片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

バトンタッチ

2010年04月15日 | こころ
叔父が亡くなった。
叔父といっても、父の従兄弟だから血縁的には相当遠い。
しかし私はすべての予定をキャンセルしてお通夜と葬儀に出た。
上京したての頃向島に住んでいて、叔父の家がすぐ近くだったので、とてもお世話になったからだ。
叔父の長男は小学生で長女は幼稚園だった。
私はよく地蔵坂の縁日に二人を連れて行った。

その長男が喪主だ。
長男は挨拶で父親の偉大さを語っていた。

長男はこの4月から千住名倉で修行した向島中村接骨院の4代目として開業したばかりだ。
その矢先に父が亡くなった。
きっと安心したのだろう。

息子が言うには、叔父は複雑な脱臼を一人でいとも簡単に治してしまうという。
そのやりかたはどんな文献にも書かれていないという。
叔父が発見した療法だという。
それを体験した息子は、さらに複雑な脱臼の患者に出会ったとき、
その方法を思い出して応用し、2,3人がかりでも治せない脱臼を、
一人で力もかけずに治すことができたという。

叔父は頑固だった。
息子にはつらく厳しくあたっていた。
私は息子からこの話を聞いたとき、心から安堵した。
息子は父を越えた。

叔父さん、もう大丈夫です、ゆっくりお休みください。