルPCっぽいものの記事で恐縮ですが、今回はNECのLuiというサーバーおよび端末の話。コンセプトは「ユビキタス」。ここ数年にわたって「くるぞくるぞ」と言われながら、普及の影すら見えなかった「いつでもどこでもサーバーにつながる生活」を、NECはどう実現しようというのでしょうか。

自宅のPCをポケットに入れて持ち歩く――NEC「Lui」発表会 ITmedia

 Lui(Life with Ubiquitous Integrated solutions)は、デジタルコンテンツをサーバPCで一元管理し、家庭内や外出先から「いつでもどこでも」「好きなときに好きなところで」(同氏)で利用するための製品群を指す。

※引用注:NEC代表取締役社長の高須英世氏

 Luiは、言ってみれば家庭用のシンクライアントシステムを構築するものです。コンテンツ・・・テレビ番組の録画や写真、テキストやオフィス文書など・・・を全て家庭用のPC兼サーバーで一元管理し、専用のシンクライアント端末からリモートで扱えるようにするというもの。ただ、通常のシンクライアントサーバーと違うのは、「専用端末でサーバーのデスクトップを操作する」という操作形態になるため、一対一の関係でしか使えないと言うことでしょうか。

 ネットさえあれば外からでも家のPCを触れると言うことで、事実上フル機能のPCを持ち歩くことができると言えるLuiですが、WILLCOM D4と違う点は、ネットが無いと何もできないという点。ホットスポットが僅かしかない日本の環境においては、実質的に家庭内で”デスクトップ環境を持ち運ぶ”為の端末と言えるでしょう。また、サーバーのドライブに光学メディアが入っている場合や、ハイビジョン録画の番組をリモートで試聴できないと言った制限もあり、何というか魅力が大幅に削られています。

 自分の部屋でDVDやBlu-Rayを見たり、ベッドサイドで録画しておいた番組を見たりができない・・・著作権上仕方ない措置かと思いますが、コレができなくて一体何のための家庭用シンクライアント端末なんだ、と言う気はしますね。

 ちなみに、その片手落ちのメディアサーバーを実現するためのコストを見てみると、NECの「最小構成」で、PC兼サーバーが約21万円にDSサイズのシンクライアント端末が5万円の26万円。新規開発の専用機に至っては、PC兼サーバーが下位モデルで33万円、ノートPCサイズのシンクライアント端末が9万円(!)の合わせて42万円。Blu-Ray搭載モデルなら、さらに5万円プラスとなります。ディスプレイは、リビングのテレビとの接続を想定してか、標準ではついてきません。

 普通にノートPCが買える金額のシンクライアント端末に、もはや冗談みたいな価格設定の母艦。一体どんな購買層を想定しているのか私には理解できませんが、NECは多分本気なんでしょうね。私ならば、10万円強のBlu-Rayレコーダーと、15万円くらいの普通のノートPCを選択しますね。それでも25万円、専用母艦の金額にすら及びませんし、多分、もっと便利に使えることでしょうから。

 ・・・家庭用シンクライアントという着眼点は本当に良いと思うのです。サーバーを一台おいて、複数台の端末でそれをシェアする様な使い方ならば、お父さんの管理も楽ですし、コストも抑えられることでしょう。でも、Luiのような「基本1対1」「端末には大幅な機能制限」「導入コストがPC導入と同程度以上」となると、もはや価値を見いだすのさえ難しくなってしまいます。

 サードパーティも参入するようですが、どうやら「ユビキタス」の普及はまだまだ遠いみたいです。


WILLCOM D4の話をしよう

2008-04-14 21:49:11 | PC

 世界初のIntel「Atom」搭載UMPC、「WILLCOM D4」。いつもなら、ここまで注目されている話題は「あえてスルー」して別の話題をネタにするのがこのブログの常ですけれど、IT系ニュースサイトのどこを見てもこの製品の紹介がトップに来ているので、今回はその流れに乗ってみることにしました。

 引用先はGIZMODEから。

世界初の「Atom」&Vista搭載「WILLCOM D4」が登場 GIZMODE

WILLCOM D4

WILLCOMから世界初のインテルR CentrinoR Atom?プロセッサー搭載モバイル端末「WILLCOM D4」(WS016SH)が発表され、その全貌が明らかになりました。搭載OSはWindos Vistaで、PHS・無線LAN・専用クレードルによる有線LANに対応しています。

 おもしろいのは有線LANに対応しているところ。出先のホテルなどでは、案外無線に対応していないところが多かったり、会社の意向で無線LANが使えなかったりすることは多いですので、(Homeでドメインに入れるのかはさておいて)こういう配慮はうれしいですね。

 サイズは縦約84mm×幅約188?192.3mm×厚さ約25.9mm

 ちなみにPSPのサイズは、ソニーの公開している仕様によると、こちら。

約169.4 x 18.6 x 71.4 mm

 正に、PSPよりも一回り大きいと表現するのにぴったりのサイズです。重さは倍以上ありますけれどね。

 さて、以前私は、PCが携帯電話のテリトリーを脅かす日という記事を書きました。その記事中で述べているのと全く同じようなスペックの端末が現れてしまい、正直なところ驚いているところです。

 この端末、フルスペックのVista Home Premiumを搭載し、通話機能はアプリケーションとして実装。そのままだと通話しにくいため、Bluetoothのハンドセットがオプションで用意されています。あくまでアプリケーションとして実装されていますので、スリープモードやシャットダウン中では着信すら入りません。いっそのこと付けない方が良かったのではないかと思いますけれど、WILLCOM側はあくまで「PHS」として売っていきたいという意図があるようです。

 肝心のPCとしての性能は、スペックを見る限りではASUSのEeePCよりも上。ディスプレイが一回り小さかったり、キーボードが実用上最低限だったりしますけれど、モバイル用途に使うと言うことならばこちらの方が使い出があるように思います。むしろ、キャラクター的にはVAIO TypeUと比べた方が良いかもしれませんね。

 気になるお値段は、一括買い入れで12万8600円と想定よりも少々お高いですが、現実的には「頭金3万9800円+3700円×24ヶ月払い」という選択肢が多く選ばれそうです。これなら気軽に買えそうですが、実際には3700円に通信料がプラスされますので、6000円弱の維持費が毎月かかることになります。携帯電話として使うことを想定しないなら、通信費のかねあいも頭に入れておく必要があるでしょう・・・

 今までのスマートフォンやPDAと違って、ごく普通のPCを持ち歩けるD4。使い方の可能性は、それこそノートPC並みかそれ以上に存在します。デザインも悪くないですし、いきなりAtomの実力を見せつけてくれる端末となりました。

 ところで、世界初のAtom搭載機と言うことと、待ち受けをしなくてはならないPHSと言うことで、どうしても気になるのはバッテリーの持続時間。発売にこぎ着けたと言うことは、せめて一日程度は持つのだろうか?と思ったのですが・・・プレスリリースによると、

現在測定中につき、測定でき次第順次ホームページでご案内致します。

なんだか、肝心要なところで肩すかしを食らってしまったようですよ?

 とりあえず、小さいモノ大好きな日本市場において、果たしてUMPCは受け入れられるのか。その試金石となるD4ですが、とりあえずは5月中旬からの予約開始、そして6月の発売まで話題はつきなさそうですね。


ゲーマー用サプリメントはいかが?

2008-04-13 23:59:59 | Life

 最近はさっぱり飲んでいないですが、私は以前、ベースサプリメントを毎日むしゃむしゃ飲んでいました。もちろん規定の分量だけですよ?過ぎたるは及ばざるがごとし、と言いますからね。そういうわけで、薬局のサプリメントの棚の事情はよく知っている私ですけれど、様々なメーカーから山のような種類が発売されており、陳列棚にはカラフルなパッケージがひしめき合っています。

 サプリメントと一口に言いましても、私が飲んでいた「ベースサプリ」と呼ばれる、まんべんなくビタミン・ミネラルをとれるもの・・・パッケージに「マルチビタミン」とか書いてあるものですね・・・とか、目的別に自分の食生活や生活習慣を考えて、足りないものや強化したいものを補うものがあります。例えば、味覚障害を予防したい場合の「亜鉛」とか、貧血予防に「ヘム鉄」、お肌のケア等に「ビタミンB群」、疲労回復に「ビタミンA」などですね。

 これらのもうちょっと発展させて、業種別とか職種別、スポーツ等のカテゴリーを設け、それぞれの目的にあったサプリメントをブレンドしたものなんてものもありますけれど・・・その中で、なんとも興味を引くものが登場しました。

 その名もゲームサプリ。つまりは、ゲーマーための目的別サプリメントです。

「ゲーマー用サプリメント」登場 ITmedia

 ゲーム関連機器を開発・販売しているサイバーガジェットはこのほど、ゲーマー向けに開発したというサプリメント(栄養補助食品)「ゲームサプリ」を発売した。ディスプレイを長時間見続ける人向け「ブルーベリー」と、集中力が要求されるゲーム向け「DHA」の2種類あり、それぞれ30錠入りで880円。

 サイバーガジェットと言えば、プロアクションリプレイや各種ゲーム機用のケーブル、ケースなどを販売している生粋の周辺機器屋。それがサプリメントを企画するなんて、時代はかわったものですね。
 製造はまともな製薬会社に委託してあると言うことで、モノとしてはまともっぽいですけれど、ゲーマー用のサプリって・・・確かに需要はありそうですよねえ。

 モノとしてはブルーベリーとDHAと言うことで、ゲーマーだけでなく、SEとかオペレーター、事務作業員にも最適なラインナップ。コンビニとかゲームショップでも売ってくれれば、結構おもしろそうですね。

 ただ、サプリメントとしては新規性は全くないので、完全な話題性先行商品ですね。売り場で見かけて、パッケージの十字キーにグッと来たなら買ってみてもよろしいのでは?


そもそもフォトアルバムって需要あるの?

2008-04-12 23:59:59 | Thinkings

 話題に、と言うかニュースサイトでよく取り上げられるウェブサービスに、「フォトアルバム」と言うものがあります。

 Google先生に聞いてみますと、Yahoo!に楽天、livedoorと大手はもちろん、CANONのようなデジカメメーカーや、他にも様々なサイトがしのぎを削っています。国内だけでもたくさんあるこのようなサイトですけれど、flickrといった海外勢も加えると、それはもう把握しきれないほどのサービスが立ち上げられています。

 サービス内容は、ウェブサービスという特色を生かしたフォトシェアリングとプリントサービスを軸に、後はそれぞれの特色を・・・ブログサービスと一緒で、友人と同じところを選んだり、アップロードの容量で選んだり、要するにどれも大して変わらないと言ってしまっていいような気がします。

 主要どころは大手が抑えてしまっていますから、新規参入ともなると、他がやっていない魅力的な機能を搭載するとか、何か奇抜な特徴を前面に出すと言った営業努力が必要になってきますけれど、例えば、今回参入のこのサービスが選んだのは”30日限定”。

paperboy&co.が30日間限定の写真共有サービス、「合い言葉」で閲覧可能 INTERNET Watch

 30days Albumでは、アルバム作成者が設定した「合い言葉」を入力することで写真閲覧やコメント投稿ができる。アルバム作成にはユーザー登録が必要だが、閲覧者は合い言葉だけで利用可能。公開期間は30日間で、公開終了後10日間はすべての写真とコメントをダウンロードできる。

 30日限定と言うと、他の無制限サービスに比べてデメリットになりそうな気もします。ですが、期限を切ることで公開先にプレミアム感を与えることができたり、無期限にサーバーに残しておかないことで流出を抑えることができたりと、ユーザー側にもメリットを見いだすことができます。サービス提供側に取っては、死にデータをサーバーに長期間残しておく必要が無いという大きなメリットがありますね。サーバーの肥大化を防ぐことができますし、製本サービスなどの「掲載期間が終わった後」のサービスの訴求力を高めることにもつながります。

 さて、このように新規参入が相次いでいるフォトアルバムサービスですけれど、気になるところは「本当に需要があるのか」と言うところ。大手の一通りの参入具合からある程度の需要はあると思われますが、最近はSNSにウェイトが移っているようです。私には、どうにも「参入障壁が低い」ことと「わかりやすさ」から新規参入があるだけで、ユーザー側にしてみれば需要自体は飽和状態なのではないかと。

 ウェブフォトアルバムのキモというと、やはりフォトシェアリング。それがいらない人だと、自分のPCのハードディスク上で管理するのが面倒もないし管理自体も楽ちんです。そう考えると、フォトシェアリングに興味がある人ならばとっくに利用しているだろうし、私のように「いちいち写真をアップロードするのが面倒」かつ「別にシェアリングする必要がない」人だと、そもそも利用もしないわけで。
 フォトシェアリングに興味がある人物像を考えると、「他人に写真を”大量に”見せたい」という点が上げられます。自分や家族だけで楽しむならPC上で十分ですし、写真が少量ならばブログがあります。数枚ならば、メールで送れば済むことですしね。
 そのような欲求のある人物像を絞っていくと、その人は写真が趣味であるか、もしくは「明確に何か見せたいものがある」と言うことが考えられます。具体的に考えると、「子供」や「ペット」、「自慢の家」、「旅行」・・・シェアリングされる方はいい迷惑であるような、しょうもないものが浮かんできますけれどこんなものではないでしょうか。まだ「結婚式」とか「同窓会」とかならば、幹事がアップロードして出席者でシェアリングする意義があると思いますけれどね。

 確かに、アップロードする側からすれば需要はあるでしょう。しかし、最初は情熱を持ってアップロードしていても、そういうにわか熱はすぐに冷めると相場が決まっていますので、パイ自体はそんなに変わらないでしょう。やはり、すでに市場は飽和状態だと思います。

 ・・・ええと、多分私は、今後も使わないと思いますけれどね。大量の子供の写真をアップロードして、友人知人に送りつけるとか、そういう親にはなりたくないけれど、なってみないとわからないですからねえ・・・


3Dプリンタ、フルカラー化

2008-04-11 23:59:59 | Technology

 CGや写真を印刷する通常のプリンタは、電子データをディスプレイの外に出すもっとも安価且つ普及した手段です。ですが、得られるのはもちろん紙に印刷された二次元の情報で、それが3Dモデルであっても同様です。

 何でそんな当たり前のことを・・・と思われるかも知れませんが、世の中には3Dプリンタという、3Dモデルデータを何らかの立体として出力するという装置が存在します。通常のプリンタにも様々な種類があるように、光硬化樹脂を使ったものや、ブロック状の部材を削っていくものなど様々な方式が存在します。ですが、今回紹介する製品は画期的です。これまでのものとは正に一線を画しています。
 と言いますのは、作られたモデルデータが色つき・・・つまり3D”カラー”プリンタと言うわけです。

世界初の「フルカラー3Dプリンタ」で何を作る? ITmedia

 造形エリアのトレイに、石膏粉を厚さ0.089ミリに敷き詰め、インクと接着剤をインクジェットで吹きつけて固める。その上に石膏粉を敷いて、インクと接着剤を吹き付け──という作業を繰り返し、固めた石膏の薄い層を重ねていくと、立体模型が完成する仕組み。3Dモデルを輪切りにし、下の層から固めて積み上げていくイメージだ。

 これまでの3Dプリンタは、作成したモデルに色を付けるのは方式上難しいものが多かったのですが、今回はそれを克服。積層方式を採用することで、中空や網目状等の複雑な形状も再現できるようになっています。

 主な使い道としては、携帯電話のモックアップ制作や医療模型など。着色までできることで、より実物に近いイメージを再現できるため、これらの用途に最適だとか。ディスプレイで見るのと、実際に触れる「もの」として目の前にあるのとでは実感として全く違いますので、それを2時間程度で作成できるこのプリンタは使う現場によっては恐ろしく魅力的な一品だと思います。

 企業だけでなく個人用の用途考えてみると、フルスクラッチの模型製作とか、アレとかコレとか色々と思い浮かびます。世の中にはディスプレイの外に出したい3Dモデルが星の数ほどありますので、家にあったらさぞかし楽しそうですけれど・・・

価格は880万円。

と、ちょっと個人が趣味の範囲で買うには厳しすぎる金額。運用コストもバカにならないように思いますし、一般家庭への普及は夢のまた夢でしょうねえ。

 ただ、企業として考えてみれば、今までの試作品やモックアップを作っていた手間とコストを考えるならば、きわめて現実的な価格設定ではないかと思われます。このプリンタによってもたらされる作業スピードや直接性とコストを天秤にかけた場合、”価値あり”と判断される企業は多いでしょう。すでに70台売れているらしいですしね。

 石膏を使っている関係上、作ったモデルの用途がずいぶんと限定されてしまうと言った問題点もありますけれど、総じて見れば何とも魅力的な3Dプリンタ。一度だけ使わせてもらえるならば、どんなモデルを作成したいかと考えるだけでもおもしろいですよね。


空インクカートリッジは郵便局へ

2008-04-09 21:23:20 | Thinkings

 気がつくと無くなっているものと言えば、調味料に乾電池、財布の中の一万円札、休日の楽しい時間・・・そこで「親」とか「残された余生」とかいうシニカルな答えは無視しておくとして、プリンタのインクと言うのもなかなかどうして、「あと少しというところで」切れてみたり、「急ぎの仕事」の時に黒が無くなってみたりと、肝心なときに無くなって困らせてくれます。

 そんなときは、ため息一つでもつきながら、近所の量販店とか複合店舗でインクを買ってくるわけですけれど、ここで出てくるのが「空のインクカートリッジの処遇」という問題。
 回収しているのは知っていますので、そのままゴミ箱へ投げるのも気が引けるけれど、そのためだけに店に行くのもなんだかな。「何かのついでに」と思ってみても、その時には家に置き忘れ・・・なんていうなかなか悩ましいものです。

 それというのも、回収してくれるボックスが少ないという点が上げられると思います。それに、交換するのは「買ってきてから」が多いですから、必然的に、ものが出るのは店へ行く用事が無くなった後、と言うのがまた・・・

 せめて、もうちょっと身近に回収ボックスを作ってくれまいか?その声に応えたのは、他でもない郵便局でした。

郵便局で使用済みカートリッジ回収 大手プリンタメーカー共同で ITmedia

 大手プリンタメーカーら6社は4月8日、使用済みインクカートリッジを郵便局で回収する試みを共同で始めた。年間約2億個が使用されるインクカートリッジだが、使用後は大半が一般ごみとして捨てられているのが現状。郵便局と物流システムを活用してリサイクルを強化するのが狙い。

 「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」として、ブラザー工業、キヤノン、デル、セイコーエプソン、日本ヒューレット・パッカード、レックスマークインターナショナルの6社が参加する。

 なんで郵便局なのか?とはじめは疑問でしたが、よくよく考えたら何のことはなく、日本人の一般家庭用プリンタの需要の大部分を「年賀状」が占めているという関連からでした。
 年賀状があるから年に一度しか使わないプリンタを買ってくれるし、プリンタでカンタンに印刷ができるようになったおかげで、年賀状の売り上げが維持できる・・・プリンタメーカーと郵便局は、言わば持ちつ持たれつの関係にあるわけです。

 そのような関係にある両者が、ともに社会的責任を負うというのはなんとも自然な話。利用する側からしてみても、回収ボックスが単純に増えるのですからカートリッジを処分しやすくなります。
 普段はそんなに用が無い郵便局も、年末となると話は別。年賀状を買ったり出したりで急に身近な存在になりますし、その時期に大量消費されるインクカートリッジの関係を考えますと、とても理にかなっています。

 このように、使える資源の回収率を上げるというのは企業の責任として今後も問われていくことでしょう。プリンタメーカーと郵便局は、それに答える形でアピールを行いました。
 回収すると言えば、身近なところで乾電池というものもあります。近頃はエネループをはじめとする充電池が流行ですけれど、使い切った乾電池の処遇もまた、悩ましい・・・意外と回収してくれるところが少ないんですよね。ソニーとかサンヨーとかが、コンビニのどこかと提携してボックスを置いてくれないモノでしょうかね?


「CLANNADは人生」を実現する和製Second Life

2008-04-08 23:59:59 | Life

 この話題を取り上げるべきかちょっと悩みましたが、ある意味、日本のコンテンツ戦略の上で重要な分岐点になる「可能性を秘めている」ように思うサービスだと思いますので・・・

 ちなみに、私はギャルゲーは数年間触っていません。エロゲーも同様です。アニメの話題にも全くついて行けません。学生の時は手を出していましたけれど、最近はゲームをやる時間が激減しており、真っ先に切り捨てられたジャンルになっています。と言うわけで、引用する記事中で上げられている「CLANNAD」「SHUFFLE!」「D.C.II」というゲームはニコニコなどで名前は聞いたことがあるけれど、キャラは一人も分からないし、内容も全く知りません。だから、多少的外れな話をするかも知れませんがご了承ください。

「CLANNADは人生」を3Dで実現 ギャルゲーキャラと暮らす仮想空間、ドワンゴなど開発 ITmedia

 「CLANNAD」を開発したビジュアルアーツやドワンゴなど5社で構成する「ai sp@ce製作委員会」は4月8日、美少女ゲームの主人公と一緒に生活ができるという3D仮想空間「ai sp@ce」(アイスペース)を今夏に公開すると発表した。美少女ゲーム作品の世界観を再現した仮想空間で、お気に入りのキャラクターを育て、一緒に生活できる。

-中略-

ユーザーは、自分のアバターを作成し、お気に入りの美少女キャラクター「キャラドル」を1人選択。各作品の世界を再現した「島」にログインし、2人で一緒に生活する。家や家具を購入すれば仮想世界で“同居”も可能だ。

 ユーザーに圧倒的な自由度を提供するSecond Lifeと萌えのみを追求したMMOを引き合いに出すのはどうかと思いますが、「CLANNADは人生」を実現する、お気に入りのキャラと生活する、という思いを実現するという意味で、正に「第二の人生」という言葉がぴったりなのではないかと。

 よくニコニコ動画では、「俺は3次元を捨てる」「モニタに入りたい」「3次元終了のお知らせ」等と言ったコメントが見られますが、鑑みるに「お気に入りのキャラと(向こうの世界で)暮らす」という需要はそれなり以上にあるのでしょう。いや、実感としてあると思います。しかし、現実世界に生きている以上、その願いが叶うことはありません。攻殻機動隊の様に電脳化できれば話も変わってくるかも知れませんけれど、今の技術レベルでは不可能です。

 要するに、「そういう夢物語は妄想で」と言うのが一番現実的且つ強力な実現方法だったわけですが、それを擬似的にとはいえ形にしてしまったサービスが運用開始になるわけです。

 個人的には”そこまでするか”とも思いますけれど、需要は確実に存在するでしょう。ただ、厳密に「元ゲーム中のキャラ」と暮らせると言うわけではないですので、そのギャップを埋めることが出来ない人にとっては逆に受け入れられないのではないかな、とも思います。

 ただ、内容自体は斬新且つ凶悪なコンセプトであると思いますので、供給過多に陥っている&国産がどうもパッとしないMMO業界に一石、というか巨岩を放り込むことになりかねないのではないでしょうか。ここまでストレートに需要を満たすシステムはありそうでなかったですし、自分専用のキャラが持てるというのもまた、ゲームキャラの概念を崩す野心的にモノに見えてきました。

 そういうわけで、日本のネットゲーム業界に風穴を開ける存在として、このプロジェクトにはある意味期待をするわけですけれど、「なにか違う気がする」と思う心もあり、当たるかどうかは正直分かりません。一年度、この話題で肯定的な記事が書けると良いのですが。

 もっとも、

「ai sp@ceの話を最初に聞いたとき『萌え要素だけを売りにした仮想空間は成り立つのだろうか』と疑問を感じたが、CLANNADユーザーは『ずっと CLANNADの世界にひたっていたい』と思っている。自分が主人公になってゲームに入れるのは夢のような世界。ai sp@ceで楽しい人生を過ごしてもらえれば」

この引用中にもある「ずっとひたっていたい」をリアルにやってしまうと危険・・・。凶悪なコンセプトと書いたのは正にここで、いわゆる「帰ってこられない人たち」を量産してしまうかも知れない。そういうのは考えすぎですかねえ。