ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

人は「夢と希望」があって初めて、最大限の能力を発揮する

2012-09-12 14:55:26 | 犬たち

世界のホームラン王の王貞治氏(福岡ソフトバンク球団会長)がTVインタビューで、強いチームづくりにはコーチの役割が極めて大きいという話に感動しました。 

コーチの仕事は何といっても野球技術を選手に教えることですが、それ以上に重要な仕事があり、それは選手に夢と希望を与える言葉を発することだという話でした。
高校野球などのアマチュア野球界で華々しく活躍した球児たちは、大きな夢と熱い期待の元にプロ野球の世界に入るのですが、プロの世界はそんなに甘くはなく、入団時の熱い夢はことごとく打ち砕かれ、挫折と屈辱・自己嫌悪のアリ地獄に落ちてしまうのが選手の共通した反応だそうですが、そのときこそコーチの言葉の出番となります。 

“君の投球はピッチングマシーンのように打たれたけれど、カーブだけばどの選手も苦労していたのを知ってるかい。
 あのカーブをもっと磨けば、球団を背負うビッチャーになれるかもしれないよ。” 

“エラーばかりしていたけど、あんなものは数を重ねれば誰でもうまくなるよ。
 それより君の足の速さはピカイチで、我がチームの目指すスピードペースボールを象徴する逸材として期待できるな。” 

つまりコーチの最大の仕事は、選手が失った夢や期待にとって代わり、新たな夢や希望を提示することであり、具体的な目標や計画に置き換えてあげる仕事なのです。 

人に「夢と希望」があってこそ初めて情熱と努力が生まれ、能力が開花することをしみじみと知ることとなりました。 

世界の王さんと教育の話のあとに私の話をするのは恐縮なのですが、私も7年前から絵画教室を開いており、いろいろな生徒さんと絵を楽しんできました。
その中で80歳半ば過ぎの男性の生徒さんの絵が、突然絵が上達した話をします。 

その彼は戦後の焼け野原から事業を興し、数十店の店舗までに拡大した立志伝中の人物ですが、加齢により経営も息子に譲るとともに事業から身を引き、悠々自適な日々を送っているのですが、足腰も弱くなったことから自宅で出来る趣味として「絵でも描こう!」ということで、私の教室に通うことになったのです。
しかし絵は始めてということもあり、はっきりいってお世辞にも上手とはいえませんでした。

そんな彼から「どうしたら絵がうまくなれるのか?」と質問があり、私はは半分冗談で

“絵を真面目に考え過ぎているのです。もっと社長になった気持で自由奔放に描いたら” 

と助言をしたのですが、彼は真剣な顔をして大きくうなずいたのが印象的でした。 

次の講座で「あの当時の社長の気持で描いたら、絵が面白くて・止まらなくて・・・」とヘンな言い訳をしながら何枚もの作品を机にドサッと並べましたが、その作品はこれまでとガラリと変わっていました。
まず描きたくない部分を大胆に手抜きしていました。
その分写真にないもの、描きたいものを勝手に挿入していました。
その不思議な絵は自由であり奔放であり、心が解き放たれたように、なんといっても強い自己主張を感じました。
それは絵の本質を突いており、これまでの絵と比較にならないほど魅力的な絵となっていたのです。
その後90歳間近に小さな個展を開くまでになりました。 

最近のCMで ♪夢がある・希望がある・そして持病がある~♪と言う歌がありますが、持病はさておき、人が豊に生きるためには夢と希望は必須なんですね。

 


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