My Song My Foolish Heart

4月に12年の単身赴任が終わりました!、山が好き、キースジャレットが好き、街道歩きが好き、2012年中山道を完歩しました

霧の果て 藤沢周平を読む

2022-12-03 10:46:04 | 2021年本


久々の藤沢周平・・二周目

北の定町廻り同心・神谷玄次郎は14年前に母と妹を無残に殺されて以来
心に闇を抱えている。
仕事は怠けてはなじみの小料理屋におかみとしっとりと入り浸りの自堕落ぶり
評判も芳しくない
だが事件の解決には鋭い勘と抜群の推理力を発揮するのだった・・
そんなある日、川に女の死体が浮かぶ・・・・
人間味あふれる傑作連作短編集

それぞれの事件の短編になってるがその中でも14年前の事件の追求が
されていきすこしずつ見てくるという展開がおもしろい
最後は14年前の事件の解決へ・・
読み応えある藤沢周平の捕り物帖

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傷を愛せるか 宮地尚子を読む

2022-12-03 10:27:14 | 2022年本

日経新聞の書評欄を読んで楽天ブックスで注文

トラウマ研究と臨床医の第一人者の著者のエッセイ

ケアとは何か・・・エンパワメントとは何か・・・

抜粋・・・
トラウマを負った被害者が回復し、自立した生活を取り戻していく際にエンパワーメントが重要であるということはよく知られている。
エンパワーメントとは、その人が本来もっている力を思い出し、
よみがえらせ、発揮することであって、だれかが外から力を与えることではない。
けれども忘れていた力を思い出し、自分をもう一度信じてみるためには
周囲の人々とのつながりが欠かせない。

・・・・・
自分がだれにも連絡を取らず、だれにも連絡がないまま休日が過ぎると
世界にひとり残された気がして、自分なんて存在しなくてもいいんじゃないか
と思ったりする。
そういう時も「ああ、これは明日の出会いの前の静けさなんだ」と思える。
外からのインプットを排除して繭の中にこもる。
そんなときにこそ中でなにかが醸成していたり、励起状態になっていって
まもなく鮮烈な化学反応が起き、新しいものが生まれてくるかもしれない。
・・・・

日本にも強く波及しつつある米国のネオリベラリズムが危険なのは、
弱みに付け込むことがビジネスの秘訣として賞賛されることで、弱さを
そのまま尊重する文化を壊してしまうからだと思う。
・・・・

人生とは案外、毎日のささいな選択、それ自体はどちらを選んでも大差がないような
選択の積み重ねによって、軌道が延び方向性が決まっていくものではないだろうか
つまり人生とは、十字路ではなくY字路の連続によって形つくられてるのではないか・・・
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