こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

進歩に頭が追いつかない

2018年12月03日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

この前、偶然だが、ゲノム編集についての講演を聞く機会があった。

ゲノム編集といったところで、本質的な部分、すなわちDNAを構成するのがATGCだということに変わりはないのだが、ここに介入する方法、すなわちゲノム編集に至るまでの近年の進歩の速さには驚いた。分子生物学の進歩は20年周期でエポックメイキングなことが起こっているそうだ。1953年、二重らせん構造の提唱、1968年制限酵素、1987年PCRで、ゲノム編集技術が一般的になってきたのが2000年に入ってからで、そんなところらしい。私は30年ほど前にPCRをやっていたけど、今はどんな実験をやっているのだろう。

癌に対する分子標的療法やがん免疫療法についてもついていくのが大変になってきた。もちろん病理医はこれらの技術革新を理解した上で、関連する疾患の診断を行っていかなくてはいけないのだけど、全臓器について知らなくてはいけないので、大変だ。

昔は昔なりに大変だったんだ、と開き直ることもあったが、やっぱり今の方が大変だ。

新しい疾患や病態の機序が次々と明らかとなり、それに伴う医学知識も膨大な量となっていて、医学部で習得すべき知識量も昔より増えている。今の医学生は大変だ。

幸い、コンピューターの技術が飛躍的に伸びたことで、学習方法や知識へのアクセスが大幅に改善しているから、人間の能力を超えるほどの学習が必要とはなっていない。スポーツの世界で記録が更新されるのと同じといえば同じだが、それにしても昔は良かった。肉体的能力はそれほど進歩していないのだから、多少なりとも体に無理が生じるだろう。

医学部教育はさておき、私のような一般病理医もどんどん増える医学知識の吸収を日々怠ることなくやっていかなくてはいけないのだが、日々大変だ。

もちろん、歳のせいもあるのだけど

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