こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

病理は患者に接しない・・・病理に関する誤解(6/7)

2016年03月18日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

ご遺体ならば解剖でいつも接している、というのは品の悪い言い方だけど、病理医も最近は患者さんやその家族と接する機会が増えてきた。病理診断科が標榜科となって病理外来を開設するようになったからだ。 この標榜科というのは、その病院にある診療科を外部に向けて知らせてよい科のことで、内科、小児科、耳鼻科、眼科とかいったようなものだ。

それまでは院内表示までだったのが平成20年に、病理診断科も診療標榜科の1つとなった。

院内で患者さんのため、臨床医のため、病院のために仕事をしているのに存在が消されていたのが、“病理診断科”と、その病院の看板に名前が出るようになったのだから、病理医自身のアイデンティティーもずいぶん確かなものとなった。 そうなると、病理医がいるのなら、直接その人から話を聞こうという人もいる。そのような方のために、病理診断科でも外来を開いて、われわれの下した診断を直接説明するようになった。

私も含め、患者さんに外来で説明する病理医は少しずつ増えて来ている。

 案外、おしゃべりも多かったりして

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病理は定時に帰れる・・・病理に関する誤解(4/7)

2016年03月18日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

べつに長時間労働がいいというわけではない。長時間労働そのものが能力の低さを示しているとも言われるほどだから、定時出勤退勤があるべき姿だろう。 以前、臨床医に私が鎌倉から都内へと通っていることを話したら、「病理だからそんなことか出来るんだよ」と言われたことがある。

どうして、こういう言い方ができるのだろうと思った。

たしかに、目の前に瀕死の患者さんがいるわけではない。だが、外科の手術のための迅速診断の待機や、時間外の病理解剖も少なくない。

そもそも、あんたら人数が多いだろう。

実際のところ、多くの病院が一人病理医の状況に喘いでいる。そのようななかで、サービス残業を繰り返していては病理医はますます疲弊する。

臨床の科でも一人医長(科の医者が医長一人)のところは、定時を守っている人が多いし、当直はしない。

 無理は利きません

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