観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

2/16に「ごみ非常事態宣言20周年記念イベント」が開催されました。

2019-02-20 23:17:21 | 冬の藤前干潟

藤前干潟

今日の満潮時間 6時53分 潮位238cm
今日の干潮時間12時44分 潮位 48cm
※本日(第3水曜日)は休館日です。

 

今日は暖かかったですね。

町の中にある梅の木の中には満開の花をつけているものを見かけますし、

藤前干潟では少し前から頭部がうっすら黒くなっているズグロカモメや、頬に茶色の羽が生えてきたカンムリカイツブリ、飾り羽が立派になってきたコサギなどが観察できるようになってきています。

そして、何より鼻がムズムズしてきました・・・。

春は確実にやってきているようです。

 

さて、今日は先週のブログで開催案内をしていた、2月16日(土)の「ごみ非常事態宣言20周年記念イベント」の報告です。

このイベントは港区の中川運河沿いにあるみなとアクルス一帯(ららぽーと名古屋みなとアクルス店、東邦ガスエネルギーセンター等)で開催され、藤前干潟および名古屋のごみ・環境に関わるトークショーやライブ、ミュージカル、関係団体のブース出展、サイエンスカフェ、エコクッキング、スタンプラリーなど、様々なイベントが開催されました。

イベント全体では、5,500人もの参加があったとのことで、大変な賑わいでした。

 

今回の20周年記念イベントでは、野鳥観察館が協力する「藤前干潟ふれあい事業実行委員会」は、「本多”taco-bow”正典さん」と「劇団シンデレラさん」のコラボミュージカル「天使が町にやってきた~藤前干潟から~」をサポートしました。

当日は、現場でミュージカルのリハーサルをするために、朝6時にららぽーと入りし、1階センターコートへ。周りでも朝早くから団体のブース出展や他のステージ等の準備も必死で進められていました。

リハーサルでは劇団シンデレラのみなさんは、朝からしっかり声を出していました。

リハーサル中のtaco-bowさん↓。

同じく、リハーサル中の劇団シンデレラの子どもたち↓。限られた時間の中で位置取りなどを頭に叩き込みます。 

何とかリハーサルを終え、ミュージカルの出演者は本番まで控室で準備へ。

 

その後、他のステージなどの準備が急ピッチで進められ、ららぽーと開店後の10時過ぎからは全体のオープニングイベントが開催されました。多くの人が集まる中、なごや環境大学学長や名古屋市長などの挨拶がありました。

この冒頭には、藤前干潟の保全について語るNPO法人藤前干潟を守る会の辻名誉理事長の映像(過去に録画)も流れていました。

オープニングイベント後のステージでは、なごや環境大学学長や地元のアイドル「MAG!C☆PRINCE」などによる、ごみを始めとする環境問題についてのトークショーが行われていました。難しい内容もあったように感じましたが、みなさん熱心に耳を傾けてみえたようです。

 

この間、センターコートの周りでは、様々な団体・機関がブース出展して、ワークショップなどが行われていました。

NPO法人藤前干潟を守る会のブースでは、藤前干潟の説明や、藤前干潟の生きものであるダイゼン(野鳥)とトビハゼのペーパーキャップ作りが行われていました。お客さんがとめどなくみえて、スタッフは休憩がほとんどとれないほど盛況だったそうです。

こちらは高校生による「SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))」に関する展示とワークショップ↓。工夫を凝らした来場者参加型の展示物が丁寧に作られていました。

この他、生分解性樹脂を使用したゴミ袋の展示、名古屋港に生息するイガイの仲間(二枚貝)による水質浄化実験、スナメリのお面作り等々のブースがありました。

 

そして、トークショーの後は、いよいよミュージカルの上演です。

ミュージカル上演の前に、環境省名古屋自然保護官事務所(藤前干潟)のアクティブ・レンジャー2名から、藤前干潟やミュージカル、そしてミュージカルに出演するtaco-bowさんと劇団シンデレラさんの紹介がされました(真ん中の2人はアナジャコ役のアナリンとジャコリン)↓。

そして、出演者全員の歌と踊りでスタート↓。

藤前干潟の天使と生きものたちが藤前干潟について語る場面↓。taco-bowさんの奏でる効果音がところどころに入ります。

今回のミュージカルでは、藤前干潟の生きものの代表としてアナジャコとハマシギが登場しました。アナジャコが藤前干潟に流れ着くごみについて天使に訴えています↓。

また、今回のミュージカルは全て生音(taco-bowさんの楽器の音と出演者の歌声)で上演されました。これは劇団シンデレラさんにとって初めての取り組みだったそうです。

ミュージカルの中には、taco-bowさんが「ファンガ(歓迎の意味)」というリズミカルな歌を披露する場面があり、この歌では観客の皆さんに「アシェアシェ(祈りの意味)」という掛け声で参加してもらいました。taco-bowさんのパワフルな演奏とみなさんの掛け声でとても盛り上がりました。

そしてミュージカルの物語は終盤へ。藤前干潟の天使がハマシギなどの協力を得て、町(ららぽーと)へ行き、藤前干潟について町の人に伝えます。さらには、SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))のパネルを観客のみなさんに持ってステージに上がってもらい、SDGsの普及を願ってステージを終えました。

歌と踊りを交えたミュージカルを通して、お子さんから大人までの多くの観客のみなさんに藤前干潟のことを楽しく、知ってもらえたのではないかと思っています。

私個人としても打合せと練習の段階から今回のコラボミュージカルに立ち会わせてもらう貴重な機会を得られたことが嬉しく、そして本番では、ミュージカルを楽しそうに見ている観客のみなさんを見ることができて感無量でした。

ミュージカルに出演・協力いただいたみなさま、観覧いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

 

そして、ミュージカル終了後、藤前干潟ふれあい事業実行委員会のメンバーは、ららぽーと隣にある東邦ガスエネルギーセンターへダッシュ。

実は今回、ミュージカル以外に、午後からエネルギーセンターで開催された「第38回生物多様性カフェ 藤前干潟の生きもの今昔」にも協力していました(主催:なごや生物多様性センター、共催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会)。

 今回の生物多様性カフェは、藤前干潟に生息する底生藻類、底生生物、そして鳥類のお話をそれぞれの講師が話すというものでした。

カフェの前には、底生藻類の講師である寺野ひろ実さん((株)ニック環境システム)の解説の下、底生藻類(ケイソウ)を顕微鏡で実際に観察したり↓、

干潟に深い穴を掘るアナジャコの巣穴の型取り樹脂標本を見ながら、底生生物の講師である梅村幸稔さん(NPO法人藤前干潟を守る会)の説明を聞くことができたりもしました。

この↓アナジャコの巣穴の標本は普段は、藤前活動センターに展示されているものですが、今回、慎重に運ばれ、展示されました。

カフェの会場はこちら↓。昨年にオープンしたばかりの施設なのでピカピカです。

藤前干潟や野鳥観察館のパネルなども展示させてもらいました↓。

 こちらはカフェの最中の様子↓。50名ほど方に参加いただいたそうです。カフェでは、藤前干潟とゴミ非常事態宣言、藤前干潟の食物連鎖の説明の後、3人の講師から底生藻類、底生生物、鳥類の順で藤前干潟の現状などをお話ししました。

時間配分がうまくいかず、かなり終了時間がおしてしまったことや、まとめや意見交換などの時間を取れなかったことなど、大きな反省点はありますが、藤前干潟の保全とごみの問題を改めて考えてもらう機会にはなったのではないかと思います。

参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

 

なお、生物多様性カフェが開催されていた、東邦ガスエネルギーセンターでは館内見学ツアーやエコクッキング教室が開催され、

センター前では、ごみ収集車(パッカー車) の積み込み体験が行われていました。

 

 

このように、ごみ非常事態宣言20周年記念イベントは盛りだくさんな内容で賑わいを見せていましたが、このイベントがお祭りとして終わるだけでなく、ごみ埋め立てから守られた藤前干潟にはまだたくさんの漂着ごみがあること、マイクロプラスチックを始めとする海ごみが世界的な、そして身近な環境問題になっていることへの関心が高まるきっかけになると良いと思っています。 

 

【今後の藤前干潟に関するイベント等】 

☆2月24日(日)カモかもウォッチング@稲永ビジターセンター(主催:NPO法人藤前干潟を守る会)→詳細はこちら(NPO法人藤前干潟を守る会のHP)

☆3月23日(土)藤前干潟の渡り鳥調査隊@名古屋市野鳥観察館詳細はこちら(PDF)

☆3月24日(日)さわやかウォーキング「桜の名所荒子川公園からリニア・鉄道館を目指して」(コース:あおなみ線「荒子川公園駅」スタート→荒子川公園駅→名古屋市野鳥観察館→稲永ビジターセンター→リニア・鉄道館→あおなみ線「金城ふ頭駅」)(主催:JR東海)→詳細はこちら(JR東海のHP)

☆あおなみ線沿線活性化協議会に協力する関連施設等のイベント→こちら(名古屋市HP) 

 

 

明日の満潮時間 7時28分 潮位239cm
明日の干潮時間13時21分 潮位 38cm

コメント
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