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My Song My Foolish Heart

4月に12年の単身赴任が終わりました!、山が好き、キースジャレットが好き、街道歩きが好き、2012年中山道を完歩しました

三年坂 伊集院静を読む

2025-03-24 19:09:57 | 2025年本

伊集院静の第一作の短編集

タイトル作の 三年坂 母親の七回忌の法事の時に叔母から母親の話を

聞かされたすし職人の宮本が亡くなった母を回想し・・過去と現在を自在に

行き来してすし職人の人生をあぶりだしていくのだが、その話の中心となるの

が幼いときの母と出かけた山奥の温泉旅行で、そこで宮本は母親が片腕を

なくしてる男と親しくしてるのを見る・・そのなぞは解けるのだが

母親の存在の大きさを感じる作品。

印象的な作品は、最後の春のうららの

夫とともに料理屋で働いていた女性が、結婚式をまじかに控えた娘を見て

亡くなった夫と初めての旅行を回想する・・新婚旅行もどき?

一泊で熱海方面に行くつもりがいい宿がなく、下田までいって、最終の伊東

行のバスにのり、日帰りで最終の電車で東京に帰ってきたという・・

なんとも時代を感じる物語だった・・

なんとどの作品も哀しみも喜びも必ず風景があり、吹く風が、降る雨が

ひっそりと咲く花とか物語の背景としてある・・

伊集院さんのやさしさを感じる小説集、夏目雅子さんが亡くなって4年後に

出された短編集です。

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