Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

38年の潜伏期間 相変化メモリが世に出る予定

2008-04-01 21:53:51 | Technology

 このブログ、主に科学や技術関連ニュースをネタに、わかりやすいんだか煙に巻いているんだか分からない文章を書いていくというスタイルを取っている関係上、いわゆる開発された、もしくは商品化の兆しが見えたという段階の技術などが話題に上ることも少なくありません。要するに、「技術が確立された」「理論的に可能」というだけで「日の目を見ていない」技術がたくさんあるのです。例えば、キヤノンが開発しているSEDディスプレイとかホログラムメモリとか量子コンピュータとか・・・いや、これらはまだ恵まれていますね。今では完全に忘れ去られた「カラーコード」とか「デュアルディスク」、一応発売だけはされた「48DVD」などは目も当てられませんね。

 何でこんな出だしなのかと言いますと、今回のネタも下手すると「紹介だけして日の目を見ない」かも知れないからです。そうでなくても「エイプリルフールのネタなのか?」と疑ってしまうようなタイトルなんですけれどね。

相変化メモリ、38年の時を経てようやく発売の目処が立つ CNET

 NumonyxのCEOから、既存のサンプルや間もなく始まる商用出荷について語られるというのはPCMにとって大変重要なことだ。PCMは長い間、「数年先(には発売される)」と言われ続けてきたからだ。

PCMとは「相変化メモリ」のこと。相変化メモリとは、極小ビットの「結晶」と「アモルファス」の二つの”相”(状態)で0と1を記録する技術のこと。高熱を加えることで極小ビットの素材をいったん溶かし、再度固体に戻す過程で、冷却の速度を変えることで相をコントロールするらしいです。なんでも、とる相によって劇的に抵抗値が変わるため、読み出しはカンタンでスピーディだし、物質の相の変化でデータを記録するためデータ保持期間や外的要因による損傷に強いんだとか。しかし、極小レーザーを使って記録したり、加熱記録を行うという性質上、技術の成熟に時間がかかり、結局38年も寝かせてしまったのだとか。

 なんつーか、ある意味究極のベイパーウェア、ですな。(注:発表だけしてさっぱり発売されない製品のこと。通常はソフトウェアを指す。えーと、スーパーファミコンのああ女(ry Googleせんせいにきいてみよう!)

 記録原理を聞く限り、可動部分がありそうだったり、焦点距離とかの関係上フラッシュメモリのように小型化が難しそうだったりと、よほど爆速だったり値段が安かったりと言ったアドバンテージがないと、FlashメモリどころかHDDにも勝てないなんてことになりそうな気がしますけれど・・・

 数年後に振り返ってみたとき、結果だけを見るならば、元記事もろとも「エイプリルフール」にちなんだ記事になってしまった・・・なんてことにならないと良いですがね!