こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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病理は金を稼がない・・・病理に関する誤解(2/7)

2016年03月16日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

以前は医療法で、総合病院という区分があって、その用件の一つに病理解剖が行なえる施設のあること、というのがあった。現在は法律的には総合病院という区分はなくなって、特定機能病院とか専門病院・大学病院とかいう分類がある。このうち、特定機能病院は一般の病院施設に加え、集中治療室、無菌室、医薬品情報管理室、病理解剖室、化学・細菌および病理検査室、研究室、講義室、図書館の施設を有することとあって、以前の分類が引き継がれている。病理ドラマ『フラジャイル』の舞台の病院はどうみても、けいろう大学病院の旗艦病院の一つで、特定機能病院のはずである。その病院が、病理診断科をつぶすというのは、特定機能病院から降りるということで、それは経営的にもあり得ない。

 

さて、病理医は金を稼がない、もしくは稼ぎにくい、といわれていたのだけど、それでは病理医のモチベーションが保てず、病理医が集まらないということで、私が病理医になったころの中堅以上の先輩病理医が、病理診断料を上げることに奔走してくださった。 おかげで、ある程度の規模の病院であれば病理医2人雇って十分採算が合うように保険点数が変わった。

相変わらず、病理解剖に点数はつかないけど、今後特定機能病院での死亡退院については死因を確定することが義務づけられるようになったりしたら、どうなるかわからない。死因不明社会の原因の一つとして病理解剖数の低下もあることを忘れてはいけない。 これは死の質の評価も医療の一端と考える時代の到来を示すものであり、お金では測ることのできない仕事だ。

 病理でぼろ儲けはできませんが

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