Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

彗星に愛を打ち込んで

2005-07-04 21:00:37 | Weblog
 天文ニュースって意外とネットニュースに取り上げられるものです。
 以前のマーズパスファインダーの時もそうでした。「火星に生命がいるのか?」という、普段はあまり天文に興味がない人たちにとっても、「見てみたい」と思わせるようなニュースでした。

 そして、今回紹介するニュースもおもしろいものです。
 「太陽系の最初期の姿を探る」という、学術的にも大変意義のあるプロジェクトなんですけど、研究の目的は、この際どうでもいいんです。・・・良くはないですけど。
 本当に私がわくわくしているのは、その研究の手段の方なんです。

 宇宙実験:4日、探査機から“砲弾”発射、すい星を直撃--NASA初の試み

 地球に近づいたすい星の核に探査機「ディープ・インパクト」から銅製の衝撃弾(インパクター、重さ370キロ)を撃ち込む壮大な宇宙実験を、米独立記念日の4日、米航空宇宙局(NASA)が実施する。衝撃で飛び散った物質を探査機のカメラや望遠鏡で観察し、すい星の構成物質を調べる。すい星は、太陽系が誕生した約46億年前当時の物質を含んでいるとされる。太陽系の起源に迫る人類初の試みだ。【下桐実雅子】

 今までにも、月に人工衛星を衝突させ、人工的に地震を起こさせるプロジェクトが行われたことはありましたが、今回のように「他の天体に砲弾を撃ち込む」というのは初めての試みです。つまり、「他の天体を砲撃する」という人類初めてのケースになるわけです。

 そして、その結果は誰もやったことが無いことなので、正直どうなるか分からない・・・ある程度結果が分かっており、それを確かめるという実験ではなく、分からないけどやってみよう!という、いかにもフロンティア精神あふれるこの実験、そのいささか乱暴にも見えるやり方とも相まって、私はもう気になってしょうがありません。

 願わくば、衝突の瞬間を見ることができたら・・・と思いますが、いくら地球のすぐそばのこととはいっても、天体規模の話ですからなかなかそうも行きません。せめて実験の成功を祈りたいですね・・・と言いましても、この記事を書いている頃にはすでに結果は出ているはずなんです。はやいこと結果が報道されないものでしょうか?