Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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MicrosoftはVistaを見限ったというのは本当なのか

2008-04-07 20:22:58 | Thinkings

 Vistaユーザーとしてはなんとも微妙なタイトルですが、何というか、私の主観的に間違った認識の記事(主にアンチVista側やアンチMicrosoft側からの)が何ともたくさん世の中に流れているので、一度自分の考えの整理の為にもこのテーマで書いてみたいと思います。と言うわけで、別に引用とかありませんし、何がネタ元とか言うことも無いですのであしからず。

 さて、この様な認識が少なからず流れているのは、Microsoftが、すでにVistaの次期バージョンである「Windows7」を視野に入れた製品販売計画を、少なからず外部に漏らしているからだと思われます。曰く、「Vistaはすでに見限られており、Windows7こそ真のXPの後継である」と。口の悪い人となると、「Meの再来」なんて言うことも言ってたりしますね。

 この様な認識は、半分は当たっているし、半分は間違っていると考えています。

 と言うのは、VistaがMicrosoftのメインストリームであるのは確かにあと1、2年であるというのは間違いないでしょうし、XPが延命されている以上、Windows7登場時に、XPからVistaへの移行が完全に終わっているとはとてもじゃないけれど思えません。以上の理由から、Vistaの販売が終息に向かいつつあるというのは紛れもない事実です。

 ただ、これまでのWindowsのロードマップを見てみると、別に騒ぎ立てることなど何もない、Microsoftにとって普通の流れだと言うことが理解できると思います。
 日本での普及のきっかけとなったWindows3.1のリリースが1992年。9X系の初代とも言えるWindows95は1995年。もっとも使われた9X系である98は1998年で、黒歴史であるMeは名前の通り2000年。同時期にNT系の普及OSであるWindows2000がリリースされ、XPが投入されたのは2003年のこと。
 そう、XPがたまたま5年と長かっただけの話で、大体2年から3年でメインストリームOSは様変わりしているのです。Vistaの発売からすでに1年以上が経過しているわけですから、そろそろWindows7の話が出てきたとしても全くおかしな話ではありません。来年中にWindows7が投入されたとしても、リリースからだいたい3年となりますので、見限る見限らないの話ではなく、自然な流れの世代交代というわけです。
 Linuxはそうそう変わらないかも知れませんが、OS Xだってパンサーからタイガー、レオポルトと、互換性すら怪しくなるようなバージョンアップを短いスパンで繰り返しているわけですから・・・

 また、Windows Meと比べるのも・・・Windows7にWinFSが搭載され、カーネル(OSの心臓部のこと)が大幅に書き換わるなんてことになるならば、「ファミリー最後のOS」としてあながち間違いではないでしょうけれど、そもそも、Meのような9X系を無理矢理延命したようなダメOSと、滅多なことでは落ちずに安定し、別に機能的にも悪くないVistaを比べるのは全く持ってお門違いだと思いますけれど。

 より正確な話をするならば、Windows Vistaが当初の予定よりも大幅にスケールダウンした過渡期のOSだと言うのは確かです。Windows7でどのあたりまで実現してくるか分かりませんが、少なくともXPをベースにすることは無いでしょう。そういう「作法が大幅に変わった」、「主役でいられたのが短かったOS」と言うことならば、Meよりもむしろ2000を引き合いに出す方があっているように思います。

 結論といきましょう。

 MicrosoftはVistaを見限ったのではない。その次を用意しているだけの話。2000みたいにSP4までは出ないと思うけれど、多分、Windows7が出る頃にはSP2がリリースされるのではないでしょうか。

 個人的な意見として、XPに慣れきり、Vistaへ目を向けずに批判ばかりしている連中は、Widows7が出た後も、8の話が出た瞬間に「見限った」とか騒ぎ出すと思いますので、LinuxかOS Xにでも乗り換えれば良いんじゃないかな。自己責任のLinuxはまだしも、Appleの行ってきた、OS 9からOS Xへと移行時とか、iTunesアップデートの度に繰り返される過去のOSの切り捨てを知ってなお、Microsoftを批判できるかどうか見物ですがね。