重松 清の本は結構読んだのですが、この本はその中でもスケールが大きい
人間の生と死 そして自分が大切な人との別れをわすれずにずっと持っていく・・
主人公は幼い息子を亡くした40すぎの会社員 息子を亡くしたことから巡礼の旅にでる・・
それにいっしょに旅をする少女 この少女は・・自分の娘 今は前の妻と暮らしてる
前の妻も・・もうがんで命は長くない・・
巡礼の旅は 恐山 奥尻 オホーツク ハワイ 阿蘇 大和 出雲 与那国島 島原と・・・
最初が恐山で最後が島原の精霊流しというのも巡礼の旅の最初と最後というのが・・
いい
これが・・・死の世界なのだと言われたら信じる けれど
これが生の始まりの風景なのだといわれても 信じる・・・
読んでいてぐいぐいひかれていく、ときどき主人公を自分にたとえて読んでみた・・
想像はできないけれど その気持ちをできる限り想像してみた
陳腐ないいかたですが
この本に感動してしまいました・・
ニライカナイ 死者が旅立っていく先 黄泉の国になってるけれど、現生の魂もニライカナイからやってくる 死と誕生が一体になりどこまでも豊かな楽園 理想郷
与那国でもニライカナイとおなじようなハイ・ドウナンという幻の島があるとのこと
理想郷という思想がなにか興味があります・・
この物語 自分が一番気に入ったのが与那国のところ、前の妻、少女の母親がホスピスで
なくなるところ ここが一番残ったところです・・
自分と重松清は年は一つ違いの同年代
すごく共感するところがものがたりにでてくることが多い作家
現代における巡礼の旅はこころふるえるものだった・・・