ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『64』 横山秀夫

2015-11-12 22:45:16 | 
図書館の本棚で目があって、数年前凄く話題になったのを思い出した。どんな内容かは全く知らないけどとりあえず読んでみることに。そういえばちょっと前に映像化もされていたね。

まずタイトルの「64」だけどゲーム機ではなく昭和64年に起こった誘拐事件のことを指す。主人公は警察官ではあるけど刑事ではなく広報課というのが珍しい設定。広報課と言われてもどんな仕事かピンとこないけど、作中ではマスコミとの対応に追われている。また、そのマスコミとのやり取り…いうか駆け引きが妙に生々しく作者は警察出身の人なのかと疑った。読み終わってから調べたら元記者だったうえに『クライマーズ・ハイ』や『半落ち』も書いていたのね。

感想の方だけど、前評判が高かっただけに結構な期待外れ。まずハードカバーで約650ページというのが無駄に長い。記者とのやり取りをあそこまで執拗に書かなくてもいいと思うけど、あれはあれで必要なのかな。また、主人公が記者への対応をしたり、家庭のごたごたがあったり、64を追ったり、新たな誘拐事件を追ったりと忙しく物語の核が不明瞭なまま読み進めるのが辛い。その新たに起こる誘拐事件が出てくるのも物語の後半部分。どうせならもう少し早くに誘拐事件も発生してくれれば良いのにと思う。

決してつまらないということはないけど絶賛するほどではないことは間違いないと思うんだけどな。それに娘や幸田、日吉がどうなったとかって書かれないまま終わったよね?なんかモヤモヤするな。