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歴史と中国

成都市の西南交通大学で教鞭をとっていましたが、帰国。四川省(成都市)を中心に中国紹介記事及び日本歴史関係記事を載せます。

茅ヶ崎城址―歴史雑感〔17〕―

2015年01月30日 16時46分18秒 | 日本史(古代・中世)

今回は中世城郭址の茅ヶ崎城を紹介します。茅ヶ崎城址は横浜市都筑区茅ヶ崎東2丁目に所在し、発掘調査後に横浜市立茅ヶ崎城址公園として整備されて、2008年6月に開放されました。最寄り駅は横浜市営地下鉄グリーンライン・ブルーラインのセンター南駅かバスのセンター南停留所(センター南広場)です。広場の南が茅ヶ崎城址入口交差点で、表示に従って、東へと上がって行くと、公園入口となります。徒歩約5分です。

茅ヶ崎城址は横浜市北部で「小机城址」と並んで保存状況のいい城址です。本城の規模は東西330m・南北200m、面積約5万5千㎡、比高約20mで、小丘上に設けられています。本城は治安年間(平安時代中期)に多田行綱による築城との伝承もありますが、発掘調査の結果、14世紀末から15世紀前半頃に東・西郭が築城されて、15世紀後半に西郭が中郭と西郭に分割され、さらに北郭が設けられたと推定され、この築城と改修は関東管領上杉氏時代のものです。そして、16世紀中頃に土塁間に空堀が掘られて強化され、これは後北条時代です。後北条時代の城主としては『小田原衆所領役張』に小机衆で茅ヶ崎一帯の領主として記載のある座間氏とも考えられています。

写真1(2015年1月29日撮影)は、公園入口から上って、西郭へと向かったところの西郭虎口です。南側から撮ったもので、左側が西郭で右側が中郭で、奥が北郭です。くの字型の虎口であることがお分かりでしょう。ここには虎口の説明版があり、公園内には随所に城址に関する説明版があり、城址の理解を助けています。

写真2は、西郭(右)と中郭(左)間の空堀を北側から撮ったものです。この空堀は後北条氏時代のものと推定されています。両郭の土塁間を掘り下げて、空堀としたものです。中郭側の傾斜は70度に達していて、防御性の高いものとなっています。

写真3は、西郭(標高34m)を南土塁上から撮ったものです。この土塁は西に行くほど幅広になっています。

西郭南土塁に沿って東に行くと、中郭への上りに出ます。写真4は、中郭内にある遺構です。2005年代7次発掘調査で多数の柱穴や土坑が見つかり、掘立柱建物(倉庫群)が並んでいることが分かりました。この建物3・5・7の柱穴上に、目印の石を置くことで、遺構(掘立柱建物)を明らかにしたものです。手前が建物7、奥左が建物3、奥右が建物5です。

写真5は、土塁西南角上から撮った中郭(標高33m)です。御覧のように中郭は四囲を土塁で囲まれています。土塁西南角は高さ3m以上あり、平場となっており、何らかの施設が設けられていた可能性があります。

中郭から戻り、さらに東に行ったところが東郭です。写真6は、西南から東北方向へ撮った東郭(標高35m)です。西郭・中郭と異なり、東郭には御覧のように土塁がありません。東郭は本城の最高地点に位置して、東西50m・南北20mの不整長方形で、本郭と推定されています。

写真7は、東郭から見た中郭と北郭です。中郭との間の空堀には左手前に見るように、土橋があります。ただ、北郭・西郭の土橋と異なり、空堀を残して出来たものではなく、盛り土で出来たものであることが発掘調査で判明しているところから、空堀形成以後のものと推定されます。

中郭に戻り、北に下ると北郭です。写真8は、西より東へと北郭を撮ったものです。奥右側の茂みが東郭で、その下が腰郭、そして民家のある辺りが後に増設された東北郭の辺りです。

最後の写真9は、中郭にある「平成12年発掘時の茅ヶ崎城址図」です。

なお、フォトアルバム「茅ヶ崎城址」はhttps://1drv.ms/u/s!AruGzfkJTqxngrBqn9yqpvRLLtq72w?e=Io70f2です。

(2015.01.30)

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大綱橋からの元旦富士

2015年01月01日 12時41分33秒 | 観光(日本)

2015年元旦(木)、東急東横線綱島駅南の鶴見川にかかる大綱橋(綱島街道)から、元旦富士山を見ました。昨年は雲に隠れて見えませんでしたが、本年は雲にかかった富士山が見えました。そこで、ペンタックスK7(DA300-55)で撮った写真2点をお見せします。

写真1は、富士山全景です。望遠いっぱいでのものです。

写真2は、東急東横線の鉄橋を通過する東急車輌を写し込んだものです。

(2015.01.01)

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