成都市内で現在出回っているDVDソフトは次の通りです。MPEG-2圧縮による通常の物と、MPEG-4圧縮による高圧縮の物とです。前者は、片面1層の「DVD」と片面2層の「DVD-9」です。これらは映画ソフトが基本です。もちろん長尺ものは2枚組になっています(例示、「アラビアのローレンス」)。後者は片面2層の2枚組からで、これにも2種類あります。旧来からあるのが「DVD-9」です。昨年から新規に出回りだしたのも「DVD-9」ですが、パッケージが通常の物と同じで、旧来からのより小さくなっています。これらはドラマソフトなどが基本です。以上、4種類です。順に写真でパッケージをお見せします。
写真1は、通常の「DVD」です。価格は6~5元です。いずれもDVD自体は日本での発売版をコピーした物です。ですが、中島哲也監督「告白」(2010年)のパッケージ意匠は中国で独自に仕上げた物です。ロン=ハード監督「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年)にはもちろん日本語字幕があります。
写真2は、「DVD-9」です。価格は9元です。西川美和監督「ディア・ドクター」(2009年)はパッケージ意匠が日本発売版のコピーですが、呉宇森監督「赤壁」(2008・9年)はパッケージの上部に「Blu-ray Disc」のマークがあり、一見ブルーレイディスクに見えます。しかし、通常のディスクです。最近はこのような、ブルーレイ版をコピーした「DVD-9」が一般的で、その過半にはサントラ盤が別ディスクで含まれています(ブルーレイ版も少数ですが昨年から登場し、1枚25元です)。この「赤壁」はPart1・2を2枚組み(18元)にした完全版で、さらにサントラ盤が別ディスクで付属しています(サントラ盤の有無は価格に関係しません)。なお、日本語字幕・音声付きです。
写真3は、高圧縮の旧来からの組物の「DVD-9」です。価格は2枚組で7元(枚3.5元)です。パッケージが縦長となっています。写真に示したのは昨年秋ドラマのフジテレビ「フリーター家を買う」とTBSテレビ「99年の愛」です。日本のドラマ(ワンクール)の場合、2枚組が基本で、1枚に5~6話収められているのが普通です。高圧縮技術を利用しているので、大河ドラマを2枚組に収録されているのもあり、そうなると画質はかつてのビデオ以下となります。最新のドラマは、放送終了後、1~2週間で出回ります。これは日本での放送そのものをコピーしているからです(ニュース速報の字幕が画面に入ります)。旧作の場合、日本での発売版からのコピーのもあります。
写真4は、昨年より出回りだした「DVD-9」組物です。価格は2枚組14元(1枚7元)です。前の組物と違うのは、パッケージが通常の物と同じ大きさで、上部に「Blu-ray Disc」のマークがあることです。もちろんブルーレイディスクではありません。圧縮技術の進歩により、旧来からの組物より概して画質がよくなっています。日本テレビ「デカワンコ」は3月26日(土)に終了した冬ドラマで、31日に購入したばかりの物です。日中合作・NHK「蒼穹之昴」(2009年)は中国の中央電視台で放映された版で全28集です(残念ながら日本語字幕はありません)。3枚組ですが、タイトル部分は最初と最後のみで、途中回は省略され、収録時間の節約が図られています。
以上、これら4種類のリージョンコードはフリーが基本的で、テレビ方式は日米のものがNTSC、中国のものがPALが基本です(中国発売の正規版はリージョンコード6・PALです)。
なお、カテゴリー「映像」には、以前のDVD事情に関する記事がありますから、参考にして下さい。
(2011.04.02)