ギターマンには、かなわない。(live&radio and more!!)

斎藤誠さん応援サイト「ギターマンにはかなわない。」の姉妹ブログ。
ライブ、ラジオのことが中心です!!

FMヨコハマ『YOKOHAMA MUSIC AWARD』ご出演から。

2002年02月22日 | 2002年ラジオ
YOKOHAMA MUSIC AWARD   
FMヨコハマ(2002.2.22オンエア)

※インディーズ専門の番組です。
こちらにゲスト出演されました。
そのときのトークを起こしてみました。


*******ご了承ください*******

ワタクシがオンエアされたものをエアチェックした音源を聞き取り、それをベースにして少し手直ししながら文章にしました。
お話の趣旨をなるべく汲み取るよう、配慮を心がけましたが聞き取り違いからくる、読みづらさ、などあると思います。
なにぶん、シロウトが編集したものですので、その点はご勘弁下さいね。

誠さん⇒マ、パーソナリティの方⇒聞 としました。


▼△アマチュアミュージシャンとの関わり。▼△
     
聞   最近の若いアマチュアミュージシャンとの付き合いもあると思うんですが。
     
マ   いつもいつも見てるということはないんですけれども、例えばテレビで見たりとか、時には僕の所に封書が送られてきて、MD1個入っていて「これを聴いて下さい」というお便りが来たり。そういうことは時々ありますね。
     
聞   斎藤さんのようになりたいんです、というような?
     
マ   いろいろなアプローチがあるんですけれども、それこそ15,6曲ぐらい入っていて、どこから聴けばいいのかなって、こっちも緊張したりして。それで、向こうは返事を待っているんでしょうけれども、そういう中で、ぱっと聴いて、これは返事書くまでもないというのもあるんですよ。むしろこっちは怒っちゃうというようなのがね。
     
聞   書いてあげない方がいいだろう、みたいな・・・
     
マ   (笑)そこまではどうかわかんないですけれども。やっぱり彼らも彼らなりに、自分達が何とか盛り上げて、どこかで脚光を浴びられればなと思って、手段をいろいろと選んで持ってくるんでしょうけれど。
中には、どこかの雑誌に私のメールアドレスが載ったんですよ。それをいいことにって、言い方はおかしいけれども、とりあえず「あ、この人プロデューサーだ」って、相手が誰だかわからないのに送ってくるような人とか。
     
聞   もう片っ端からですね。
     
マ   別に、これは僕じゃなくてもいいだろうと。それは聴いてすぐわかるんですよ。文章とか見てもね。あるいは文面自体がコピーしてあったり。一番最初のナントカ様というところだけが「斎藤 誠様」で、それはないだろうってね。
     
聞   DM状態で舞い込んでくるわけですね。
     
マ   そういう中にでも、本気で聴いてくれというのも勿論ありますから。そういう時はやっぱり緊張しますし、それから何を言ってあげたらいいのか、、
なぜ悩むのかといったら、そういう同じ場所に自分もいますから。確かにインディーズではないにしても、音楽を作っている人間としては、全く同じフィールドにいると思うんですよね。だからそういう中で、何が言えるだろうかって、かなり悩むものはありますね。
     
聞   正直、ミュージシャンがミュージシャンに対して何か批評するってのはシンドイというか、、
     
マ   シンドイですね。かなりシンドイですね。
     
聞   アマチュアやインディーズのコたちの曲を聴いた瞬間に、どの辺で感じますか。技術で上手い下手をいったら確実にあると思うんですが・・・
     
マ   ギターソロが5分くらいあったりとかね。
・・それはだめなんですよ!はっきり言って。
それは何がだめかというと、彼らが持ってくる手法がだめ! もし、本当に誰かに聴いてもらいたいと思うのであれば、それなりに凝縮させて、自分たちの魅力を、例えば3分にまとめるくらいのパワーがないとだめだと思うんですよね。それ1つとってみても、それが出来るバンドとそうじゃないバンドがあって。
     
聞   単純に曲の長さですよね。聴く側に対しての(配慮というか)・・・。
     
マ   それと自分達の、例えば唄なら唄が一番ウリだというところを、短いテープの中で説得しなきゃだめなんですよね。駆け引きのうまさみたいなものも大事だと思うんですよ。
だから、バンドだったらバンドの中に1人そういうことを担当する人間がいて、そこにアタマを使うこともあった方がいいと思うんですよね。
     
聞   いわゆるプロデュース能力、自分達のプロモーションを考えているか、考えていないかということですね。
     
マ   せっかく唄がものすごくいいのに、すごくドラムがでかかったり。それじゃすごく勿体ないですから。
     
聞   僕らの番組にも来ますね。(注 これはインディーズ専門番組です)イントロが1分半とか2分くらいというのが。確かにそうですね、コンパクトにまとめるという・・・。
     
マ   ・・・作業も必要だとは思いますね。
     
▼△音楽が好きなんです。▼△
     
聞   デビューという形でいうと、1980年?
     
マ   1983年です。19年間やっているということなんですね。19年でアルバム10枚と言うのは、少ないのかもしれないですね。
     
聞   1年おきに出していた時期もありましたし・・・。
     
マ   あとは、3年ぐらいどこか行っちゃったりとか。なかなか帰ってこなくて、みんな忘れたりとか。そういう時もあったんですけども。
なんで、そうやって戻ってくるかなあというところですね。やっぱり音楽がホントに好きで、勿論いろんな人に影響受けて、海外のミュージシャンもそうですし。若いミュージシャンにもホントに刺激をもらって。とにかく常に歌っていたりとか、ギターを弾いてないとだめなんですね。ゴハンを食べていないみたいになっちゃうんですね。
     
聞   音楽そのものから離れることができない。
     
マ   まず、心配になってきちゃうんです。
二泊三日で温泉に行くとするでしょ。もう2日目ぐらいから、心配になってくるんですよ。こんなことをやっているうちに何かもっと東京では、横浜は、面白いやつが出てきているんじゃないか、なんて。それを聞かずに過ごしてしまうんじゃないかなって。
     
聞   こんなところにつかってる場合じゃない。
     
マ   そうそうそうそう。つかってても、何か落ち着かないんです(笑)。
     
聞   それは職業病・・・もう職業って感じじゃないですよね。
     
マ   ミュージシャンには余暇を使える人たちもいっぱいいますから。中にはゴルフやったりするやつもいますからね。
できないですもん! 私。そんな余裕ないですもん。
     
聞   それをやっている暇があったら、スタジオにこもってギターを弾いていたいみたいな。
     
マ   そうかもしれないですね。例えば、目の前に五千万円なんて金があったら、どうしようかなってみんないろいろと考えると思うんですけれども。
世界一周やろうかなって考える人もいるかもしれないですね。僕は、絶対にスタジオを作りたいですね。しかも、そのスタジオがモービルスタジオでね、移動式。トラックになってるやつ。それでツアーを回れば、レコーディングを新たにしなくても、1回1回のツアーのライブを録って、それをリリースできるという。
これは10年くらい前から、ずっと夢としてあるんですけれども。
     
聞   温泉に行くときも、モービルスタジオで。
     
マ   温泉だってライブできる、、、そんなわけはないんですが、、、
     
▼△音楽でやっていくことを決めたのは。▼△
     
マ   一番最初に音楽を志すときに、他にも選択肢があった人とない人。これはだいぶ違うと思うんですよ。ルックスがすごくよくて、別に歌を歌わなくても、モデルにもなれたし、役者にもなれたかもしれないという人は、それなりに悩むと思うんですけれども。
僕もそうですけれど、ホントに音楽をやっていないと他にやることがないというような立場の人間は、続けていくことがまず、いいんだ!と言う前に「続けていかなくちゃだめ!」なんですよ。
     
聞   息が止まる、脈が止まるような感じですね。
     
マ   そうそうそう(笑)。どんなことがあっても「でも、やるんだよ!!!」そんな感じなんですね。
     
聞   斎藤さんはメジャーデビューする前にも、楽器やっていましたし、唄っていましたけれども、やっぱりもうプロになるしかないんだと思っていらしたんですか。
     
マ   僕はたまたま二年先輩に、サザンオールスターズというグループが同じサークルにいて、彼らのデビューを応援していたんです。そういう中で脚光を浴びることやプロになることに関しては、漠然として憧れはあったんですけれども、自分はならないだろうなと、実は思ってたんですよ。アマチュアバンドずっとやっていましたけれども、大学4年の前半になったら、ネクタイをしめて、会社訪問でもするかという感じだったんですよ。実際ネクタイも買ったんです。
     
聞   買うまでいきましたか。
     
マ   ええ、買うまでいきました。それでどこかの会社訪問に行きました。行きましたけれども、途中で消化不良というか、こりゃ違うなって感じになりまして。それで桑田さんに相談しにいったんですよ。
そしたら桑田さんが「お前ナニ? そんなとこに行ってきたの」と。「お前が音楽やめるなんて10年早いよ」と明言をされてですね、シマッタ!と思いましてね。
     
聞   音楽をやめるのは、
     
マ   10年早い。
     
聞   10年やってから、自分の人生を考えなさいよっていうことですかね。
     
マ   (笑)それはわかんないけれども「お前にね、音楽以外できるわけないだろバカ!」って言われましてね。なるほどってね。
     
▼△アルバム制作に関して。▼△
     
聞   お会いする前に、もう一度斎藤誠ディスコグラフィでデビューアルバムを聴かせていただいて、今「名もない橋」聴かせていただいて、その前の9枚目の作品も聴かせていただきました。やはり何か全く変わらないきちんとしたものがあるなあというものを感じたりしたんですけれど、、、
     
マ   僕の場合はね、いろいろと四苦八苦しているはずなんですよ。それなりにしてるはずなんですけれども。出来上がった音楽という歌に関して言えば、出来上がりの感触というのが、変わらずに出来ているところが、自分なりに嬉しいなと思ってるんです。
     
聞   出来上がってみてからですね。
     
マ   そうです。僕の今度のアルバムは出来上がった後で、こんなに自分の車の中で聴いたアルバムはないですしね。気持ちいいんですよね。
     
聞   あるミュージシャンは、自分の作った作品をあまり聴きたくなくなる、というか聴き飽きたという気持ちになっちゃうヒトもいますね。さんざんレコーディングで何回も唄って、作り直して、いじって、、それで出来上がって店に並ぶ頃にはもう・・・なんかもういいや、みたいな感じです。
斎藤さんは、今おっしゃいましたけれど、自分の曲を大事に今でも車の中で聴けるというのは・・・。
     
マ   それは多分、レコーディングの時点で自分の中で完成形を作ってるからできるんですよね。妥協とかでなく。例えば95点ぐらいのものをちゃんと目指して作っているから。そこでもし何か不満が残ってたりとか、違ったな、と思いながらマスタリングしていたら、その後はあまり聴かなくなっちゃうと思うんです。
     
聞   なんかやましい気持ちって言うか。
     
マ   そうそうそう。「あれ? 俺はあんまりいいと思ってないのに、お客さん達は聴くんだな」って思ってしまうと、これはすぐ伝わっちゃうと思うし、そこまでちゃんと突き詰めてレコーディングをやらないと、答えとして面白いことにならない感じがしますね。
     
聞   今回は、3年8ヶ月ぶりの10枚目のアルバムということですよね。ちなみにどの位の制作期間はどのくらいでしょうか。
     
マ   制作に関しては相当かかっていますね。というのは、随分昔に作った曲が出てきたり、直前に作った曲もありますから。
ただ、スタジオに入ったのは延べ1ヶ月以内なんですよ。
     
聞   このI Surrenderという曲は、ちなみにどのくらいの制作期間でしょう。
     
マ   ものすごく短いですね。あっという間に出来ちゃいました。
僕の中の非常に優しい部分というか、まあロック好きでやってきまして。今、44歳ですけれども、そういう年になって、ちょっと落ち着いた感じというか、優しい感じというか。女の子のことが、未だに好きだよということを唄った唄なんですけれども・・・
     
▼△最後に。▼△
     
マ   今回ツアーの最終日というのが、東京の渋谷AXなんです。AXにしては珍しく全席指定なんですね。それで全席指定をやること自体が、デビュー当時以来なんですよね。18年ぶりくらいなんですよ。渋谷公会堂でやって以来です。
それがまた、インディーズではないかもしれないですけれど、当初の気持ちに戻って、唄が唄えるんじゃないかなという1つの挑戦にもなるし。こういうところを、是非みんなに見てもらいたいなと思うし。
     
聞   20年間ずっと斎藤さんの唄を聴いてきたファンの方もいらっしゃって、これを機会に初めて斎藤さんの音楽に触れる方は、是非とも長い年月の中での強さを感じてもらえたら嬉しいですね。
     
マ   ああ、でもステージの上は、すごいチャラチャラしてますよ(笑)。あまりオトナを予想しないで来て下さいね。何と言ってもロックですから、、、
     
聞   (笑)わかりました。今日は根掘り葉掘り伺って失礼いたしました。
またいいアーティストがいたら、厳選して。斎藤さんの顔色を伺いながら「こんな人いるんですけど・・」と持っていかせていただいたときには、ケレン味のないご意見をいただければと思います。
     
マ   わかりました!聞かせて下さい。

※※ この番組に出演された、誠さんは、とても丁寧に慎重にコトバを選び、お答えになっていたという印象です。
端々に感じていたことだけれども、音楽にとても真摯に向き合って生きていらっしゃる、という印象を強く強く持ちました。
これからも、そうやって正面から向き合って行かれることであろうことも、確信しました。 
(chiy♪記)