■■ニッチ市場 【連載小説】経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.140<o:p></o:p>
<o:p>
昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>
【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>
<o:p>
■12 第二創業期始まる 16 通算140回 ニッチ市場 <o:p></o:p>
<o:p>
印刷会社ラッキーの取締役会の場である。荒れた取締役会であるが、五カ年計画の第二議案まで何とか可決されるところまできた。<o:p></o:p>
幸は、荒れた役員会の思い出から、我に返ると、そこはまだ靖国神社の茶室であった。三代目になるであろう育猛が何故ブログの話をしだしたのか気になって仕方のない幸である。<o:p></o:p>
そのうちに幸は竹根と再会した1980年代に再び引き戻された。竹根がプリダ印刷機の販売の件で、古巣である福田商事を訪れた。<o:p></o:p>
竹根もそのフォローのために、日時をずらして福田商事に行った。そのことが気になる幸は福田商事との商談を開始した。その帰りに竹根事務所を訪れた。待っている間だけでも幸は竹根から学ぶことが多かった。<o:p></o:p>
幸は、竹根が福田商事を訪問して側面から応援してくれていることに対して深く感謝をした。ところが、竹根は、幸が描いてきたプリントショップ・ビジネス構想を否定したのである。何故否定されたのかわからない幸であったが、竹根の説明が始まった。気持ちが高揚してきたかと思うと、頭から否定される幸である。<o:p></o:p>
<o:p>
【回想2 1980年代】 <o:p></o:p>
<o:p>
<o:p>
「社長、製版というとフィルムを作ることが前提ですね」<o:p></o:p>
<o:p>
「いまはまだDTPが普及していないので、当然そうですね」<o:p></o:p>
<o:p>
「私は、すべての四色印刷がそこまでの品質を要求しているとは思っていないのです。高級なイメージを出すには、当然従来通りの製版工程が必要です。ところが、そうではない、小さな市場、これをマーケティングではニッチ市場というのですが、われわれの業界のニッチ市場を見つけ、そこでのビジネスをわが社の柱の一つにしたいのです」<o:p></o:p>
<o:p>
「ニッチですか?軽印刷業界にニッチ市場などがあるのでしょうか?」<o:p></o:p>
<o:p>
「それを見つけるのが、社長、あなたの仕事です」<o:p></o:p>
<o:p>
頭をかいた。<o:p></o:p>
<o:p>
「先般のヨーロッパ出張の時に、スイスのガイゼル社を訪問したのです」<o:p></o:p>
<o:p>
「ああ、あの化学や医薬品の大手ですね。そこで、私の考え方を実現するような技術がないかどうか、尋ねたのです。ご存じのように、反射製版というのは、解像度の問題だけではなく、濃度の問題があり、コントラストが弱いなどの欠点があります。印刷インク、特に黒色のインクを改良すると、その問題が解決されるかもしれないと、早速研究テーマに加えてくれたのです」<o:p></o:p>
<o:p>
「さすが、先生ですね。ガイゼルのような大手企業を動かすなんて、しかも日本の会社ではなく海外の会社をネ」<o:p></o:p>
<o:p>
< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>
<o:p>
■■ 脚注<o:p></o:p>
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>
■■ これまでのあらすじ (PC)←クリック<o:p></o:p>
■■ これまでのあらすじ (mobile) ←クリック<o:p></o:p>
■■ ブログポリシー ←クリック<o:p></o:p>