2020年6月26日(金)午前、高館から南に国道4号線平泉バイパスを左(東)に見て歩くと、柳之御所跡(岩手県西磐井郡平泉町平泉柳御所)に至ります。本御所は奥州藤原氏の政庁・居館とされる、『吾妻鏡』のいう「平泉館」と推定されています。周囲を空堀で囲まれた本御所(約5㏊)は、ほぼ北西・東南を主軸とする長径(南北)約350m強・短径(東西)約200m余の変形楕円形をした、大規模なものです。さらに、堀の北側に高館までの外郭部があり、以上の総面積は11.2㏊もあります。
写真1は、柳之御所跡北入口(柳之御所史跡公園)から東に平泉バイパス方向へと遺跡を撮ったものです。これから遺跡を南へと行きます。

写真2は、汚物廃棄穴群跡です。この周辺に40基ほどの跡が見つかっています。ここは御所跡の最北に位置しており、中心建物付近の汚物廃棄穴からの最終処分場と推定されます。

写真3は、付属建物群です。厨や家来達の詰所等と推定されています。

写真4は、井戸跡です。64基の井戸跡が見つかっています。

写真5は、北へと付属建物跡群を見たものです。

写真6は、付属建物群の東に接した竪穴建物跡です。東西7m・南北8mの竪穴に柱を立てた建物です。北側と東側に張出しがあります。

写真7は、付属建物跡群の南に位置する西側の中心建物跡です。東西約11m、南北約14mの広庇を持つ建物です。東側の中心建物跡は南北約25mです。

写真8は、東側の中心建物跡の南にある廊下状建物跡を南に撮ったものです。

写真9は、廊下状建物跡の東にある厩跡です。中心建物に付属するものです。掘立建築です。

写真10は、付属建物跡の南に接した倉庫風建物跡です。

写真11は、南に道を挟んだところにある廃棄穴(井戸)跡です。井戸跡の深さは約3.5mあり、多くの木材が廃棄されていました。この南に接して園池があります。

写真12は、中心建物跡の南西に位置する園池を北から撮ったものです。新・旧2時期の池があり、新しい方を復元整備したものです。大きな中島があります。

写真13は、南から園池を撮ったものです。

写真14は、西へ無量光院への道です。橋状の施設が発掘されています。

道路(国道206号相川平泉線)を挟んで南に柳之御所跡が広がります。写真15は、堀に架かる橋跡です。3か所が確認されています。

御所の周囲には2本の空堀があります。ただ、時期が異なり併存していたわけではないようです。発掘では約500mの空堀が確認されています。写真16は、御所南東側の内側の堀跡で、復元整備したものです。幅14m・深さ4mの大きなものです、3代秀衡期には南側では内側の空堀で囲まれていたと考えられています。なお、後方の建築中の建物は展示館等です。

写真17は、南に伽羅御所への道です。南の空堀に橋跡が確認されています。

最後の写真18は、南側の空堀跡です。

(2020.07.18)