こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生はあっという間だな、あと少しの間どうやって生きよう

病理診断と患者さんとの関わり

2018年12月04日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

病理医は患者さんとは直接顔をあわせることは無いけれど、見えないところでそれぞれの患者さんと深く関わっている。患者さん自身の訴え、主訴があって、それが発端となって病気の診断、治療が始まる。患者さんの体のどこかにしこりがあるとか、見た目がおかしいという場合は、一部を取ってきて調べる、これを生検診断という。外科医、内科医をはじめとして色々な臨床科の医者が病変の一部を取ってきて、病理に持ってくる。そこで、病理医は臨床情報(場所、年齢、性別)をもとに、組織像を顕微鏡でみてその病変の診断をつける。これが病理診断だが、診断がつかない時は一般染色(HE染色)の他に免疫染色を行う。免疫染色というのは病変内にいる、ガン細胞、炎症細胞などの異常な細胞の中にあるタンパク質を探しだす染色で、今日の病理診断の主流となっている。さらに、一部を使って遺伝子の発現を検査するという方法もある。昨日書いた通り、この辺りの新しいタンパク、遺伝子情報も近年飛躍的に伸びている。先日、本庶 佑先生がノーベル賞を取ることになったPD L-1タンパクもそんな新しいタンパク質だ。もちろん、このタンパク質に関わる免疫染色もある。

生検してきた組織を含む病変が、手術で取ることのできる病変であれば、手術切除する。薬で対応すべきものならばそうなる。同じ腫瘍であっても胃癌なら、まずは手術で切除するし、悪性リンパ腫ならば化学療法が行われる。乳癌のように両方を組み合わせることもある。そのような場合、胃癌なら、切除した胃の組織を病理医が癌の広がりや転移の有無を決定する。悪性リンパ腫ならば、化学療法後に骨髄に転移していないかとかそういったことを調べてフォローアップする。乳癌で抗がん剤がちょこうした例であれば、腫瘍が消えて無くなっていることを調べる。

他にも、移植医療、生殖医療など多くの医療に病理医は関わっているのだけど、なかなかそういったことを一般の人に知ってもらうことはない。仕事だから、自分自身の病理医としてのモチベーションが下がるというわけではないのだけど、知名度が低いためにこれから病理の道に進もうという人がなかなか増えないのは残念なことだ。

なんだか、尻切れトンボのような文になってしまったが、臨床とのカンファとCPCの準備があり、今日はこの辺で。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (美咲)
2018-12-04 09:09:17
いつもありがとうございます。
ナイトくん、元気かしら?
拝見しましたが、難しくて
コメントできないです
理解するのが、やっとです
本当、病理医さん、すごいですね❗
ところで、この前、富山の氷見いきました
寒ブリ、立山、はつとりくん
魚フライ食べました。
なんで寒ブリたべないの?
なんて主人に言われました、
立山連峰、めっちゃきれいです🎵もちろん車でいきました
新幹線たかいですから
😊🌻🌻
国会議員について (美咲)
2018-12-05 06:08:26
国会議員について
国会は、前向きな議論してほしいです。
大臣いじめは、いかがなものか?
しかし、大臣の資質にかける人は、やめたらどうか?
国会議員の年収2000万円?
新幹線、飛行機無料
年収高すぎる。
参議院は、不要
相撲協会は、腐敗している
⭐国会議員の年収、半額にしたら
どうか?
つらつら、勝手なこと
書いてしまいました
政治家は、ずる賢いですね
⭐⭐自民党の暴走、本当に困ります。😰
私は、政治への不満いいつづけます
一滴のみず、長くつづけば
岩をも砕く❗
としんじたいです
😊🎄🎄
議員が職業 (コロ健 to 美咲さん)
2018-12-05 08:31:16
日本の政治家の給料は諸外国に比べても随分高いみたいですね。さらにごまかしている大臣までいて、国民として怒りを通り越して、情けなくなります。その政治家を利用している人というのもいて、その人たちの中ではwin winなのでしょう。

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