ギターマンには、かなわない。(live&radio and more!!)

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スティーリー・ダンの巻

2003年06月29日 | カフェララル・私のお願い(音楽編)
◆スティーリー・ダンの巻(2003年6月29日)
 
ハイ、やってまいりました。
ワタクシ斎藤誠の小さな小さな胸を鷲掴みにして離さない、映画や音楽の数々を毎週毎週皆様に紹介させていただいております、カフェララルオーナーズルーム、オーナーオススメの一品「私のお願い」でございます。

さて、突然ですけれども、世の中どこにもですね偏屈なオヤジあるいは頑固オヤジってのがいますけどもね。
変わり者だけど、1本スジが通っている、芯が通ってると「確かに奴はたいした男だ」と、こういうことを言わせてしまう凄い奴。
どこの世界にもいるでしょうけども、特に、私どもの音楽の世界、ここにはそういう輩が多いんですよ!! 
確かに「場」の空気とか、あんま読めなかったりするんですけども、1度ピアノの前に座ったら誰もがひれ伏すようなオーラでもって、美しいメロディを奏でたりね。
つまり逆に言えばですね、偏屈な頑固オヤジだからこそ、他の仕事じゃなくてこんな「個性勝負」!!みたいな商売やってるワケですけども。

それにしてもこの2人。異常でございます、、、
今日紹介する、ロック界きっての尊敬される屈折した頑固者、偏屈な2人組。
頑固×2ですからね、まさに奇跡です。

そうです!
結成31年の筋金入りバンド、その名もスティーリー・ダン。
本日の「私のお願い」は、彼らの最盛期の最高傑作!!
もうロック史に燦然と輝く超名盤「Aja」のご紹介です。

いやあ、遂に先日新譜が出まして「everything must go」てやつね。
3年ぶりってことで、音楽関係者みんな驚きました。
「3年も待たせやがって」てんじゃないですよ。
その逆です。3年でまた新しいのが出ること自体みんな夢にも思ってなかったです。

だってね、前作までは僕達20年待ったんですから。20年ですよ!!
新作につきましては、雑誌BRIOの方で私の連載の音楽コラムで紹介していますんで、見てやって下さいね。
何てったってね、今月号(2003年8月号)のBRIOはですね、マイケル・マクドナルドさんとの対談が遂に載りましたから。
こちらの方も是非読んで下さい。私のお願い!・・・・って終っちゃいけないんですけど(笑)。

話は戻りまして、スティーリー・ダン。
ドゥービー(ブラザース)に入る前に、マイケル・マクドナルドが在籍したバンドですよ。
その20年前の1980年にリリースしたのが、今日紹介する「Aja」と同じくらい大事な名盤「Gaucho」っていうやつだったんですよ。
これも、皆さん機会があったら聴いて下さい。最高です!

さて「Aja」ですけども、彼らの7枚目です。
77年にリリースされたんですけども、77年といえば!!!
ワタクシ斎藤が、くしくも大学に入学した年でございまして、見るもの聞くもの全てが新鮮でね。
もう、出会いもたくさんございました。
あの今年25周年の我が国最大のロックバンド、デビュー1年とちょっと前の桑田さんたちに出会ったのもこの年でございました。

あのね、いいですか!!!
当時ロックをやる大学生の全員が聴いていたアルバム、それが「Aja」です。
ほんとですよー。嘘じゃありません。
「Aja」を聴いていない奴は、ウチの学校の正門通ってこれなかったんですから。
それぐらいみんな興味が集中してたんですよ。今考えてみれば、理由はいっぱいあったんです。

まず、この当時はオーソドックスなロックがそろそろ元気がなくなってきてて。
それでクロスオーバーってんですか。
つまり「ジャンル超え」の時代になってきていて。だからJazzとかR&Bとか、早くから融合していたこのスティーリー・ダンに時代に方が追いついてきたといえますね。
それからジャケットアート。
こだわってましたね。
当時、日本で唯一世界に名がとどろいていたスーパーモデル山口小夜子さん、彼女が写っています。
赤と黒と白の色彩。日本のアルバムの方には色彩の「彩」、彩(いろど)るという文字が描いてありましたね。
シンプルで無駄のないデザイン。
まさにスティーリー・ダンの音そのものっていうアートだったんですけども。

しかし。
何より話題の中心だったのは、バンドにしてバンドでないという形態です。
これが、ものすごい人の興味をひいたわけですよ。
「なんだ、そんなのよくあるじゃないか」
とおっしゃる方もいらっしゃると思います。

いいえ、違います!!
当時は、そんなバンド他にいなかったし、いたとしてもプロデューサーが全部仕切って全部作っちゃって、アーティストは後で唄を唄いにくるだけ、みたいなそういう場合はありましたけども。
この2人は、その正反対です。
2人がずっとスタジオに篭って・・・
何ヶ月どころじゃないなー、、たとえば1つの間奏の部分を、何人ものプレーヤーに弾かしてみて、録るだけ録ってドンドン「ボツ」にしてくんですよ、、、、ヤナ感じでしょう(苦笑)。
実際LAのミュージシャンで「奴らのスタジオだけは、呼ばれたくねえっ」って言ってるやつに会ったことありますからね。
もう納得いくまで何ヶ月も何年でもトコトンやるわけですよ(笑)。コワイですねえ、、、。恐ろしいですねえ、、、、。

しかし、そこまでテッテーしてやった完成した内容が僕らの想像をはるかに超えるような芸術品だったっていうんですから、何も言えません。
もう無駄をいっさい削ぎ落とした究極のサウンドと、難解で皮肉な歌詞なんですけども、今やもうその辺もおなじみになってしまった彼らのこのスタイル。
もう最初にそういうのを完成させたのがこのアルパム「Aja」でございます。
収録されてる曲、どの曲もとにかく素晴らしい!!
奇跡だと思いますね。

ロックやポップの歴史には振り返ると、たびたび奇跡的な作品がありますよね。
ビートルズの「アビーロード」とか、キャロル・キングの「タペストリー」とか。
そのアーティストの絶頂期の一番いいときの素晴らしい記録。こういうのがたまに出るんですよ。
まさに「Aja」が然りでございます。
こういうことあるんですね。だから音楽は楽しいんですね。

皆さん音楽を楽しみましょうね。私のお願い!
ご静聴ありがとうございました(笑)。

というわけで、これは久々にいっちゃいますよ!
泣き上戸、カフェララル・オーナー泣き指数10点満点!!!
・・・ということで、今日はスティーリー・ダンの最高傑作、1977年の「Aja」をご紹介しました。