片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

既存ホスト資産を有効活用し、短期間で効率的にオープン化

2010年07月07日 | Biz/Browser
日経コンピュータの2010年7月7日号の42ページをごらんあれ。
日立製作所のイトーキ殿事例の広告だ。

イトーキのオープン化のステップは面白い。
3年のブランクをおいて二段階でやった。

1.2007年にホストの端末エミュレータをHTTP通信のBiz/Browserにする。
2.2010年ホストをEP8000エンタープライズサーバに切り替える。

二段階にした理由は3つある。

1.ユーザの利便性をできるだけ早く高めたかった。
2.個人情報保護やJ-SOX対応などで、端末のオープン化とホストのオープン化を一緒にできなかった。
3.移行コストの多年度分散。

今同様にホストからオープン化を図っている兵庫県西宮市は、2009年の春、新大阪にあるイトーキの情報システム部を訪問している。
私とアクシスソフトの大阪営業所とで訪問をアレンジした。
自治体と民間企業の技術情報交換だ。

話を聞いていて西宮市の職員が感動しているのが分かる。
まったく自分たちが抱えている課題をイトーキが先行してやってくれているのだ。
非常に参考になると言って帰られた。

西宮市は、今年中に職員が使う端末画面がBiz/Browserで作られた画面に変わり、ワンストップサービスが実現するはずだ。
つまりイトーキの2007年の状態が実現する。
そのあと数年かけてホスト側をUNIXサーバに切り替える予定だ。

西宮市はシステム開発予算というのがない。
職員の通常の人件費の中でシステム開発をするから作業が多年度にわたってしまう。しかしユーザから見ればすでにメリットは享受してしまっているので関係ないことになる。

今回のイトーキの記事でも、センター側がホストからオープンシステムに切り替わったことに、現場は気づかないと書いてある。3年前に現場はすでに切り替わっているのだ。

オープン化にあたてはCosminexusやCOBOL2002を使っている。バッチ処理ではBJEX(uCosmineus Batch Job Execution)を使っている。
移行作業は原則自動変換。
イトーキの、このホストからのダウンサイジングは芸術的美しさだ。

そうは言っても細かいところは手を入れたしテストはしっかりやる必要があったと森本さんは言っていた。

ところで日立制作所とBiz/Browserは深い関係にある。
現在、Biz/Browserのビジネスを最も多くやってくださっているのが日立製作所グループなのだ。
この歴史は2001年の東京海上の代理店システムを日立が受注したところから始まっている。
しかし実は、富士通も、同社の重要な、ある顧客のシステムのフロントにBiz/Browserを使っている。

日本を代表するコンピュータメーカが使い込んでいる国産リッチクライアントBiz/Browserを、ぜひご愛顧願います。
世界にはばたかせましょう。