花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ネルソン・アトキンズ美術館(1)

2008-06-12 11:48:56 | 美術館
書店の店頭で手にした「BRUTUS Casa」7月号は日本の美術館・世界の美術館特集だった。

パラパラとめくってみたら懐かしの美術館が結構多く、なかでも意外だったのがカンサスシティの「ネルソン・アトキンズ美術館(The Nelson-Atkins Museum of Art)」が割りと大きく扱われていたこと。行った時は知らなかったが、どうやら新館設計者のスティーヴン・ホール(Steven Holl)は建築家として有名らしい(^^;



重厚な本館の隣接した新館はモダンで、展示作品も現代美術に特化されている。本館からは階段を下りた地下から繋がっていて、新館通路に臨むと明るい採光と白壁に驚いてしまった。スロープを多用した展示空間はちょっとばかりNYのグッゲンハイム美術館を想起させるものがあった。

しかしながら、私的には断然本館の方が好もしい(^^;;;



何しろカラヴァッジョのあの《荒野の洗礼者聖ヨハネ》があり、同じ部屋にはヘンドリック・テル・ブリュッヘン《洗礼者聖ヨハネの斬首》も展示されているのだ。

斬首と言えば..このネルソン・アトキンズ美術館の広い庭には現代彫刻がいくつか配置されているのだが、そのなかで一際考えさせる作品があった。ポーランド人彫刻家マッダレーナ・アバカノヴィッチ(Maddalena Abakanowicz)作《Standing Figures(Thirty Figures)》(1994-1998)だ。



Maddalena Abakanowicz《Standing Figures(Thirty Figures)》(1994-1998)

私には首の無い人々が無言で立つ様は戦争の悲惨さ・虚しさを告発しているかのように思えたのだった。


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2 コメント

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ベッリーニの展覧会 (Cojico)
2008-06-15 23:42:51
花耀亭さん

この美術館、ほんとにモダンですね。でも、ところどころにエンタシスっぽい要素も含まれていて、無機質な物体の中に、エレガントな有機的文化(自分で何を言っているのか解りませんが)をはめ込んでいる様で、なんとも不思議な感覚を受けます。

この中に、花耀亭さんのお好きなヨハネの絵があるのですね。忘れられない美術館でしょうね。
ところで、最後の写真の首のないたくさんの像、印象的です。花耀亭さんのおっしゃるとおり、戦争のむなしさ、悲惨さをひしひし感じます。

ところで、もう花耀亭さんはご存知かもしれませんが、ちょっと情報が入ったのでお知らせします。
ローマのScuderie del Quirinaleで、今年の9月30日から来年の1月11日まで、ジョヴァンニ・ベッリーニの展覧会が開催されるようです。
http://english.scuderiequirinale.it/

もし、花耀亭さんがイタリアへ行かれるのでしたら、この展覧会もいいのではと思い、お知らせしました。
私は、もう今年2回もフランスへ行ってしまったので、残念ながら行けそうにありません。こんな良い機会はないのに・・・
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Cojicoさん (花耀亭)
2008-06-17 01:01:27
こんばんは。おかえりなさいませ!
このネルソン・アトキンズ美術館はキンベルと同じように展示作品と建築の両方楽しめる美術館でしたよ~☆

で、Cojicoさん、ローマのジョヴァンニ・ベーッリーニ展の貴重な情報をありがとうございました!!いやはや、これはぜひ観なければいけませんね(笑)。もう、ワクワクしてきました♪
それにしても、Cojicoさんの連続フランスご旅行に並々ならぬ研究への情熱を感じておりました。やはり観たいものを観る...ですよね。Cojicoさん、ベッリーニ展の期間は長いようですからあきらめるのはチト早すぎるのではないでしょうか?(^_-)-☆
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