ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

「今日までそして明日から」

2013-05-12 23:07:20 | 邦楽

ベストアルバムを一枚聴いただけでファンと言うのはおこがましいが割と好きなんですよ吉田拓郎。入口はもちろんハマショーだけどね。
一般にも知られているこの代表曲、シンプルだけどいいね。

私は今日まで生きてみました
時にはだれかの力を借りて
時にはだれかにしがみついて
私は今日まで生きてみました
そして今私は思っています
明日からもこうして生きてゆくだろうと


で、何が言いたいかというと今までずっとこの歌の要である「私は今日まで生きてました」という部分を「私は今日まで生きてました」と勘違いしていたことに気付いた。たった一字の違いなのにこの違いに気付いたとき「さすが拓郎」と思ってしまった。
たったそれだけの話です。


『LONELY MEN』 島田荘司

2013-05-10 21:05:03 | 邦楽

日本のミステリー界の大御所島田荘司先生の作家デビュー前に出した音楽アルバム。コレクション的な感じで購入したため中身にはあまり期待していなかったのだが、今では大好きな1枚となっている。セカンドアルバムが出ていないのが実に惜しい。
作詞・作曲、アレンジ、ジャケット、ギター、、メロトロンを自ら手掛ける多才っぷり。後に作家としてデビューするだけあって歌詞はやはり一味違うかなという印象。小説の中でも音楽に関する描写はちょくちょく出てくる(ジャズやビートルズなど)し、ギター片手にインタビューを受けていたりと音楽も結構好きなよう。

全体的な印象はフォークっぽく泥臭くもあり、都会的で大人なっぽさ、また文学作品のような描写と色々な面をうかがうことがえきる。でも言葉のチョイスはすごくシンプルで気取ったようなところは全然ない。先生の率直な気持ちが前面に出ているのだが、独りよがりにはなっておらず誰でも共感することができる、そんなような詞ではないかと思う。曲も王道的なロックサウンドで私の好み。ギターも上手だな。クレジットを見るとゲストでブレッド&バターがコーラスで参加しているではないか。

「君は最高」
どうでもいいみたいな毎日さ
けれど一つだけは気に入ってる
君が僕のモノでいるってこと
こいつは最高さ 君を抱くと
君は最高 君は最高
すわりごごちのいい イスみたいに落ち着く

この「すわりごごちのいい イスみたいに落ち着く」という部分がとても気に入ってしまった。こういう表現する人は他になかなかいないのではないか。

もう一曲
「地下鉄のカベに」
いつかは旅立とうと
決めたことも忘れたよ
あこがれの東京は
地下鉄のカベに読めるばかり

アルバムのラストを締めるにふさわしいナンバー。とてもいい余韻を残してくれる。

一度サイン会に参加して先生と個室で一対一でお話ししたことがあったが、ものすごく緊張した。一人一人に時間はかかっても丁寧に応対してくれてうれしかった。20分近く話していたけど大御所でそんなサイン会開く人なんてほとんどいないぞ。

『沈黙の春』 レイチェル・カーソン

2013-05-09 19:19:40 | 
半世紀も前の本になるが、すごく筆者の訴えが伝わってくるし、おそらくこれから何年経とうとも読み継がれていくような作品であると思う。
自分は農学系の勉強をしているので今更ながら必読書だから読んでおこうかなと思って手を出したのだが、環境問題に敏感になっているご時世だし一般教養として多くの人に読んでもらいたい。

タイトルの「沈黙の春(Silent Spring)」というのは殺虫剤の散布によって虫や動物が死に絶えてしまったということを意味する。我々のイメージとしては殺虫剤は害虫が出てきたときに使用するというイメージがある。もちろんそうなのだが、殺虫剤は害虫、益虫、動物、植物そして人間を区別することなくその効果を発揮する。作中で「殺虫剤」ではなく「殺生物剤」ではないかと述べていたのが印象に残る。
殺虫剤を撒けば一時的に害虫の数は減るが益虫や捕食者である鳥まで殺してしまうので、結果散布前よりその数は増えてしまう。それならと散布の回数を増やせば害虫は薬に対し抵抗を付けてしまう。ではより毒素の強い殺虫剤を使用しようと愚かな悪循環に陥っている。まさに「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」というやつではないか。
また生産の邪魔になる害虫を退治しようと思って殺虫剤を撒いたのに牛乳や作物に薬が残留してしまい出荷できずに結局不利益を被るなんてこともある。
さらに殺虫剤の散布は国が主導となって行っているのである。大した下調べもせず、学者の意見にも耳を貸さずに安価で手間がかからないという理由で毒を振りまいているのである。もちろん殺虫剤を撒く以外にも害虫を駆除する方法はある、害虫の捕食者を連れてくるだとか放射線照射し不妊化雌を放ち根絶させるなど。しかし人々は安易な選択をしてしまうのである。

最後に私は殺虫剤の存在を頭から否定するつもりはない。何かと有機栽培やオーガニックという言葉を耳にするが農薬も適切な用量が守られていれば生産性を高めるうえで便利だし、今の日本は規制も厳しいし安全だ。健康に無頓着というのも嫌だが過敏になりすぎるのも嫌だ。何事もほどほどにするのが大事なんだと思う。

『クイーン・ライヴ・イン・ブダペスト86』

2013-05-05 23:40:48 | 洋画
ドキュメンタリーも入ったクイーンのライブ映画。劇場で公開したのは昨年末頃だったかな。観に行こうと思ったけど若干料金が高めだったから断念した記憶があるが、こうしてテレビでやってくれてラッキーだ。

86年だから『A Kind Of Magic』をリリースしたぐらい。クイーンは80年は『The Game』以前はよく聴くけどその先の作品はあまり好きになれない。でもこうして聴くと盛り上がるナンバーも多くて曲としてはそんなに悪くはないなと感じた。

2曲目に「Tie Your Mother Down」が来るが何度聞いてもカッコイイ曲だ。演奏もボーカルもとても力強い。
4曲目には「Seven Seas Of Rhye」この曲はアルバムの最後の曲というイメージが強いのでこんな序盤で流れるとすごく違和感を感じる。でもやっぱりいい曲だ。
7曲目にデヴィッド・ボウイとの共作で有名な「Under Pressure」ベースのリフがとても好き。
中盤にブライアン一人のギターソロがあるがやっぱりこの人のギターはスゴイ。数少ない自分の好きなギタリストの一人だもの。この人とジェフ・べックはギターで演奏しているというよりはギターで遊んでいるっていう感じのプレイが好きだな。たった一本のギターなのに音色がとても豊かだ。
ブライアンのアコギとフレディだけで3曲続く。
「Love Of My Life」は素晴らしいバラードだな。クイーンで好きな曲はって聴かれたらこの曲を挙げておけばとりあえず間違いないと思う
「Tavaszsi Szel Viset Araszt」トラディショナル曲のよう。クイーンがハンガリーのファンのためにわざわざ用意したのかな。きれいな曲ではあるがフレディが左手に書かれたカンペを見ている。
3曲目は「Is This The World We Created...? 」なんだかすごい久しぶりに聴いたな。
その次は「Tutti Frutti」なんか見覚えのあるタイトルだと思ったらリトル・リチャードの曲か。どうせならフレディにピアノを弾いてほしい。
フレディがギターを弾くのは「Crazy Little Thing Called Love」だけかな。ブライアンはいつものレッドスペシャルではなく黒のテレキャスを使っている。
ラストは「We Are The Champions」できれいに締めました。

これを言ったらきりがないが好きな曲が抜けているのは悔しいが、あまり好きでない時期とはいえとてもいいライブだと思った。あとジョン・ディーコンがコーラスをとっているのが驚きである。

客席でライターの火を掲げている人がいる。海外ライブではちょくちょく見かける光景だけど、隣でそんなことされたらすごい嫌だな。こうして見る分にはきれいだけどね。