『トラフィック』

テレビでやってたから久々に観たけど最初に観たときよりは楽しめたかな。でも、内容がどうこうの前に148分の映画を2時間もない枠、CM除けば実質90分程度の枠で放映しようという意味が分からない。中身のないアクション映画ならともかくこの手の映画を1時間近く削ってまで放映するとは恐れ入るよ。

カットしまくりのせいかは分からないけど、物足りなさは感じたな。渋いキャストに粋な演出なだけに残念だ。あと、面白そうではあるんだけどなんだか、別世界感が強すぎて作品に入れ込めないというのはある。麻薬のカルテルとか言われてもイマイチピンとこない。

ソダーバーグ作品はそんなに観たことないけど職人的な作品作りをする人なのかなと思わせる一作であった。

『トイ・ストーリー3』

今回は持ち主アンディとのお別れがメインとなっているが、なんだかちょっと切ない。成長したアンディーはもうおもちゃで遊ばないと分かっていてもアンディの所有物でありたいと願うおもちゃたちが健気だ。仮に捨てられるかもしれなくとも、人間の前では動くことのないおもちゃたちが健気だ。

以前「アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100」というものが発表されたが、自分だったらヒーローの方にウッディー、悪役の方に今回登場したクマのぬいぐるみのロッツォをランクインさせるな。ファミリー映画とは思えないくらい清々しい悪役で、おもちゃの世界も割とドロドロと生々しいもんだ。逆に言えばかなりキャラクターが立っているともいえる。

なんかまだ続編が作られるとの話があるようだけど、今作できれいに完結していると思うのだけどな。アンディーとの別れも済まして新たな持ち主のところでの暮らしが始まるわけだけど、それ以上はもう想像の中の話でいいんじゃないのかね。

wiki参照しながら細かいところも観てみると結構面白い。トトロがゲストで出てきたりエイリアンのぬいぐるみが未だにクレーンを崇めていたり、成長したシドが出てきたりと。あと、知らなかったけどポテトヘッドて実在するおもちゃだったんだ。絶対トルティーヤ使って遊ぶ奴いるだろうな。

『アベンジャーズ』

公開当時「日本よ、これが映画だ。」というキャッチコピーが話題になったが、「日本よ、これがハリウッド映画だ。」と言った方が正しいと思う。良くも悪くもハリウッドのヒーローものだ。

先日も言ったけどアメコミに思い入れなんて全くないんだよね。だからハルクやアイアンマン、キャプテンアメリカが共闘したところで何の感動もない。予想通りに大味だなと思うだけ。
ファン的にはお祭り的なノリで観られて楽しいんだろうけど、こっちは数あるアクション映画の一つとしか見られないな。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

別に熱心なシリーズのファンではないけどこれは楽しみにしていた。梅雨ということもありガツンと来る映画が観たかったがピッタリのチョイスであった。家の近くの劇場でもやっていたが、吹き替えしかなかったので遠征して観たけどその価値はあった。
主演はさすがに交代してしまったが、監督は過去作品と同様のジョージ・ミラーというのが嬉しい。ところでこの人他に何を撮っているのかと調べたところ『ベイブ』や『ハッピーフィート』というファミリー作品を撮っていて驚いた。振れ幅が凄すぎる。

この作品の何がいいってキレキレなところだな。世界観はそのままで圧倒的な迫力、ボリュームである。観ている間、脳みそから何かが分泌され続けているのを感じた。画面中に溢れんばかりのバイオレンス、マシン、最高にイカれた登場人物たち。ストーリーなんかあってないようなもではあるけど、世界観はきちんと作られているようで色々と想像させられる。砦で搾乳しているところなんか「うわっ」って感じたな。

何がいいってアクションはもちろんだけど敵味方含む登場人物だな。悪役をイモータン・ジョーを演じるのは1作目でも悪役を演じたヒュー・キース＝バーン、ただの端役だと思ったらキーパーソンとなったウォー・ボーイのニュークス、ヒロインも強いし、ババアどももキレキレだし最高だわ。そういえばビジュアルも攻撃もジャギ様っぽいのもいたし、貴重なガソリンを使って士気を高めるギタリストも最高だったな。リフでごまかしているなんて言われていたけど。ところでニュークスは常に輸血が必要なのかと思ったが、輸血なしでも随分と元気そうではないか。ヒロインがシャーリーズ・セロンだって知ったのは観終わってから。あの人こういう映画にも出るんだ。

で、肝心のアクションだけど初っ端から説明もままならないまま来たね。単純に撃つ、刺す、燃やすというだけでなく個性的なマシンも映画を盛り上げてくれる。あのトゲトゲの車最高だわ。ホントに「考えるな感じろ」と言いたくなる映画。

先日観た『龍三と七人の子分たち』を今年のベストといったが、こちらもそれに勝るとも劣るとも言えない作品であった。ぜひ新シリーズとして更なる続編を作ってほしい。